ディヴィッド・マスランカ David Maslanka氏が作曲したサクソフォーン四重奏曲「レシテーション・ブック Recitation Book」には、賛美歌からのメロディの引用が数多く見られる。スコア分析しながら気になってあれこれ調べていたのだが…。いろいろ聴いているうちに、練習している楽譜とまったく同じメロディが出てきて、びっくり!
実は、賛美歌のメロディを作曲家が様々に拡張してカンタータというものを作曲する?のだということ。そんなわけで同じメロディが、随所に聴かれるのですね。とりあえず「レシテーション・ブック」で引用されている賛美歌のメロディのうち2つについて、バッハを例に挙げて、同じような賛美歌のメロディの引用例を調べてみた。
「レシテーション・ブック」の第2楽章 Prelude/Choralは、「イエス、我が喜び」というメロディを引用した長大な前奏曲と、それに続くコラール。元のメロディの作曲者は1598年生まれのドイツの作曲家、ヨハン・クリューガー Johann Crügerであり、楽譜は次のようなものである。楽譜は、このサイトから引用させていただいた。
このメロディを基礎としさまざまな作曲家がカンタータを書いているが、特に有名なのが、バッハの作によるもの。歌詞がないものでは、次のコラール中でメロディが引用されている。
BWV358:いわゆる、「C.P.E.バッハ編纂のコラール」より。比較的素直な伴奏が付与されている。
BWV610:オルガン小曲集より。かなり革新的な和声で書かれており、なかなか刺激的。
BWV713:オルガンのためのコラールより。フーガ形式。元のメロディはなかなか聴き取りづらい。
BWV753:装飾音が付与された力強い冒頭部分が印象的。後半は、失われているとのこと。
BWV1105:ノンマイスター手稿からのコラール。挟み込まれるインタラプトが新鮮。
声楽曲としては、「Sehet, welch eine Liebe hat uns der Vater erzeiget(見よ、いかなる愛を父はわれらに示されたるか)」の第8曲や、モテット「Jesus, meine freude(イエス、我が喜び)」の第1曲他、多くの作品にこのメロディを見ることができる。
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第5楽章 Fanfare/Variationsは、「アダムの罪により、ものみな滅びたり」というメロディの変奏となっているが、基礎となるメロディは、次のようなものである。作曲者は不詳、ヴィッテンベルグにおける1533年の作とされるものである。楽譜は、このサイトから引用させていただいた。
単旋律だけで実に美しいメロディだ。バッハの作によるもののうち、たとえば明確に「Durch Asams Fall」の名を掲げている器楽曲は次の3つ。
BWV637:一聴して外観が良く分からなくなっているが、たしかにオリジナルの旋律を聴き取ることができる。
BWV705:オルガン小曲集から。他の三声が取り付くことで、重厚な印象の曲に変化している。
BWV1101:ノンマイスター手稿からのコラール。フーガ形式で、最後は輝かしく終わる。
声楽曲としては、カンタータBWV18「Gleichwie der Regen und Schnee vom Himmel fällt(天より雨くだり雪おちて)」の第5曲や、BWV109「Ich Glaube, Lieber Herr, Hilf Meinem Unglauben(われ信ず、尊き主よ、信仰なきわれを助けたまえ)」の第6曲にメロディの引用が聴かれる。
(MIDI関係は、Tanubach氏のサイトへリンクを張らせていただきました。http://jsbach.blog68.fc2.com/)
2008/01/31
2008/01/30
Birtwistle "Panic" on YouTube
久々のYouTubeネタ。残念ながら一瞬なのだが、ハリソン・バートウィッスルの「パニック」演奏映像。演奏はジョン・ハール John Harle氏…カッコいい!どうやら、ハール氏自身がアップロードしている映像のようである。全編を観てみたいなあ。
こんなのもあった。こちらは、作曲がハール氏なのだ。ゼロ・クラウンのCMの音楽のハマリっぷりは、見事と言うほかない。
こんなのもあった。こちらは、作曲がハール氏なのだ。ゼロ・クラウンのCMの音楽のハマリっぷりは、見事と言うほかない。
2008/01/29
木下直人さんから(パリ五重奏団関連)
以前記事でも紹介した木下直人さんから、その後もいくつもの音源をお譲りいただいている。なかなか追いつかない(笑)のだが、ぼちぼち紹介していこうと思う。今回紹介するのは、ギャルド・レピュブリケーヌ吹奏楽団のサクソフォンセクションで結成された、パリ・サクソフォン五重奏団関連の音源。
Classic Saxと題され、Quantumから出版されていたディスクで、Vol.1からVol.3まである。内容は、バッハなどのトランスものから現代音楽までと多岐に渡り、サックス五重奏という珍しいフォーマットをじっくり堪能できるCD。
「Classic Sax Vol.1」
Andre Beun アンドレ・ブーン
Georges Porte ジョルジュ・ポルト
Bernaud Beaufreton ベルナール・ボーフルトン
Michel Trousselet ミシェル・トゥルーセル
Maurice Delabre モーリス・ドゥラブル
曲目:
A.Dvorak - Humoresque
J.S.Bach - Suite en B minor
A.Vivaldi - Concerto in C major
G.Gershwin - Summertime
L.Boccherrini - Adagio
J.S.Bach - Aria
R.Boutry - Improvisation
J.S.Bach - Allemande
五重奏とはいえ、微妙にソロなどが含まれており、びっくりする。アンサンブルはしっかりしているが、良い意味での体温の低さを感じ、「スタンダード」という言葉が脳裏に浮かんだ。収録時間が短めであるのだが、これはLPがオリジナルの音源なのだろうか。
「Classic Sax Vol.2 - Musique Francaise du XXeme siecle」
新録音メンバー:
Georges Porte ジョルジュ・ポルト
Jean-Pierre Baraglioli ジャン=ピエール・バラグリオリ
Marc Duchene マーク・ドゥシェーヌ
Philippe Chebrou フィリップ・シェブロー
Michel Trousselet ミシェル・トゥルーセル
旧録音メンバー:
Andre Beun アンドレ・ブーン
Georges Porte ジョルジュ・ポルト
Bernaud Beaufreton ベルナール・ボーフルトン
Michel Trousselet ミシェル・トゥルーセル
Maurice Delabre モーリス・ドゥラブル
曲目:
M.Nicolas - Tango baroque (SATTB)
J.Naulais - Atout Sax (SATTB)
J.M.Defaye - Dialogue(AATTB - SnSATB)
C.Terranova - Metamorphose(SATTB)
J.C.Naude - Sun, Sand, Sea, Sax(SATTB)
L.Robert - Flammes et fumees(SnSATB)
五重奏のためにかかれたオリジナル曲を集めたCDであり、前半が新録音。後半は以前木下さんより譲っていたLPの音源と重複している。とにかく良い曲がないと言われる五重奏ではあるが、このCDを聴いてしまうとそんなことは言えなくなってしまう。ジャズから影響を受けた音楽あり、ガチガチの現代音楽あり…しかし、管楽器を愛してきた国、フランスの作品だけあって、根底には同じものが感じられるような。演奏もアツい!
「Classic Sax Vol.3」
Georges Porte ジョルジュ・ポルト
Jean-Pierre Baraglioli ジャン=ピエール・バラグリオリ
Marc Duchene マーク・ドゥシェーヌ
Philippe Chebrou フィリップ・シェブロー
Michel Trousselet ミシェル・トゥルーセル
曲目:
A.Corelli - Concerto grosso No.8
J.S.Bach - Petit livre d'orgue
J.Savari - Quintetto
J.Massenet - Phedre (Ouverture)
J.S.Bach - Kleine fugue
J.S.Bach - Jesus, que ma joie demeure
再び、トランス物。サヴァリの作品はオリジナルだが、この作品を聴くことのできるCDもなかなか少ないため、貴重な音盤だ。驚くべきは、マスネの作品におけるクリスチャン・ヴィルトゥ Christian Wirth氏の参加(!)。もしかして、ヴィルトゥ氏の公式な録音としては初めてのものではないだろうか?DGのセクエンツァ集とどちらが早いのだろう。Vol.1と比較してみると、メンバーが変わっているせいかサウンドが変わっており、面白い。
…そして、1987年にギャルド・レピュブリケーヌ吹奏楽団が来日した際の音源から。FMで放送された、2時間に及ぶ長大なNHK505スタジオ・ライヴの模様である。すごい!ちなみにこの来日時、神奈川県立音楽堂でも演奏会を行ったそうだ。
Andre Beun アンドレ・ブーン(S,A)
Georges Porte ジョルジュ・ポルト(Sn,S,A)
Bernaud Beaufreton ベルナール・ボーフルトン(T)
Michel Trousselet ミシェル・トゥルーセル(A,T)
Maurice Delabre モーリス・ドゥラブル(B)
曲目:
N.リムスキー・コルサコフ「くまんばちの飛行」
J.C.ノード「太陽、砂、海、サックス」
G.ガーシュウィン「サマータイム」
J.ノレ「サックスの切り札」
M.ストラル「五重奏のためのバラード」
J.S.バッハ「バディネリ」「アリア」「ラルゴ」
A.ヴィヴァルディ「協奏曲ハ長調」
R.ブートリー「即興曲」
L.ロベール「炎と煙」
J.M.デュファイ「対話」
~アンコール~
A.ドヴォルザーク「ユーモレスク」
CDと同じ曲がたくさん含まれており、聴き比べが楽しい。司会者、ゲストのお話を交えながら(五重奏という不思議な編成から、司会者とゲストがうろたえまくっているのがわかる笑)、ジャズ・トランス・オリジナルという3部構成にてパリ五重奏団が吹きまくる。こと、ブートリー、ロベール、デュファイを驚異的な集中力でもって連続して演奏する様子は、まさに圧巻である。即興的な解釈になったり、微妙に事故があったりするのも、ライヴ録音ならではで楽しいな。
NHK-FMということもあり、途中にニュースが挟まれるのだが、為替史上で円の史上最高値1ドル135円をつけた、と言っている。平均株価は2万2千円だとさ。時代を感じます。
Classic Saxと題され、Quantumから出版されていたディスクで、Vol.1からVol.3まである。内容は、バッハなどのトランスものから現代音楽までと多岐に渡り、サックス五重奏という珍しいフォーマットをじっくり堪能できるCD。
「Classic Sax Vol.1」
Andre Beun アンドレ・ブーン
Georges Porte ジョルジュ・ポルト
Bernaud Beaufreton ベルナール・ボーフルトン
Michel Trousselet ミシェル・トゥルーセル
Maurice Delabre モーリス・ドゥラブル
曲目:
A.Dvorak - Humoresque
J.S.Bach - Suite en B minor
A.Vivaldi - Concerto in C major
G.Gershwin - Summertime
L.Boccherrini - Adagio
J.S.Bach - Aria
R.Boutry - Improvisation
J.S.Bach - Allemande
五重奏とはいえ、微妙にソロなどが含まれており、びっくりする。アンサンブルはしっかりしているが、良い意味での体温の低さを感じ、「スタンダード」という言葉が脳裏に浮かんだ。収録時間が短めであるのだが、これはLPがオリジナルの音源なのだろうか。
「Classic Sax Vol.2 - Musique Francaise du XXeme siecle」
新録音メンバー:
Georges Porte ジョルジュ・ポルト
Jean-Pierre Baraglioli ジャン=ピエール・バラグリオリ
Marc Duchene マーク・ドゥシェーヌ
Philippe Chebrou フィリップ・シェブロー
Michel Trousselet ミシェル・トゥルーセル
旧録音メンバー:
Andre Beun アンドレ・ブーン
Georges Porte ジョルジュ・ポルト
Bernaud Beaufreton ベルナール・ボーフルトン
Michel Trousselet ミシェル・トゥルーセル
Maurice Delabre モーリス・ドゥラブル
曲目:
M.Nicolas - Tango baroque (SATTB)
J.Naulais - Atout Sax (SATTB)
J.M.Defaye - Dialogue(AATTB - SnSATB)
C.Terranova - Metamorphose(SATTB)
J.C.Naude - Sun, Sand, Sea, Sax(SATTB)
L.Robert - Flammes et fumees(SnSATB)
五重奏のためにかかれたオリジナル曲を集めたCDであり、前半が新録音。後半は以前木下さんより譲っていたLPの音源と重複している。とにかく良い曲がないと言われる五重奏ではあるが、このCDを聴いてしまうとそんなことは言えなくなってしまう。ジャズから影響を受けた音楽あり、ガチガチの現代音楽あり…しかし、管楽器を愛してきた国、フランスの作品だけあって、根底には同じものが感じられるような。演奏もアツい!
