2023/03/31

南西ドイツ放送響のイベール「遍歴の騎士」

サクソフォンがオーケストラの中で大活躍するジャック・イベール「遍歴の騎士」。商用録音として流通しているものは、ジョルジュ・ツィピーヌ指揮フランス放送国立管弦楽団/合唱団による1955年のモノラル録音、そして、ジャック・メルシェ指揮ロレーヌ国立管弦楽団による2014年のステレオ録音、しか存在しなかった。前者は、間違いなく本作品の決定盤であり、その演奏の凄さについてはブログで取り上げたこともある(サクソフォンはマルセル・ミュール)。

最近知ったのだが、同作品の新たな商用録音が最近リリースされた。ハンス・ロスバウト指揮南西ドイツ放送交響楽団バーデン=バーデンの、1953年の録音である。ここ数年にわたり「SWR Music」「SWR Classic」として、所蔵音源の大量の復刻を実施している南西ドイツ放送のレーベル発の録音だ。「遍歴の騎士」はイベールの作品の中でも際立って優れた作品であると個人的に思っており、喜ばしいこと…のみならず、その演奏内容も素晴らしいのだ。

特に急速部においては、スパニッシュな響き、シンコペーションを多用したリズムのキレなど、通常のクラシック作品とは違うスピード感が求められる作品である。フランス国立管の、ツィピーヌのアグレッシブな音運びはそれを見事に体現しており、決定盤といえるものだが、ロレーヌ国立管の演奏には不満があった(遅いし、響きがボンヤリしている)。

この、南西ドイツ放送響の演奏は、さすがにフランス国立管ほどではないにしろ、そういった推進力を十分に携えた演奏であり、フランス国立管の演奏とともに、自信をもって他者に薦められる内容だ!


サクソフォンは誰だろうか。音からすると、フランスの流派とは違うようにも思えるし、ただ、ラッシャー派という感じでもない(この時期、すでにラッシャー氏はメインの活動拠点をアメリカに移していた)し、ブムケ氏にしてはさすがに時代が合わない。もしかしたらクラリネット奏者が持ち替えで吹いている、等かもしれない。

2023/03/26

杉原真人氏の論文を翻訳再開

1年に1チャプターずつ翻訳を実施し、日本サクソフォーン協会の機関誌に掲載している、杉原真人氏の論文「The History of the Saxophone in Japan」の翻訳を再開。昨年、チャプター1「19世紀後半の日本における西洋音楽」を翻訳して掲載した。

今年はチャプター2「公的機関におけるサクソフォン」。海軍バンド、陸軍バンド、宮内省式部寮雅楽課のそれぞれにおける西洋式バンドのサクソフォン採用についての詳細がおよそ40ページにわたって述べられている。なかなか面白い内容だが、人名(漢字)の調査等はなかなか大変そうだ。


    

2023/03/22

速報:次回コングレスはスペインのグラン・カナリア島

非公式情報だが、日本が開催を断念した第19回世界サクソフォンコングレスの代替開催地が、ラス・パルマス・デ・グラン・カナリア(スペイン:グラン・カナリア島のラス・パルマス市)に決まったそうだ。グラン・カナリア島では、グラン・カナリア・サックス・フェスティバルという国際的なイベントが定常的に開催されており、その主催元を受け皿にしたのでは、と推測。

3/23追記:International Saxophone Committeeにも同様の記載があったため、公式情報として捉えて差し支えないだろう。

https://www.saxophonecommittee.com/

2023年12月6~10日とのことだが、今のところ公式サイト等もオープンしていないようで、今後かなり急ピッチで開催に向けての準備が進むと思われる。

ちなみに、グラン・カナリア島を含むカナリア諸島はスペイン本土からだいぶ離れた場所にある、モロッコ~西サハラの西に位置する島々だ。

木下直人さんより(リヴィエ、ドビュッシー、ブートリー)

木下直人さんに、ダニエル・デファイエ氏と、ジョルジュ・グールデ氏の復刻録音をいくつかお送りいただいた。フランス国立放送局が出版した「Masterworks from France」というシリーズに含まれる録音。「Masterworks from France」は、フランス国立放送局のアーカイヴ的なシリーズで、O.R.T.F.その他の演奏者フィーチャーした録音を、LPとして販売したものである。

デファイエ氏の演奏は、リヴィエ「コンチェルティーノ」とドビュッシー「ラプソディ」インターネット上でも参照できる録音ではある。演奏のすばらしさは言うまでもないが、圧縮音源と比較し、やはりLPからの復刻は音質が圧倒的に良い。ありがとうございます。

