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2025/05/05

黛敏郎「スフェノグラム」と、そのライヴ録音

2日連続で黛敏郎氏のこと。

アルト・サクソフォンを含む「スフェノグラム」は、5つの曲からなる室内アンサンブルのための作品。1951年フランクフルトにて開かれた第25回国際現代音楽祭(ISCM)に入選、「Toshiro Mayuzumi」の名が世界に広まってゆくきっかけとなった。第1楽章「序奏」、第2楽章「ジャワの唄」、第3楽章「スレンドロ」、第4楽章「魔法にかかったコブラのビバップ」、第5楽章「インドの典礼音楽」という、アジアの音楽やジャズを引用しながら、西洋楽器を使い、現代音楽の形式へと実に上手くまとめ上げた、傑作だ。

以前は楽譜の入手は非常に難しかったが、最近はデジタル版含め入手が容易になった(買ってみた)。その解説によると、この作品は、田辺尚雄が編纂したSP「東亜の音楽」をベースにしている箇所が多く散見される。「スレンドロ」は影絵芝居「スレンドロ」からきているし、「インドの典礼音楽」は宗教歌「バイラービン」の引用であろう。

ミーハ・ロギーナ氏らのCD「Sphenogrammes(CREC)」が唯一の商用録音であるが、YouTubeに黛敏郎氏自身が指揮した録音がアップされていた。1987年、「春の現代の音楽展」という催しでの演奏とのこと。サクソフォンは野田燎氏。ラジオ放送時の片山杜秀氏のコメントを文字起こししたものが、YouTubeの解説欄に掲載されている。



2025/03/31

ルイ・アンドリーセン「De Stijl」

ルイ・アンドリーセンは、1939年生まれのオランダの作曲家。60年代にルチアーノ・ベリオに師事、ヨーロッパのモダニズムに触れたのち、70年代にはアメリカのミニマリズムに傾倒した。1973年から母校のオランダ・ハーグ王立音楽院で作曲を教えている。サクソフォンを多用した作品を多く書いており、四重奏の「Facing Death」や、「Hoketus」などが有名。

最近知った作品で、「De Stijl」という、5本のサクソフォンを含む作品が非常に面白い。ダンス・ミュージック風のリズムの動き、そして女声合唱との対比された響きが鮮烈である。


ロサンゼルス・フィルハーモニックのサイトにあった曲目解説を訳したもの(一部機械翻訳使用)を置いておく。若干高尚な文書で読みづらいが、「De Stijl(デ・ステイル)」についての前提知識:1917年にオランダで生まれた芸術運動のことで、絵画、建築、デザインなど多岐にわたる分野で展開され、シンプルな幾何学的構成と抽象的なデザインを追求したもの…という内容を知っておくと、比較的読み解けると思う。

https://www.laphil.com/musicdb/pieces/1515/de-stijl

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「デ・ステイル」は、4部構成の音楽劇「デ・マテリア」の第3部として1985年に作曲された。(全作品は1989年にロバート・ウィルソンの演出でアムステルダムで初演された。USCソーントン・コンテンポラリー・ミュージック・アンサンブルは、2001年にグリーン・アンブレラのプログラムで「デ・ステイル」を西海岸で初演している)。新形態主義としても知られる「デ・ステイル」(様式)は、第一次世界大戦と第二次世界大戦の間に花開いたオランダの芸術運動であり、この運動に特化した雑誌のタイトルでもある。原色や白黒のモノクローム、直線や長方形の平面や領域、対称性の回避、比率や位置の関係によって強調されるバランスとリズムなどが「様式」の重要な要素であった。アンドリーセンは1985年7月に次のようなメモを書いている:

「デ・ステイル」は、1927年のピエト・モンドリアンの「赤、黄、青によるコンポジション」の音楽的イメージであるが、そのもっぱらコンセプチュアルなものである。4人のソプラノとトランペット、5人のサクソフォン、トロンボーンとギター、ピアノ・ソロ、そして低音楽器。低音楽器は24小節のディスコ風の主題を演奏するが、これは構造的にモンドリアンがこよなく愛したブギウギに関連している。ピアノ・ソロはモンドリアン自身が弾き、ダンサーがエスコートする。何しろモンドリアンは70歳になってもダンスのレッスンを受けていたのだ。彼は直立し、頭を斜め上に向けて「様式化された」ステップを踏む。作品の中には、モンドリアンの時代だけでなく、ダンス音楽への言及が多く見られる。スタイルはカールズラグの音楽家に合わせたものだが、作曲の「軽い」方法に陥ろうとはしていない。モンドリアンはアメリカのジャズバンドの先進性を認めていたが(彼はこれをフランス語の「シャスバンド」で表現していた)、ネリー・ファン・デスブルグに宛てたネオ・プラスティシズムについての手紙(1921年7月17日)でも、「ダンス音楽はまだシリアスな音楽としてカウントされることはないと思う」と書いている。この作品で歌われているのは、シェーンメールの『視覚数学の原理』(Beginselen der Beeldende Wiskunde)の断片である。一次性の絶対性についてのこの章は、モンドリアンの抽象絵画への展開に決定的な影響を与えたと私は考えている。いずれにせよ、シェーンメールの考え方と文章は、モンドリアンの『デ・ステイル』誌への寄稿に直接影響を与えた。


2024/06/09

Wayne Siegel "Jackdaw"

Wayne Siegelは、アメリカ・カリフォルニア州に生まれ、デンマークで活躍する作曲家。管弦楽曲からエレクトロニクス音楽まで、極めて広い分野の作品を手掛けている。現在はデンマーク王立オーフス音楽院の電子音楽学の教授。

「Jackdaw」は1995年、バスクラリネットとエレクトロニクスのために書かれた作品。バリトンサクソフォンで演奏されることがある。以下、作曲者自身の手によるプログラムノートを翻訳・掲載しておく。

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バスクラリネットとコンピュータのための「Jackdaw」は、デンマーク芸術評議会の資金援助を受けてハリー・スパルナイ Harry Sparnaayの委嘱により作曲され、デンマークのMusiana 95 festivalで初演されました。Jackdawはヨーロッパに生息する小型のカラスで、楽曲の特徴や多くの音は、この大胆かつ賢い鳥にインスピレーションを得ています。私は飼い慣らしたペットのJackdawを飼っており、完璧な条件下で鳥の声を録音することができました。コンピュータで再生される音の多くは、これらの録音をコンピュータで処理したものです。たとえば、バスクラリネットのフォルマントでフィルタリングしたJackdawの鳴き声や、Phase Vocoderを使用して元の長さの 10 倍に引き伸ばした鳥の長い鳴き声などです。また、コンピュータでサンプリングおよび処理されたバスクラリネットの音や、演奏中に楽器の音を変えるコンピュータ制御のライブ処理も使用されています。作曲が進むにつれて、私の予感は確証に変わりました。Jackdawとバスクラリネットは関連があるのです。

Jackdawは、ヨーロッパや南米で Harry Sparnaay によって広く演奏されてきました。バスクラリネットと CD、バリトンサックスと CD、テナートロンボーンと CD のバージョンも入手可能です。

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微温的というか、不思議なテンションを湛えた作品で、もっと人気が出ても良いと思うのだが、日本で誰かが演奏した、という話は聞いたことがない。Stephen Cottrell氏のアルバムに収録されている演奏が、非常に安定かつ作品の雰囲気にマッチしており、決定盤といえる。



2024/03/25

パドワのコンチェルティーノ

ウラジミール・パドワ Vladimir Padwaは、1900年ロシア帝国に生まれ、エストニアとドイツで学んだ後、アメリカで活躍した作曲家。エストニアで音楽キャリアをスタートさせ、ベルリンでは、フェルッチョ・ブゾーニの最後の弟子として学び、1932年頃からアメリカで活動し始めた。1948年には永住権を獲得し、同年ニューヨーク音楽大学の教授に就任している。1981年没。

この「サクソフォン、ピアノ、ギターのためのコンチェルティーノ」の録音では、パドワがピアノを弾き、ヴィンセント・アバトがサクソフォンを担当している。パドワとアバトの繋がりを示す直接的な情報は見つけられなかったが、パドワがニューヨークを活動の中心地に据えていた、ということで、ヴィンセント・アバトと交流があったことに違和感はない。

下記からその録音を聴くことができる。アバト氏のアメリカン・スタイルの力みの無い音色は魅力的だ。ギターはピアノの補助的に使われており、あまり目立つ箇所が無い。

https://archive.org/details/cd_thomson-schmidt-desenclos-tansman-lees-pad_virgil-thomson-gustavo-becerra-schmidt-al/disc1/