「Classic Sax Vol.3」
Georges Porte ジョルジュ・ポルト
Jean-Pierre Baraglioli ジャン=ピエール・バラグリオリ
Marc Duchene マーク・ドゥシェーヌ
Philippe Chebrou フィリップ・シェブロー
Michel Trousselet ミシェル・トゥルーセル
曲目:
A.Corelli - Concerto grosso No.8
J.S.Bach - Petit livre d'orgue
J.Savari - Quintetto
J.Massenet - Phedre (Ouverture)
J.S.Bach - Kleine fugue
J.S.Bach - Jesus, que ma joie demeure
再び、トランス物。サヴァリの作品はオリジナルだが、この作品を聴くことのできるCDもなかなか少ないため、貴重な音盤だ。驚くべきは、マスネの作品におけるクリスチャン・ヴィルトゥ Christian Wirth氏の参加(!)。もしかして、ヴィルトゥ氏の公式な録音としては初めてのものではないだろうか?DGのセクエンツァ集とどちらが早いのだろう。Vol.1と比較してみると、メンバーが変わっているせいかサウンドが変わっており、面白い。
…そして、1987年にギャルド・レピュブリケーヌ吹奏楽団が来日した際の音源から。FMで放送された、2時間に及ぶ長大なNHK505スタジオ・ライヴの模様である。すごい!ちなみにこの来日時、神奈川県立音楽堂でも演奏会を行ったそうだ。
Andre Beun アンドレ・ブーン(S,A)
Georges Porte ジョルジュ・ポルト(Sn,S,A)
Bernaud Beaufreton ベルナール・ボーフルトン(T)
Michel Trousselet ミシェル・トゥルーセル(A,T)
Maurice Delabre モーリス・ドゥラブル(B)
曲目:
N.リムスキー・コルサコフ「くまんばちの飛行」
J.C.ノード「太陽、砂、海、サックス」
G.ガーシュウィン「サマータイム」
J.ノレ「サックスの切り札」
M.ストラル「五重奏のためのバラード」
J.S.バッハ「バディネリ」「アリア」「ラルゴ」
A.ヴィヴァルディ「協奏曲ハ長調」
R.ブートリー「即興曲」
L.ロベール「炎と煙」
J.M.デュファイ「対話」
~アンコール~
A.ドヴォルザーク「ユーモレスク」
CDと同じ曲がたくさん含まれており、聴き比べが楽しい。司会者、ゲストのお話を交えながら(五重奏という不思議な編成から、司会者とゲストがうろたえまくっているのがわかる笑)、ジャズ・トランス・オリジナルという3部構成にてパリ五重奏団が吹きまくる。こと、ブートリー、ロベール、デュファイを驚異的な集中力でもって連続して演奏する様子は、まさに圧巻である。即興的な解釈になったり、微妙に事故があったりするのも、ライヴ録音ならではで楽しいな。
NHK-FMということもあり、途中にニュースが挟まれるのだが、為替史上で円の史上最高値1ドル135円をつけた、と言っている。平均株価は2万2千円だとさ。時代を感じます。
2008/01/28
ロンデックスコンクール、公式ガイドブック&集計
さて、今日でロンデックスコンクールの話題もおしまいである。ピアノの李早恵さんより、ロンデックス国際コンクールの公式ガイドブックをご好意でお譲り頂いた(李さんはロギーナ氏とともに、コンクールの二次予選で演奏されていたのだ!)。この場を借りて、改めて感謝申し上げます。
内容は、実行委員サイドの挨拶、審査員紹介、公式ピアニスト紹介、参加者一人ひとりの簡単なプロフィールと選択曲、といったところ。今回のコンクールは、なかなか詳細な公式情報がウェブ上にアップされなかったため、大変貴重な資料である。
夕方に到着してのち、ひたすらデータをまとめていたが、隅々まで眺めることでなかなか面白い事象が見受けられた。たとえば、ドナトーニを選択していた人がいる!とか、テナー一本で一次予選から本選まで戦おうとしていた人がいる!とか、日本以外のアジア勢がたくさん参加しているなー、とか。細かいことまではさすがに書くことができないが、2006年のディナンのときと同じように、統計データを以下のページにまとめたので、もしよろしければご覧ください。
http://www.geocities.jp/kuri_saxo/notes/londeix2008/londeix2008.html
次のロンデックスコンクールは、3年後。ロンデックス氏は、今回のコンクール、そしてコンクールが行われた会場やスタッフのサポートを大変気に入ったようで、氏の所蔵するコレクションの中から、アドルフ・サックス自身の作によるものを含む3本のヴィンテージ・サクソフォンを、会場となったMahidol大学に寄贈したそうだ。
本選でいくつかハプニングは起こったものの、結果的に大変良いコンクールとなったということだそうで。関係者の努力の賜物だろう。3年後を、また楽しみに待ちたいところである。
内容は、実行委員サイドの挨拶、審査員紹介、公式ピアニスト紹介、参加者一人ひとりの簡単なプロフィールと選択曲、といったところ。今回のコンクールは、なかなか詳細な公式情報がウェブ上にアップされなかったため、大変貴重な資料である。
夕方に到着してのち、ひたすらデータをまとめていたが、隅々まで眺めることでなかなか面白い事象が見受けられた。たとえば、ドナトーニを選択していた人がいる!とか、テナー一本で一次予選から本選まで戦おうとしていた人がいる!とか、日本以外のアジア勢がたくさん参加しているなー、とか。細かいことまではさすがに書くことができないが、2006年のディナンのときと同じように、統計データを以下のページにまとめたので、もしよろしければご覧ください。
http://www.geocities.jp/kuri_saxo/notes/londeix2008/londeix2008.html
次のロンデックスコンクールは、3年後。ロンデックス氏は、今回のコンクール、そしてコンクールが行われた会場やスタッフのサポートを大変気に入ったようで、氏の所蔵するコレクションの中から、アドルフ・サックス自身の作によるものを含む3本のヴィンテージ・サクソフォンを、会場となったMahidol大学に寄贈したそうだ。
本選でいくつかハプニングは起こったものの、結果的に大変良いコンクールとなったということだそうで。関係者の努力の賜物だろう。3年後を、また楽しみに待ちたいところである。
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情報
2008/01/26
ロンデックスコンクール、本選終了
第1位:アレクサンドル・ドワジー氏
第2位:ダグラス・オコナー氏
第3位:ミーハ・ロギーナ氏
第4位:ショーン・パタヤニコム氏
第5位:ヴァンソン・ダウト氏
結果教えていただきました。情報、ありがとうございました!
(1/27 1:03am 追記)
4位と5位の結果を追記しました。
第2位:ダグラス・オコナー氏
第3位:ミーハ・ロギーナ氏
第4位:ショーン・パタヤニコム氏
第5位:ヴァンソン・ダウト氏
結果教えていただきました。情報、ありがとうございました!
(1/27 1:03am 追記)
4位と5位の結果を追記しました。
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情報
今日はいろいろ演奏しました
大学生時代に所属していた吹奏楽団の、団内アンサンブル~吹奏楽等発表会にて演奏。いちおう演奏した曲目を記録しておきます。
「"レシテーション・ブック"より第5楽章」
マスランカ氏のアレです。響きが少ない場所だったので、どういう風に聴こえていたんだかよくわからないなあ。録音を聴いてみたい。
「Take the "A" Train」「It don't Mean a Thing」
ビッグバンドにて。Old Valley Jazz Orchestraは、毎回楽しいですなー。来年も乗れるかなあ…。
「レイディアント・マーチ」「ガムサッカーズ・マーチ」
ようやく「レイディアント・マーチ」の面白さが分かってきたと思ったら、もう本番。「ガムサッカーズ」は、誰が何と言おうと、マーチ史上最高クラスの名曲。指揮の爆発っぷりは、さすが、彼のキャラクターですね。
「第一組曲」「絵のない絵本」
シャコンヌは、吹いていてさすがに充実度が高い。「絵のない絵本」は、本番ともなると良い感じでパリっと鳴っていて、なかなか爽快だった。
聴いたところなど:
クラの8重奏で、「祈り、歌、踊り」とかいう日本人の曲が、なんだかプログレっぽくて面白かった。「クローバー・ファンタジー」と言い、なかなかプログレしてる曲って多いのですね。ホルスト「第二組曲」のダーガソン・ヴァリエイションは、何度聴いてもグリーンスリーヴスの主題が戻ってくるところで鳥肌が立つ。ホルストのアイデアに脱帽。「セント・ポール組曲」の第4楽章と、どちらが先にできたのかしらん。野球応援バンドは、さすがにあれだけコンセプチュアルだと、こちらは手も足も出ないなー(笑)。とっても楽しかった。
「"レシテーション・ブック"より第5楽章」
マスランカ氏のアレです。響きが少ない場所だったので、どういう風に聴こえていたんだかよくわからないなあ。録音を聴いてみたい。
「Take the "A" Train」「It don't Mean a Thing」
ビッグバンドにて。Old Valley Jazz Orchestraは、毎回楽しいですなー。来年も乗れるかなあ…。
「レイディアント・マーチ」「ガムサッカーズ・マーチ」
ようやく「レイディアント・マーチ」の面白さが分かってきたと思ったら、もう本番。「ガムサッカーズ」は、誰が何と言おうと、マーチ史上最高クラスの名曲。指揮の爆発っぷりは、さすが、彼のキャラクターですね。
「第一組曲」「絵のない絵本」
シャコンヌは、吹いていてさすがに充実度が高い。「絵のない絵本」は、本番ともなると良い感じでパリっと鳴っていて、なかなか爽快だった。
聴いたところなど:
クラの8重奏で、「祈り、歌、踊り」とかいう日本人の曲が、なんだかプログレっぽくて面白かった。「クローバー・ファンタジー」と言い、なかなかプログレしてる曲って多いのですね。ホルスト「第二組曲」のダーガソン・ヴァリエイションは、何度聴いてもグリーンスリーヴスの主題が戻ってくるところで鳥肌が立つ。ホルストのアイデアに脱帽。「セント・ポール組曲」の第4楽章と、どちらが先にできたのかしらん。野球応援バンドは、さすがにあれだけコンセプチュアルだと、こちらは手も足も出ないなー(笑)。とっても楽しかった。
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演奏
ロンデックスコンクール、本選速報
とある筋からの情報だが、Alexandre Doisyが本選の選択曲をジョラスからトマジに変更した、とのこと。う~ん、本当かどうか良く分からないが、今日の午後には本選が行われる…!終わり次第、全てが分かることだろう。
(!修正!)
コメント欄においても指摘されていますが、上の情報は誤りです。saeさん、正確な情報をありがとうございました。ドワジー氏の選択曲は、予定通りジョラスです。失礼いたしました。
とにもかくにも、ファイナリストの皆さんの健闘を!
(!修正!)
コメント欄においても指摘されていますが、上の情報は誤りです。saeさん、正確な情報をありがとうございました。ドワジー氏の選択曲は、予定通りジョラスです。失礼いたしました。
とにもかくにも、ファイナリストの皆さんの健闘を!
ラベル:
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2008/01/25
バリトンサックスで「無伴奏チェロ」全曲
出た~!噂のバリトンサックスによるバッハ「無伴奏チェロ組曲」全曲盤、しかも廉価盤!演奏はHenk van Twillert ヘンク=ファン・トゥイラールト。なんと1000円前後。こいつは、即買いだろう。
CDショップに並ぶ日も近いのだろうが、とりあえずHMVで買える(今見たところの価格だと、1302円)。以下のリンクからどうぞ。…しかし、マルチバイ特価ってのも、なんだかなあ(--;
http://www.hmv.co.jp/product/detail/2675281
CDショップに並ぶ日も近いのだろうが、とりあえずHMVで買える(今見たところの価格だと、1302円)。以下のリンクからどうぞ。…しかし、マルチバイ特価ってのも、なんだかなあ(--;
http://www.hmv.co.jp/product/detail/2675281
ラベル:
情報
NSF Vol.23
2日間休んだところ復活してきています。お気遣いありがとうございます。というわけで、まだまだ本調子とはいかないため、本日も軽めの記事にて:
ノナカ・サクソフォン・フレンズの会報最新号がアップされていた。ここからダウンロードできる。最新号限定とはいえ、無料で読むことができるのはありがたい。
今回の記事は、大石将紀氏インタビュー、ヴィルトゥ氏クリニックレポート、貝沼氏コンサートのレポート、原博巳氏のツアー記、ティネカ・ポスマへのインタビューなど。
"Musique contemporaine"ではなく、"Musique experimental"という言葉…良いですね。フェルドハウスの作品群や、ジョドロフスキの「Mixtion」、ブーレーズの「二重の影の対話」、暮れのフェスティバルで聴いた酒井建治氏の作品「波と記憶の間に」なんかは、まさにそんな感じだし、昨年のドゥラングル教授のコンサートなんかは、コンサート全体がまさに"Musique experimental"と表現するのにぴったりな雰囲気だったな。
というわけでみなさん、3/18のB→C行きましょう(笑)。こちらに関しては、また情報詳しく載せます。
原博巳氏のツアー記は、キャプヴェルンの本番の様子とロンデックス邸訪問について書かれている。読んでみて、なんだか感動してしまった…。
ノナカ・サクソフォン・フレンズの会報最新号がアップされていた。ここからダウンロードできる。最新号限定とはいえ、無料で読むことができるのはありがたい。
今回の記事は、大石将紀氏インタビュー、ヴィルトゥ氏クリニックレポート、貝沼氏コンサートのレポート、原博巳氏のツアー記、ティネカ・ポスマへのインタビューなど。
"Musique contemporaine"ではなく、"Musique experimental"という言葉…良いですね。フェルドハウスの作品群や、ジョドロフスキの「Mixtion」、ブーレーズの「二重の影の対話」、暮れのフェスティバルで聴いた酒井建治氏の作品「波と記憶の間に」なんかは、まさにそんな感じだし、昨年のドゥラングル教授のコンサートなんかは、コンサート全体がまさに"Musique experimental"と表現するのにぴったりな雰囲気だったな。
というわけでみなさん、3/18のB→C行きましょう(笑)。こちらに関しては、また情報詳しく載せます。
原博巳氏のツアー記は、キャプヴェルンの本番の様子とロンデックス邸訪問について書かれている。読んでみて、なんだか感動してしまった…。
2008/01/24
ロンデックスコンクール、本選
昨晩から体調崩しました。コメントのお返事が滞り、申し訳ありません。復活したら書きます。
ロンデックスコンクール本選ですが、李早恵さんのブログに、様子が書かれています。曲が難しすぎてオケが演奏できないと、ひと波乱起きているようです。
…ふう、がんばって起きてみましたがやっぱダメですね。もうちょっと休みます…。週末を乗り切ることができるのだろうか…。
ロンデックスコンクール本選ですが、李早恵さんのブログに、様子が書かれています。曲が難しすぎてオケが演奏できないと、ひと波乱起きているようです。
…ふう、がんばって起きてみましたがやっぱダメですね。もうちょっと休みます…。週末を乗り切ることができるのだろうか…。
ラベル:
情報
2008/01/22
微妙なニュアンス
聴き分けることは、難しい。
吹き分けることは、もっと難しい。
…いや、別に何でもないだけど(笑)ここ最近は一日一通くらい、英語を使ってメールをやり取りしたり、SOTWのフォーラムに一日に何回も出入りしているのだけれど、微妙なニュアンスを読み分けるのは難しいし、書き分けるのはもっと難しいな、と思いまして。やっぱあれか、一年くらい海外に住むしかないのかしらん(←非現実的)。何でも良いから、今日送ったメールには返信があるといいなー。グラズノフ絡みなのだ。
楽器も同じ。ま、そんなこと言う前に楽譜に、書いてあることをきちんとできるようになれ、って話だが。ワタシャあんまり耳が良くないので、吹くより先に聴き分けられないとどうしようもない、という話もあり。
そういえば、自分のテナーの音の響き方が、最近不思議な感じ。これが良いことなのか、悪いことなのかは、ちょっとよくわからない。リードのせいなのかなあ。
吹き分けることは、もっと難しい。
…いや、別に何でもないだけど(笑)ここ最近は一日一通くらい、英語を使ってメールをやり取りしたり、SOTWのフォーラムに一日に何回も出入りしているのだけれど、微妙なニュアンスを読み分けるのは難しいし、書き分けるのはもっと難しいな、と思いまして。やっぱあれか、一年くらい海外に住むしかないのかしらん(←非現実的)。何でも良いから、今日送ったメールには返信があるといいなー。グラズノフ絡みなのだ。
楽器も同じ。ま、そんなこと言う前に楽譜に、書いてあることをきちんとできるようになれ、って話だが。ワタシャあんまり耳が良くないので、吹くより先に聴き分けられないとどうしようもない、という話もあり。
そういえば、自分のテナーの音の響き方が、最近不思議な感じ。これが良いことなのか、悪いことなのかは、ちょっとよくわからない。リードのせいなのかなあ。
ラベル:
演奏
2008/01/21
雲井Q「レシテーション・ブック」発売日決定
2008/2/27だとのこと。たった今、Cafuaウェブページの新着情報を見て知りました。続いて某氏のm○○iページを訪問したら、そこにも書いてあったのでした。…ジャケットがカッコイイ!