リヴィエ「コンチェルティーノ」:https://kurisaxo.blogspot.com/2022/11/blog-post_19.html

ドビュッシー「ラプソディ」:https://kurisaxo.blogspot.com/2015/01/blog-post_11.html

グールデ氏演奏の「ディヴェルティメント」も珍しい。昔、島根県のF様にお送りいただいて以来、すっかり存在を忘れていた録音だった。演奏内容としては、デファイエ氏の伝説的なブートリーの演奏(Crest)に比べるとかなり苦しいが(そもそも、シンコペーションが多用された第1楽章を、オーケストラと演奏することの難しさ…)、ともあれ非常に貴重な録音である。

おなじみのジャケット(今回頂戴したものとは無関係のProgram No.701)。


2023/03/19

クリステル・ヨンソン演奏のラーション、ライヴ録音

ラーシュ=エリク・ラーションの「サクソフォン協奏曲」の中で、フラジオ音域へアプローチしないという点を除いて最も完成度の高い録音は、スウェーデンのクリステル・ヨンソン Christer Johnsson氏の演奏だと思っている。

ヨンソン氏のサクソフォンの、隅々まで音楽的で、絶妙にヴィブラートを抑制した演奏がとにかく美しい(フラジオ音域へアプローチしてほしい…)。レイフ・セーゲルスタム指揮スウェーデン放送交響楽団のバックアップも、非常に質が高い。(ネオ古典的なシンプルなオーケストラパートだけに、音程が散らかるとすぐ違和感が出てくる難しさがあるが、この録音はそういったことが一切ない、どころか、サクソフォンとともに前進する積極性も持ち合わせている。


その、同じ布陣によるライヴ録音である。やや音質が悪いが、上記の通りこの布陣による演奏の美しさという点から、貴重なものである。リンク先には指揮者情報として"Nilson"と記載があるが、冒頭、レイフ・セーゲルスタムの指揮である旨、アナウンスがある。CD化されているものと演奏内容にほとんど違いが聴き取れないが、第3楽章最終部のフラジオ音域へのアプローチ有無(CDはフラジオ音域に上るが、ライヴ録音はオクターヴ下げている)、さらに拍手と会場ノイズ等から、やはり別ソースかと思われる。

https://archive.org/details/cd_swedish-composers-vol-44_lennart-hedwall-emil-sjogren-sigurd-von-ko

2023/03/13

新たな世代にまつわる二題

先日のフェスティバルで高校生の衝撃的な演奏(演奏そのものというより、考え方の根底)を聴いてから、2つ気になっていることがある。

1つ目は、どのようなプラットフォームでのどのようなやり取りが、土壌になっているのか、ということ。17LIVEやtiktokやYouTube Shortやツイキャスなど、私自身は存在は知ってはいるがまだ飛び込んだことのない超双方向型・インスタント型の動画&SNSプラットフォームから出現したものなのだろうか。観測のために飛び込んでみるつもりは…今のところそのような(公私にわたる)余裕は持ち合わせていない。

2つ目は、そういった新世代型の演奏者に適した、誰もが取り組むレパートリーはまだ無さそうだな、ということ。フェスで演奏されていた真島俊夫編の「マイ・フェイヴァリット・シングス」なんて、今では誰もが演奏しているけど、30年近く前のレパートリーだ。新たなレパートリーはどのように形作られていくのか、これはもう少し経って今の世代が作編曲で活躍し始めると、違った動きが見えてくるのかもしれない。実はもう、若い世代に流行っているプラットフォーム上にはそういった種が落ちているのかもしれないが…。

何だか随分と上の世代みたいなコメントになってしまったが、実際そうなのかも。インターネットやSNSが流行り始めた頃に、親に話をすると「付いていけない」と笑いながら言われたものだが、こういう気持ちだったのかもしれない。操作方法等、テクニカルな部分ではなく、自分がそれを受け入れる余裕の有無の部分のことだったのだろう。

2023/03/09

第39回サクソフォーンフェスティバル二日目

・音楽大学・専門学校によるラージ
極めて漠然とした個人的な考えであるか、既存の、想像の内にある「サクソフォンのラージアンサンブル」「サクソフォンオーケストラ」の枠組みを逸脱しようとするor逸脱した演奏やレパートリーが、重要なのかなと考える。展示準備等で聴けない演奏もあったのだが、東京藝術大学、東京音楽大学、昭和音楽大学は、そういう試みを感じられ、大変聴き応えがあった。長生淳「地球」は良いですよね、掛け値なしに心動かされる。本堂さんの指揮もとても良かった(響きや目指すところのイメージが、どんなジャンルにおいても明確なのだろう)。

・松浦真沙 新作エチュード
40曲に及ぶ新作エチュードのプレゼンテーション。東京藝術大学や、パリ国立高等音楽院の入試に含まれる、「初見試験」のために制作を開始し、試行錯誤しながら完成させたという。広い形式で書かれ、初見を主目的としつつも、初見用として使い終わったあとはさらにデュエットにも使える内容。「初見」の重要性についての有村さんの考え、エチュードの使い方や心構えについての松浦さんのプレゼン、また、実際にその場で新エチュードを40秒読んで、生徒役の奏者にデモンストレーションしてもらう(見事に吹き切っていた)など、とても面白いレクチャーだった。

