この作品のうち、第7曲は声とサクソフォンのための作品である。なぜこの奇っ怪な作品のなかに、突如としてサクソフォンが使われたのかが解せなかったのだが、聴いてみて納得。民族的な歌とも叫びともとれないような平山美智子氏の声にマッチするのは、サクソフォンという楽器をおいて他にない。
聴いているアルバムは、Wergoレーベルから出ているディスク「Scelsi: Canti Del Capricorno」。冒頭から強烈な印象を残したまま、最後までテンションは維持される。このとき平山美智子氏、82歳。対するサクソフォニストは、ジョン・ケージ作品集等でも有名な、あのUlrich Kriegerである。2人のテンションのぶつかり合いは、まさに互角といったところか。たった2分半ほどの中に、これだけのものを詰め込めるんだなあ、と、唖然。
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