写真は、パドワの近影。


2023/07/08

Michael Colgrassの「Urban Requiem」

吹奏楽形態においてサクソフォン四重奏をフィーチャーした作品の一つ。

アメリカに生まれ、カナダで活動していた作曲家、マイケル・コルグラス氏の名前は、日本国内においては吹奏楽の世界で主に知られている。アルトサクソフォンと吹奏楽のための「Dream Dancer」なる作品も存在しているが、それよりもさらに規模が大きい作品で、コルグラス氏がサクソフォンのためにこのような大規模な作品を残していることを初めて知った。

作曲者のコメントを訳して載せておく:

レクイエムとは、死者の魂に捧げるものである。アーバンレクイエムは、様々な偶然の印象から着想を得た、都市の物語と言えるかもしれない。私は、サクソフォンが生まれた私たちの都市部や、このような環境で日々起こる悲劇や闘争を思い浮かべた。しかし、私はまた、この都市のエネルギーとパワー、そしてその対立に内在するユーモアにも触発された。サクソフォンは、このアイデアに必要なさまざまな感情を表現するのに特に適していると感じている。というのも、サクソフォンは非常に個人的で痛烈な性格を持つだけでなく、力強く、威厳があるからだ。バンシーのように吠えることもできるし、子猫のように鳴くこともできる。要するに、サクソフォンは他のどの楽器よりも人間の声に似ているのだ。私の脳裏には、4本のサクソフォンがヴォーカル・カルテットのように歌い、典礼的な音楽でありながらブルージーな倍音を持つ、一種の "アフター・アワー "レクイエムのように聴こえた。

演奏時間はおよそ30分。各ソロ楽器の見事な音運びと、バックバンドとソロの濃密なインタープレイが魅力的だ。

録音はいくつかあるが、サクソフォン奏者のJoseph Lulloffが参加しているGreat Lakes Saxophone Quartet(この作品のための臨時編成カルテットかもしれない)と、ノーステキサス・ウィンド・シンフォニー、ミシガン州立大学、各バンドと録音を行っているものがオススメ。技術的にはいずれも優れているが、どちらを取るかと言われればノーステキサス・ウィンド・シンフォニーの演奏が好みである。


2023/06/24

ラッシャーの演奏(Frederick Kochのコンチェルティーノ)

1964年にシガード・ラッシャーに献呈されたFrederick Kochの「サクソフォン・コンチェルティーノ」の録音を見つけた。ラッシャー氏の演奏は数多く所持しているが、この作品の録音を聴くのは初めてだと思う。Frederick Kochについては、このCleveland Arts Prizeページが詳しい。1923年生まれの作曲家だそうだ。

ラッシャー氏向けに書かれた曲の「らしさ」が溢れており、録音はモノラルで音質も決して良くないが、なかなかの名演だ。

https://archive.org/details/cd_series-composers-tapes_frederick-koch-daniel-dorff-wolfgang-ludew/

「Harth, Carnegie / Community Orch」との記載があり、指揮はRobert Harthだろうか、しかし確定には至らない。以下は、Frederick Koch氏の写真。



2023/06/21

The Saxophone Mass(サクソフォン・ミサ曲)

ジョン・ハールの「サクソフォン・ミサ曲」という作品を、「The John Harle Collection Vol.8 - Gothic」で聴くことができる。ギルドホール音楽院サクソフォンアンサンブルをフィーチャーした演奏で、大規模、かつ、実験的要素を含む壮大な作品である。

のちに「恐怖と壮麗」という作品で、作品のコア(中世の音楽を活用するなどの考え方)を流用しながら、コンパクト、かつ、ポップな要素をも携えて再び世に問われることになるが、その片鱗を「サクソフォン・ミサ曲」の各所で垣間見ることができる。例えば「恐怖と壮麗」の最終部、40本のソプラノサクソフォンが炸裂する箇所は、明らかに「サクソフォン・ミサ曲」の一部を引用していることが分かる。


