2010/02/28

菅平高原より

(携帯から更新)

スキー中です(^∀^)ノ

金曜夜に東京を出発。一日目は気温が高く、雪もベシャベシャだったのだが、なんとか滑れて良かった!
二日目、雪が降ってる!コンディション良さそうだ。

2010/02/26

津田氏、小川氏のリサイタル

(携帯から更新)

津田征吾氏と小川卓朗氏のリサイタル@仙川ホールを聴いてきた。

個人的に、トリのメンデルスゾーンに大変な感銘を受けた。曲そのもの、ピアニスト、もちろんサックス奏者も、全てが素晴らしくて、幸福感に満ち溢れる音楽だった。サックス2本+ピアノという編成で、ここまでぐっときたのは初めてかも。

第1楽章で最初の主題が二本でユニゾンで奏でられるところ、そして緊張感をこれでもかと煽った後に、第二主題がやはりユニゾンで奏でられるところ、二つの響きが今も頭に残る。

これからちょっと長野に遊びに行くため、詳しい感想は日曜日に書こうと思う。

2010/02/25

NSF Vol.31

ノナカサクソフォンフレンズの最新号がアップロードされていた。

http://www.nonaka-boeki.com/nsf/magazine.html

大城正司氏のインタビューが面白いですね。その他、原博巳さんのレコーディング話や、サクソフォンラボラトリー岡山の活動についての記事がある。サクフォンラボラトリー岡山って、最近活動が活発ですよね。一度聴いてみたい。

2010/02/24

洗足学園音楽大学サクソフォーン研究会第13回定期演奏会

【洗足学園音楽大学サクソフォーン研究会第13回定期演奏会】
出演:洗足学園音楽大学サクソフォン専攻生、池上政人、岩本伸一(以上cond.)
日時:2010年2月24日(水曜)18:00開演
会場:洗足学園音楽大学講堂
料金:入場無料
プログラム:
~第一部~
P.ヒンデミット - ヴィオラ・ソナタ
R.ブートリー - 協奏曲
A.ドヴォルザーク - 弦楽四重奏曲「アメリカ」より第1、4楽章
~第二部~
I.アルベニス/小林悟 - 組曲「イベリア」よりセヴィリャの聖体祭、港
J.イベール - 室内小協奏曲
S.ラフマニノフ/森田一浩 - パガニーニの主題による狂詩曲
A.I.ハチャトリアン - 「ガイーヌ」より
~アンコール~
E.グリーグ - ?(忘れました)
J.マティシア(C.ロバ) - 悪魔のラグ

18:00開演ということで、会社の終業時間からあまり時間がない、しかしできれば最初の独奏も聴きたい、と思案し、会社から歩いて川崎市に入り南武線に飛び乗って会場へと向かった。これが功を奏して、到着は開演の3分前。なんとかなるものだ。

伺う前のお目当ては、やっぱり原博巳さんのイベールだったのだけれど、学生だけの演奏も大変に素晴らしくてこれは良い演奏会を聴いたなと思った。せっかくなので、ひとつひとつ感想を書いていきたい。

P.ヒンデミット - ヴィオラ・ソナタ - 津田征吾(sax.)、松浦真沙(pf.)
最近のトレンドの見本とも言える演奏。草書体のようなしなやかな楽器のコントロールは、高い技術の賜物だろう。これで大学4年生なのだというから、そのウマさに驚きだ。実は、明後日に津田征吾氏と小川卓朗氏のデュオリサイタルに伺う予定なのだが、そこでも「ヴィオラ・ソナタ」を演奏するようだ。他の曲の演奏も聴いてみたいなあ。

R.ブートリー - 協奏曲 - 東秀樹(sax.)、富山里紗(pf.)
2009年に須川氏、林田氏、作田氏によってそれぞれのバージョンが初演された、あの新作。これだけの難曲であっても、初演から一年もたたないうちに音大生が演奏してしまうんだなあと、呆気に取られた。スタイルとしては、特にアルトサクソフォンでは堅固で揺るぎない響きを構築しようとしているものが垣間見えた。そういえば、第3楽章ってやっぱりトマジの「協奏曲」そのまんまだよなあ。

A.ドヴォルザーク - 弦楽四重奏曲「アメリカ」より第1、4楽章
面白かった!奇をてらわず、音楽的な範疇で良いものを創りだそうとする意志が見えるのですよ。ぱあっと外に開いていくような思い切りの良さは、さすが独奏では感じられないものだとも思った。あれ、そういえば、洗足学園音楽大学の学生カルテットの演奏で「アメリカ」だなんて、2年ほど前に"四重奏の夕べ"でも聴いたことがあるなあ。

I.アルベニス/小林悟 - 組曲「イベリア」よりセヴィリャの聖体祭、港
SnSSAATTBBBsという10重奏で、比較的若い方たちのアンサンブル。どんな音がするかなあと思ったのだが、これも良い響きだったなあ。一つ前の「アメリカ」と、ちょっと傾向が似ていて、外に向かって開いていく音が、幸せに満ちあふれたような輝きを持っているのだ。

J.イベール - 室内小協奏曲 - 原博巳(sax.)
原さんのイベール。「やっぱすごいや…」と呟くしかないような圧巻さ。同じ人間とは思えないパワーで、会場に音を満たしてゆく。原さんて、実は宇宙人だったりして…笑。楽譜は、もちろんossiaやad lib.を使わないバージョン。バックの演奏も、涼しい顔をして難しいことをスラスラとこなしていた。それぞれの人間が、曲を熟知していないとできない演奏ですね。

S.ラフマニノフ/森田一浩 - パガニーニの主題による狂詩曲
A.I.ハチャトリアン - 「ガイーヌ」より
洗足学園音楽大学のサクソフォーン科のオーケストラは、昭和音楽大学のそれとともに定評があるが、こうしてあらためて聴くと、良いですね。演奏・編曲・指揮ともにひとつの完成された世界で、"スタンダード"という言葉が何度も頭をよぎった。サックスの人だけではなくて、いろんな人がこの世界を知ってくれると良いなと思う。また、こういった"スタンダード"の中から、突出した新たなベクトルが生み出されることを期待している。アンコールは、グリーグの何か(忘れた…)と、ジャン・マティシア、っていうかクリスチャン・ロバの「悪魔のラグ」。「悪魔のラグ」は、若さ爆発!という感じ。こういうの、けっこう好きです。

2010/02/23

経過する時間

木下直人さんより以前頂戴した、イベールの「コンチェルティーノ・ダ・カメラ」の録音を聴いている。Piérre Clémentのカートリッジによる、世界最高の復刻。その辺に売っている(失礼!)復刻CDなど、問題にならないほどの鮮明な音質、手で触れることができるような肉感的な印象を受ける。SPって、ノイズの抜きにすれば、こんなにすばらしい音を出すことができるのだなあ。

