そういえば、今日は天皇、皇后両陛下とスペイン国王夫妻が、ご来学された。なんと常磐線(特別車両)でお越しになって、つくばエクスプレス(のボックス席つきの車両)でお帰りになったようだ。大学のお見送り場所からは、しっかりとお姿も拝見しました。ものすごい厳戒態勢で、ちょっと怖かったけど。
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North American Saxophone Alliance(以下NASA)から取り寄せた論文誌(一冊15ドル)のうち、2001年に発行されたもの。全部で6冊ほど購入してぱらぱらめっくて読んでいるのだが、今のところはこれが一番おもしろいぞ。
内容は、こんなところ:
特集:Tribute to Sigurd Manfred Raschèr
・Thomas Liley - Sigurd Raschèr: His Life and Legacy
・回想:Sigurd Raschèr(Ronald Caravan, Paul Cohen, Lawrence Gwozdz, Frederick L. Hemke, Eugene Rousseau, Donald J. Sinta各氏)
Saxophone History
・James R. Noyes - Lefebre's Last Band: From Gilmore to Sousa
・Stacy Maugans - The History of the Saxophone in St. Petersburg, Russia
Saxophone Performance
・Paul D. Greene - Kadri Gopalnath: Saxophone Chakravathy ("Emperor of the Saxophone") in the Concert Tradition of Indian Classical Music
Literature and Repertoire
・Andy Wen - The Music of Ryo Noda, PartIII: Pulse 72+- and Conclusions
Reviews
・いろいろ
シガード・ラッシャーがなくなった年に発行された論文誌で、ラッシャーに関する特集が組まれている。まず圧巻なのはバイオグラフィ。私が今年協会に寄稿した内容が鼻先で吹き飛ぶほどのもので、60近い参考文献をもとにした、ラッシャーの経歴の決定版と言えるような内容のものだ。著者のThomas Lileyは、NASAのライブラリアンチーフのような職を請け負っているとのことで、膨大な知識に裏付けられた渾身の書き下ろしバイオグラフィは、ラッシャーの辿ってきた道を知る上での貴重な資料となっている。
そして、豪華なメンバーがラッシャーについての回想記を寄せている。ラシェリアンの一人、Lawrence Gwozdzのリアルな描写が面白い。そして、師事経験がないヘムケ、ルソー、シンタ各氏が、ラッシャーの逝去に際してどういう言葉を寄せているのか、というのは、私でなくても気になるのでは…?(そんなことないか)
で、続く2つの記事は、サクソフォンの歴史に関わるもの。一つは、ギルモア・バンドとスーザ・バンドという、アメリカ器楽界の黎明期を担った吹奏楽団を、当時のサクソフォン界随一の名手、ルフェーブルを軸にして、それらの動向を追う。もう一つは、ロシアのサクソフォン界の歴史。ラッシャーの記事も面白いが、この論文もものすごく面白い!日本にはこれまで知られていない情報が、たっぷりと詰め込まれているようだ。現在精読中。これ、日本語に訳して、協会報に載せてほしいなあ。
Saxophone Performanceの領域では、インドのクラシック・サクソフォンに関する記述が!インドのサックスだなんて、ずいぶんと予想の斜め上を行く分野だ。ディスコグラフィも載っている…き、気になる。続いて分析の領域で取り上げられているのは、野田燎の「パルス72±」か。実は、他の論文誌には「即興曲I」の分析などもあり、野田燎氏の作品の分析が、シリーズ化されているのである。
と、こんな、"まにあくー"な内容。うーん、最近は日本のサクソフォーン協会の機関紙「サクソフォニスト」も面白くなってきていると思ったのだが、これを見る限りでは差は歴然という感じですな。まあそもそも国内では、サクソフォンに関するトピックを取り上げて論文を書くというような学術的アプローチは、一般的ではないからなあ(国内のサックス界における問題の一つとも、言われている)。
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