「恐怖と壮麗」と「サクソフォン・ミサ曲」の関係性については、ジョン・ハール自身の言葉を引用しておこう。

 《恐怖と壮麗》は、音楽による五つのドラマからなるファンタジーである。「過去の中に現在を見出だせ。そうすれば世界が理解できる」といったのは、ロイヤル・シェイクスピア劇団の芸術監督であるエイドリアン・ノーブルだった。そしてこのアルバムが形を整えるに連れて、彼のこの言葉は私の心の中でより鮮明に鳴り響くようになった。

 この音楽の種が最初に蒔かれたのは1980年代の中頃、ハリソン・バートウィッスルとドミニク・マルドウニーがナショナル・シアターでわれわれ音楽家にとって刺激的な演奏を行った時のことである。彼らは、中性音楽が構造的・即興的な遊び場として面白い素材であることにわれわれの目を開かせてくれた。彼らの努力の成果は私の場合、《サクソフォン・ミサ曲》となって結実した。これは16人のサクソフォン奏者、4人の打楽器奏者、2人のキーボード奏者、ニュー・ロンドン・コンソート、そして1台の大砲のための1時間に及ぶ大作である。《サクソフォン・ミサ曲》が埋葬されて10年後、このアルバムに収録された作品で、バートウィッスルとマルドウニーの努力はさらなる成果を生んだ。

これは「恐怖と壮麗」のブックレットに記載されたコメントで、このアルバムを入手したときから「サクソフォン・ミサ曲」の存在はとても気になっていた。そういった背景から「The John Harle Collection」にそれが収録されたことは個人的に非常に嬉しい出来事だった。このコメントからすると「サクソフォン・ミサ曲」は演奏時間1時間とのことだが、「The John Harle Collection」に収録されたものは20分程であり、その差分の理由は判らない。もしかしたら、複数バージョンが存在しているのかもしれない。

2023/01/22

デザンクロの"Noël des Flandres"

アルフレッド・デザンクロが書いた、4声部の合唱のための「Noël des Flandres」を初めて聴いた。

「レクイエム」や「サルヴェ・レジーナ」を始めとする美しい合唱作品の数々は、Les elementsのデザンクロ作品集のアルバムで愛聴している。凝縮された宝石のような輝きを放つ作品の数々は、事あるごとに聴きたくなる内容だが、そのアルバムには収録されていなかった作品。

「フランダース地方のクリスマス」とでも訳せば良いのか、4分程度の小品で、Commotio Choralという団体の演奏。デザンクロの合唱作品の中でも、群を抜いてエキセントリックな音運びと和声で、一度聴いたら忘れない強烈な印象を残す(難易度は高そうだ)。そして、最終部の、静謐さを湛えて、音楽波が収まっていくような美しさといったら!

2023/01/20

マルティノン「四重奏のための協奏曲」ピアノ版の演奏

おなじみ、Ellipsos Saxophone Quartetの演奏によるジャン・マルティノン「サクソフォン四重奏とオーケストラのための協奏曲」を見つけた。本来はオーケストラとサクソフォン四重奏、という編成だが、2台ピアノ版の楽譜も出版されている。

オーケストラ版と比較して、華やかさには欠けるものの、エッジが立ったピアノの音色は、特に第2部:アパッショナートで強いドライヴ感を生み出している。サクソフォン四重奏の面々が上手いのは言わずもがな。


2023/01/09

シュミット「伝説」ヴァイオリンまたはヴィオラバージョン

ヴァイオリン、ないし、ヴィオラで演奏されることもあるフローラン・シュミット「伝説」の、各録音。商用録音では、ヴァイオリン奏者Alexis Galpérineの、ピアノのElisabeth Herbinとの共演盤が有名。以下に挙げたものは、いずれもオーケストラとの共演。

音域がサクソフォン版と比べて拡張されていることに気付くだろう。少し驚くが、むしろ音運び的にはこちらのほうが自然で、いちど聴いてしまうと、サクソフォン版は「下げている」という印象になってしまう。そのうち、サクソフォンでもフラジオを駆使して、ヴァイオリンやヴィオラのごとく自然に演奏する奏者が出てくるかもしれない。

ヴァイオリン・バージョン。



ヴィオラ・バージョン。


2023/01/03

Heaven to Clear When Day Did Closeの演奏映像

ディヴィッド・マスランカの秘曲、テナーサクソフォンと弦楽四重奏のための「Heaven to Clear When Day Did Close」の演奏映像をYouTubeで発見した。Garrett Evansというサクソフォン奏者の5th Year Recitalの1曲目として演奏されている。