演奏も、勢いがあって、みずみずしくて、これは「生まれたての音楽」そのものだと思う。ラッシャーのヴィルトゥオジティに感銘を受けたイベールが、インスピレーションをそのままに楽譜へと書き写し、その楽譜を、さらにミュールがフィリップ・ゴーベールとともに解釈し、一発録りでSPに吹き込んだのだと。今聴くと「イベールはイベール」ということなのだろうが、当時としては本当に最先端の出来事だったんだなあと想いを馳せる。

そんな瞬間に立ち会うことができなかったのは残念だが、果たして立ち会った彼らは、この録音が80年先にこうしてスピーカーから流れている様子を想像できただろうか。流れてくる音楽は、相変わらず「生まれたての音楽」を奏でているけれど、外の世界はこうして80年も経ってしまった。"録音"と"時間"とは、誠に不思議なバランスの上に、感覚として存在しているものなのだな、と思う。

2010/02/22

ロバのエチュードについて

以前この記事でちらっと話題にしたが、クリスチャン・ロバのエチュードについて、13番目と14番目がわからない、ということがあった。これについて、李早恵さんより教えていただいたので、ご紹介したい。

内容をそのまま貼り付けると、


The 15th Etude for alto"Worksong"
The 14th Etude is for alto and bass clarinet (or tenor) called "Massai" for Richard Ducros and Olivier Sliepen
The 13th Etude is a cadenza for The Glazounov concerto.


なのだそうだ。まだまだ国内で演奏される機会は先になりそうだが、いったいどんな曲なんだろう。特に、13番目のグラズノフの「協奏曲」のカデンツァが気になる!グラズノフのカデンツァの作曲というと、真っ先に思い出すのがシガード・ラッシャーのカデンツァだが、クリスチャン・ロバのカデンツァだなんて、ちょっと想像がつかない。

15番目の「Worksong」については、作品の成立について、オコナー氏が語ったインタビューがYouTubeにアップロードされている。YouTubeにアップロードした「Jungle」の演奏を観て、ロバ氏がオコナー氏にメールを送り、そこから交流が始まったそうだ。YouTubeの演奏から曲が生まれるだなんて、まさにこの時代ならではですね。

2010/02/21

Aurelia Saxophone Quartet "Blow!"

最近、日曜の夜になるとスティーヴ・ライヒの「Music for 18 Musicians」を聴きたくなる(ちょうど今部屋に流しているところ)。

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新譜というわけではないが、こんなのもあったなあと思ってご紹介する。オランダ発だが、世界的にも有名なアウレリア・サクソフォン四重奏団のライヴアルバムで、四重奏のために書かれた様々な作品を集めたもの。一枚のCDが、最初から最後までまるでコンサートのように構成されており、これを一回通して聴くだけで、サックス四重奏の様々な地平を眺めることができる。

買ったのは高校生の頃だったはず。アウレリア四重奏団やアルノ・ボーンカンプという名前は、クラシックサックス吹きの間ではある種のステイタスのようなものを持っていたが、最近の若い方は知らない人も多いのではないかな(ある世代を境に、とたんに知らない人が多くなる傾向がある)。昔は頻繁に来日していたようなのだが、最近はあまり来なくなってしまったから、というのが原因のひとつだと思う。また、ちょっとCDが手に入りづらい時期があったのだが、最近は再発も多く、聴こうと思えば気軽に彼らの演奏を聴けるようになってきた。amazon等でも探せると思うので、ぜひ手にとってみて欲しい。

Aurelia Saxophone Quaret - Blow!(Challenge Classics 72005)
George Gershwin - Rhapsody in Blue
Samuel Barber - Adagio for Strings
John Cage - Four 5
Elliott Carter - Canonic Suite
Michael Torke - July
Perry Goldstein - Blow!
David Dramm - Come True
David Dramm - Master Bop Blaster

今となっては、「ラプソディ・イン・ブルー」、バーバーの「アダージョ」、マイケル・トークの「ジュライ」、カーター「カノン風組曲」などは、最近でこそ聴く機会も増えてきたが、10年ちょっと前は、このCDに収められたどのさくひんもが、一朝一夕には考えられなかったレパートリーではないだろうか。

正直、ライヴ演奏というコンディションもあって、録音状態や精度的な意味で捉えれば他の団体の演奏に一歩譲る部分も多い。例えば、「ジュライ」はニュー・センチュリーSQのセッション録音のバランスやスピード感覚には敵わないだろうし、「ラプソディ・イン・ブルー」やバーバーの「アダージョ」なんかは、テクニック的な面から言えばスピリタスQのほうが明らかに上だろう。だが、不思議と心ひかれる演奏で、各所に感じられる歌心とか、こう表現するんだ!という強い意志のようなものが、スピーカーを通じて伝わってくる。

そして、驚きは、後半のプログラム。ゴールドスタインの「Blow!」とディヴィッド・ドラムンの「Come True」「Master Bop Blaster」。この3曲におけるアウレリアの演奏は、まさに水を得た魚といったふうで、とても強烈な印象を残す。「Blow!」は13分にも及ぶ長大な曲だが、ロックやジャズといった音楽と、クラシックのエッセンスを見事に融合し、長大な終結部を伴なうロンド形式でまとめ上げた作品。最初のスピード感あふれるテーマと、ゆっくりで、しかし濃密なテーマの2つがが何度も回帰しながら、曲はハイテンションなまま突き進む。最終部に出現する、バリトンサックスとソプラノサックスのソロは、とにかくかっこいい!

さらにパワーアップしての「Come True」と「Master Bop Blaster」は、これはもうほとんどロックの世界ですね。特に「Master Bop Blaster」の変態(褒め言葉です)っぷりは、意表を突かれるというか、私はこの曲以外でこの編成の作品を聴いたことがない。あ、「Lament on the Death of Music」が、ある意味同じかな(笑)。本当はCDを買って欲しいのだけれど、YouTubeにアップロードされていることを教えちゃいましょう。アップロードしたのは、ソプラノ吹きのリンデン氏なので、ここに貼るのも問題ないはず。

2010/02/20

ほぼ一日

Tsukuba Saxophone Quartetでがっつりと練習(ただし、集中力は中くらいで)。「Trip to Skye」の行先に、ようやく光が見えてきたという感じ。

「Recitation Book」は、昔やった感覚と、新しくトライする部分と、双方のせめぎあいという感じがする。「一度やった曲をもういちど取り出して取り組む」ことって、実はあまりアマチュアとしてはないことじゃないかな、と思う。それでこそ味わえる感覚というのは、確かにあるんだな、と実感している。

