2010/03/17

Sonic Art!!

Sonic(音速に等しい)Art(芸術)とは、良く名付けたものだ。ドイツのサクソフォン四重奏団、Sonic Art Saxophonquartettのアルバム「Works by Ligeti, Tuur, Katzer, Levy, Neuwirth, Xenakis(GENUIN GEN 10164)」を聴いたので、ご紹介したい。昨日、mckenさんのブログでも紹介されていたばかりだが、私も聴いてみてたまげた。

Gyorgy Ligeti - 6 Bagatelles
Erkki Sven Tuur - Lamentatio
Keorg Ktzer - Wie Ein Hauch, Dach Manchmal
Fabien Levy - Durch
Olga Nuewirth - Ondate
Iannis Xenakis - XAS

名は体を表すというか、超速でぶっ飛ばしながらどんな難フレーズも涼しい顔をしてスマートに切り抜ける様が、まさに"Sonic Art"である。リゲティは、ハバネラサクソフォン四重奏団が取り上げている編曲と同じ、ギョーム・ブルゴーニュ Guillaume Bourgogneの版だが(これって、たしかハバネラQにしか演奏許可が与えられていなかったんじゃなかったっけ?)、例えば第6楽章のスピードなど、ブッチギリでSonicArtQの演奏のほうが速い!しかも、それでいてまったく破綻なく、変化に富んだ表情をつけているのだから、たまげてしまう。

トゥールの「ラメント」は、中間部で細かなフレーズが絡み合う箇所があるのだが、あまりにすっきりと聴かせるために曲の構造が見えすぎて、逆にこの曲に込められた「ラメント」の風情が感じられないくらいだ(笑)。アムステル四重奏団のCDもリリースされているが、ちょっと比べ物にならない。

さらにパワーアップしてのファビアン・レヴィの「ドルシュ」、クセナキスはもちろんのこと、あまり聴いたことのないカツァー、ノイヴィルトの作品も、作品としては難解であるはずなのに、聴こえてくるのは煌めく音と緻密な構造のみである。ノイヴィルトの作品、最初何かの電子音が聴こえると思ったら、リードを噛んだ音なのね…(ある意味フラジオ)。

これまでに数々の国際コンクールに入賞し、このファーストアルバムも素晴らしい出来となった同団体、これからの活躍にますます期待したいところだ。

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