作品紹介は、マスランカ公式ページの作品紹介からどうぞ(Ramon Ricker氏の演奏も聴ける)。

これまで、「Eastman American Music Vol.2」というアルバムに収録されているRamon Rickerの演奏しか知らなかったので、とにかく新鮮。体当たり的に収録され、しかし高次元でまとまったRamon Rickerの演奏(やはりこれが決定盤だろう)とは違い、少しの冷静さ、ライヴならではのキズ、弦楽パートの技量が追いついていない…といった、ツッコミどころはいろいろとあるものの、あまり演奏されない作品において、新たな演奏を聴くことができる、というのはそれだけで代えがたいことである。Garett Evans氏のテナーサクソフォンは見事だ。


2022/12/26

ロジェ・カルメルの、サクソフォンを含む作品

ロジェ・カルメルの作品リストから、サクソフォンを含む作品を抜き出してみた。

サクソフォン界隈では最も有名な「コンチェルト・グロッソ」の他、独奏・四重奏、さらに、サクソフォンを含む室内楽作品(小規模~大規模)が多いことに驚かされる。録音があれば聴いてみたいものだが…。

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Divers chants d'hiver Arrangement Roger Calmel -Chanson du pêtre -Dans les sentiers (Canada) -Berceuse russe -J'entends une chanson (Allemagne) -Que la musique (Haëndel):Chœur à 1 voix/ Fl/Ht/Bon ou Saxo/Cor/Trp/Timb/Cordes

Liberté (cantate) texte de Daniel Duret , Paul Eluard:Bar solo/SATB/ 1ère formation Fl/Ht/Cl/Bon/Piano 4 mains 2e formation Quatuor de saxos/Piano 4 mains

Sonate d’automne pour saxophone alto et piano:Sax alto/Piano

Liberté (cantate) Textes de Daniel, Paul Eluard:4e formation : Bar. solo/ S.A.T.B./ 2.2.5.1./ Sax.S.A.T. Bar./ 2.2.2.0./ 2cornets. 1Bugle sib. 1Bar.sib.1Basse sib./ Tb Cymb./ 1Cb.

Quatuor de saxophones:Sax SATB

Quatuor méditerranéen (IIe):Sax SATB

Sept Séquences pour Quatuor de Saxophones:Sax SATB

Suite pour Saxophone et Piano:Saxophone Alto et Piano

Trois incantations Tibétaines:Quatuor d'anches Htb / Cl / Saxo / Bon

Nocturne pour saxophone alto mib avec accompagnement de piano:Saxo alto/ Piano

Choralies pour orchestre d'harmonie:Picc/Fl/Ht/4Cl/Bons/Saxos ATB/Bugles/CornetsTtrp sib/cor la/Tromb/TubaCcb sib/Timb/Perc (Cymb susp/C.claire/triangle/2 Toms

Le Sous-Préfet aux champs Ouverture de concert d'après le conte de Daudet:Pic/2Fl/Petite Cl/CL solo/Cl/Cl basse/Ht/Cor anglais/Bons/Sax SATBar/Trp/Cornets/Cors/Trb/Saxhorns/Perc.

Ouverture lyrique pour orchestre d'harmonie:2Fl/hT/Bon/Sax S/A/T/Bar/B/Trp/Cor en fa/Trb/Saxhorns

Prélude, danse, choral pour formation d'ensemble orchestral (Flûte-Hautbois-Petite clarinette-clarinette-saxophones-cl basse ou basson ou saxo baryton ou cello-percussions):Fl/Ht/Petite Cl/Cl/Saxos/Cl basse ou Bon ou Saxo bar ou Cello/Perc

Concertino pour saxophone alto et ensemble instrumental:Fl/Ht/Clsib/Bon/Cor/Trp/Tromb/Cb/Perc (timbales/xylo/gong)

Concertino pour saxophone alto et orchestre de chambre:saxo alto solo/fl/cl/cordes/pian

Concerto de catalogne:Fl/HtBon/Cl basse/Saxos ATB

Concerto flamand pour saxophone alto, trompette solo, percussions soli et orchestre d'harmonie partition en ut:Saxo/Trp/Perc soli/Orch. d’harmonie

Concerto grosso pour quatuor de saxos et orchestre à cordes:Saxos SATB soli/Cordes/Perc