・村田淳一&由井平太
コンポーザー・プレイヤーで、かっこいい作品を発表しまくっている村田さんの自作を含むデュオコンサート。お二人とも長野県出身であり、私も同郷。屋外の寒い中、Socolaを訪れた一般向けのアコースティックライヴだったが、反応も良くて(さすが村田さんだ)なかなか盛り上がっていた。最後は思いっきりジャズセッティングで「枯葉」、ふたりともアドリブ効かせまくりで、引き出しの多さには恐れ入る。

・五十嵐健太と東京SOのグラズノフ
とにかくフレーズの持続性が、サクソフォンと思えないような驚異の演奏。バックのオーケストラも抑制された響きで、万全のアンサンブルであった。ウクライナで学び、KievSQにも参加、現在東京音楽大学の学生とのこと。もはや学ぶことなど何も無いのではと思ってしまうほどだが、ここからどのように進化していくのかが楽しみだ。

・プレミアムコンサート
Circle A Saxは、新井さん門下の集まり。単なる同門としての、音色・発音の均一性だとか、音楽性の一致とか、そういう繋がりではなく、もっと深淵な場所…精神的な拠り所を一様にする、という、極めて内面的な統一性を感じる。「フロッシュゲザング」は、ものすごく感動的で美しい。アプローチとしては斬新だがなにか元ネタがあるのかな。ViveSQもとても良かった。活動の目的が明確であり、それを余裕でやってのけるアンサンブル力が伴っており、とても長く活動を続けている…室内楽団としての理想だ。シュバルツの「ラウンドアバウト」は、カール・ジェンキンスの「ボロッコNo.1」に似ていて面白かった。次の定期演奏会ではゴールドシュタインの「ブロウ!」をやるそうだ!

・電子オルガンとサクソフォン
演奏者は竹田歌穂さん、角口圭都さん、大城正司さんと、もう素晴らしくて当たり前なので、作品や電子オルガンのあたりのコメントを。べダールのオルガンとサクソフォンの作品は、とても聴き応えがある内容で、最初のバロック的な音運びから、最後はまるで「ファンテジー」のエコーが聴こえるようなところまで…面白かった。編成の難しさを除けば人気が出そうだ。
トマジの電子オルガンは凄かった。オーケストラを意識したアレンジだったのだが、数百種の中から音色を選び、曲の中で場面ごとにプリセットを切り替える(エクスプレッションペダルの右にあるスイッチで次のプリセットへ進める)というやり方とのこと。そのプリセット数がいったい何百あるのかわからないほどで、準備も恐ろしく大変だと思うのだが、ある箇所では一小節に2回変えたりと、とにかくオルガンのアレンジ兼演奏兼オペレーションに見入って(聴き入って)しまった。
旭井さんの作品は、作曲家の個性とエンターテインメント性が融合した名作であり、未完とのことだが完成が楽しみだ。ハモンドオルガン的な音色との重ね合わせによって、ブラックミュージックに影響を受けたという第1楽章の狙いがより如実に現われていた。

・室内オーケストラとサクソフォン
田中氏、斎藤氏の演奏は、展示片付けで聴けず‥残念。なんとか本堂氏の演奏を聴くことができたのは幸いだった。一度聴いただけでは捉えきれない、難解な作品ではあったが、目指す音楽が極めてクリアであり(指揮の板倉康明氏の手腕によるところも大きいだろう)、それを実現する技術と音楽性が圧倒的であり、徹頭徹尾実に見通しがよく、澄み渡るような聴後感を得られた。ソロを吹く本堂氏は、あまりの存在感に、2倍くらいの大きさに見えたのだった。

全体を通してとても良い雰囲気と盛り上がりで、通して参加し、また展示も担当できてとても楽しかった。関係者の皆様、お疲れ様でした&ありがとうございました。

2023/03/05

第39回ジャパンサクソフォーンフェスティバル一日目

一日目を終えて、とても良い盛り上がり。実行委員長の小山さんはじめとする運営の手腕によるところも大きいのだろう。都心からのアクセス・駅からのアクセスも良く、ホールも丁度よいサイズ。