えーっと、確か最初は2007年9月発売予定で、次は2007年11月発売予定で、2007年のうちに発売予定のはずが、2008年の1/29発売予定となって、最終的に2008年の2/27か。長かった…(;_;)やっぱり、3/1に間に合わせた、ということだろうか。
我々も、3/1に(恐れ多くも雲井雅人サックス四重奏団と同じ演奏日に!)「レシテーション・ブック」からいくつか楽章を抜粋して演奏する予定。ううぅ、練習が間に合うかどうか。中途半端なものは聴かせられないなあ(週末にも、最終楽章のみの演奏を控えている)。…弱音は吐くけれど、ポリシーとしてはもちろん間に合わせる。音楽やる者だったら、当然のこと。
そういえば、Cafuaからは林田和之氏のCD発売予定もあるし、ジェローム・ララン氏のCD発売予定もあるのだよな(→リリース予定CD情報を参照のこと)。どちらも楽しみですなあ。
えーっと、確か最初は2007年9月発売予定で、次は2007年11月発売予定で、2007年のうちに発売予定のはずが、2008年の1/29発売予定となって、最終的に2008年の2/27か。長かった…(;_;)やっぱり、3/1に間に合わせた、ということだろうか。
我々も、3/1に(恐れ多くも雲井雅人サックス四重奏団と同じ演奏日に!)「レシテーション・ブック」からいくつか楽章を抜粋して演奏する予定。ううぅ、練習が間に合うかどうか。中途半端なものは聴かせられないなあ(週末にも、最終楽章のみの演奏を控えている)。…弱音は吐くけれど、ポリシーとしてはもちろん間に合わせる。音楽やる者だったら、当然のこと。
そういえば、Cafuaからは林田和之氏のCD発売予定もあるし、ジェローム・ララン氏のCD発売予定もあるのだよな(→リリース予定CD情報を参照のこと)。どちらも楽しみですなあ。
ラベル:
情報
ロンデックスコンクール、二次予選通過者リスト
井上麻子さんのブログ記事に結果が載せられていた。さすが、情報がお早い!それによると、
Douglas O'Connor (Eastman School of Music)
Alexandre Doisy (France)
Sean Patayanikorn (Bowling Green State Univ., Anubis Quartet)
Miha Rogina (CNSMDP, Slovenia)
Vincent Daoud (France)
というわけで、本選への進出者は5名。日本の方は通過ならず(残念…)。
こちらのページにも、簡単にまとめた。
Douglas O'Connor (Eastman School of Music)
Alexandre Doisy (France)
Sean Patayanikorn (Bowling Green State Univ., Anubis Quartet)
Miha Rogina (CNSMDP, Slovenia)
Vincent Daoud (France)
というわけで、本選への進出者は5名。日本の方は通過ならず(残念…)。
こちらのページにも、簡単にまとめた。
ラベル:
情報
2008/01/20
グラズノフ「協奏曲」オリジナル版とLeduc版との違い
シガード(シーグルト)・ラッシャーが、「四重奏曲」を聴いて感激し、委嘱して生まれたというアレクサンドル・グラズノフの「協奏曲」。言わずもがな、現在においてもアルトサクソフォーンのための最も重要なレパートリーの一つとして数えられている。ラッシャー自身がグラズノフの「協奏曲」について語った資料「Alexandre Glazounov: Concerto」から、出版時における楽譜の変更について述べられている部分を抜粋して、譜例と共に記してみたい。
練習番号[23]~[24]付近において、現在演奏されるのは、Alphonse Leducから出版されている次のような楽譜である。ま、おなじみの譜面ですね(クリックして拡大)。
ところが、グラズノフの自筆譜を見ると、次のようになっているのである(クリック拡大)。
ん?良く分からない?では、それぞれの楽譜を比較用に浄書してみたので、ご覧頂こう(クリック拡大)。
上段がオリジナル版、下段がAlphonse Leducから出版されている版を、それぞれ浄書したもの。赤い四角の内部に注目していただきたい。ラッシャー自身が以下のように述べているとおり、出版段階で八分休符が挿入され、違う楽譜になってしまったのである。ちなみに、以下の文面では最後のオクターヴ上げについても書かれていますね。
But it is evident that before the first printing this and that were changed in the solo part. In the three measures before rehearsal number 24 in the manuscript are no eighth-rests, but octaves, just as in the previous measures. Nor is there an ad lib for 8va sign at the end of the manuscript.
せっかくなので、オリジナルで演奏しているラッシャーの演奏と、Leduc版のバージョンで演奏しているミュールの演奏を、抜粋して聴きくらべて頂こう(→聴き比べ用ページ)。まさに、それぞれの楽譜の通り(ミュールのほうは、ピアノと共に少々ズッこけてますな)。
なんでこんなことが起こったのだろうか。もしかしたら、グラズノフと連名になっているA.Petiotの仕業かもしれないな。グラズノフは、作曲段階ではA.Petiotとの共同作業はなかったとのことだが、出版社側が、演奏効果を上げるために勝手に改訂を行った、ということなのだろうか。確かに、Leduc版のほうがスピード感もあるし、面白いと言えば面白い。だが、(当たり前だが)オリジナル版で吹いたほうが、作曲家の意図に沿っている、ということにはなるだろうな。
…うーん、自筆譜全体を見てみたくなったぞ。どこかでファクシミリを入手できないだろうか。
練習番号[23]~[24]付近において、現在演奏されるのは、Alphonse Leducから出版されている次のような楽譜である。ま、おなじみの譜面ですね(クリックして拡大)。
ところが、グラズノフの自筆譜を見ると、次のようになっているのである(クリック拡大)。
ん?良く分からない?では、それぞれの楽譜を比較用に浄書してみたので、ご覧頂こう(クリック拡大)。
上段がオリジナル版、下段がAlphonse Leducから出版されている版を、それぞれ浄書したもの。赤い四角の内部に注目していただきたい。ラッシャー自身が以下のように述べているとおり、出版段階で八分休符が挿入され、違う楽譜になってしまったのである。ちなみに、以下の文面では最後のオクターヴ上げについても書かれていますね。
But it is evident that before the first printing this and that were changed in the solo part. In the three measures before rehearsal number 24 in the manuscript are no eighth-rests, but octaves, just as in the previous measures. Nor is there an ad lib for 8va sign at the end of the manuscript.
せっかくなので、オリジナルで演奏しているラッシャーの演奏と、Leduc版のバージョンで演奏しているミュールの演奏を、抜粋して聴きくらべて頂こう(→聴き比べ用ページ)。まさに、それぞれの楽譜の通り(ミュールのほうは、ピアノと共に少々ズッこけてますな)。
なんでこんなことが起こったのだろうか。もしかしたら、グラズノフと連名になっているA.Petiotの仕業かもしれないな。グラズノフは、作曲段階ではA.Petiotとの共同作業はなかったとのことだが、出版社側が、演奏効果を上げるために勝手に改訂を行った、ということなのだろうか。確かに、Leduc版のほうがスピード感もあるし、面白いと言えば面白い。だが、(当たり前だが)オリジナル版で吹いたほうが、作曲家の意図に沿っている、ということにはなるだろうな。
…うーん、自筆譜全体を見てみたくなったぞ。どこかでファクシミリを入手できないだろうか。
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作品
2008/01/19
ロンデックスコンクール、一次予選通過者リスト
というわけで、一次通過者リスト。某所からのコピー&ペースト。情報の信憑性はそこそこ高いと思うが、あくまで二次情報なので、取り扱いには慎重を期していただきたい。
通過者は22人。そのうち日本人は、伊藤あさぎさん、西本淳さん、田村真寛さんなど8人。その他、海外組で知っている奏者としては、アレクサンドル・ドワジー、ミーハ・ロギーナあたり。
(追記)
佐藤淳一さんより教えていただいたのだが、Chizu Okawa=大川千都さんは、洗足音楽大学を卒業し、現在ブール・ラ・レンヌ国立音楽院にて、アルカン四重奏団のテナー奏者、エルワン・ファガン氏のもとで研鑽を積んでいらっしゃるサックス吹きだそうだ。実は今回のコンクール、フランスからの参加組はほとんどいないそうなのだが(CNSMDPからも、参加しているのはロギーナ氏くらい)、日本からフランスへの留学生の方が参加されていたとは…。
また、Olesen Klausさんは、やっぱりあのデンマークのクラウス・ウールセンさんだ、とのこと。お髭もたくわえて「大御所」って感じがしていたが、まだ意外と若いのですね(^^;
Douglas O'Connor
Alexandre Doisy
Olesen Klaus
加藤和也(エリザベト音大)
荻島良太(尚美ディプロマ卒、Vive!SQ)
Stacy Wilson
Stephen Page
小川卓朗(洗足音大)
Joshua Hyde
野口紗矢香(尚美ディプロマ?)
大川千都(ブール・ラ・レンヌ国立音楽院)
Sean Patayanikorn
田村真寛(洗足音大非常勤講師)
Zimin Nikita
Miha Rogina
Paul Tucker
Vincent Daoud
Xin Gao
西本淳(相愛大・武庫川女子大講師)
伊藤あさぎ(東京藝大大学院)
Joel Diegert
Ning-Xin Su
こちらのページにも、少しだがまとめておいた。
通過者は22人。そのうち日本人は、伊藤あさぎさん、西本淳さん、田村真寛さんなど8人。その他、海外組で知っている奏者としては、アレクサンドル・ドワジー、ミーハ・ロギーナあたり。
(追記)
佐藤淳一さんより教えていただいたのだが、Chizu Okawa=大川千都さんは、洗足音楽大学を卒業し、現在ブール・ラ・レンヌ国立音楽院にて、アルカン四重奏団のテナー奏者、エルワン・ファガン氏のもとで研鑽を積んでいらっしゃるサックス吹きだそうだ。実は今回のコンクール、フランスからの参加組はほとんどいないそうなのだが(CNSMDPからも、参加しているのはロギーナ氏くらい)、日本からフランスへの留学生の方が参加されていたとは…。
また、Olesen Klausさんは、やっぱりあのデンマークのクラウス・ウールセンさんだ、とのこと。お髭もたくわえて「大御所」って感じがしていたが、まだ意外と若いのですね(^^;
Douglas O'Connor
Alexandre Doisy
Olesen Klaus
加藤和也(エリザベト音大)
荻島良太(尚美ディプロマ卒、Vive!SQ)
Stacy Wilson
Stephen Page
小川卓朗(洗足音大)
Joshua Hyde
野口紗矢香(尚美ディプロマ?)
