佐藤淳一氏から教えてもらったフレデリック・ジェフスキーという作曲家について、少し書いておきたい。アメリカ合衆国の作曲家・ピアニストで、最も特徴的なのが、音楽によって社会参加(政治参加)するということ。日本人で言えば、例えば黛敏郎とか、さらに推し進めて高橋悠治あたりを想像してもらえれば、その姿勢が判るだろう。個人的に、なんとなく音楽家ってノンポリ派が多いような気がしているのだが、そういった向きからすると、やや異色な位置を保っているのだと思う。
代表作に、ピアノ独奏のための「"不屈の民"変奏曲」、ミニマル・ミュージックの傑作「パニュルジュの羊」、テープと器楽のための「カミング・トゥギャザー」といったものが挙げられるだろう。その他、「政治闘争歌 "El pueblo unido jamas sera vencido"による36の変奏曲」、「石油価格」、「ウィンズボロ綿工場のブルース」など…彼の作品は、曲のタイトルからして、政治に一石を投じようとする意志が垣間見える。
曲の内容としてもかなり過激なもので、例えば「カミング・トゥギャザー」などは、アッティカ刑務所暴動事件当時の、服役囚からの手紙のテキストに対して音楽をつけたというもの。表面上はJacobTV「Grab It!」などに通じるものもあるが、根底に流れているものは明らかな政治批判、人種差別批判といったものである。
高橋悠治と同じく(というか、むしろ高橋悠治がジェフスキーと同じくと言うべきなのかもしれないが)、すべての楽譜が無料で公開されている。サクソフォンを含む作品もいくつか散見され、さらに驚くことに「Histories」というサクソフォン四重奏曲もあるようだ。これは音を出してみたいな…。Werner Icking Music Archive: Frederic Rzewski
ピアニストとしても有名で、シュトックハウゼンの「クラヴィエールシュトゥックX」を初演したのが、なんとジェフスキーなんだとか。驚いた。
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