わー!届いたー!おなじみ、ダッパーサクセーバーズさんのライヴCD。当選の通知を頂戴してからずっと心待ちにしていたもので、ようやく聴くことができて嬉しい限り。
ダッパーサクセーバーズさんについては今更説明するまでもないが、香川県を代表するサクソフォンアンサンブル団体。日本国内を見渡しても、もっとも初期からサクソフォンアンサンブルの定期演奏会に取り組んでいる団体の一つである。ブログ「ダッパーサクセーバーズな毎日」は、日に500 visits以上を誇る、サクソフォン界の著名サイト。そのうち演奏会も聴きに行きたいなあと思いつつ、なかなか予定が合わず、悔しい思いをしている。
本盤は、そのダッパーサクセーバーズさんの、2009年10月11日に行われたアンサンブルコンサートの模様を収録したCDである。前半が小編成、後半は、総勢40名のサクソフォニストによる、サクソフォンオーケストラの演奏となっている。
Traditional/高橋宏樹 - こぎつね
中尾敦 - あした会えるあなたに
本多俊之 - 陽だまり
A.ピアソラ - Chin-Chin
野口茜/内山大輔 - Gun's & Roses
P.ランティエ - アンダンテとスケルツェット
C.コリア/本多俊之 - スペイン
P.I.チャイコフスキー/柏原卓之 - 弦楽セレナーデ
J.バーンズ/高橋幸子 - アルヴァマー序曲
M.ジャクソン&L.リッチー/横田直之 - We Are The World
K.バデルト/直井富士春 - パイレーツ・オブ・カリビアン
J.シュトラウスII世/直井富士春 - 喜歌劇"こうもり"序曲
~アンコール~
H.ショア - すべてをあなたに
E.モリコーネ - ガブリエルズ・オーボエ
小編成の作品は、個人的にツボな曲目が多い!サキソフォックスでおなじみの高橋宏樹氏編曲の「こぎつね」に始まり、GGさんのバリトン5重奏、本多俊之とトルヴェールQによる「High Five」からテクニカルな2曲「陽だまり」「スペイン」。バッカーノ!のオープニングである「Gun's & Roses」と、ピアソラの「Chin-Chin(乾杯!)」さらには、クラシックでおなじみのランティエに、チャイコフスキーの名曲…。
これだけ多様なスタイルの作品が続くのは、プログラムを目にした瞬間ちょっと驚いたが、聴いてみるととても楽しいのだ!不思議なことにプログラムに一貫性がないなんてことは微塵も感じない。それぞれの曲・演奏が、それぞれの聴き所を持っていて、どの演奏にもキラリと光る瞬間があって…演奏レベルの高さにも驚いた。そういえば、5重奏という編成が多く取り上げられているのだが、4重奏と違った重厚なサウンドが素敵だ。「Gun's & Roses」、これはオリジナルのアレンジなのかな?かっこいいなあ。
そして、やはり聴きものは、後半のサックスオーケストラ!とにかくものすごい演奏だ。いくら指揮者がいるとはいえ、40人いるというのが信じられないほどの精緻な演奏。サックスがたくさん集まるときって、一歩間違うととんでもないサウンドになってしまうのだが、この一体感は、今まで他のどんなサックスオーケストラでも聴けなかったものだ。
吹奏楽ファンにおなじみのアルヴァマー、参加メンバーのみなさんが共感しながら吹いているのが判る。ソロをつないでいく「We Are The World」は原曲に負けないほどにこの上なく感動的であるし、おそらくこのCD中の白眉「パイレーツ・オブ・カリビアン」は、ドラマティックかつ大迫力!この曲、私も吹奏楽か何かで吹いたことがあるが、メロディ・リズム・和音が不思議と"腑に落ちる"んですよね。曲と演奏の幸福な出会いを感じる。最後のシュトラウスも、お洒落で良いなあ(最後にあまりメインの重さを持たない曲が配置されているのは、意外にもプログラミングの妙かも?)。
それにしても、アンコールの「すべてをあなたに」のサックスソロにはびっくりした。指揮の古庄孝行氏がソロを吹いているそうなのだが、上手いのなんのって(国立音楽大学で大室勇一氏に師事していたそうだ)。すべてを飲み込んでしまいそうな、"音"そのものが持つ圧倒的な存在感に震えた。
0 件のコメント:
コメントを投稿