大川千都(ブール・ラ・レンヌ国立音楽院)
Sean Patayanikorn
田村真寛(洗足音大非常勤講師)
Zimin Nikita
Miha Rogina
Paul Tucker
Vincent Daoud
Xin Gao
西本淳(相愛大・武庫川女子大講師)
伊藤あさぎ(東京藝大大学院)
Joel Diegert
Ning-Xin Su
こちらのページにも、少しだがまとめておいた。
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2008/01/18
あ、一次終わったんだ…
ロンデックスコンクールの話。井上麻子さんのブログ記事に速報が記されていた。ディナンのコンクールと違って、情報がなかなか出てこず、もどかしいですなあ。
そんな私は、ギャルドの1961年のライヴを聴きながら、CD-Rを8倍速で焼きまくり中。同時に数人宛てに作っているのだが、焼いた枚数が2日間で40枚越えたのは、自己最高記録かも。…さて、もうひと頑張り。
そんな私は、ギャルドの1961年のライヴを聴きながら、CD-Rを8倍速で焼きまくり中。同時に数人宛てに作っているのだが、焼いた枚数が2日間で40枚越えたのは、自己最高記録かも。…さて、もうひと頑張り。
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2008/01/17
ダールの「協奏曲」改訂遍歴
インゴルフ・ダール Ingolf Dahlの「サクソフォン協奏曲」と言えば、サクソフォン奏者にとって重要なレパートリーの一つ。良く知られていることではあると思うが、オリジナル・バージョンと現在演奏されているバージョンには、かなりの差がある。ラッシャーの独奏によるオリジナルバージョンを聴いてみると、全体がおよそ30分、独奏パートも数々の難所を擁した、長大な作品であることがわかるだろう。
今回、その改訂遍歴について、ダール「協奏曲」研究の第一人者、サクソフォニストのポール・コーエン氏が著した「The Secret Life of The Original 1949 Saxophone Concerto
of Ingolf Dahl(http://www.classicsax.com/asi/dahl.pdf)」から、一部を訳したので、公開してみます。例によって翻訳・転載許可は取っていないので、まずかったら消します。何か訳のミス等がありましたらお知らせください。
----------
ダールは、1948年の3月にシガード・ラッシャーから手紙を受け取り、サクソフォーンのために協奏曲を書くことに興味を示した。ラッシャー自身は、ダールの傑作である「金管楽器のための音楽」を通して彼を知り、サクソフォーンのために何か大きなスケールの作品を書いてもらえないかと、ダールへ打診を行ったようである。ダールは、新たなチャレンジへの興味(ダール自身は、それまで大編成のために作品を書いたことがなかった)、また、ラッシャーのヨーロッパとアメリカにおける名声も後押しして、ダールは1948年の6月に承諾の返事をする。作曲は、同年の夏から秋にかけて行われ、1949年1月14日、ミシガン大学ウィリアム・レヴェーリ指揮ウィンドアンサンブルとラッシャーの独奏による初演の計画がたてられた。しかし、ダールの教師としての活動の多忙さや、健康状態の悪化により、たびたび作曲は中断し、初演は見送られることとなる。実際の初演は、1949年5月17日、マーク・ハインズレー指揮イリノイ州立大学ウィンドアンサンブルとラッシャーの共演により行われた。オリジナルバージョンはおおよそ28分、2つの楽章(1. Recitative - Adagio, 2. Rondo)からなる。
このとき、ダールは自作の出来に大変な満足をしていたようで、公の場でもプライヴェートな文通でも、興奮している様子が示されている。シガード・ラッシャーへの献呈の際にも、「この作品に大変な自身を持っている」とのメッセージが添えられている。バンドディレクターへの書簡の中には、こう記されている。
この協奏曲のスタイルは、交響的であり、また大きなスケールをもっています。演奏者と聴衆の双方に大きなスケールの作品を提供する、ということは私の目標でありますが、この協奏曲は内容と演奏時間の点においてそれを満たしています。吹奏楽では、小品が取り上げられることが多いですが、バンドの音楽的成長のためにはこういった長大な作品を演奏することも重要であると考えます。
ダールは、ストラヴィンスキーやカウエルといった作曲家たちから、賞賛を受ける。特にストラヴィンスキーはこの作品を大変気に入ったようで、ダールからラッシャーに宛てた書簡の中で、彼はこう述べている。
素晴らしいことをお話しましょう。ストラヴィンスキーに、スコアを見せ、あなたが演奏したレコードを聴いてもらったのです!これは、私の人生経験の中でももっとも凄い経験の一つでした。レコードを流し終わると、ストラヴィンスキーは何も言わずに立ち上がって私を抱擁し、潤んだ目で私の両頬に(ロシアン・スタイルの)キスをしました。彼はこの協奏曲を、新しいものの中でも最も素晴らしい作品の一つだと思ってくれたのです。賞賛ののち、「ちょっとしたことはあるが、そのことに関しては、あなたはこの先理解するだろうから、言う必要はない(?)」とも言いました。このことをあなたに知らせることが出来て、とても嬉しいです。
ヘンリー・カウェルのことに関しても、同じくダールからラッシャーに宛てた書簡より、読み取ることができる。
私は去年の夏、ヘンリー・カウェルにレコードを聴かせる機会を持ちました。彼は、「大変良く書けた、素晴らしい吹奏楽作品だ。今月にワシントンで開かれるバンドマスターズ・アソシエーション(ABA)で推薦してみよう」と言ってくれました。
ダールは1953年の春に、ロサンゼルスでの演奏に向けて、改訂を開始した。このロサンゼルスでの演奏とは、1954年1月11日に行われたホームカミングコンサートで、ダールの活動休止からの復帰を祝うものだった。独奏者はウィリアム・ウライエイト William Ulyateで、ロサンゼルスでは名を上げたプレイヤーであり、またダールの友人でもあった。この演奏に際し、独奏パートはサクソフォンが本来持つ2オクターヴ半の音域に納まるように書き直されねばならなかった。たくさんのossiaが書かれ、アルティシモ音域を避けるためにソロの輪郭線には多くの変更が加えられた。また、バックの編成をシンフォニック・バンドからウィンド・オーケストラの形態(36名編成用)へと書き換え、1パート1人とした。また、この改訂の際には、バリトン・ホルンの削除と、サクソフォーンセクションの削除も併せて行われた。
楽章の削除は行われなかったが、最終楽章は大幅に書き換えられた。最初の楽章は、アタッカで演奏される二つのパートへと分割され、全26分間の、次のような構成となった。「1. Recitative, 2. Adagio(Passacaglia) - Allegretto - Adagio, 3. Rondo」
さらにダールは、1958年の秋から1959年の春にかけて、非公式な改訂を行った。ここでもまた、演奏会に間に合わせるために急ぐ必要があった。1959年4月に開催される、UCLAのバンドコンサートにこの協奏曲の演奏が予定されていたのだ。この改訂は、カットや削除が主な作業となった。第2楽章のAllegrettoが削除され、またロンドでの緩叙情的な部分が削除された。削除された部分の多くは、ダールが1959年に手がけ始めたCBDNAの委嘱による「バンドのためのセレナーデ」へと転用されたり、1961年の作になる「コンサートバンドのためのシンフォニエッタ」へと転用されたりした。この1958年から1959年にかけての第2版(非公式には第3版と言うべきか)は、こんにち、我々が商用的に入手可能なものである。全体は3つの楽章からなり、最初の2つの楽章「Recitative, Adagio(Passacaglia)」はアタッカで演奏される。最終楽章は「Rondo alla Marcia」で、全体の長さは18分程度となった。
今回、その改訂遍歴について、ダール「協奏曲」研究の第一人者、サクソフォニストのポール・コーエン氏が著した「The Secret Life of The Original 1949 Saxophone Concerto
of Ingolf Dahl(http://www.classicsax.com/asi/dahl.pdf)」から、一部を訳したので、公開してみます。例によって翻訳・転載許可は取っていないので、まずかったら消します。何か訳のミス等がありましたらお知らせください。
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ダールは、1948年の3月にシガード・ラッシャーから手紙を受け取り、サクソフォーンのために協奏曲を書くことに興味を示した。ラッシャー自身は、ダールの傑作である「金管楽器のための音楽」を通して彼を知り、サクソフォーンのために何か大きなスケールの作品を書いてもらえないかと、ダールへ打診を行ったようである。ダールは、新たなチャレンジへの興味(ダール自身は、それまで大編成のために作品を書いたことがなかった)、また、ラッシャーのヨーロッパとアメリカにおける名声も後押しして、ダールは1948年の6月に承諾の返事をする。作曲は、同年の夏から秋にかけて行われ、1949年1月14日、ミシガン大学ウィリアム・レヴェーリ指揮ウィンドアンサンブルとラッシャーの独奏による初演の計画がたてられた。しかし、ダールの教師としての活動の多忙さや、健康状態の悪化により、たびたび作曲は中断し、初演は見送られることとなる。実際の初演は、1949年5月17日、マーク・ハインズレー指揮イリノイ州立大学ウィンドアンサンブルとラッシャーの共演により行われた。オリジナルバージョンはおおよそ28分、2つの楽章(1. Recitative - Adagio, 2. Rondo)からなる。
このとき、ダールは自作の出来に大変な満足をしていたようで、公の場でもプライヴェートな文通でも、興奮している様子が示されている。シガード・ラッシャーへの献呈の際にも、「この作品に大変な自身を持っている」とのメッセージが添えられている。バンドディレクターへの書簡の中には、こう記されている。
この協奏曲のスタイルは、交響的であり、また大きなスケールをもっています。演奏者と聴衆の双方に大きなスケールの作品を提供する、ということは私の目標でありますが、この協奏曲は内容と演奏時間の点においてそれを満たしています。吹奏楽では、小品が取り上げられることが多いですが、バンドの音楽的成長のためにはこういった長大な作品を演奏することも重要であると考えます。
ダールは、ストラヴィンスキーやカウエルといった作曲家たちから、賞賛を受ける。特にストラヴィンスキーはこの作品を大変気に入ったようで、ダールからラッシャーに宛てた書簡の中で、彼はこう述べている。
素晴らしいことをお話しましょう。ストラヴィンスキーに、スコアを見せ、あなたが演奏したレコードを聴いてもらったのです!これは、私の人生経験の中でももっとも凄い経験の一つでした。レコードを流し終わると、ストラヴィンスキーは何も言わずに立ち上がって私を抱擁し、潤んだ目で私の両頬に(ロシアン・スタイルの)キスをしました。彼はこの協奏曲を、新しいものの中でも最も素晴らしい作品の一つだと思ってくれたのです。賞賛ののち、「ちょっとしたことはあるが、そのことに関しては、あなたはこの先理解するだろうから、言う必要はない(?)」とも言いました。このことをあなたに知らせることが出来て、とても嬉しいです。
ヘンリー・カウェルのことに関しても、同じくダールからラッシャーに宛てた書簡より、読み取ることができる。
私は去年の夏、ヘンリー・カウェルにレコードを聴かせる機会を持ちました。彼は、「大変良く書けた、素晴らしい吹奏楽作品だ。今月にワシントンで開かれるバンドマスターズ・アソシエーション(ABA)で推薦してみよう」と言ってくれました。
ダールは1953年の春に、ロサンゼルスでの演奏に向けて、改訂を開始した。このロサンゼルスでの演奏とは、1954年1月11日に行われたホームカミングコンサートで、ダールの活動休止からの復帰を祝うものだった。独奏者はウィリアム・ウライエイト William Ulyateで、ロサンゼルスでは名を上げたプレイヤーであり、またダールの友人でもあった。この演奏に際し、独奏パートはサクソフォンが本来持つ2オクターヴ半の音域に納まるように書き直されねばならなかった。たくさんのossiaが書かれ、アルティシモ音域を避けるためにソロの輪郭線には多くの変更が加えられた。また、バックの編成をシンフォニック・バンドからウィンド・オーケストラの形態(36名編成用)へと書き換え、1パート1人とした。また、この改訂の際には、バリトン・ホルンの削除と、サクソフォーンセクションの削除も併せて行われた。
楽章の削除は行われなかったが、最終楽章は大幅に書き換えられた。最初の楽章は、アタッカで演奏される二つのパートへと分割され、全26分間の、次のような構成となった。「1. Recitative, 2. Adagio(Passacaglia) - Allegretto - Adagio, 3. Rondo」
さらにダールは、1958年の秋から1959年の春にかけて、非公式な改訂を行った。ここでもまた、演奏会に間に合わせるために急ぐ必要があった。1959年4月に開催される、UCLAのバンドコンサートにこの協奏曲の演奏が予定されていたのだ。この改訂は、カットや削除が主な作業となった。第2楽章のAllegrettoが削除され、またロンドでの緩叙情的な部分が削除された。削除された部分の多くは、ダールが1959年に手がけ始めたCBDNAの委嘱による「バンドのためのセレナーデ」へと転用されたり、1961年の作になる「コンサートバンドのためのシンフォニエッタ」へと転用されたりした。この1958年から1959年にかけての第2版(非公式には第3版と言うべきか)は、こんにち、我々が商用的に入手可能なものである。全体は3つの楽章からなり、最初の2つの楽章「Recitative, Adagio(Passacaglia)」はアタッカで演奏される。最終楽章は「Rondo alla Marcia」で、全体の長さは18分程度となった。
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作品
2008/01/16
フェリペ氏のウェブサイト発見!
アントニオ・フェリペ=ベリジャル Antonio Felipe Belijar氏のウェブサイトができていた。個人的に、世界で最も注目しているサクソフォン奏者のひとり。活動の様子がほとんど伝わってこなかっただけに、ウェブサイトを通して情報を知ることができるのは、嬉しい。
http://www.antoniofelipe.com/
アドルフサックス国際コンクール3回連続入賞のほか、数々の国際コンクールで素晴らしい成績を残しており、そのスーパーテクニックは世界でも指折りのレベル。いつか生で演奏を聴きたいなあ。
ちなみに、このサイト一番の見所は、デモ演奏の多さだろう。なんとたっぷり20曲、カットなしで聴くことができる。グラズノフの「協奏曲」なんて、数ある録音と比べても、かなり上位に位置するものじゃないか?Sax Antiquaとの演奏によるヴィヴァルディのトランス物は、超絶技巧に唖然。ヴァイオリンパートを、ソプラノサックスでそのままやってしまっている。
----------
今日、木下直人さんより、また数々の貴重な音源を頂戴してしまった(ありがとうございました)。今回は、ギャルド吹奏楽団関連、パリ五重奏団関連など。取り急ぎかいつまんで聴いてみたけれど、感動!じっくり聴いた後にまた感想とレポートをブログにアップします。
http://www.antoniofelipe.com/
アドルフサックス国際コンクール3回連続入賞のほか、数々の国際コンクールで素晴らしい成績を残しており、そのスーパーテクニックは世界でも指折りのレベル。いつか生で演奏を聴きたいなあ。
ちなみに、このサイト一番の見所は、デモ演奏の多さだろう。なんとたっぷり20曲、カットなしで聴くことができる。グラズノフの「協奏曲」なんて、数ある録音と比べても、かなり上位に位置するものじゃないか?Sax Antiquaとの演奏によるヴィヴァルディのトランス物は、超絶技巧に唖然。ヴァイオリンパートを、ソプラノサックスでそのままやってしまっている。
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今日、木下直人さんより、また数々の貴重な音源を頂戴してしまった(ありがとうございました)。今回は、ギャルド吹奏楽団関連、パリ五重奏団関連など。取り急ぎかいつまんで聴いてみたけれど、感動!じっくり聴いた後にまた感想とレポートをブログにアップします。
2008/01/15
阪口新氏出演のラジオ録音
1975年放送のFM東京「富士フィルム・クリエイトルーム」という番組に、サクソフォニスト阪口新氏(当時、東京藝術大学サクソフォン科教授)が出演したときの録音をお分けいただいたので、ご紹介したい。「クリエイトルーム」というのが、いったいどんな番組であったか、というのは推測するしかないのだが、どうやら芸術分野で活躍する人物を毎回ゲストを迎え、司会の男性とお話をする、というような形態のようだ。クラシック・サクソフォンに関することを司会の方が質問する形で阪口氏が答えというような問答のほか、随所で阪口氏が所持するテープのコレクションが流されるなど、なかなか面白い構成となっている。
「サクソフォンがジャズだけの楽器ではない」というところから始まって、まず流されるのはギャルド・サクソフォン四重奏団の演奏でウジェーヌ・ボザ「アンダンテとスケルツォ」。司会の方もなかなか勉強されているようで、なかなか鋭いツッコミ、そして阪口氏のなんとも言えないテンションでの語り口…うーん、面白い。
続いてサクソフォンの歴史。「ベルギー生まれの楽器、今はフランスの楽器」という流れを軸に、黎明期のサクソフォンの使われ方という話。レパートリーでは、独奏用にバロック作品のトランスクリプションを行った人物として、シガード・ラッシャーの名前が出、続いてサクソフォンの芸術性を高めた人物としてマルセル・ミュールが紹介される。そこで、Erato盤のジャン・リヴィエ「グラーヴェとプレスト」のマルセル・ミュール四重奏団の録音が流される。中休みで、スーパー・サックスの演奏(ジャズ)。バンド名も演奏も初めて聴いたが、なかなかカッコ良いなあ。
今度は、阪口氏自身の生い立ちについて。チェロをやっていたが、ミュールの演奏を聴いて転向した、という話。今でも良く聞く話だが、自身の口から聞くのはまた違った感触がある。ミュールの演奏を初めて聴いたとき、「これはたまらん!」と思ったそうだ(笑)。そして、阪口氏の演奏ということで、コロムビアから発売されていたレコードから「峠のわが家」の演奏…って、うおおぉ!これ、以前Thunderさんの日記で話題になったヤツではないですか!まさかこういった形で再び聴くことができるとは思わなかった。
そして、世界サクソフォンコングレスの話題(マニアックだな)。新しい作品の開発に努めている、という話で1970年のシカゴ、1972年のトロント、1974のボルドーのちょこっとしたお話。そして、シカゴのコングレスのライヴ録音(氏の知人が隠しマイクで録音したものだ、ということも暴露している(笑))で、ダニエル・デファイエ四重奏団のリュエフ「"四重奏のためのコンセール"よりパスピエ」からの抜粋。続いてこちらはコロムビアのレコードから、グラズノフ「"四重奏曲"より第2楽章:テーマ」。
そして、サクソフォンの魅力についてひとしきり語り終えた後で、再び阪口氏の演奏で武蔵野音大の1974年大学祭のゲスト録音で、吹奏楽バックのヴィクター・ハーバート「インディアン・サマー」の録音が流される。もう、ステキすぎますねえ。どこまでも暖かみのある音に、豊かなヴィブラート、まるでタイムマシンに乗せて運んできたかのような懐かさを感じさせるフレージング…。阪口氏のこんな素晴らしい演奏を、2008年という時代に聴くことができるなんて!感動のあまり、泣けてきた。
いやあ、貴重なことこの上ない録音をお譲りいただきまして、ありがとうございました。
ところで、「富士フィルムFXカセット」のCMが、とても気に入ってしまった(笑)こういうCM、今はないよなあ。
「サクソフォンがジャズだけの楽器ではない」というところから始まって、まず流されるのはギャルド・サクソフォン四重奏団の演奏でウジェーヌ・ボザ「アンダンテとスケルツォ」。司会の方もなかなか勉強されているようで、なかなか鋭いツッコミ、そして阪口氏のなんとも言えないテンションでの語り口…うーん、面白い。
続いてサクソフォンの歴史。「ベルギー生まれの楽器、今はフランスの楽器」という流れを軸に、黎明期のサクソフォンの使われ方という話。レパートリーでは、独奏用にバロック作品のトランスクリプションを行った人物として、シガード・ラッシャーの名前が出、続いてサクソフォンの芸術性を高めた人物としてマルセル・ミュールが紹介される。そこで、Erato盤のジャン・リヴィエ「グラーヴェとプレスト」のマルセル・ミュール四重奏団の録音が流される。中休みで、スーパー・サックスの演奏(ジャズ)。バンド名も演奏も初めて聴いたが、なかなかカッコ良いなあ。
今度は、阪口氏自身の生い立ちについて。チェロをやっていたが、ミュールの演奏を聴いて転向した、という話。今でも良く聞く話だが、自身の口から聞くのはまた違った感触がある。ミュールの演奏を初めて聴いたとき、「これはたまらん!」と思ったそうだ(笑)。そして、阪口氏の演奏ということで、コロムビアから発売されていたレコードから「峠のわが家」の演奏…って、うおおぉ!これ、以前Thunderさんの日記で話題になったヤツではないですか!まさかこういった形で再び聴くことができるとは思わなかった。
そして、世界サクソフォンコングレスの話題(マニアックだな)。新しい作品の開発に努めている、という話で1970年のシカゴ、1972年のトロント、1974のボルドーのちょこっとしたお話。そして、シカゴのコングレスのライヴ録音(氏の知人が隠しマイクで録音したものだ、ということも暴露している(笑))で、ダニエル・デファイエ四重奏団のリュエフ「"四重奏のためのコンセール"よりパスピエ」からの抜粋。続いてこちらはコロムビアのレコードから、グラズノフ「"四重奏曲"より第2楽章:テーマ」。
そして、サクソフォンの魅力についてひとしきり語り終えた後で、再び阪口氏の演奏で武蔵野音大の1974年大学祭のゲスト録音で、吹奏楽バックのヴィクター・ハーバート「インディアン・サマー」の録音が流される。もう、ステキすぎますねえ。どこまでも暖かみのある音に、豊かなヴィブラート、まるでタイムマシンに乗せて運んできたかのような懐かさを感じさせるフレージング…。阪口氏のこんな素晴らしい演奏を、2008年という時代に聴くことができるなんて!感動のあまり、泣けてきた。
いやあ、貴重なことこの上ない録音をお譲りいただきまして、ありがとうございました。
ところで、「富士フィルムFXカセット」のCMが、とても気に入ってしまった(笑)こういうCM、今はないよなあ。
2008/01/14
開始!