Concerto grosso pour quatuor de saxos et orchestre d'harmonie (cf Concerto grosso pour orchestre à cordes):Sax SATB/orchestre d'harmonie)

Actus tragicus Ballet, Argument de Michel Conte:fl/cl/sax mib/cor/trp/piano/perc/2vls/2cellos/cb

Cette nuit là Musique de scène sur un poème de François Perche:Vl/Fl/Cl/Cor anglais/Saxo alto/Cor/Cl B/Perc

Le Jeu de l’Amour et de la Mort Opéra Texte de Romain Rolland:7 soli/SATB Picc/Fl/Ht/Cl/Sax/Bons/Cors/Trp/Trb/Tuba/Cordes/Tim/Cymb/G.C/Gong

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2022/12/03

織田英子「東回りの風」第2曲:Zappayの原曲

「Zappy」ではなく「Zappay」だった。

織田英子「東回りの風」の第2曲の原曲について調べており、「Zappy」でいくら探しても見つからなかった。カタカナ書きの「ザッパイ」の語感から、スペルを疑って調べたところビンゴ。自筆譜ないし出版譜のスペルミスがそのまま流布されているのだろう。ルネサンス期スペインの、「Zappay (lo campo)」という器楽曲である。タイトルの日本語訳については、「酒宴」とか「野を耕せ」とか、いくつかの情報があるが、正しい情報を特定できていない。

ジョルディ・サヴァールという古楽演奏家・指揮者の盤の音運びと Capella de Ministrersという演奏団体の和声感が、参考となっているようだ。以下は、ジョルディ・サヴァールの演奏。


2022/11/30

織田英子「東回りの風」第1曲:As I walked outの原曲

『この曲は1996年にノワイエ・サクソフォーン・アンサンブルのリサイタルのために書いたものです。一曲目「As I walked out」は、イギリスの古い民謡。2曲目「ザッパイ」は16世紀ルネッサンスの舞曲です。3曲目の「グリーンスリーブス」は18世紀イギリスの民謡。4曲目はフランスの作曲家、ジェルヴェーズの「4声のための舞曲集」より。』

サクソフォン四重奏のための名曲「東回りの風」の作曲家、織田英子氏自身による解説である。第1曲「As I walked out」の原曲が全くわからず、ずっと探していたのだが、Osian Ellisというハープ奏者であり歌い手のアルバム「Songs with Harp」に収録されている同名の作品と同じであることを突き止めた。解説によれば、ウェールズ地方の民謡である、とのこと。原題をウェールズ語で「Pan oeddwn ar ddydd yn cyd-rodio」といい、次のような内容の歌詞である。

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As I walked out one day with my friend - the best gambler of us all, I wondered grievously to see him so sad and subdued, pining for the love of a girl.

ある日、仲間内で最高の賭け師の、とある友人と外に出かけた。彼が女を恋い慕い、そして悲しみに沈んでいるのを見て、何かしみじみと感じるものがあった。

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Internet Archive等でも聴ける。ご興味ある方はどうぞ。一点不安なのが、リファレンス資料がこの音盤のみ、であること。この情報になにか間違いがあっても、その検証を行うことができない。引き続き、第2曲「Zappy」の原曲を探索する(織田氏ご本人に訊いたのだが、資料を整理し手放したとのことで、回答が得られなかった)。

2022/11/06

ラッシャーSQの「冬の旅」アドベントカレンダー

ラッシャー・サクソフォン四重奏団が、この冬発表するシューベルト「冬の旅」アドベントカレンダーについて。12月1日から、1日1曲「A NEW VISION ON SCHUBERT'S WINTERREISE」と題された「冬の旅」を発表していくとのこと。Jay Schwartzが再構成し、Bernhard Hirtreiterが歌い、四重奏団のみならずRaschèr Academy Orchestraも参加した、新たな「冬の旅」となるようだ。

https://raschersaxophonequartet.com/winterreise/

プロモーション映像を観たが、面白そうで、ぜひチェックしてみようと思っている。


昨年には、第20曲「道標」を、こちらはKenneth Coon氏の編曲(元ラッシャー・サクソフォン四重奏団のメンバーで、2019年に亡くなった)によるものだが、演奏映像として公開している。