2010/02/19

ノーシュショア・トリオ@杉並公会堂

【ノースショア・サクソフォーン・トリオ コンサート2010 イン・ジャパン】
出演:ネイサン・ナブ、杉原真人(以上sax)、ウィンストン・チョイ(pf.)
日時:2010年2月18日(木)19:00開演
会場:杉並公会堂小ホール
入場料:前売2000円 当日2500円
プログラム:
クリスチャン・ロバ - アルス
クリスチャン・ロバ - ステディ・スタディ・オン・ザ・ブギー
バリーコック・クロフト - ビート・ミー
クリスチャン・ロバ - ハード
たかの舞俐 - ジャンギビリティ
フランソワ・ロッセ - ズィミックス
たかの舞俐 - リガリアンI
ウィリアム・カーリンズ - 序奏とパッサカリア
たかの舞俐 - リガリアンIV

なんとか仕事を切り上げて、ダッシュで荻窪へ。駅に着いたのが18:53で、早足で会場に向かう。途中、mckenさんにお会いし、2人で走る走る(笑)。開演にはなんとか間に合った。

楽しみにしていた演奏会であったが、期待以上の素晴らしいパフォーマンスに感銘を受けた。とても純度の高い音色に、実に正統的な解釈、厳格すぎず緩すぎない心地の良いアンサンブル、等々、一曲目の「アルス」を聴いた時点で、レベルの高さに驚き、続く曲の演奏に期待が高まった。

次は、ネイサン・ナブ氏の演奏でアルト・サクソフォン独奏の「Steady Study...」。作曲者公認の、中間部をややカットしたバージョンなのだそうだ。恥ずかしながら初めて聴いたのだが、まるで「バラフォン」のほぼぜんぶの音を重音にしたような、激烈に難しそうな曲。途中出現する、やはり重音を絡めたブギウギのメロディからだんだんと盛り上がってきて、最後は循環呼吸を使って大量の音を振りまき、3つのテーマ音を吹いてフィニッシュ。曲のパワーと相まって、ぐっと惹き込まれてしまった。

さらに続いて、杉原真人氏の演奏は、テナーサクソフォン独奏でクロフトの「ビート・ミー」とロバの「ハード」。「ビート・ミー」は、ジャズのエッセンスをベースにした作品で、とにかくカッコ良い。これはちょっと自分でもやってみたいなあ(楽譜はここから買える)。「ハード」はおなじみだけれど、最後はもう楽譜に沿っていないんじゃないかというくらいのキレっぷりで、これまたものすごい印象だった。杉原氏のテナー、太くて柔らかくて、とても良い音なのですよ。ライヴで「Grab It!」とか聴いてみたいなあ。

第一部最後は、ピアノのチョイ氏の独奏で、たかの舞俐「ジャンギビリティ」。事前に杉原真人さんより、「ジャンギビリティ」と「リガリアン」の録音を頂戴していたため、じっくりと演奏を味わって聴くことができた。どんな技巧的な場面においても、安定してフレーズを紡いでゆくテクニックの高さに驚いた。

この日の司会・お話も務めていた、たかの舞俐さん、私自身は、ノースショアの関連で初めて聴いた作曲家だった。リゲティの弟子、というとどんな曲を書くかちょっと想像がつかなかったが、様々なジャンルの音楽がミックス(融合、ではなく)された、とても面白い作品だった。タイトルの「リガリアン=LigAlien」とは、Ligeti + Alien、から着想したものだそうで。

後半は、一曲目がフランソワ・ロセのソプラノ・サクソフォン2重奏で(ロセの作品にしては珍しく聴きやすい)、そのあとの三曲がトリオ編成。休憩前の第一部が、聴く方にも相当な集中力を要求する無伴奏作品の演奏がメインであったせいか、後半はとても気楽に聴けた感じがする。特に「リガリアンIV」が楽しかった!中間部でジャズ風になるところなんて、最高ですね。

とてもレベルの高い演奏を楽しんだ。会場は、おそらく作曲家関係の方が多く、あまりサックス関係のお客さんがいなかったようだ。もったいないなあ。

2010/02/18

ノースショア・トリオ!

ノースショア・トリオ素晴らしかった!詳しくは明日書こうと思います。

mckenさん、田村哲さん、DACの杉本さんと飲んで、これから帰宅です。明日も仕事なのに(笑)

2010/02/17

明日はノースショア・トリオ

【ノースショア・サクソフォーン・トリオ コンサート2010 イン・ジャパン】
出演:ネイサン・ナブ、杉原真人(以上sax)、ウィンストン・チョイ(pf.)
日時:2010年2月18日(木)19:00開演
会場:杉並公会堂小ホール
入場料:前売2000円 当日2500円
プログラム:
クリスチャン・ロバ - アルス
クリスチャン・ロバ - ステディ・スタディ・オン・ザ・ブギー
バリーコック・クロフト - ビート・ミー
クリスチャン・ロバ - ハード
たかの舞俐 - ジャンギビリティ
たかの舞俐 - リガリティI
ウィリアム・カーリンズ - 序奏とパッサカリア
フランソワ・ロッセ - ズィミックス
たかの舞俐 - リガリティIV
チラシへのリンク:
http://eplus.jp/images/20091219041130018.pdf

明日です!楽しみすぎる!ノースウェスタン大学出身で、すでにアメリカでは中堅とされるネイサン・ナブ氏、そして杉原真人氏と、ピアノのチョイ氏によるコンサート。もう、プログラムが凄すぎて、この斬新さはいつ以来だろうなあ。アメリカのクラシカル・サクソフォンって、どうも日本ではメジャーではないのだから、こういったせっかくの機会には、ぜひ堪能しておきたい。

仕事の方の目処がなんとかつけられる…かな?最初から聴きたいなあ。

2010/02/16

Boulez conducts Webern

東京芸大のサックスアンサンブルは、仕事で行けませんでした…無念。チケット買ったのにー。NewYork Counterpoint聴きたかったよ(T_T)

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ブーレーズという音楽家について、自分はまだまだ把握しきれていない部分が多い。作曲家として、指揮者として、教育家として、20代のころから活躍を続け、世界最高の音楽家として数えられる人物の一人。ブーレーズの音楽に接したのはCDで聴いた「ハルサイ」や「ダフニスとクロエ」、「バルトーク作品集」あたりが初めで、これらの作品に関してはいまでもブーレーズ指揮の演奏が、自分のなかでのスタンダードとなっている。

次はベリオの「シンフォニア」だったかな(Eratoの録音は、第3楽章の最後に「Thank you, Mr.Boulez」というセリフがあるのだ)。この頃になると、ブーレーズという名前を意識して聴くようになってきた。作曲家としての「ル・マルトー・サン・メートル」や、「デリーヴ」さらに進んで「レポン」「二重の影の対話」あたりも耳にし、インターネット上からも情報を収集するようになって、もうこのころには凄い音楽家なんだなと認識した。

