2008/11/28

デザンクロ「四重奏曲」の名盤(その1)

アルフレッド・デザンクロ Alfred Desenclosが作曲した「サクソフォン四重奏曲 Quatuor pour saxophones」。いくら語っても語りつくせず、いくら取り組んでも深遠な、途方もない作品である。私も今までに3度取り組み、その一回一回が自分のサクソフォン人生の中で大きな部分を占めているが、おそらくそう思う方は私だけではないだろう。それだけの作品だということだ。

世の中はアンコンシーズンということで、何回かに渡って、そのデザンクロ「四重奏曲」の名録音(音源、とは決して言わないぞっ)について、手元で参照できるものについて改めて聴きなおし、思うところを書いていく。基本的にプロの録音しか持ってないので、アンコンのライヴ録音は除外。追記:ひとつの記事につき、二枚紹介していく予定。

ちなみに連載の最後は、もちろんあの最高の録音を紹介して終わりにしたいと思ってます。

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New Art Saxophone Quartet - Primavera (Ars Musici AMP 5090-2)

ドイツの団体であるNew Art Saxophone Quartetは、サクソフォンの発展が遅かったドイツにおいて注目すべきグループである。ラッシャー派からは離れて、比較的インターナショナライズされた音色・解釈・テクニックを目指していることがわかる。メンバーのほとんどが、フレンチ・スタイルのサクソフォン奏者にマスタークラス等で師事した経験があることと、関係がなくはないだろう。

技術的な完成度が高く、すっきりと良くまとまった演奏。おそらくデザンクロ自身が意識した、1970年代フランスのサクソフォンの響き、というものからは離れた演奏だろうが、これはこれでありなのかな。こんなにあっさりとした第1楽章は不思議な感じがする。しかし例えば第3楽章のロンドの主題は、大変にリズミックで、こうでなくては!と思わせるもの。この作品における"要素の対比"の重要性を認識させられる。

あと、全体を見通したときの構成感が良いですね。テンポ設定、ダイナミクス等に、それが現れていると思う。ともすれば一部分に注力しすぎな我々アマチュアにとっては、とても良いお手本となりえるだろう。amazonへのリンク


Harmo Saxophone Quartet - The Days of Quartet Part II (Meister Music ON-3008)

私より何年か上の世代の方々にとっては、お馴染みの盤ではないだろうか。国内サクソフォン界の1990年代を支えたアルモ四重奏団のセカンドアルバムである。例えば第1楽章など、かなりソプラノの中村均一氏の発音、美しい音色などが耳につくが、よく耳を澄まして聴いてみるとそれを裏で支えるアルト・テナー・バリトンの三人の、豊かな音楽性も際立ってくる。

何気ない一つ一つのフレーズが、きちんと調和の取れた音楽として聴こえてくるようだ。あまりにすごくて普通に聴こえてしまうくらい。第3楽章も、隅々まで抑制をきかせて安定性を前面に押し出してはいるけれど、実は裏ではもの凄いことやってんじゃないのか、これは。この音色・歌い方は、真似できません。amazonへのリンク

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