先日モアレに乗るために福島のほうに演奏に行ったとき、そんな話になった。サクソフォンの世界の教本て、特に最近書かれたものに関して、本当の初心者が使えるような教本がないのではないかと。まさか一番最初からラクールなど演奏できるわけないし、須川展也氏の「うまくなろう!サクソフォーン」も、もともとバンドジャーナル誌上にて連載されていたものであるせいか、やや分量的に不足しているような気もする。
その点、大室勇一氏がラリー・ティールの「サクソフォーンの演奏技法」に着眼し、日本語に訳したのは、まことに素晴らしい考えなのであったと思う。というか、やはり大室氏も、それまでに日本語のきちんとした教本がないことを危惧し、翻訳に取り掛かったのではないだろうか。サクソフォンの演奏を、ここまでアトミックな要素に立ち返って分析・指導している本も、他にはないと思う。
もちろん、その「サクソフォーンの演奏技法」も素晴らしい本であるが、ぼちぼち新しい本が出ても良いのではないかと思っているのだ。原著が出版されたのは、なんと1963年だ!それから現在までの間に、楽器やマウスピースの改良、レパートリーの拡大など、サクソフォンを取り巻く状況は(少しではあるが)変わっている。今一度、サクソフォン初学者のためのメソードを見直し、一冊の本としてまとめなおす時期が来ているのではないか。
っていうわけで、誰かやってくれませんかね(笑)。
2 件のコメント:
私も独学でサクソフォンを吹き始めた頃、初心者向けの教本が少なくて困りました。で、やっぱり大室先生の翻訳を使ってたわけです。フランスあたりでは初心者向けにどういう教育を行なっているのか興味があります。
> mckenさん
独学で始めようとなると、やはりあの本が一番適しているということなのでしょうねえ。フルートですと、トレバー・ワイの教本がそのような役割を担っているということになりますかね?
フランスは、奏法に関しては小さい頃からコンセルヴァトワールで学んでいく、という話をどこかで聞いたことがあります。フランス産の初学者向けメソード(本になっているもの)って、そういえば思いつかないような。教える人がきちんといる、ということなのでしょうか。
フランスに限らず、アメリカ、イギリス、ドイツ、北欧などの、他国のサクソフォンの教育システムは、けっこう気になるところです。
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