なんだか話がブーレーズばっかりになってしまったが、ご紹介するのはブーレーズが手兵アンサンブル・アンテルコンタンポラン Ensemble InterContemporainを指揮して、アントン・ヴェーベルン Anton Webernの作品を録音した「Boulez conducts Webern(Grammophon 437 786-2)」である。このブログでグラモフォンのCDを紹介する日が来るとはねえ(笑)。

ヴェーベルンの、どれもが色違いの宝石のような光を放つ作品を、驚異的な演奏レベルで楽しむことができる名盤。これら音楽はトータルセリーの先駆けと言われているが、そういった作品を見通しよく演奏した録音は、世界にそう多く存在しないだろう。

そういえば、たった一曲だけ、作品番号が与えられていない1907年の作となる「Piano Quintet」が収録されているが、これも聴きもの。ヴェーベルンが調性音楽を書いているなんて、逆になんだか気持ち悪いぞ(笑)。

サクソフォン的興味からは、クロード・ドゥラングル教授がテナーサクソフォンで参加した、「四重奏曲, op.22」に注目。ヴァイオリン、クラリネット、テナーサクソフォン、ピアノという編成の、歴史上最も重要なサクソフォンを含む室内楽曲のひとつであるが、いちばん最初に聴いたのがこのCDだった。やりたい!って思って楽譜を買い、すぐさま撃沈したのも今となってはいい思い出か。

このCD以外にも素晴らしい録音がたくさん出ているが、世界的に見てもいちばんスタンダードな録音であるかな、と思う。たぶん、この曲でもブーレーズが指揮で参加しているのだろう。演奏家と指揮者との、幸福な出会いの一端を感じる。

2010/02/15

サクソフォン交流会について思うこと

mixiの日記に書いた内容を転載します。

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コンセプトとか、実際に何をやるか、とかは、ウェブページ(http://enjoysax.web.fc2.com/)をご覧いただくとして、思うことをちょっとだけ書きます。

サクソフォン交流会、最初は良く解らないまま事務局に巻き込まれたのだけれど、発案者の豊島四号さんとお話するうちにコンセプトとして共感できるものをいくつか感じ、事務局の一員として動くことになりました。

「アマチュアサクソフォン奏者の相互交流を目指す」といったあたりがメインのコンセプトになりますが、そういったものを実現しようとした企画は、これまで意外なほど少なかったと思います。
サクソフォンて、楽器としても閉じてるし、奏者・団体としても閉じた世界にいることが比較的多いのではないかと。その堅牢な構造を、アンサンブル団体の合同演奏会を通じてどこまでひっくり返すことができるか…やってみないとわかりませんが。

今回、4/17に予定している合同演奏会は、まあやればできちゃうと思ってますが、個人的に目指しているポイントとして、サクソフォン界にこの交流会が浸透すれば良いな、ということがあります。アマチュア・プロ問わず、サックス吹きに聞けば、「ああ、あの会ね」と、知られているような、そんな集まりになったら良いかなと。目標がちっちゃいと思われるかもしれませんが、まずはそこからです。

で、ミクシィにいるサックス吹きのみなさまへお願いです。こんな集まりがあるよと、ぜひお仲間に広めていただけると嬉しいです。今年直接関わる方もそうでない方も、今後長い期間のなか、何らかの形でご参加いただければ幸いです。

2010/02/14

ジョン・ハール「恐怖と壮麗」

今も現役のプレイヤーで、世界で一番好きなサックス吹きは?と訊かれたら「ジョン・ハール John Harleかクロード・ドゥラングル Claude Delangle、どっちかは決められない」と答えると思う。他にもいろんなプレイヤーがいて、それぞれの方がそれぞれの演奏の魅力を持っていると思うのだが、この二人は別格。

その大好きなサクソフォン奏者、ジョン・ハールの実質的な代表盤が、この「Terror and Magnificence(Argo POCL-1681)」。「恐怖と壮麗」という邦題で呼ばれることもある。極端にコンセプチュアルなアルバムで、中世的な音楽・詩をベースに、現代の楽器やテクノロジーを使って新しい世界を構築したものだ。ハール自身は、ハリソン・バートウィッスルやドミニク・ムルドウニーの影響によって、中世の素材に可能性を見出したと語っている。

(すべてジョン・ハールの作曲)
Mistress Mine ああ我が恋人
Terror and Magnificence 恐怖と壮麗
The Three Ravens 三羽の鴉
Hunting the Hare 野兎狩り
Rosie-blood 薔薇色の血

ジョン・ハールによって創り出されたその新しい世界は、エルヴィス・コステロやサラ・レオナルド、アレクサンダー・バラネスク、アンディ・シェパードといった最高の歌い手と演奏家たちを迎えて、未だ誰も見たことのない地に向かって大きく羽ばたいた。発売は1996年ということだが、今聴いても、その魅力はまったく色褪せていない。「恐怖と壮麗」の世界は、このCDから始まり、このCDで終わっているのだ。タイトル曲「恐怖と壮麗」のテキストが、「Ma fin est mon commencement, et mon commencement ma fin(私の終わりは始まり、始まりは終わり)」というくだりから始まっているのが、偶然ではないようにも思える。

初めて手に入れた時から、いったい何回聴いただろうか。魅力的な演奏と曲に、すぐにノックアウトされてしまったのを思い出す。冒頭の(ほぼ)無伴奏の即興のサックスは、まるで中世からの遠い叫び声のよう。これを皮切りにして、一曲目「ああ、我が恋人」のシェイクスピアの詩に乗せて、エルヴィス・コステロの甘い歌声が聴こえてくる。間奏で挿入されるハールのサクソフォンが、コステロの歌声にそっと花を添えている。

「恐怖と壮麗」は、なんと20分にも及ぶ大曲だが、フランス語のテキストとサクソフォン、キーボード、パーカッションとコーラスが、即興を挟みながら暴れまくる。完成されたサウンドと構成感が強烈な印象を残す。特に、最終部で炸裂する40本のソプラノ・サクソフォーンは、聴きごたえがあるなあ。変に現代的ではなく、あくまで中世の音楽をベースにしているためか、ポップな感覚で聴ける。

「三羽の鴉」は、3つの曲がアタッカで演奏される。これは第3曲の「本当の恋人をどうして見分けましょう?」がトヨタ・クラウンのCMに使用されていたこともあるので、耳にされたことのある方も多いはず。サラ・レオナルドの透明感ある歌声、そしてストリングスがメインの編成は、歌詞の内容に実にマッチしていると思う。やられたな!と思ってしまうのが、「三羽の鴉」から「野兎狩り」へのシーケンス。これはぜひ実際に聴いてみてほしい。

amazonへのリンクは、こちら

2010/02/13

佐川聖二還暦記念コンサート

吹奏楽を聴くことはふだんあまりないのだが、お知り合いが3人も出演(しかもみんなバリトンサックスだ)されるとのことでご案内をいただき、伺った。サントリーホールに入るのなんて、いつ以来だろうか。いつだったか、須川展也さんと東京佼成ウインドオーケストラが共演した協奏曲尽くしのコンサートがあったが、もしかしたらそれ以来かもしれない。

