1950年のプラド音楽祭からさかのぼること4年、1946年7月2-8日の録音で、オットー・クレンペラー指揮プロ・ムジカ・オーケストラの「ブランデンブルク協奏曲第2番」の録音に、マルセル・ミュール氏が参加している。
プロ・ムジカ・オーケストラは、ラムルー管弦楽団からピックアップされた奏者が参加しているオーケストラ。この録音には、Paolo Longinottiというスイスのトランペット奏者が担当する予定だったところ、参加できなくなり、ミュール氏が呼ばれたとのこと(詳しい経緯はクレンペラーの評伝「"Verzeiht, ich kann nicht hohe Worte machen": Briefe von Otto Klemperer 1906–1973」に書かれているそうだが、同資料は未入手)。ちなみに、クレンペラーの「ブランデンブルク協奏曲」録音といえば、1960年のフィルハーモニア管弦楽団とのタッグによるものが有名だが、そちらでは原曲どおりにトランペットがフィーチャーされている。
プラド音楽祭のカザルス指揮の録音と比較してアンサンブル的な完成度は高く(セッション録音であるから当たり前か)、何度も聴くことを考えるとこちらのほうが好み。もちろん、カザルス指揮の、丁々発止という言葉を地で行くような活き活きした音楽と、ソリスト陣の妙味も大変な魅力があるが…。
クレンペラーの指揮姿の写真。
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