・愛好家ステージ

ロッソさんさすがだなあとか(東京のアンサンブルでもかなり老舗の部類になってきた、とのMCあり)、響雅音の同門ならではのUnifiedなサウンドとか、國末さんのウェニアンから、「國末さんの美学」を感じ取れたり、とても楽しく聴いた。中でも衝撃的かつ一番面白かったのは、「ふぉれらの音楽を届け隊」という、全員高校生&関東/関西混成&クラシック/ジャズ混成の四重奏団。少し昔を振り返ると、我々アラフォー世代の、例えばインターネットやSNSを活用した情報収集・発信して演奏活動を推進し、演奏レベルを高めていく、というスタイルは、一つ上の世代から見ると「異化」との評を得たこともあった。しかし、今回この演奏やMCを聴いて、20代周辺の方々は、確実に違う次元に移行しているのだなと感じた。思考の方向性に驚かされる…バッハ「イタリア協奏曲」第1楽章と、真島俊夫編の「My Favorite Things」をトータル2時間の合わせで持ってきてしまったという、そもそもそんな考え方、我々の世代は思いつきもしない。それでもそれなりに見事に演奏してしまうのだ。TikTokとかYouTube Shortとか17Liveとか、超双方向型/インスタント型のSNSが生み出した潮流なのだろうか。

・サキソフォックスのコンコンコンサート

サキソフォックスは初めて聴いた・観たのだが、とにかく楽しく、久々に大笑いした。思い返してみるとベタなのだが、そういったネタを見事に構成して、客席を盛り上げる手腕は見事というほかない。とにかくその場の雰囲気や、MCも含めた演出、もちろん演奏も超見事で、実に楽しい時間を過ごしたのだった。サクソフォンの名曲をコラージュした高橋宏樹氏の「サキソフェスタ」は、目まぐるしく登場するサクソフォンの名曲が楽しく、人気が出そう。こうして聴くとシュミット「四重奏曲」のフーガ主題の4音って、存在感あるなあ。

・宮崎真一のサクソフォン博物館

宮崎真一さんのヴィンテージ~最新サクソフォンコレクション10本(それでも所持在庫の1/10以下とのことで場内爆笑)を出動させ、サクソフォンの楽器進化を6期に分けて解説。宮崎さんのヴィンテージ楽器の解説は、YouTubeやPipers誌上にて参照することができるが、このように全体を網羅・体系的に説明を聴ける機会は大変貴重で、わかりやすく、とても理解が深まったのだった。手元のピクトグラムで細かい写真を見られるのも良かった。ConnのC-Melodyの蠱惑的な音色や、セルマーのバランスアクションが登場するまでの工夫が凝らされたギミック(バランスアクションてすごい進化だったのだ)、プレスティージュのシルクのような音色、どれも魅力的だ。

・ヤコブTVショー2

大石将紀さんプレゼンツのJacobTV作品個展。Heavenスタイル/Earthスタイルの作品を交互に並べ、最後Heavenスタイルで終えるところに大石さんのこだわりを感じる。演奏はどれも良かったが、YouTubeに「The Garden of Love」映像をアップしている清水氏の演奏は、この極めて難しい作品にあって、世界トップクラスのライヴ演奏だろう。佐藤さん、加藤さんの「TATATATATA」の、後半にかけての、"窯変"という言葉を思い起こすようなカタルシスは引き込まれた。「Jesus is Coming」のアグレッシブな演奏も良かったが、ややテープバランスが控えめだったような。また、大石さんはほとんどのHeavenスタイルの作品に取り組んでいたが、しなやかな音色が見事に作品やテープとからみ合い、聴いたことのないようなサウンドを生み出していた。

・日本のサクソフォン史:ポスターと映像の常設展示

今回、実行委員長の小山さんからお声がけいただき、制作を担当した。意外にも?常時誰かしらが足を止めてくれ、多くの方の目に触れてとても嬉しかった。ちなみに、一番人気だったと思われるのは、師弟関係の系統図試作版。

会場の小金井宮地楽器ホール。駅前の建物が等しくこのようなモダンなガラス張りデザインに統一されている。


2023/03/02

「日本のサクソフォン史」展示@フェスティバル

前記事の告知通り、第39回ジャパンサクソフォーンフェスティバルにおいて「日本のサクソフォン史~現代に至る日本サクソフォン界の系譜と、日本に影響を与えた世界の奏者」というタイトルで、A0サイズポスター展示(16枚)ならびに映像展示を行う。

フェスティバル来られる方々、よろしければスキマ時間にお立ち寄りください。私自身はブースにはあまりいないと思いますが。

以下、ポスター展示の概要。石渡先生、冨岡先生、宗貞先生、小串先生、雲井先生、今廣志様に資料をお借りすることができた。

・阪口新と大室勇一
・第9回世界サクソフォンコングレス(川崎/横浜)の舞台裏
・アカデミアSQ ~日本初のプロ・カルテット~
・アカデミアに続くカルテット ~キャトルロゾー、東京SE、ファインアーツSQ~
・アメリカの風 ~ヘムケ、シンタ、ホーリック来日~
・現代サクソフォン演奏スタイルへの潮流
・国内クラシックサクソフォンの系譜 試作版


以下は、映像展示の全リスト。様々な方にご協力いただき、著作隣接権をクリアすることができた。