私は吹奏楽畑の出身なので、佐川聖二氏の名前はもちろん聴いたことがある。文教大学吹奏楽部やグラールWOを始めとする数々のバンドを指揮し、全国大会へ幾度となく導いた、国内吹奏楽界を代表する指導者の一人だ。また、クラリネット奏者としても活躍し、長きに渡って東京交響楽団の主席奏者を務めた。ん、ということは、かつては十亀正司氏と並んで吹いていたってこと?そう考えると面白いな。また、アーノルド作品のインタプリターの筆頭格としても知られ、例えばあの有名な「第六の幸福をもたらす宿」などが国内で有名になったのは、佐川氏の功績によるとことが大きいだろう。

演奏会は、司会の石尾和子氏によるナレーション、そして鈴木英史氏と天野正道氏の"観客置いてけぼり系(笑)の暴走インタビュー"を挟みながら(この2人を相手にした時の、石尾氏のプロ根性がすごかった)、とても和やかな雰囲気の中で行われた。ずいぶんとホールが埋まっていたが、どういう方々だったのだろうか。佐川氏の教えを受けたことのある人たちばかり…ということでもなさそうだったが。

♪文教大学吹奏楽部
S.ラフマニノフ/瀬尾宗利 - 交響曲第2番より第3楽章(クラリネット:佐川聖二)
M.アーノルド/瀬尾宗利 - 交響曲第5番より第2,4楽章
M.アーノルド/瀬尾宗利 - 組曲「第六の幸福をもたらす宿」より第3楽章

トップバッターからさすがの演奏。全国常連だけあって発音の美しさや弱音における安定感は、素晴らしいものがあるなあ。自分の観ていた位置(上手の3列目)だと、ファゴットの良い音が飛んできた。「第六の幸福をもたらす宿」は、良く知っている曲であるということもあり、ドラマチックな曲作りにちょっと感動。

♪中央大学学友会文化連盟音楽研究会吹奏楽部
E.ゴールドマン - 木かげの散歩道
E.カールマン/鈴木英史 - 喜歌劇「伯爵夫人マリツァ」セレクション
M.アーノルド/瀬尾宗利 - 交響曲第4番より第1,3,4楽章

こちらもレベルが高いバンドだ(中央大学の吹奏楽って、けっこう有名だよなあ)。「木かげの散歩道」のような、何のこともないような小品すら楽しく聴かせてしまうあたりは、やっぱり佐川氏への信頼あってのものだろうか。あとは、鈴木氏の編曲による「伯爵夫人マリツァ」が楽しかった。

♪デアクライス・ブラスオルケスター
鈴木英史 - ファンファーレ"S-E-A"
A.リード - Sea Scape(トロンボーン:荻野昇)
鈴木英史 - 大いなる約束の大地~チンギス・ハン

結成してまだ一年足らずのバンドだということだが、サウンドとして良く練られており、もともと何かつながりがあった吹奏楽団なのではないかなあ。東京交響楽団の荻野氏のトロンボーンソロの、感動的なこと!あとは、「チンギス・ハン」の冒頭で大見得を切ったフルートに、大喝采。ええと、ショスタコの7番が引用されていたのってこの曲だったかな?。

♪ソールリジェール吹奏楽団
S.ラフマニノフ/石毛里佳 - ヴォカリース(クラリネット:佐川聖二)
J.スウェアリンジェン - ロマネスク
R.ワーグナー/L.カイリエ - 歌劇「ローエングリン」より"エルザの大聖堂への行列"

ラフマニノフのアレンジャーだが、こんなところで石毛氏の名前を見るとは。途中からジャズ風に変わる仕掛けが施されており、PA機材を使って、技巧的なソロをこなしていく、佐川氏のプレイヤーとしての能力の高さをこんなところでも思い知った。エルザも素敵だったなあ。

♪グラールウインドオーケストラ
真島俊夫 - 「Birds」より第1,2楽章(サクソフォン:福本信太郎)
天野正道 - アダジオ・スロヴァンスキ

あ。「時の逝く」の委嘱元のバンドじゃないかな。今回はとにかく「Birds」のすばらしさに尽きたと思う。福本氏のサクソフォンは本当に上手くて、曲の素晴らしさとあいまって、客席としても大変集中して聴き入っているのを感じた。第2楽章"シーガル"の美しさは、筆舌に尽くし難い。

♪合同演奏
天野正道 - Hommage à maestro Seiji Sagawa(クラリネット:佐川聖二)
鈴木英史 - 吹奏楽のためのプレリュード~時計台の鐘の旋律による
P.チャイコフスキー/V.ハドレー - スラヴ行進曲
O.レスピーギ/木村吉宏 - 交響詩「ローマの松」より"アッピア街道の松"
E.エルガー - 威風堂々第1番~ハッピー・バースデイ(アンコール)

今回の出場団体の中から、合計170名ほどのメンバーが集った合同バンドという編成。天野氏の新作は、「...Seiji Sagawa...」の言葉を無理やり音列に変換し、ジャズ風のコードプログレッション上に展開した作品。どんな音になるのかなあと思いきや、意外にも聴きやすい印象で、びっくり。鈴木氏の「時計台」は、おなじみですね。スラブ行進曲、アッピア街道の松は、どちらも祝祭的な雰囲気を湛えたおおらかで感動的な演奏。特にアッピアでは、サントリーホールの5ヶ所に総勢50名ほどのバンダを配置した大迫力の演奏を堪能した。
エルガーでは、なんと最後のテーマに戻る直前からハッピーバースデーへとサプライズ的につなぐ演出付き(もちろん佐川氏は知らず)。うおおお。びっくりしたが、これは楽しかったなあ。

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終演は、予定を大幅に過ぎて17:50。この後、加藤里志氏の演奏会に伺う予定だったが、さすがにあきらめました(^^;

2010/02/12

演奏会のご案内:洗足サックス研定期演奏会

今日はこれから飲み会@溝の口。ということで、手短に。

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原博巳さんより、洗足学園音楽大学のサクソフォン科の演奏会をご案内いただいた。水曜日だ!なんとか行けるかも。原博巳さんが、なんとイベールのコンチェルティーノ(!)を吹くそうだ。楽しみ~。

あっ。溝の口つながりですね(笑)。

【洗足学園音楽大学サクソフォン科第13回定期演奏会】
出演:洗足学園音楽大学サクソフォン専攻生
日時:2010年2月24日(水曜)18:00開演
会場:洗足学園音楽大学講堂(2400)
料金:入場無料
プログラム:
~第一部~
卒業試験優秀者による独奏
四重奏 他
~第二部~
J.イベール - 室内小協奏曲(ソロ:原博巳)
S.ラフマニノフ - パガニーニの主題による狂詩曲
A.I.ハチャトリアン - 「ガイーヌ」より
(指揮:池上政人、岩本伸一)

2010/02/11

「Grab It!」が流行りだした!

