木下直人さんから、CD-Rを送っていただいた。長年の調査・研究の末、Pierre Clementカートリッジを使用したSPの再生環境が整ったのだそうだ!!それに伴って、決定版の復刻を開始したということで、マルセル・ミュールのSPを復刻して送っていただいた。
これは、疑うことなく世界最高の復刻と言える。1950年代のPierre Clementを含む諸機器をオーバーホール(その方法も、試行錯誤を繰り返した驚くべき完璧さを誇る)し、当時の機器を当時の状態で再生しているのだ。まったく、素晴らしいというほかない。これを聴くと、SPよりもLPのほうが音質が良いだなんて言えなくなってしまう。ノイズなどまったく関係なく、その奥に存在する"音楽"が、そのまま眼前に広がる。
今回送っていただいた録音のリストは、以下。SP1枚ごとに洗浄→録音を繰り返すなど、大変な手間をかけているそうだ。深く感謝申し上げる次第である。
(Disque Gramophone DB-5062/5063)
Jacques Ibert - Concertino da Camera
Pierre Vellones - Rapsodie
(Disque Gramophone L-1033)
Gabriel Pierne - Introduction et Variations sur une ronde populaire
(Disque Gramophone K-5989)
Wolfgang Amadeus Mozart - Ave Verum Corps
Nicolai Rimsky Korsakoff - Scherzo
(Florige HP-2002)
Pierre Vellones - Andante (from "Concerto")
(Florige HP-2053)
Eugene Bozza - Concertino
(F.Columbia DF-2239)
Eugene Bozza - Scherzo (from "Andante et Scherzo")
Jean Françaix - Serenade comique (from "Petit Quatuor")
(Parlophone 80.755)
Joachim Raff - Inquietude, Explication
(F.Columbia DF-1557)
Gabriel Pierne - Canzonetta
Félicien Foret - Patres
(F.Columbia DF-853)
Camille Saint-Saens - Le cygne
François Combelle - Variations sur Malborough
(Disque Gramophone K-6007)
Felix Mendelssohn - La fileuse
Pierre Vellones - Le dauphin
木下さんから許可を得ましたので、いくつかのトラックを、ブログをご覧の皆様に対してMP3ファイルなどで公開したいと思っています。こちらは準備中…しばしお待ちください。例えば、ミュールの録音というと筆頭に挙がるイベールの「コンチェルティーノ・ダ・カメラ」、復刻されたものは数多く出ているけど、これを凌駕するものはおそらく他には存在しないだろう。もちろん、そのほかのトラックに関しても同様。
CD-Rに記録されたデータを、できる限り忠実にPCにリッピングしようと思っている。音楽CDって、リッピング手法によっては、データの読み込みや訂正をすっ飛ばしたりして、音質が落ちることがあるのだ。CD記録時のリード・ソロモン符号化の仕組みを知れば、一定以上のデータが読み飛ばしや傷などによって情報が欠落すると、元のデータと差異が生じることがわかる。
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