第2回国際ジャン=マリー・ロンデックス サクソフォーンコンクール開始。一昨年のディナンと同じように、経過でも追ってみようかと思ったけれど、ウェブサイトに詳細が記されていないため追えませぬ。
出演者のみなさんの健闘をお祈りします(お知り合いも、何人か受けに行っている)。本選は、1/26、タイ交響楽団と。個人的には、ドナトーニの「Hot」が本選に出てくると楽しいなあ、と思うのだが。
出演者のみなさんの健闘をお祈りします(お知り合いも、何人か受けに行っている)。本選は、1/26、タイ交響楽団と。個人的には、ドナトーニの「Hot」が本選に出てくると楽しいなあ、と思うのだが。
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2008/01/13
1988年世界サクソフォーン・コングレスの録音
1988年8月に日本で開かれた世界サクソフォーン・コングレスを、日本のクラシカルサクソフォン界の歴史上における大きな区切りと捉える方は多いだろう。須川展也氏という新世代サクソフォニストの出現。大室勇一氏の逝去…。フランスをお手本に追いつけ追い越せとやってきた日本のサックス界が、このコングレスをきっかけとして、自立し始めたのである。
ちなみにコングレス開催への経緯は、日本サクソフォーン協会ウェブサイト内の資料が詳しい。著者は、松沢増保氏。
http://homepage2.nifty.com/jsajsa/jsa20th.htm
(以下、敬称略)
この資料に記載されている、1988年のコングレス最大のイベント、8月12日に神奈川県立音楽堂にて開かれた「協奏曲の夕べ An Evening of Concerti」は、当時世界を代表するサクソフォニストであったジャン=マリー・ロンデックス、デファイエ四重奏団、フレデリック・ヘムケ、ユージン・ルソーと、若き日の須川展也氏が参加し、一曲ずつ協奏曲を演奏するという、豪華な催しであった。詳細は以下。
A.グラズノフ「コンチェルト(ロンデックス)」
R.カルメル「コンチェルト・グロッソ(デファイエQ)」
H.サンドロフ「ウィンドシンセサイザー・コンチェルト(ヘムケ)」
B.ハイデン「ファンタジア・コンチェルタンテ(ルソー)」
伊藤康英「協奏曲(須川展也)」
(大野和士指揮 東京都交響楽団)
なんという素晴らしい共演だろうか…。そして、驚くべきことにこの演奏会の録音が(状態は悪いものの)残っているのである。コングレスの直後、カセットテープにて一般向けに販売されたようなのだ(昨年、京青さんから教えていただいた)。そして、巡り巡って?MDになったものを、数年前より所有している。
これは、凄い録音だ。異常な会場のテンション、爆音、5組のソリストたちの、筆舌に尽くしがたい気迫をリアルに捉えているのだ。個人的には、サクソフォンのあらゆるライヴ録音の中で、最高のものであると思っている。
ロンデックスのグラズノフの演奏冒頭から、実に素晴らしい。指揮の大野氏の音楽作りは実に積極的・アグレッシヴで、音楽の流れに淀みがないのだ。終わった瞬間の盛大な拍手。あまりの客席の熱狂っぷりに、都響の団員たちはポカンとしていたそうであるが、確かにその話を裏付けるような客席の興奮した空気を、録音から感じ取ることができるのだ。
「サクソフォーン四重奏と弦楽オーケストラ、打楽器のためのコンチェルトグロッソ」をひっさげたデファイエ四重奏団、この協奏曲演奏をもって解散(!)、という録音である。カルメルの、第1楽章の緊張感、第2楽章の爆発と続き、第3楽章の冒頭はそれまでのデファイエ四重奏団の演奏を回顧するような慈しみを感じ取ることができる。急速調でフレーズを切り倒しながら、最後に一瞬だけ見せるコラールの回帰の瞬間の感動と言ったら!このとき、彼らは何を考えながら吹いていたのだろう…。
ヘムケの演奏については、これもまたいろいろ話があるのだが、こちらのリンク先(ブログ内)を参照いただきたい。こんな背景があるのである。もはや冷静に聴くことなどできない。続くルソー氏の演奏は、コンサート・バンドへと編成を変えての演奏。柔らかくニュートラルな音色と、CDなどでは比べ物にならない熱さも併せ持った佳演である。客席の沸きっぷりも、異常。
そして、何と言ってもその巨匠たち全ての演奏を凌駕してしまうような最後のトラック。曲は、伊藤康英先生の「協奏曲」。これ、怖いです。鬼神のごときサックス独奏と、それに応える破壊的な指揮&オーケストラ。ピアノは康英先生自身の演奏。録音レベルはとうに振り切れ、音は割れまくっているのだが、この演奏の壮絶さは十分感じ取ることができる。この録音がとらえた瞬間こそが、(良くも悪くも)新世代の日本のサクソフォン界が産声を上げた瞬間なのだ。
2008/01/12
ななななんですとー
今日、クラリネットの先輩Mさんと練習場所のロビーで話していたときに出た話題。ぜんぜん知らなかった。まずは、次のアカデミアニュースでも見てみてくださいな。
https://www.academia-music.com/academia/templates/pdf/an234.pdf
…って、分量が多すぎますな。以下が、問題のところの抜粋。
Lacour,G.; Quatuor pour Clarinettes: Adaptation par l'auteur de son Quatour pour saxophones (Score,Parts:EbCl,BbCl, Basset/ AltCl,BsCl) c1993 (Collection Jacques Lancelot) (Billaudot)
ラクール「四重奏曲」クラリネット版楽譜(しかもジャック・ランスロのコレクションって)。まさかこんなバージョンがあるとはぜんぜん知らなかった!聴いてみたい!!誰かやってくれぇー。
https://www.academia-music.com/academia/templates/pdf/an234.pdf
…って、分量が多すぎますな。以下が、問題のところの抜粋。
Lacour,G.; Quatuor pour Clarinettes: Adaptation par l'auteur de son Quatour pour saxophones (Score,Parts:EbCl,BbCl, Basset/ AltCl,BsCl) c1993 (Collection Jacques Lancelot) (Billaudot)
ラクール「四重奏曲」クラリネット版楽譜(しかもジャック・ランスロのコレクションって)。まさかこんなバージョンがあるとはぜんぜん知らなかった!聴いてみたい!!誰かやってくれぇー。
ラベル:
楽譜
2008/01/11
そういえば、協会のコンクール
去年Tsukuba Saxophone Quartetとして出場した協会のアンサンブルコンクール、今年は、メンバーの都合で出られないのです(残念!!)。出場される皆さんの健闘をお祈りいたします。
…あ、聴きに行こうとは思っていますので。楽しみにしています(^^)
…あ、聴きに行こうとは思っていますので。楽しみにしています(^^)
ラベル:
演奏
ラッシャーのイベール演奏を聴いて
昨日の夜はBigBoyでサラダを食べまくりました。葉っぱ系からマンゴープリンまで、種類が多いのが良い。気づけば3時間もぐだぐだしてしまったのでした。ああ、楽しかった。
シガード・ラッシャー Sigurd Rascherの演奏で、イベールの「コンチェルティーノ・ダ・カメラ」を聴いている。ミュールのこの曲の録音は、代名詞ともなってしまっているとはいえ、きちんとラッシャー自身も演奏をしているのだ。放送用録音(イントロでラッシャーの肉声を聞くこともできる)という性質上、オーケストラが寄せ集めなのだろうか、かなり野暮ったい進行になっているが、隅々まで聴いてみると、十分すぎるほどの見事なパフォーマンスである。
イベールのアルティシモ(フラジオ)音域を全く危うげなこともなくスラスラと駆け上る様なんか、現代ではなかなか聴けないだろう。そもそも、ピリオド楽器にチェンバーが広いマウスピースというのは、かなり抵抗が強く、フラジオ音域へのアプローチ自体は容易かなとも思われるが…それにしても!音色の純度は高い、が、フランス風の音色に聴きなれた耳には、やや違和感を覚えなくもない。そう、比べて聴いてしまうとダメなのだ。いくら優れているものでも、それよりもっと優れているものが出てくれば、聴衆はそちらへと惹かれていってしまう。
ミュールという"神様"の演奏には、華麗な音色と、豊かなヴィブラート、超高速のフィンガリングという、誰もが羨望するような「華」がある。ラッシャーの演奏は、それに比較するとややこもった渋い音色、ときどきもたつくかのようなフィンガリング、といった負の側面ばかりが見えてきてしまうのである。世界がラッシャーを受け入れなかったのは、その辺の理由も大きいだろうなあ。
実際のところ、私だってミュールのイベールとラッシャーのイベール、どちらが好きかと言われれば、迷うことなくミュールのそれを選ぶ。1938年のゴーベール指揮パリ音楽院管弦楽団のセッション録音、1950年のロザンタール指揮パリ管弦楽団とのセッション録音、1958年のミュンシュ指揮ボストン交響楽団とのライヴ録音…いずれも奇跡的な演奏ばかりである。特に1938年の演奏の、どこまでも即興的でみずみずしいこと!
ラッシャーは、ミュールがイベールの吹き込みを行ったとき何を思ったのだろう…。やはり、心の底ではかなわないとも思っていたのだろうか。ピリオド・アプローチへとシフトしたのは、あるいはその辺がきっかけだったのかもしれない。
シガード・ラッシャー Sigurd Rascherの演奏で、イベールの「コンチェルティーノ・ダ・カメラ」を聴いている。ミュールのこの曲の録音は、代名詞ともなってしまっているとはいえ、きちんとラッシャー自身も演奏をしているのだ。放送用録音(イントロでラッシャーの肉声を聞くこともできる)という性質上、オーケストラが寄せ集めなのだろうか、かなり野暮ったい進行になっているが、隅々まで聴いてみると、十分すぎるほどの見事なパフォーマンスである。
イベールのアルティシモ(フラジオ)音域を全く危うげなこともなくスラスラと駆け上る様なんか、現代ではなかなか聴けないだろう。そもそも、ピリオド楽器にチェンバーが広いマウスピースというのは、かなり抵抗が強く、フラジオ音域へのアプローチ自体は容易かなとも思われるが…それにしても!音色の純度は高い、が、フランス風の音色に聴きなれた耳には、やや違和感を覚えなくもない。そう、比べて聴いてしまうとダメなのだ。いくら優れているものでも、それよりもっと優れているものが出てくれば、聴衆はそちらへと惹かれていってしまう。
ミュールという"神様"の演奏には、華麗な音色と、豊かなヴィブラート、超高速のフィンガリングという、誰もが羨望するような「華」がある。ラッシャーの演奏は、それに比較するとややこもった渋い音色、ときどきもたつくかのようなフィンガリング、といった負の側面ばかりが見えてきてしまうのである。世界がラッシャーを受け入れなかったのは、その辺の理由も大きいだろうなあ。
実際のところ、私だってミュールのイベールとラッシャーのイベール、どちらが好きかと言われれば、迷うことなくミュールのそれを選ぶ。1938年のゴーベール指揮パリ音楽院管弦楽団のセッション録音、1950年のロザンタール指揮パリ管弦楽団とのセッション録音、1958年のミュンシュ指揮ボストン交響楽団とのライヴ録音…いずれも奇跡的な演奏ばかりである。特に1938年の演奏の、どこまでも即興的でみずみずしいこと!
