2010/03/31

Gavin Bryars - Alaric I or II

有名なサクソフォン四重奏曲のひとつである、ギャビン・ブライヤーズの「アラリック I or II」について、作曲者自身の曲目解説を日本語訳してみた。意外と面白い経緯で作曲されているのだなあ…きちんと調べることは重要ですね。

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このサクソフォン四重奏曲は、2本のソプラノサクソフォンと、アルトサクソフォン、バリトンサクソフォンのために書かれている。一般的なSATBの編成を想起させるが、だが、楽器編成と音域という点では、むしろ弦楽四重奏に近い。

私は、コンサートホールにおける楽器としてのサクソフォンに、様々な機会で注目してきた。また、もちろんジャズの楽器としてのサクソフォンにも…(1960年代から、私はジャズ・ミュージシャンとして活動している)。

実際に、私の初めてのオペラ作品である「Medea I」のオーケストラの中には、2人のサクソフォン奏者(ソプラノ&アルト持ち替え、アルト&テナー持ち替え)が座っている。このオーケストラの中で、サクソフォンは時にオーボエの代替楽器として使用され、また時に合唱パートの増強として使用される。また、1980年代の始めに、この「Medea I」のパラフレーズ曲である「Allegrasco」を、ソプラノサクソフォンとピアノのために書いた。また私は、パーシー・グレインジャーの管弦楽法、そしてサクソフォンに対する考え(際立って啓発的である)に、興味を持って接している。彼は、サクソフォンのために古楽のトランスクリプションやアレンジを数多く手がけたが、サクソフォンの音色、特にサクソフォンアンサンブルの音色の中に、古楽器と同等の響きを発見しているのだ。

「Alaric I or II」は、1989年の夏に書かれた。この作曲期間中、私は楽器や録音・再生機材などに触れることがなかったため、この作品に反映された音楽素材は、純粋に当時私の頭の中にあった記憶のみからアウトプットされたものである。音楽素材として、私の2つ目のオペラ「Doctor Ox's Experiment(当時はまだスケッチ段階であった)」や、アルゼンチンのバンドネオン奏者であるDino Saluzziの音楽などが、含まれている。また、サクソフォンの拡張奏法として、循環呼吸、重音、アルティシモ音域を含めた。この作品は、技術的に非常に高難易度であり、おもしろいことに、最低音域を受け持つバリトンサックスのパートが最も難しい。アルティシモ音域のパッセージが多く割り当てられているし、曲の最終部には、ピブロック風のバグパイプのような、哀歌とも言うべきソロが置かれている。この作品は、抒情詩のようであり、声で歌われるような特徴も持っている。これは、グレインジャーのサクソフォンファミリー(SATB)に対する捉え方を、そのまま人間の声に当てはめたようなものである。

タイトルは、フランス南西部にあるAlaricという山の名前から採られている。私は、この曲を作曲した夏を、その山のふもとにあるシャトーで過ごした。おそらくだれも知らないだろうが…(以下略。最後の文が、どうも翻訳できませんでした:No one seemed to know which of the two "King Alarics" the name referred to.)

5 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

私も、この最後の文章が理解できないんですよ。Wikipediaでアラリック1世の項目を見たりしたんですが。。英文科卒の方とか、誰か訳していただけないでしょうかね。

DONAX さんのコメント...
このコメントは投稿者によって削除されました。
DONAX さんのコメント...

地元の旅館に泊ったんだけど、山の名前がアラリック1世と2世のどちらを指すものか誰も知らないようでした(地元の旅館なのにナニソレ)。

※・・ということでAlaric I or IIというタイトルになちゃいました~。オチ

見たいな感じでは?間違ってたらごめんなさい。

山野 さんのコメント...

先日はご来店ありがとうございました!!
しかも早速のミニマルネタをありがとうございます(笑)感激です!!
最後の文...背景(全文)を知らなかったのと翻訳能力がない為(笑)意味がチンプンカンプンです。。。
色々調べていたらバラネスクカルテットのブライヤーズ作品集が出てることを知ったのですがkuriさんお持ちだったりされますか??

kuri さんのコメント...

> 匿名さま

初めまして。コメントありがとうございます。DONAXさんの仰る通り、「I or II」がミソなのかもしれません。

> DONAXさん
なるほど!!言われて読んでみると確かにそうかもしれません!ありがとうございます!

> 山野さん
名前いいですね(笑)そうきましたか。最後の一文は、DONAXさんが指摘してくださった通りかもしれません。
バラネスクは「タイタニック号」のCDでしょうか。私は持っていませんが、気になります。タワレコレーベルなので、買っても安そうですね。