最近、日曜の夜になるとスティーヴ・ライヒの「Music for 18 Musicians」を聴きたくなる(ちょうど今部屋に流しているところ)。
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新譜というわけではないが、こんなのもあったなあと思ってご紹介する。オランダ発だが、世界的にも有名なアウレリア・サクソフォン四重奏団のライヴアルバムで、四重奏のために書かれた様々な作品を集めたもの。一枚のCDが、最初から最後までまるでコンサートのように構成されており、これを一回通して聴くだけで、サックス四重奏の様々な地平を眺めることができる。
買ったのは高校生の頃だったはず。アウレリア四重奏団やアルノ・ボーンカンプという名前は、クラシックサックス吹きの間ではある種のステイタスのようなものを持っていたが、最近の若い方は知らない人も多いのではないかな(ある世代を境に、とたんに知らない人が多くなる傾向がある)。昔は頻繁に来日していたようなのだが、最近はあまり来なくなってしまったから、というのが原因のひとつだと思う。また、ちょっとCDが手に入りづらい時期があったのだが、最近は再発も多く、聴こうと思えば気軽に彼らの演奏を聴けるようになってきた。amazon等でも探せると思うので、ぜひ手にとってみて欲しい。
Aurelia Saxophone Quaret - Blow!(Challenge Classics 72005)
George Gershwin - Rhapsody in Blue
Samuel Barber - Adagio for Strings
John Cage - Four 5
Elliott Carter - Canonic Suite
Michael Torke - July
Perry Goldstein - Blow!
David Dramm - Come True
David Dramm - Master Bop Blaster
今となっては、「ラプソディ・イン・ブルー」、バーバーの「アダージョ」、マイケル・トークの「ジュライ」、カーター「カノン風組曲」などは、最近でこそ聴く機会も増えてきたが、10年ちょっと前は、このCDに収められたどのさくひんもが、一朝一夕には考えられなかったレパートリーではないだろうか。
正直、ライヴ演奏というコンディションもあって、録音状態や精度的な意味で捉えれば他の団体の演奏に一歩譲る部分も多い。例えば、「ジュライ」はニュー・センチュリーSQのセッション録音のバランスやスピード感覚には敵わないだろうし、「ラプソディ・イン・ブルー」やバーバーの「アダージョ」なんかは、テクニック的な面から言えばスピリタスQのほうが明らかに上だろう。だが、不思議と心ひかれる演奏で、各所に感じられる歌心とか、こう表現するんだ!という強い意志のようなものが、スピーカーを通じて伝わってくる。
そして、驚きは、後半のプログラム。ゴールドスタインの「Blow!」とディヴィッド・ドラムンの「Come True」「Master Bop Blaster」。この3曲におけるアウレリアの演奏は、まさに水を得た魚といったふうで、とても強烈な印象を残す。「Blow!」は13分にも及ぶ長大な曲だが、ロックやジャズといった音楽と、クラシックのエッセンスを見事に融合し、長大な終結部を伴なうロンド形式でまとめ上げた作品。最初のスピード感あふれるテーマと、ゆっくりで、しかし濃密なテーマの2つがが何度も回帰しながら、曲はハイテンションなまま突き進む。最終部に出現する、バリトンサックスとソプラノサックスのソロは、とにかくかっこいい!
さらにパワーアップしての「Come True」と「Master Bop Blaster」は、これはもうほとんどロックの世界ですね。特に「Master Bop Blaster」の変態(褒め言葉です)っぷりは、意表を突かれるというか、私はこの曲以外でこの編成の作品を聴いたことがない。あ、「Lament on the Death of Music」が、ある意味同じかな(笑)。本当はCDを買って欲しいのだけれど、YouTubeにアップロードされていることを教えちゃいましょう。アップロードしたのは、ソプラノ吹きのリンデン氏なので、ここに貼るのも問題ないはず。
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