ラッシャーは、ミュールがイベールの吹き込みを行ったとき何を思ったのだろう…。やはり、心の底ではかなわないとも思っていたのだろうか。ピリオド・アプローチへとシフトしたのは、あるいはその辺がきっかけだったのかもしれない。
2008/01/09
いろいろ練習しなきゃ
放課後?を利用してマスランカ「レシテーション・ブック」の終楽章をさらう。「レシテーション・ブック」に関しては、とりあえず1/26にリミットがあるので、いったんそこに焦点を合わせなければいけないのだ。さらに、ある意味一番難しいかもしれない「ホルベルグ組曲」の最終楽章を、二分音符=104あたりで繰り返す(指定は144なので、ぜんぜん足りません)。シューマン「幻想小曲集」は、週末に合わせを入れたので、第1楽章を音程を確認しながら。
あとは、バーバーをさらいなおして、シューマンの第3楽章をきちんとさらって、プログラムノート書いて、進行タイムテーブル作って、チラシ印刷して、広告取りに行って、練習して、練習して、練習して、事務仕事やって…。研究、就職活動もやりつつ。
そういえば、必要は発明の母と言うか何というか、「ホルベルグ組曲」の第1楽章のタンギングが速すぎてできないー!とあれこれやっていたら(私は、タンギングの遅さならば誰にも負けません)、タンタカタンタカのリズム限定で、ダブルタンギングもどきが辛うじてできるようになってしまった。そうなると、今度は「レシテーション・ブック」で、ぜひ循環呼吸ができると楽なのだけど…って、そう上手くはいかないか。
というわけで、さらう曲がたくさんあって、楽器とじっくり向き合うことができて、練習が面白い今日このごろ。
あとは、バーバーをさらいなおして、シューマンの第3楽章をきちんとさらって、プログラムノート書いて、進行タイムテーブル作って、チラシ印刷して、広告取りに行って、練習して、練習して、練習して、事務仕事やって…。研究、就職活動もやりつつ。
そういえば、必要は発明の母と言うか何というか、「ホルベルグ組曲」の第1楽章のタンギングが速すぎてできないー!とあれこれやっていたら(私は、タンギングの遅さならば誰にも負けません)、タンタカタンタカのリズム限定で、ダブルタンギングもどきが辛うじてできるようになってしまった。そうなると、今度は「レシテーション・ブック」で、ぜひ循環呼吸ができると楽なのだけど…って、そう上手くはいかないか。
というわけで、さらう曲がたくさんあって、楽器とじっくり向き合うことができて、練習が面白い今日このごろ。
ラベル:
演奏
2008/01/08
ルソーとビッグバンドの共演盤
東京のドルチェ楽器にあった。「Eugene Rousseau with the E.R. Big Band(Liscio LAS-01188)」は、ユージン・ルソーとビッグバンドが共演したアルバムである。録音は1991年。ライナーノートを開いてみると、驚くことに日本語訳が付いており、それによるとこのCDは、インディアナ大学におけるマルセル・ミュール奨学基金の資金集めの一環として行われたコンサートの後に録音されたものだとのこと。1991年というと…わたしゃ6歳?いや、5歳?私がクラシック・サクソフォンを好きになったのは高校2年生のころだが、こんなディスクがあるなんてことは初めて知ったぞ。その頃には、ある程度流通したものなのだろうか。当時のことを知っている方がいらっしゃったらぜひ教えてくださいm(_ _)m
なんでそんな昔のディスクがドルチェ楽器で売られていたかというと、K田さん曰く「ヤマハに、売ってくれと頼まれたんだよー」とのこと。ルソーのCDだけでなく、フェスティバルに出展していたドルチェブースでは、フルモーの「Serenade」「Cinesax」なんていう超絶レアなルネガイ(Rene Gailly)盤までもが売られていたし(「Serenade」は、なんとか買えた)、うーん、ヤマハの倉庫にはまだまだ面白いものが眠っているかもしれない。関係者のみなさま、どうか日の目を見させてください。面白いものだったら買うから(切実)。
…と、話がそれたが、とりあえず収録曲目は以下の通り。ほとんどが王道の曲目ばかりであるが、いくつかは説明を付与しておこう。ドミニク・スペラが作曲した「ブルース・フォア・ミスター・メロウ」という曲目のタイトルにある、「ミスター・メロウ」とは、ルソーその人のことである。スペラとルソーとは旧知の仲であり、親友でもあるとのこと。そんな交友関係の中から、ルソーに献呈された作品だそうな。また、「イン・メモリアム」はインディアナ大学でジャズと木管楽器を専攻していたシグ・フラサソンの手によるもので、インディアナ大学公共放送局が主催した第1回作曲コンクールの、ポピュラーミュージック部門優勝作品、とのこと。
ハーレム・ノクターン
カーマイケル・メドレー
ジェローム・カーン・メドレー
ラウンド・ミッドナイト
ブルース・フォア・ミスター・メロウ
サマー・オブ・'42
ボディ・アンド・ソウル
テイク・ファイヴ
イン・メモリアム
ポーギーとベス
バック・ホーム・アゲイン・イン・インディアナ
スター・ダスト
一聴して解るのは、とにかくお金がかかったディスクだなあということ。綿密なアレンジ(そう、アレンジの豪華さは筆舌に尽くし難いほどで、これは実際聴いていただくのが良いと思う)、よく訓練されたアンサンブル、豪華演奏者(サックスにトム・ウォルシュがいた。どっかで名前だけは聞いたことがある)といったところが、そう思った所以。そもそも、ビッグバンドをやる、ということ自体、現代においては金銭面の理由から実現が難しいのだ。ミュージシャンもたくさん集めなければいけないし、アレンジも大変だし、スケジュール調整もマトモに行うことは難しいし、遠征を行うとすれば交通費もバカにならないし…。さすが1991年、まだまだ音楽に対して潤沢な資金が使える時代だったということか。
ルソーのサックスは、ミスター・メロウ Mr.Mellowと称されるほどの甘ーい音色と、良くかかったヴィブラートが素敵。サックスソロのパートは、さほどの難しい譜面を吹いているようには感じないが、突然フラジオ音域の連発が出てきて驚かされる。さすが、「サクソフォーン高音演奏技法」の著者、難なく切り抜けているあたり、さすがではないか。さらに「バック・ホーム・アゲイン・イン・インディアナ」では、ルソーの見事なクラリネットの演奏を堪能することもできる(!)。アメリカでは、木管楽器はすべて同じ!ということですかね。全体を通して落ち着いたアレンジ・演奏・曲目が多く、派手でぶっ速いような現代風ビッグバンドサウンドを期待していると裏切られるので、往年のビッグバンドファン向けか、ルソーファン向け、といったところだろう。
なんでそんな昔のディスクがドルチェ楽器で売られていたかというと、K田さん曰く「ヤマハに、売ってくれと頼まれたんだよー」とのこと。ルソーのCDだけでなく、フェスティバルに出展していたドルチェブースでは、フルモーの「Serenade」「Cinesax」なんていう超絶レアなルネガイ(Rene Gailly)盤までもが売られていたし(「Serenade」は、なんとか買えた)、うーん、ヤマハの倉庫にはまだまだ面白いものが眠っているかもしれない。関係者のみなさま、どうか日の目を見させてください。面白いものだったら買うから(切実)。
…と、話がそれたが、とりあえず収録曲目は以下の通り。ほとんどが王道の曲目ばかりであるが、いくつかは説明を付与しておこう。ドミニク・スペラが作曲した「ブルース・フォア・ミスター・メロウ」という曲目のタイトルにある、「ミスター・メロウ」とは、ルソーその人のことである。スペラとルソーとは旧知の仲であり、親友でもあるとのこと。そんな交友関係の中から、ルソーに献呈された作品だそうな。また、「イン・メモリアム」はインディアナ大学でジャズと木管楽器を専攻していたシグ・フラサソンの手によるもので、インディアナ大学公共放送局が主催した第1回作曲コンクールの、ポピュラーミュージック部門優勝作品、とのこと。
ハーレム・ノクターン
カーマイケル・メドレー
ジェローム・カーン・メドレー
ラウンド・ミッドナイト
ブルース・フォア・ミスター・メロウ
サマー・オブ・'42
ボディ・アンド・ソウル
テイク・ファイヴ
イン・メモリアム
ポーギーとベス
バック・ホーム・アゲイン・イン・インディアナ
スター・ダスト
一聴して解るのは、とにかくお金がかかったディスクだなあということ。綿密なアレンジ(そう、アレンジの豪華さは筆舌に尽くし難いほどで、これは実際聴いていただくのが良いと思う)、よく訓練されたアンサンブル、豪華演奏者(サックスにトム・ウォルシュがいた。どっかで名前だけは聞いたことがある)といったところが、そう思った所以。そもそも、ビッグバンドをやる、ということ自体、現代においては金銭面の理由から実現が難しいのだ。ミュージシャンもたくさん集めなければいけないし、アレンジも大変だし、スケジュール調整もマトモに行うことは難しいし、遠征を行うとすれば交通費もバカにならないし…。さすが1991年、まだまだ音楽に対して潤沢な資金が使える時代だったということか。
ルソーのサックスは、ミスター・メロウ Mr.Mellowと称されるほどの甘ーい音色と、良くかかったヴィブラートが素敵。サックスソロのパートは、さほどの難しい譜面を吹いているようには感じないが、突然フラジオ音域の連発が出てきて驚かされる。さすが、「サクソフォーン高音演奏技法」の著者、難なく切り抜けているあたり、さすがではないか。さらに「バック・ホーム・アゲイン・イン・インディアナ」では、ルソーの見事なクラリネットの演奏を堪能することもできる(!)。アメリカでは、木管楽器はすべて同じ!ということですかね。全体を通して落ち着いたアレンジ・演奏・曲目が多く、派手でぶっ速いような現代風ビッグバンドサウンドを期待していると裏切られるので、往年のビッグバンドファン向けか、ルソーファン向け、といったところだろう。
ラベル:
CD
2008/01/07
木下直人さんのこと、頂戴した復刻音源のこと
木下直人さんと言えば、世界を代表するギャルド研究家・レコード収集家である。21世紀初頭に発売された伝説的なギャルド・レピュブリケーヌ吹奏楽団関連の復刻盤(全20枚)は、木下さんの所蔵SP・LPなくしては実現し得なかったし、現在も様々なギャルド関連の音源の収集・復刻・整理に尽力されているとの事だ。その熱意の一端は、「忘れざるルシアン・テヴェ掲示板」の過去ログからも垣間見ることができる。
----------
昨年の末、突然木下さんよりこの記事がらみでメールを頂戴したのだ。驚いたの何のって、CDのジャケットでしか名前を拝見したことのない、あの木下直人さんですよ。そして、木下さんのご好意で、私が復刻状態について不満を書いた「Jean Marie Londeix - Portrait」のうち、ダルヴァンクール、デザンクロ、ロベール、ミヨー、マルコヴィッチが収録されたGolden Crest盤の復刻音源を、パリ五重奏団のCorelia盤(最近入手されたものとのこと)、ギャルド四重奏団のAFA盤とともに、送っていただいたのである。この場を借りて、感謝申し上げます。
ちなみに、復刻音源といっても、並みの復刻音源ではない。SPやLPは当時の最高の機器で再生すべきであるという木下さんのポリシーに基づき、完璧に整備された1960年代のオルトフォン社カートリッジ、トーレンス社ターンテーブル等を組み合わせたシステムによるもの…木下さんご自身が「後世に残すことのできる、ステレオ盤に関しては世界に例のない復刻」と太鼓判を押すほどのものである。しかも、今回のロンデックス、パリ五重奏団、ギャルド四重奏団のLP復刻は、そのシステムによる復刻の第一弾となったものであるとのこと…。そんな歴史的瞬間に立ち会うことができたということであり、恐縮しつつも大変に感激してしまった!