JacobTV(ヤコブ=テル・フェルドハウス)氏の傑作、テナーサクソフォンとゲットブラスターのための「Grab It!」が、最近特に若いプレイヤーの間で流行っているようだ。この素晴らしい作品が広まることは、吹いたことのある身としてはとても嬉しい。この調子で、どんどん演奏されるようになるといいなあ。

さらに爆発的に広めるためには、たぶん誰か有名なプロの方がCDにレコーディングすれば良いのではないかと。みなさん期待してます(・ω・)ノ

【M.M.S.T Sound performance 2010】
出演:加藤里志(sax)ほか
日時:2010年2月13日(土)16:30開演
会場:創造空間9001(JR桜木町駅隣接)
※この日は、サントリーホールで別の演奏会を聴いた後に伺う予定。間に合うかな??

【津田征吾&小川卓朗サクソフォーンリサイタル 石川公演】
出演:津田征吾、小川卓朗(sax)ほか
日時:2010年2月20日(土)18:30開演
会場:金沢市アートホール

【津田征吾&小川卓朗サクソフォーンリサイタル 東京公演】
出演:津田征吾、小川卓朗(sax)ほか
日時:2010年2月26日(金)18:30開演
会場:仙川アヴェニューホール
※小川さんと津田さん(どちらも洗足学園音楽大学の学生)のデュオリサイタル。「Grab It!」を吹くのは小川さん。東京公演のほうにはなんとか伺えそうで、楽しみだ。

【Avviatura Concerto ~屋代高校卒業の音大生による演奏会~】
出演:由井平太(sax)ほか
日時:2010年3月20日(土)14:00開演
会場:長野県千曲市更埴文化会館あんずホール 小ホール
詳細: http://blog.livedoor.jp/barabaraensemble/archives/918014.html
※チラシ等には載っていないが、上記リンク先にやると書いてある。

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1年半ほど前に、自分が吹いた録音(→これ)は、今でも時々聴くことがある。自分で自分の演奏を聴き返すことって、練習以外ではあまりないのだけど、これはなぜか時々聴き返したくなるな。

2010/02/10

サクソフォン交流会

東京進出依以来、いくつか団体の運営に携わっているのだが、4月に迫った「サクソフォン交流会」をご案内する。これまで、あまり相互交流の機会がなかったアマチュアのサクソフォン団体だが、合同演奏会を通して団体同士の、果ては奏者同士の親睦を深めようということで、サクソフォーノ・ロッソ等に参加する押田さんの発案によって立ち上がった企画である。

押田さんを始めとして、サクソフォン・ネット界の二大巨頭「Thunder's Web」の管理人であるThunderさんと、「Fantastic Classical Saxophone」のmckenさん、名古屋と東京のアマチュアサクソフォン界に顔が広いゆうぽんさん、エスポワール・サクソフォン・オーケストラの守屋さん、波多江さん関係でお知り合いとなった古賀さん、そしてkuriの合計7人で事務局を構成している。

日本国内の以下のアンサンブルが一堂に会し、4月17日、中目黒GTプラザホールで合同の演奏会を開催する。内容は、各団体のアンサンブルと、出演者全員によるラージアンサンブル。指揮・アドバイザーは、雲井雅人サックス四重奏団のバリトンサクソフォン奏者としても有名な、西尾貴浩氏にお願いした。

・IBCサクソフォンアンサンブル
・Tsukuba Saxophone Quartet
・Duo Green Green
・エスポワールサクソフォンオーケストラ
・That's Saxohone Philharmony
・Saxofono Rosso
・アマリリス合奏団
・サクソフォン・アンサンブル なめら~か
・ダッパー・サクセーバーズ
・カキツバタサクソフォンアンサンブル
・愉快な仲間たちカルテット
・サックスデュオ

詳細は、こちらのウェブサイトからどうぞ。Internet Explorerで閲覧するとCSSが読み込まれないというバグがあり、いまだ修正出来ていないが…。
http://enjoysax.web.fc2.com/

2010/02/09

François Daneels

フランソワ・ダニール François Daneels氏は、ベルギーのサクソフォン奏者。サクソフォンという楽器は、ベルギーで生まれたが、むしろ管楽器大国のフランスで、クラシック音楽の楽器として成長を遂げた。歴史上重要な奏者はほとんどフランスから輩出されており、サクソフォン原産国のベルギーは、その影に隠れているように思える。

ダニール氏は、1921年ベルギー生まれのサクソフォン奏者で、国際的なソリスト、教育家である。1939年に、一等賞を得てブリュッセル王立音楽院を卒業し、それ以降、国内外で活躍している。作曲家とのコラボレーションが多く、ジャン・アブシルのようなベルギーの作曲家のほか、ロジェ・カルメル、ピエル=マックス・デュボワ、イダ・ゴトオコフスキーといった作曲家たちから、作品を献呈されている。ゴトコフスキーからは、あの「ブリランス」を献呈されているのだそうだ。知らなかった。

また、独奏の活動とともに有名なのが、Quatuor Belge de Saxophonesでの活動だろう。四重奏の活動を通して、数多くの作品が生まれたそうだ。その作品数たるや、およそ40に及ぶほど。デュボワの「変奏曲」や、アンリ・プッスールの「禁じられた園への眼差し」あたりは、演奏機会も多い作品ではないだろうか。

独奏のCDで、「Kaleidosax」というディスクがあるそうだ。試聴する限り大変見事な演奏で、これは入手しておきたいなと思っている。

2010/02/08

Jean Matitiaのラグ・ミュージック

聴いて楽しい、ジャン・マティシア Jean Matitiaのラグ・ミュージックの演奏動画をご紹介する。クリスチャン・ロバ Christian Lauba名義で手がけている「9つのエチュード」等からは、およそ想像できない純粋に楽しい作品ばかりだ。

たぶん、これがいちばん有名でしょう。アルトサクソフォンとピアノのための「Devil's Rag」。演奏者は、アルノ・ボーンカンプ Arno Bornkamp氏とイヴォ・ヤンセン Ivo Janssen氏。こういった曲を演奏させたら、世界最高レベルの組み合わせじゃないだろうか。ラージアンサンブルのバージョンというのも存在し、そちらはボルドーのアンサンブルのために書かれ、J.M.ロンデックス氏に献呈されている。