サクソフォンで「冬の旅」というと、雲井雅人氏(w/ 林望、布施雅也、伊藤康英、松本重孝)、栃尾克樹氏(w/ 野平一郎)の、いずれも素晴らしいアプローチ・演奏が思い起こされる。

2022/08/31

ダブルリード・カルテットでグラズノフ「四重奏曲」

Richard Boboというコントラバスーン奏者が、グラズノフの「サクソフォン四重奏曲」をダブルリード・カルテット向けにトランスクリプションし、楽譜を販売している。

http://me.subcontrabassoon.com/

確かに名曲であることは疑いようが無いのだが、意外な場所(ダブルリード)での愛され具合に驚いた。他楽器のレパートリーをアレンジして演奏する、という行為は、自楽器に無いタイプの作品に惚れ込んだ結果として発生するものである。サクソフォンでは当たり前のように行われているが、他の楽器がサクソフォンのレパートリーに惚れ込み、アレンジ・演奏まで、ということは稀であり、私が知る限りあまり多くの例は無い(今度整理してみよう)。

実際の楽器での演奏を聴いてみたいところだが…下記より、MIDI音源による演奏とトラッキングスコアを参照可能。

2022/08/15

Régis Campo「Zapp'art」

レジス・カンポの名前は、サクソフォン界隈ではこの作品「Zapp'art」でしか名前を見ないのだが、その内容・タイトルの苛烈さが独特である。

簡単な経歴:マルセイユ音楽院でジョルジュ・ブーフ Georges Boeufに作曲を師事。その後、パリ国立高等音楽院に入学し、アラン・バンキャール Alain Bancquartとジェラール・グリゼー Gerard Griseyのクラスで学んだ。1992年には、エディソン・デニソフに師事し、「同世代の中で最も才能のある一人」と評価された。1999年から2001年までは、メディチ荘のレジデント・コンポーザーとして滞在した。

「Zapp'art」は、サクソフォン12重奏とグロッケンシュピールのための作品。作品の成立等については、実はあまり知らず、調べても良く分からないのだが、フランク・ザッパの影響を受け、クラシック、コンテンポラリー、ロックを捏ねて伸ばして叩いて破裂させたような、極めて印象深い作品だ。

原博巳氏が、時折コンセルヴァトワール尚美の授業でこの作品を取り上げていたそうだ。どういった授業内容かはわからないが、サクソフォン専攻生向けにサクソフォンのために書かれた作品を毎回一つ聴いてもらう、というものがあったようで…確認できる限り2011年度から2018年度まで毎年度取り上げられている(2011, 2012, 2013, 2014, 2015, 2016, 2017, 2018)。そのとき流されていた録音が、おそらく下記のもので、パリ国立高等音楽院のドゥラングル・クラスの生徒によるアンサンブル(指揮は阿部加奈子氏)の演奏である。"キレッキレ"な印象を残す。

https://soundcloud.com/kanako-abe-2/r-gis-campo-1968-zappart-for

あまり最近演奏されてはいないようだが、プロフェッショナルな演奏家の方々にはぜひ取り上げて頂きたい作品の一つ。

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カンポ氏はご本人のYouTubeアカウントの充実っぷりが有名だが…もっとも強烈な動画は下記であろう(サクソフォンとは関係がない)。じっと見つめていると、夢に出てきそう。「No animals were hurt in the making of this movie.」とのコメントが痛快だ。

2022/08/13

Three Steps Forward

アメリカ産のサクソフォンと吹奏楽のための協奏曲は、とても数が多い。簡単に思い出す程度でも、ダール「協奏曲」、クレストン「協奏曲」、スミス「ファンタジア」、リード「バラッド」「シチリアーナ・ノットゥルノ」、バーンズ「アリオーソとプレスト」、フサ「協奏曲」、マスランカ「協奏曲」、マッキー「協奏曲」、ティケリ「協奏曲」、ブライアント「協奏曲」、マグヌソン「死者の書」、オルブライト「ヒーター」、ボルコム「協奏曲」、ハイデン「協奏曲」「協奏的幻想曲」、…挙げればキリがないのだが、盛んな大学バンド活動、多くの大学に存在するサクソフォンクラス、といったあたりが、この状況を生み出している。

初演後、広く世界中において演奏されるようになる作品もいくつかあり、古くはクレストン、ダール、フサ、リード、最近ではマスランカ、マッキーの各作品くらいのものであろう。しかし、殆どの作品がそもそもの編成が巨大で、演奏機会を捻出することが難しいことから、よほどのインパクトが無いと初演後にアメリカ国内で流行した後に表舞台から消えていくことも珍しくない。