それでは、今回送っていただいた3枚を紹介しておこう。CD-Rとともにジャケットのカラーコピーまで一緒に送っていただいてしまった。嬉しい。
「Jean-Marie Londeix(Golden Crest RE-7066)」
Jean-Marie Londeix ジャン=マリー・ロンデックス(sax)
Anne-Marie SCHIELIN アンネ=マリー・シェリン(piano)
曲目:
C.Delvincourt - Croquembouches
A.Desenclos - Prelude, cadence et finale
L.Robert - Cadenza
D.Milhaud - Scaramouche
I.Markovitch - Complainte et danse
どこで手に入れたかは忘れてしまったのだが、この音盤が収録されたMDをかなり昔から持っており、(パチノイズがひどいものの)愛聴していた。以来、特にデザンクロとロベールに関しては、この演奏が自分の中でのスタンダードとなっている。それと比較すると、2007年にMD+Gレーベルより復刻・発売された「Portrait」に収録されている演奏は、不自然に音場が遠めでなぜか音割れがヒドイという、やや残念なものであり、繰り返し聴く気になれなかった。今回木下さんから頂戴したものは、さすがと言うか何と言うか、聴いていて怖くなるほどリアルに迫ってくる復刻。しばらくは、デザンクロ、ロベールは、録音に関してはこの演奏じゃないと聴けなくなりそう。
「Quintette de saxophones de Paris(Corelia)」
Andre Beun アンドレ・ブーン(sax)
Georges Porte ジョルジュ・ポルト(sax)
Bernaud Beaufreton ベルナール・ボーフルトン(sax)
Michel Trousselet ミシェル・トゥルーセル(sax)
Maurice Delabre モーリス・ドゥラブル(sax)
曲目:
J.M.Defaye - Dialogue(AATTB - SnSATB)
C.Terranova - Metamorphose(SATTB)
J.C.Naude - Sun, Sand, Sea, Sax(SATTB)
L.Robert - Flammes et fumees(SnSATB)
パリ・サクソフォン五重奏団のLP。mckenさんのサイトの記述によると、QuantumよりCD化もされていたようであるが、そちらは私は所有していない。珍しい五重奏のためのオリジナル作品が収録されており、なかなか聴き応えのある作品ばかり。技術的にはしっかりしている演奏だが、比較的リラックスしており、曲の楽しさと相まって、全編を楽しく聴くことができた。ロベールの「Flammes et fumees 炎と煙」を聴くことができるのは嬉しいなあ。
「Quautor de saxophones(AFA 20772)」
Michael Nouaux ミシェル・ヌオー(s.sax)
Andre Beun アンドレ・ブーン(a.sax)
Bernaud Beaufreton ベルナール・ボーフルトン(t.sax)
Maurice Delabre モーリス・ドゥラブル(b.sax)
曲目:
E.Bozza - Andante et scherzo
A.Desenclos - Quatuor
P.Sciortino - Danse paienne
M.Bagot - Quatuor
これ、私が初めて手に入れたクラシック・サックスのLPのAFA原盤だ。ボザ、デザンクロ、ショルティーノ「異教徒の踊り」等、往年のフランス・アカデミーの流れを汲む四重奏の傑作を、当時の演奏家たちのパフォーマンスで聴くことのできる貴重な一品。kuri_saxoのこちらでも紹介しているし、以前の日記でもこことかこことかここに、手に入れたときの興奮が書かれている。よっぽど嬉しかったんだろうなあ。所有するEMI国内盤に関しては、あーだこーだしながらMDに落とし、聴くことのできる状態にしてあるが、やはり上手くはいかないもので(苦笑)。今回木下さんに送っていただいたものとは、音質の点において比べるべくもない。思い入れが強いLPであるので、良いサウンドで聴くことができて、嬉しい。
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こんなに凄い復刻音源ならば、ぜひたくさんの人に聴いてほしい…!というわけで、私の個人的なお知り合いで、もし興味がある方は、メールかmixiのメッセージを下さい(木下さんからもお許しを得ています)。
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昨年の末、突然木下さんよりこの記事がらみでメールを頂戴したのだ。驚いたの何のって、CDのジャケットでしか名前を拝見したことのない、あの木下直人さんですよ。そして、木下さんのご好意で、私が復刻状態について不満を書いた「Jean Marie Londeix - Portrait」のうち、ダルヴァンクール、デザンクロ、ロベール、ミヨー、マルコヴィッチが収録されたGolden Crest盤の復刻音源を、パリ五重奏団のCorelia盤(最近入手されたものとのこと)、ギャルド四重奏団のAFA盤とともに、送っていただいたのである。この場を借りて、感謝申し上げます。
ちなみに、復刻音源といっても、並みの復刻音源ではない。SPやLPは当時の最高の機器で再生すべきであるという木下さんのポリシーに基づき、完璧に整備された1960年代のオルトフォン社カートリッジ、トーレンス社ターンテーブル等を組み合わせたシステムによるもの…木下さんご自身が「後世に残すことのできる、ステレオ盤に関しては世界に例のない復刻」と太鼓判を押すほどのものである。しかも、今回のロンデックス、パリ五重奏団、ギャルド四重奏団のLP復刻は、そのシステムによる復刻の第一弾となったものであるとのこと…。そんな歴史的瞬間に立ち会うことができたということであり、恐縮しつつも大変に感激してしまった!
それでは、今回送っていただいた3枚を紹介しておこう。CD-Rとともにジャケットのカラーコピーまで一緒に送っていただいてしまった。嬉しい。
「Jean-Marie Londeix(Golden Crest RE-7066)」
Jean-Marie Londeix ジャン=マリー・ロンデックス(sax)
Anne-Marie SCHIELIN アンネ=マリー・シェリン(piano)
曲目:
C.Delvincourt - Croquembouches
A.Desenclos - Prelude, cadence et finale
L.Robert - Cadenza
D.Milhaud - Scaramouche
I.Markovitch - Complainte et danse
どこで手に入れたかは忘れてしまったのだが、この音盤が収録されたMDをかなり昔から持っており、(パチノイズがひどいものの)愛聴していた。以来、特にデザンクロとロベールに関しては、この演奏が自分の中でのスタンダードとなっている。それと比較すると、2007年にMD+Gレーベルより復刻・発売された「Portrait」に収録されている演奏は、不自然に音場が遠めでなぜか音割れがヒドイという、やや残念なものであり、繰り返し聴く気になれなかった。今回木下さんから頂戴したものは、さすがと言うか何と言うか、聴いていて怖くなるほどリアルに迫ってくる復刻。しばらくは、デザンクロ、ロベールは、録音に関してはこの演奏じゃないと聴けなくなりそう。
「Quintette de saxophones de Paris(Corelia)」
Andre Beun アンドレ・ブーン(sax)
Georges Porte ジョルジュ・ポルト(sax)
Bernaud Beaufreton ベルナール・ボーフルトン(sax)
Michel Trousselet ミシェル・トゥルーセル(sax)
Maurice Delabre モーリス・ドゥラブル(sax)
曲目:
J.M.Defaye - Dialogue(AATTB - SnSATB)
C.Terranova - Metamorphose(SATTB)
J.C.Naude - Sun, Sand, Sea, Sax(SATTB)
L.Robert - Flammes et fumees(SnSATB)
パリ・サクソフォン五重奏団のLP。mckenさんのサイトの記述によると、QuantumよりCD化もされていたようであるが、そちらは私は所有していない。珍しい五重奏のためのオリジナル作品が収録されており、なかなか聴き応えのある作品ばかり。技術的にはしっかりしている演奏だが、比較的リラックスしており、曲の楽しさと相まって、全編を楽しく聴くことができた。ロベールの「Flammes et fumees 炎と煙」を聴くことができるのは嬉しいなあ。
「Quautor de saxophones(AFA 20772)」
Michael Nouaux ミシェル・ヌオー(s.sax)
Andre Beun アンドレ・ブーン(a.sax)
Bernaud Beaufreton ベルナール・ボーフルトン(t.sax)
Maurice Delabre モーリス・ドゥラブル(b.sax)
曲目:
E.Bozza - Andante et scherzo
A.Desenclos - Quatuor
P.Sciortino - Danse paienne
M.Bagot - Quatuor
これ、私が初めて手に入れたクラシック・サックスのLPのAFA原盤だ。ボザ、デザンクロ、ショルティーノ「異教徒の踊り」等、往年のフランス・アカデミーの流れを汲む四重奏の傑作を、当時の演奏家たちのパフォーマンスで聴くことのできる貴重な一品。kuri_saxoのこちらでも紹介しているし、以前の日記でもこことかこことかここに、手に入れたときの興奮が書かれている。よっぽど嬉しかったんだろうなあ。所有するEMI国内盤に関しては、あーだこーだしながらMDに落とし、聴くことのできる状態にしてあるが、やはり上手くはいかないもので(苦笑)。今回木下さんに送っていただいたものとは、音質の点において比べるべくもない。思い入れが強いLPであるので、良いサウンドで聴くことができて、嬉しい。
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こんなに凄い復刻音源ならば、ぜひたくさんの人に聴いてほしい…!というわけで、私の個人的なお知り合いで、もし興味がある方は、メールかmixiのメッセージを下さい(木下さんからもお許しを得ています)。
ミュールとラッシャーとサックスと
アドルフがアダムで、ラッシャーがカイン、ミュールがアベルだって(ミュールとラッシャーは、逆かも)。妙に納得してしまうような。面白い例えをする人がいるもんですな。
ラベル:
音楽雑感
2008/01/05
藝大ブラスの醍醐味・蘇るサウンド
新年早々、凄いものを聴いてしまった…。東京藝術大学奏楽堂での藝大ブラス。ブラス、っていうか、吹奏楽ですが。
2008/1/5 17:00開演
東京藝術大学奏楽堂
・R.ワーグナー/木村吉宏編「"ニュルンベルクのマイスタージンガー"より第一幕への前奏曲」
・G.ホルスト「吹奏楽のための第二組曲」
・O.レスピーギ/木村吉宏編「交響詩"ローマの松"」
~アンコール~
・忘れた
・J.シュトラウス「ラデツキー行進曲」
とりあえず、出演者がなかなか凄かったので、名前をリストアップしてみよう(50音順・敬称略)。すでに重鎮となられたソリストや在京オケの主席に加え、現役芸大生・OBが混在するという、絶対に他では聴くことのできない超豪華メンバーによる吹奏楽である。
指揮:三石精一
フルート:青木明、一木瑛美、植村泰一、笠井真由美、金昌国、鶴田洋子、都筑麻美、羽鳥美紗紀
オーボエ:小畑善昭、早乙女潤、相樂香織、関美矢子、濱野詩帆、宮村和宏、山本洋一
クラリネット:荒木こずえ、磯部周平、伊藤めぐみ、近藤千花子、相良麻衣子、重松希巳江、島田幸輝、島田優香、鈴木良昭、田中明日香、千葉直師、塚本啓理、十亀正司、中島みどり、篠崎由紀、三界秀実、村井祐児、山口真由、山本正治、吉岡奏絵、渡邊一毅
バスーン:上野実加、高橋幸世、徳丸真理、三好彩、望月理江
サクソフォン:池上政人、石渡悠史、伊藤あさぎ、田村哲、冨岡和男、中村伸夫、服部吉之、細川紘希
ホルン:岸上穣、世川望、田島小春、二宮聡美、松浦謙、溝根伸吾、三村総撤、森雅彦、守屋光三、山内研自、若林寛子、和田治夫
トランペット:秋宗章太、阿部一樹、奥田敏雄、北村源三、熊代[示右]子、坂井俊博、内藤知裕、西島祐子、畑直樹、葉室晃、原田照久、山口進一郎
トロンボーン:秋山鴻市、池上亘、伊藤清、今村岳志、越智大輔、香川慎二(梶原彰人)、古賀光、佐藤敬一郎、山口隼士
ユーフォニアム:大山智、小林敦、齋藤亜由美、三宅孝典
テューバ:稲川榮一、近藤陽一、高見朋広、中島啓、守屋陽介
パーカッション:杉山千恵子、竹内将也、中川航介、平尾信幸、和田光世
コントラバス:酒井美穂、永田由貴、橋本慎一、吉田聖也
ハープ:中山京、邊見美帆子
ピアノ:渡邊健二
チェレスタ:山本清香
オルガン:廣野嗣雄
…ふう、疲れた。人名って入力するの大変。
まあとにかく、リストを見ていただければお判りの通りの、ものすごいメンツ。最初に、フルートの金氏による藝大器楽科の歴史紹介のようなものがあったのだが、過去に器楽演奏の発展を支え、今ではすでに一線を退いたプレイヤーから、藝大のまだ一年生になったばかりの演奏者までが、このコンサートにメンバーとして乗っているのだ。まさに藝大の器楽の歴史、いや、日本の器楽の歴史そのものである。
演奏は、豪華絢爛の極み。細かいアンサンブル精度なんてことを気に留める暇もなく、音楽のうねりに飲み込まれた2時間。今宵の演奏会を聴くことができて、本当に幸せだった!
「マイスタージンガー」「第二組曲」も素晴らしいサウンドに溺れたが、メインの「ローマの松」の圧巻であること。各ソリスト陣の極上のソロ(クラリネットの山本氏による、ジャニコロのソロは涙出ました)最後は、未曾有の強奏。オルガンも交えたその分厚い響きは、奏楽堂ホールをぶち破って、外へとはち切れそうなほどだった。
(おまけ)
藝大3号館サックス部屋。楽器、ピアノ、机、椅子、楽譜、コンポ、そのほかいろいろが散乱し、サックス科の学生が集う「部室みたいなところ(田村さん談)」だそうだ。我々にとっての、文サ3階ロビーってとこかな…あ、きちんと掲載許可は取ってあります(^^;どうもお邪魔いたしました&失礼いたしました。
2008/1/5 17:00開演
東京藝術大学奏楽堂
・R.ワーグナー/木村吉宏編「"ニュルンベルクのマイスタージンガー"より第一幕への前奏曲」
・G.ホルスト「吹奏楽のための第二組曲」
・O.レスピーギ/木村吉宏編「交響詩"ローマの松"」
~アンコール~
・忘れた
・J.シュトラウス「ラデツキー行進曲」
とりあえず、出演者がなかなか凄かったので、名前をリストアップしてみよう(50音順・敬称略)。すでに重鎮となられたソリストや在京オケの主席に加え、現役芸大生・OBが混在するという、絶対に他では聴くことのできない超豪華メンバーによる吹奏楽である。
指揮:三石精一
フルート:青木明、一木瑛美、植村泰一、笠井真由美、金昌国、鶴田洋子、都筑麻美、羽鳥美紗紀
オーボエ:小畑善昭、早乙女潤、相樂香織、関美矢子、濱野詩帆、宮村和宏、山本洋一
クラリネット:荒木こずえ、磯部周平、伊藤めぐみ、近藤千花子、相良麻衣子、重松希巳江、島田幸輝、島田優香、鈴木良昭、田中明日香、千葉直師、塚本啓理、十亀正司、中島みどり、篠崎由紀、三界秀実、村井祐児、山口真由、山本正治、吉岡奏絵、渡邊一毅
バスーン:上野実加、高橋幸世、徳丸真理、三好彩、望月理江
サクソフォン:池上政人、石渡悠史、伊藤あさぎ、田村哲、冨岡和男、中村伸夫、服部吉之、細川紘希
ホルン:岸上穣、世川望、田島小春、二宮聡美、松浦謙、溝根伸吾、三村総撤、森雅彦、守屋光三、山内研自、若林寛子、和田治夫
トランペット:秋宗章太、阿部一樹、奥田敏雄、北村源三、熊代[示右]子、坂井俊博、内藤知裕、西島祐子、畑直樹、葉室晃、原田照久、山口進一郎
トロンボーン:秋山鴻市、池上亘、伊藤清、今村岳志、越智大輔、香川慎二(梶原彰人)、古賀光、佐藤敬一郎、山口隼士
ユーフォニアム:大山智、小林敦、齋藤亜由美、三宅孝典
テューバ:稲川榮一、近藤陽一、高見朋広、中島啓、守屋陽介
パーカッション:杉山千恵子、竹内将也、中川航介、平尾信幸、和田光世
コントラバス:酒井美穂、永田由貴、橋本慎一、吉田聖也
ハープ:中山京、邊見美帆子
ピアノ:渡邊健二
チェレスタ:山本清香
オルガン:廣野嗣雄
…ふう、疲れた。人名って入力するの大変。
まあとにかく、リストを見ていただければお判りの通りの、ものすごいメンツ。最初に、フルートの金氏による藝大器楽科の歴史紹介のようなものがあったのだが、過去に器楽演奏の発展を支え、今ではすでに一線を退いたプレイヤーから、藝大のまだ一年生になったばかりの演奏者までが、このコンサートにメンバーとして乗っているのだ。まさに藝大の器楽の歴史、いや、日本の器楽の歴史そのものである。
演奏は、豪華絢爛の極み。細かいアンサンブル精度なんてことを気に留める暇もなく、音楽のうねりに飲み込まれた2時間。今宵の演奏会を聴くことができて、本当に幸せだった!