これは初めて聴いたのだが、ものすごいパフォーマンスだと思う。The National Saxophone Choir of Great-Britainの演奏で「Crazy Rag」。大喝采。もとはサクソフォンとピアノのために書かれた作品で、なんとあのニコラ・プロスト氏に捧げられているそうな。


ちょっと落ち着いて「Chinese Rag」。これはクロード・ドゥラングル氏に捧げられた四重奏作品。作曲は1987年ということで、ドゥラング氏がパリ音楽院の教授に就任する前だが、どいった経緯で献呈されたのだろうか。


「Trap Rag」。これはもともとの四重奏作品で、なんとなんとマリー=ベルナデット・シャリエ女史に捧げられている。ロンデックス氏といい、プロスト氏といい、ドゥラングル氏といい、献呈先がいちいち豪華ですね(笑)。タッピング入りのスペシャル・バージョン。ソプラノサックスを吹いているのは、ロンデックス国際コンクールで第2位だったダグラス・オコナー氏である。

2010/02/07

筑波大学吹奏楽団打楽器アンサンブルコンサート2010

朝の8時半ころにつくば入りし、10時過ぎから「トリップ・トゥ・スカイ」と「レシテーション・ブック」を中心に四重奏の練習。「レシテーション・ブック」のほうは、全体的に見ればなんとかなっているように見えるが、精度を突き詰めて行けばキリがない。果たして、3月10日までに、どのレベルまでもっていけるだろうか。練習は14:30に切り上げて、打楽器の演奏界に伺った。

【筑波大学吹奏楽団 打楽器アンサンブルコンサート】
日時:2010年2月7日 15:00開演
会場:つくばカピオ ホール(つくばエクスプレスつくば駅下車徒歩7分)
料金:入場無料
プログラム:
~第一部~
Christopher Rouse - KUKAILIMOKU
山澤洋之 - 月迷宮/大神 Moon/Wolf
Carlos Chavez - Toccata
Ney Rosauro - Concerto for Marimba & Percussion Ensemble
~第二部~
Steve Reich - Nagoya Marimba
Christopher Hardy - Red Earth
吉岡孝悦 - Square Dance for 4 Marimbas
藤田崇文 - pk@4
和田薫/藤田崇文 - 犬夜叉 打楽器連歌
~アンコール~
継田和広 - 幻のトレイン(出演者全員による合奏)

最初の2曲は遅刻してしまい聴けず、チャベスの「トッカータ」から聴いた。皮膜楽器のみによって奏でられる緻密で厳格なリズム。技術的なレベルは完全にクリアされており、逆にスイスイ進みすぎて物足りないくらいだ笑(というのは、贅沢な悩みかも)。

第一部最後のマリンバ協奏曲は、客演というわけではなくて、これも打楽器パートのメンバーによる独奏。マリンバのためのこの作品は、これまでにもプロの独奏で吹奏楽版を聴いたことがあったが、本日はパーカッションアンサンブル・バックのバージョン。クラリネットで言えばモーツァルト、サクソフォンで言えばイベールかグラズノフ、といったような、最もスタンダートな作品だが、見事な演奏だった。アマチュアとプロの境界って、なんなんだろうと考えてしまったほどだった。

第二部は、第一曲が「ナゴヤ・マリンバ」!!まさかこれをライヴで聴ける日がくるとは(といっても、この団体は2008年に「ピアノ・フェイズ」をライヴでやっている)。やっぱいい曲ですよね。「レッド・アース」「pk@4」の皮モノでは、身体の奥底に響き渡るような強烈なリズムを堪能し、おなじみ「スクウェア・ダンス」は、演奏だけでなく可愛らしい衣装も楽しんだ(女性4人による演奏で、赤黄緑青4色のシャツと髪留め!)。ほかのアンサンブルの衣装が黒で統一されていたので、一層映えていたなあ。

最後の「犬夜叉」は、"打楽器オーケストラ"という大編成。マレット系楽器をメロディ楽器として、周囲に様々な打楽器がずらりと並ぶ。大きなホールで演奏する際は、マリンバ系の楽器をいくらでも増やせるということなのだろうか。アンコールは、「幻のトレイン」。客席も手拍子で巻き込んだ楽しいアンコールで、ステージ上のみなさんがニコニコ演奏していたのがとても印象的だった。

ダイナミクスの幅の広さや、リズムの正確さ、レパートリーの広さなどは、我々としても見習わなければいけないところだと思った。こういった要素は音楽をやる上での武器になるし、聴衆へのアピール度の点からも、ぜひ身につけておきたいなと思わされる部分だった。

2010/02/06

演奏会のご案内:筑波大学打楽器アンサンブル

もう明日に迫っているが、筑波大学吹奏楽団の打楽器アンサンブルのコンサートをご案内する。筑波大学吹奏楽団は私の元所属団体で、そこの打楽器パートのメンバーがアンサンブルの自主公演を行うそうだ。2004年が初回で、不定期に開催され、今回で3回目となる。私も2008年の演奏会のときは指揮者として出演させて頂いた(練習時に、マラカスを一個破壊してしまったことを思い出した)。

プログラムを見ると、打楽器アンサンブルのスタンダードから極北までを、一気に横断する演奏会となりそうだ。お近くの方は、ぜひ行かれると良いと思う。私も、明日は練習後に駆けつける予定。

【筑波大学吹奏楽団 打楽器アンサンブルコンサート】
日時:2010年2月7日 15:00開演
会場:つくばカピオ ホール(つくばエクスプレスつくば駅下車徒歩7分)
料金:入場無料
プログラム:
C.ローズ - クカイリモク
山澤洋之 - 月迷宮 大神
N.ロサウロ - マリンバ協奏曲
S.ライヒ - ナゴヤ・マリンバ
吉岡孝悦 - スクウェア・ダンス
和田薫/藤田崇文編曲 - 犬夜叉 打楽器連歌
問い合わせ:
http://percussion.okoshi-yasu.net/

演奏のレベル、間違いなく高いです。いやホント。

2010/02/05

Wayne Siegel "Jackdaw"

ウェイン・シーゲル Wayne Siegel作曲、バリトンサクソフォンとコンピュータのための「Jackdaw」。この作品は、私が生まれて初めて聴いた「サクソフォンとエレクトロニクス」という編成の作品だ。私がまだ高校生だった頃に、Clarinet Classicsからリリースされた、論文付きの2枚組CD「History of the Saxophone(CC0040)」に、サクソフォン音楽変遷の一例として収録されていたのである。

数多くの「サクソフォンとエレクトロニクス」という編成の音楽の中で、このマイナーな作品がピックアップされているのは、少し不思議な気もするが、そこはきちんと理由があるようで。このCDをプロデュースしたのは、イギリスのサクソフォン奏者、スティーヴン・コットレル Stephen Cottrell氏なのだが、そのコットレル氏自身がそれまでにCDに吹き込んだことのある録音が、同一テイクで収録されていたようだ。