個人的に考える、アメリカ産のサクソフォンと吹奏楽のための作品の中で、最もインパクトが強く、しかしながら今日、アメリカ国外で(国内ではどうか?)知られていない作品は、ネイサン・タノウエ Nathan Tanouye氏の「Three Steps Forward」である。衝撃的な作品んにも関わらず、演奏の実現に高い困難が伴い、ほとんど演奏機会に恵まれない。

3楽章からなるこの作品は、もともとネバダ州立大学ラスベガス校(UNLV)の委嘱により制作された。なんと、サクソフォンを含むジャズ・カルテットと吹奏楽のための、クアトロ・コンチェルトなのである。サクソフォンパートは、極めて高難易度な内容であり、即興パートを多分に含む。初演者が豪華で、なんとサクソフォンにエリック・マリエンサル(チック・コリア・エレクトリック・バンドを始めとするフュージョン分野における世界的奏者だ)を迎え、ラッセル・フェランテ、ジミー・ハスリップ、ウィル・ケネディといった一流のスタジオミュージシャンを加えた強烈な布陣であった。

30分の作品だが、「クラシックとジャズの融合」というありきたりなワードを新たな形で見事に体現した作品。編成の難しさと、初演のインパクトの大きさはあるものの、ぜひもっと世界的に知られて良い作品だと思っている。

Thomas G.Leslie指揮UNLVバンドの録音。初演者とほぼ同じ布陣である(ベースはジミー・ハスリップに代わり、ダイヴ・カーペンターが担当)。ジャケットの何ともいえない雰囲気は、アメリカならではか。

2022/08/07

Wo das Licht die Saite kreuzt - Poem nach Debussy

Ries&Erler版(Detlef Bensmann編曲) の「Wo das Licht die Saite kreuzt - Poem nach Debussy」は、ドビュッシー「ラプソディ」の亜種?として把握しておくべき作品である。ドビュッシー「ラプソディ」を発展的にアレンジした、という内容で、ヴァイオリン、サクソフォン、ピアノ、もしくはサクソフォン(S/A持ち替え)、ピアノの編成で演奏される。

実際に聴いてみると、ドビュッシー「ラプソディ」の、コラージュ的作品という装いだが、特殊奏法を効果的に使いながら、万華鏡のような雰囲気を創り出し、なかなか面白い作品に仕上がっている。原曲と比べる、というよりは、新たな作品として浸かってみたほうがいろいろな発見ができることだろう。

日本では、2012年に佐藤淳一氏のレクチャーコンサートで演奏され(演奏は伊藤あさぎ氏)て以降、実演は聴いたことがない。

2022/07/25

俺は作曲家だ!

オネゲルの著書「Ju suis compositeur」のタイトルを見て、作曲家 小櫻秀樹氏のサクソフォン+ライヴエレクトロニクス作品「Komponist-Bin ich!(邦題:俺は作曲家だ!)」のことを思い出した。

2006年にただの一度ライヴで聴いたことのある作品で、重量級の内容に圧倒されたものだ。その時、演奏したジェローム・ララン氏が、曲冒頭の「Komponist-Bin ich!」と叫ぶ箇所をフランス語で「Ju suis ma compositeur!」と言い換えていたのだ。妙な流れだが、思い出した理由はそんなところ。

その後、作品のことはすっかり忘れていたのだが、この機会に調べてみたところ、なんとヨリエン・ペッテション Jorgen Pettersson氏の演奏で2011年に商用録音化されているではないか。驚いた。「Spanning: Scandinavian Electro Acoustic Music」というアルバムで、最後のトラックに当該作品が収録されている。なぜ日本人作曲家の作品が、「Scandinavian」のアルバムに?という疑問はあるが、ブックレットを読んでいないので良く分からない。

はじめて聴いた時は、迫力に圧倒されてしまい、細かい部分を聴くことが叶わず、大味な印象しか残らなかったのだが、こうして整理されたレコーディング、ミキシング、マスタリングで聴くと、立体的な音響効果を活用している箇所の面白さに気づき、また、クライマックスにおいても(意外と)繊細な部分も耳に付き、楽しめた。