2010/03/15

Tangled Loops

以前伺ったノースショア・サクソフォン・トリオの演奏会でゲットしたCD。サクソフォンのネイサン・ナブ Nathan Nabb氏と、ピアノのウィンストン・チョイ Winston Choiのアルバムで、無伴奏とデュオを取り上げたもの。ライブで聴いた時も素晴らしかったが、CDのほうも良い演奏なので、ご紹介したいと思う。無伴奏作品が多く取り上げられているが、そういえばコンサートで聴いたクリスチャン・ロバも物凄かった。

Tangled Loops(Amp Recordings AMPREC12)
Jason Eckardt - Tangled Loops
Luciano Berio - Seuqunza IXb
Philippe Hurel - Opcit
Luciano Berio - Sequenza VIIb
Milton Babbitt - Whirled Series

最初と最後がピアノとのデュオ、真ん中の三曲が無伴奏作品である。作品についてだが、まず無伴奏はどれもが言わずと知れた名曲。ユーレルの作品だけがちょっとマイナーかもしれないが、テナーサクソフォン・ソロのために書かれた作品である。ドゥラングル教授に捧げられている。

Jason Eckardt「Tangled Loops」とMilton Babbitt「Whirled Series」は、名前を聞いたことすらなかったが、どちらも超高難易度、特にアルバムタイトルにもなっている「Tangled Loops」は、名曲!最初から最後まで緩むことのないスリリングな空気が、個人的にとても好きだ。

ソプラノサクソフォンとピアノのデュオ「Tangled Loops」から、superbな演奏が繰り広げられる。作曲家も、よもやここまでの演奏は想定していなかったのではないか、というくらいの見事なものだ。次々に襲いかかる跳躍を、真正面から受け止めて音に変換していってしまうのだ。無伴奏の作品は、録音のせいだろうか、とても生々しく迫ってくる。技術的な不安はまったく感じることなく、その生々しさがそのまま聴き手の中に飛び込んでくる。肉感的というか、あまり聴いたことのないタイプの演奏かもしれない。

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