とにもかくにも耳にすることになったのだが、マルセル・ミュールの録音目当てで買ったこのCDで、最終的にたぶん一番聴いたのがこの「Jackdaw」と、もう一つLondon Saxophonicが演奏するWill Gregoryの「Hoe Down」だったと思う(ミュールの演奏は、収録数が少なく、復刻状態も悪かったので、わざわざこのCDを取り出して聴く必要もなかったのだ)。

最初スピーカーから鳥の鳴き声が流れてきたときは驚いたが、曲の持つグルーヴと、ミニマル風に繰り返される走句、そしてステレオスピーカーを効果的に利用した空間音響に惹き込まれ、10分間を一気に聴き通してしまった。あまりゲンダイオンガクという感じはせず、むしろ耳に心地よい環境音楽的な雰囲気をも持つ作品だと思う。

もとはバスクラリネットのために作られた作品だそうだ。聴き比べてみると、バリトンサクソフォン版のほうがゆっくりのような。楽器の特性に応じて、いろいろと変更されているみたいだ。作曲家、シーゲル氏の公式YouTubeアカウントで、一部を試聴することもできる。

2010/02/04

「キャラバンの到着」の楽譜

トゥジュール・サクソフォン四重奏団の楽譜のページには、有名な作品の、数多くの編曲譜が紹介されている。多くは、作曲家・アレンジャーの大島忠則氏の編曲によるもの。

ダッパーサクセーバーズのみなさんのところに遊びに行ったとき、このページで紹介されている「キャラバンの到着」を練習で一緒に吹かせていただいたのだが、アレンジのクオリティの高さに驚き、これはいつか入手してやってみたい!と思ったのだ。原曲は室内オーケストラかビッグバンドだっただろうか?この豪勢でスピード感あふれるサウンドを、4本のサクソフォンで見事に表現していると思う。

昨年末に大島忠則氏から楽譜を購入し、実際に四重奏で音を出してみたが、やはり楽しい編曲であった。少し難しいけれど、きちんと練習すれば手がつけられないほどではない。それほど大きな労力を伴わずに、高い演奏効果を上げることができるアレンジだと思う。そういうアレンジって、ありそうでないよなー。

「キャラバンの到着」だけでなく、「双子姉妹の歌」や「マクサンスの歌」もあるといいなあ。シリーズになってミシェル・ルグランの「ロシュフォールの恋人たち」メドレーという構成なんかいいんじゃないかな。いつかリクエスト(委嘱!?)してみようかなあ…と思っているところ。

同じサクソフォン四重奏でも、四重奏+ドラムという編成で、こんなアレンジもあるらしい。ゆったりと心地よいリズムが素敵。HIBI★Chazz-K(日々茶漬け!?)という団体の演奏だそうだ。

2010/02/03

久々、Tsukuba Saxophone Quartetの演奏案内

Tsukuba Saxophone Quartetは学生時代に参加していたカルテットであり、メンバーの3/4が卒業したことにより活動を休止していた。しかし、ここ最近いろいろあって活動を再開している。再開の手始めに、公式の演奏の予定があるので、ご案内したいと思う。

雲井雅人サックス四重奏団のウェブサイトにも掲載されているが、3月のディヴィッド・マスランカ David Maslanka氏の来日に合わせ、東京でマスタークラスとレクチャーリサイタルが催される。そのマスランカ氏のマスタークラスを、Tsukuba SQで受講することとなった。たいへん稀有な機会であり、長い人生の中でもこんな機会はなかなか巡ってこないと思う。声を掛けて下さった佐藤さん他、関係者の皆様に感謝申し上げたい。平日なので、仕事はお休みする予定。

【ディヴィッド・マスランカ マスタークラス&レクチャーリサイタル】
出演:ディヴィッド・マスランカ
日にち:2010年3月10日(水曜)
時間:16:00開演(マスタークラス)19:00開演(レクチャー・リサイタル)
会場:ルーテル市ヶ谷
プログラム:
~マスタークラス~
「アルト・サクソフォン・ソナタ」 - 渡部賢吾
「ソプラノ・サクソフォン・ソナタ」 - 大澤知代
「レシテーション・ブックより第1楽章、第5楽章」 - Tsukuba Saxophone Quartet
~レクチャー・リサイタル~
「アルト・サクソフォン協奏曲」 - 雲井雅人
「ソプラノ・サクソフォン・ソナタ」 - 大澤知代
「アルト・サクソフォン・ソナタ」 - 渡部賢吾
「レシテーション・ブック」 - 雲井雅人サックス四重奏団
問い合わせ:
03-5909-1771(ドルチェ楽器)

なんかいろんな意味でTsukuba Saxophone Quartetが浮いているが(^^;がんばろうと思う。すでに何度か練習を行い、少しずつ勘を取り戻している段階。

2010/02/02

Quatuor Axone on YouTube

Quatuor Axone(Axone Saxophone Quartet)が演奏する動画を、YouTubeで見つけた。この四重奏団は、ハバネラサクソフォン四重奏団の流れを汲むフランスの新世代カルテットで、トンデモな楽器のコントロール能力、アンサンブル能力を有した団体。比較的早い時期から名前だけは知っていたのだが、2007年頃にバリトンのマルティヌーさんにCDを送ってもらい、その高い実力を知ることとなった。

CDのレビューはこちら。今まさに聴き返しているが、見通しの良いすっきりした音楽作りは、まさに現代のフランス・サクソフォン界そのもの!シュミットの第2楽章だろうと、コンテンポラリーだろうと、ここまでスマートに聴かせるというのはさすがだ。

動画の中で演奏されているのは、新作なのかなあ。オランダでのライヴだそうだが、詳細がいまいち分からないのがもどかしい。だが、驚異的な楽器のコントロールは一見の価値あり!

2010/02/01

当選者発表

なんと20名を超える方にご応募頂きました。ありがとうございます。また、ひとつひとつのメールにブログの感想を書いていただき、そのどれもが嬉しい言葉ばかりで、今後の更新の活力となりました。感動してちょっと泣きそうです(;_;)今日 or 明日いっぱいかかると思いますが、ご応募いただいたメールには謹んで返信いたします。

先ほど、Excelの乱数機能を使用して抽選を行いました。当選者は「ぱー」さんです。おめでとうございます!

思いつきの企画にお付き合い頂き、ありがとうございました。今後とも「kuri_saxo」「diary.kuri_saxo」をどうぞよろしくお願いいたします。

(明日からは通常の更新スタイルに戻る予定です)

どうもありがとうございました

5周年記念プレゼント、たくさんの方のご応募ありがとうございました!取り急ぎ御礼申し上げます。抽選と当選者発表は、本日中に行おうと思います。