レジス・カンポの名前は、サクソフォン界隈ではこの作品「Zapp'art」でしか名前を見ないのだが、その内容・タイトルの苛烈さが独特である。
簡単な経歴:マルセイユ音楽院でジョルジュ・ブーフ Georges Boeufに作曲を師事。その後、パリ国立高等音楽院に入学し、アラン・バンキャール Alain Bancquartとジェラール・グリゼー Gerard Griseyのクラスで学んだ。1992年には、エディソン・デニソフに師事し、「同世代の中で最も才能のある一人」と評価された。1999年から2001年までは、メディチ荘のレジデント・コンポーザーとして滞在した。
「Zapp'art」は、サクソフォン12重奏とグロッケンシュピールのための作品。作品の成立等については、実はあまり知らず、調べても良く分からないのだが、フランク・ザッパの影響を受け、クラシック、コンテンポラリー、ロックを捏ねて伸ばして叩いて破裂させたような、極めて印象深い作品だ。
原博巳氏が、時折コンセルヴァトワール尚美の授業でこの作品を取り上げていたそうだ。どういった授業内容かはわからないが、サクソフォン専攻生向けにサクソフォンのために書かれた作品を毎回一つ聴いてもらう、というものがあったようで…確認できる限り2011年度から2018年度まで毎年度取り上げられている(2011, 2012, 2013, 2014, 2015, 2016, 2017, 2018)。そのとき流されていた録音が、おそらく下記のもので、パリ国立高等音楽院のドゥラングル・クラスの生徒によるアンサンブル(指揮は阿部加奈子氏)の演奏である。"キレッキレ"な印象を残す。
https://soundcloud.com/kanako-abe-2/r-gis-campo-1968-zappart-for
あまり最近演奏されてはいないようだが、プロフェッショナルな演奏家の方々にはぜひ取り上げて頂きたい作品の一つ。
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カンポ氏はご本人のYouTubeアカウントの充実っぷりが有名だが…もっとも強烈な動画は下記であろう(サクソフォンとは関係がない)。じっと見つめていると、夢に出てきそう。「No animals were hurt in the making of this movie.」とのコメントが痛快だ。
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