「マイスタージンガー」「第二組曲」も素晴らしいサウンドに溺れたが、メインの「ローマの松」の圧巻であること。各ソリスト陣の極上のソロ(クラリネットの山本氏による、ジャニコロのソロは涙出ました)最後は、未曾有の強奏。オルガンも交えたその分厚い響きは、奏楽堂ホールをぶち破って、外へとはち切れそうなほどだった。
(おまけ)
藝大3号館サックス部屋。楽器、ピアノ、机、椅子、楽譜、コンポ、そのほかいろいろが散乱し、サックス科の学生が集う「部室みたいなところ(田村さん談)」だそうだ。我々にとっての、文サ3階ロビーってとこかな…あ、きちんと掲載許可は取ってあります(^^;どうもお邪魔いたしました&失礼いたしました。
2008/01/04
Tetraphonics saxophonequartett「the invitation」
ラッシャー派の流れをくむドイツの四重奏団、Tetraphonics Saxophonequartettの、おそらくファーストアルバムである「the invitation(Cybele Records SACD 261.001)」をご紹介。20世紀の終わりから21世紀の始まりにかけて、サクソフォン四重奏のために書かれたオリジナル作品を集めたもので、なかなか興味深い内容となっている。ちなみにこのCD(というかSACDだ、これ)、世界屈指のクラシック・サクソフォンファンの一人、mckenさんの好意で入手に至ったものであり、この場を借りて感謝申し上げます。ありがとうございました。さて、収録曲目は以下の通り。
Philip Glass - Concerto for Saxophone Quartet
Frank Reinshagen - The Invitation
Barbara Thompson - Saxophone Quartet No.2
Zdenek Lukas - Rondo per 4 sassofoni
J.S.Bach - Fuga No.20
何といってもフィリップ・グラスの「サクソフォーン四重奏のための協奏曲」が目を引くだろう。もともとはオーケストラとサクソフォーン四重奏のために書かれたものだが、ここでの演奏はChesterより出版されている四重奏単独でのバージョン(楽譜持っているなあ)。このバージョンの楽譜を使用しての演奏は、オーケストラとの共演版に比べて色彩感が乏しくなるのが常だが、昔の楽器を使用しているせいか、あちこちから音色のミス・ブレンドによる面白い響きが聴こえ、楽しい。というわけで、このバージョンの録音のなかでは、一番のお気に入りとなってしまった。
その他、バーバラ・トンプソンの「四重奏曲第2番」の演奏も、長大な楽曲を見事に吹ききっているなどレベルが高いが、やはり聴きものはタイトル曲にもなっている「the invitation」と、ボーナストラックとして収録されたバッハ「平均律クラーヴィア曲集第20番より"フーガ"」ではないだろうか?ラッシャー派のアンサンブルでは必ずと言って良いほど取り上げられるフラジオ連発のオリジナル曲と、バッハのアレンジメント。不思議なほどしっくりくる組み合わせだ。
しっかしあれだな。最近ラッシャーまわりの記録や録音をいろいろ調べているためか、このアルバムからも、そこかしこからラッシャーの遺した功績の大きさがひしひしと伝わってくるような気がする。功績の大きさ…というより、クラシック・サクソフォンのメインストリームから見放されたラッシャーの恨みのようなものさえ感じてしまう、今日このごろなのである。
Philip Glass - Concerto for Saxophone Quartet
Frank Reinshagen - The Invitation
Barbara Thompson - Saxophone Quartet No.2
Zdenek Lukas - Rondo per 4 sassofoni
J.S.Bach - Fuga No.20
何といってもフィリップ・グラスの「サクソフォーン四重奏のための協奏曲」が目を引くだろう。もともとはオーケストラとサクソフォーン四重奏のために書かれたものだが、ここでの演奏はChesterより出版されている四重奏単独でのバージョン(楽譜持っているなあ)。このバージョンの楽譜を使用しての演奏は、オーケストラとの共演版に比べて色彩感が乏しくなるのが常だが、昔の楽器を使用しているせいか、あちこちから音色のミス・ブレンドによる面白い響きが聴こえ、楽しい。というわけで、このバージョンの録音のなかでは、一番のお気に入りとなってしまった。
その他、バーバラ・トンプソンの「四重奏曲第2番」の演奏も、長大な楽曲を見事に吹ききっているなどレベルが高いが、やはり聴きものはタイトル曲にもなっている「the invitation」と、ボーナストラックとして収録されたバッハ「平均律クラーヴィア曲集第20番より"フーガ"」ではないだろうか?ラッシャー派のアンサンブルでは必ずと言って良いほど取り上げられるフラジオ連発のオリジナル曲と、バッハのアレンジメント。不思議なほどしっくりくる組み合わせだ。
しっかしあれだな。最近ラッシャーまわりの記録や録音をいろいろ調べているためか、このアルバムからも、そこかしこからラッシャーの遺した功績の大きさがひしひしと伝わってくるような気がする。功績の大きさ…というより、クラシック・サクソフォンのメインストリームから見放されたラッシャーの恨みのようなものさえ感じてしまう、今日このごろなのである。
ラベル:
CD
2008/01/03
フェルナンド・デクリュックのバイオグラフィと作品集
以下に載せる資料は、ジャン=ピエール・バラグリオリ Jean-Pierre Baraglioli演奏によるフェルナンド・デクリュック作品集のライナーノートを翻訳したものです。初稿執筆はヘレーネ・デクリュック、英語への翻訳はミシェル・フルジエが行い、フルジエによる英語版の原稿を、私が日本語訳したものとなります。転載許可は取っていないので、まずかったら消します。
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フェルナンド・デクリュック(デュクルック/デュクリュック) Fernande Decruckは、1896年12月25日、フランスのGaillacに生まれた。8歳の時からトゥールーズの音楽院でピアノを学び、1918年にはパリ・コンセルヴァトワールに入学、ザヴィエ・ルルー、ジャン・ガロン、ポール・ヴィダール、ジョルジュ・カッサード、セザール・アベル・エスティールに師事した。和声学、フーガ、ピアノ伴奏の三科目で一等賞を、対位法で二等賞を獲得して卒業し、同時に和声学クラスのアシスタントに、ジャン・ガロンによって任命された。1922年には、ウジェーヌ・ジゴーの下でオルガンの勉強を開始、ジゴーの後任のマルセル・デュプレには、オルガンのほかに即興も学んだ。
デュプレの勧めもあり、デクリュックはオルガン奏者としてアメリカ演奏旅行を行う。1929年4月5日、ニューヨークのジョン・ワナメーカー講堂で開かれたツアーの初日に、3つの楽章からなるオルガンソロのための交響曲を即興で披露(即興の主題には、アメリカの作曲家の作ったメロディを引用した)。続く各地の公演においても、同じコンセプトによる即興演奏を行った。そして、その後数年にわたって、デクリュックはオルガンの演奏と作曲を行いながら、数年にわたってニューヨークに住むこととなる。
1933年には、フランスへ帰国。次第に多くの聴衆に、彼女の音楽が認知されるようになった。その時期、サクソフォンの作品はギャルド・レピュブリケーヌの奏者によって、オーボエ、クラリネット、バソンのトリオは、トリオ・ダンシェ・ドゥ・パリによってそれぞれ演奏されている。1935年、「ピアノ・ソナタ」がジャンヌ=マリー・ダレーによって国内演奏会で披露され、1937年にはトゥールーズ音楽院の和声学上級クラス講師となった。1937年から1941年にかけては、トゥールーズ音楽院の演奏会でいくつかの作品が披露された。例えば、1937年に作曲された「叙情的歌曲」のオーケストラ・バージョンが、エイメ・カンク指揮マルセル・ミュール独奏という組み合わせで1938年に同演奏会で初演されている。そして、1942年の終わりに、作曲に専念するためにパリでのオルガンの演奏活動を休止することとなる。
1943年から1947年にかけては、デクリュックのオーケストラ作品が国内のオーケストラによって相次いで初演される。「Symphonie Rimbaldienne(1941)」「Poeme Chretiens(1943)」「Hymne a Apollon(1944)」などの作品が、ウジェーヌ・ビゴー、ポール・パレー、ジャン・フルネらの指揮の下、ラムルー管、コロンヌ管、パドゥループ管によって演奏されたのである。1946年3月、ポール・パレー指揮コロンヌ管弦楽団、ポール・ジャメの独奏によって、「ハープ協奏曲(1944)」が初演。1947年、クラリネット奏者のルイ・カフザックが「クラリネット協奏曲(1946)」を初演。同年、ハープシコードとオーケストラのための協奏的組曲「Les Trianos(1946)」がマルセル・ドゥ・ラクールによって初演される。1947年、デクリュックはアメリカに数ヶ月間滞在し、数多くのオルガンのための作品を手がけた。1948年、「コーラングレとオルガンのための3つの小品」が、アメリカのオルガニスト、エドワード・パワー・ビッグスによって演奏され、CBSラジオで放送された。その後フランスへ帰国し、同時にフォンテーニュブローのエコール・ミュニンシパルの、和声学と音楽史の講師職に就任した。
しかしその後デクリュックは、作曲に支障をきたすほどの病に侵されることとなる。大曲を手がけることができなくなり、もっぱら過去の作品の改訂と室内楽の小品の作曲に専念し始めた。1952年、癲癇の発作?が彼女を襲い、その後もたびたび発作に悩まされながら健康状態は悪化し、1954年8月6日、死去。フェルナンド・デクリュックは、その生涯においておよそ200曲を作曲した。そして、その作品のほとんどは1920年から1940年の間に作曲されたものである。彼女の数多い作品のうち、初めてポピュラリティを獲得したのは室内楽作品の、ピアノやオルガンのための独奏曲であった。その後、彼女は次第にオーケストラのために筆をとりはじめたのだ(初期のオーケストラ作品は、オルガンのための協奏曲とチェロのための協奏曲)。
アメリカでの最初の滞在の時期、彼女が30代の頃であるが、初めてサクソフォンのために作品を書き始めた。彼女の夫、モーリス・デクリュック Maurice Decruckは、アルトゥーロ・トスカニーニ指揮ニューヨーク・フィルハーモニックの専属サクソフォニストだったのだ。アメリカ滞在中は、彼女はエコール・フランセーズの名手…フランソワ・コンベルやマルセル・ミュールといったサクソフォン奏者たちとは、連絡を取っていなかったのである。事実、コンベルに献呈されたサクソフォンとピアノのための「叙情的歌曲作品69」は、1932年にフランスへと帰国した際に作曲したものであった。デクリュックは、ギャルド・レピュブルケーヌ吹奏楽団の演奏家に対して作品を提供した、初めての作曲家であるということになる。1933年から1939年の間、サクソフォンの扱いに長けることとなり、サクソフォンのために作られたものは40作品以上に及び、室内楽や四重奏曲だけでなく、オーケストラ作品も多い。「ソナタ嬰ハ調」は、初めはオーケストラとサクソフォンのために書かれたし、さらに彼女は「サクソフォーン協奏曲(現在は手稿が失われている)」も作曲しているほどである。いくつかのサクソフォン作品は、マルセル・ミュール、フランソワ・コンベル、カミーユ・ソヴァージュ、ルディ・ヴィードーフ(ウィードフト)、ギャルド・レピュブリケーヌ四重奏団のために書かれた。
彼女の30代の終わりから40代にかけては、多くの協奏曲と共に交響作品や歌曲を作曲。歌曲のうちいくつかの作品は、チャールズ・パンツェラ、ヘレーネ・ブヴィエ、ノエミー・ペルジア等の著名な歌い手に捧げられている。また、ソナタ、ソナチネ、トリオ、カルテットなどの室内楽作品は、ポール・ベーゼラーユ、アンドレ・アセラン、ジャンヌ=マリー・ダレー、トリオ・ダンシュ・ドゥ・パリなどに献呈されている。さらに、鍵盤楽器のためにも、ピアノやオルガンのためのソナタ、グランドオルガンのためのソナタなどを遺している。また、フェルナンド・デクリュックは、卓越したピアニスト、オルガニストでもあり、自作の演奏も積極的に行った。「ピアノのための9つの叙情的小品」「ピアノのためのソナチネ」「オルガン協奏曲」等は、彼女自身がパリにおいて初演した作品である。
----------
で、そのデクリュックのサクソフォン作品集である。それが、「Fernande DECRUCK - Musique pour Saxophone alto & Piano(dapheneo A510)」。サックスを吹くのはジャン=ピエール・バラグリオリ Jean-Pierre Baraglioli氏。彼は、ギャルド・レピュブリケーヌ吹奏楽団の主席アルトサクソフォン奏者、インターナショナル・サクソフォン四重奏団のソプラノ奏者、コロンヌ管弦楽団のソリストといった顔を持つ、フランスの中堅どころのプレイヤー。ギャルド吹奏楽団やインターナショナル四重奏団の関係でたびたび来日しており、セルマー関連の筋ではおなじみの奏者か。ピアノは、リヨン音楽院に学んだフローレスタン・ブーティン Florestan Boutin氏。収録曲目は、以下の通り(もちろん、全ての作品がデクリュックの筆によるもの)。
・8つのフランス風小品 8 pieces francaises
・叙情的歌曲 Chant lyrique
・叙情的歌曲第3番 3eme Chant lyrique
・叙情的歌曲第5番 5eme Chant lyrique
・Stars under the Moon
・Sax-Volubile
・Selmera-Sax
・Complainte de Dinah
・The Red Sax
・Jazz Toccata
・Spleen
・The Golden Sax
そもそも、このCDを買った理由というのが、「叙情的歌曲第5番」が収録されていたから、である。昨年末のフェスティバルで雲井雅人氏による演奏を聴いた折に、演奏のみならず作品の美しさにも感動し、「ソナタ以外にもこんな美しい曲を書いていたんだ!」と思っていたところ、渋谷のアクタスでこのCDを見つけ、気が付いたらレジに向かってダッシュしていたのだ。ほとんど衝動買いだったのですよ。
本ディスクには有名な「ソナタ嬰ハ調」は収録されておらず、今までレコーディングがなされていなかった小品ばかりが取り上げられており、デクリュックの作風を知る上で、重要な資料となっている。このうち、「8つのフランス風小品」はマルセル・ミュールに、「叙情的歌曲」はフランソワ・コンベルに、「Stars under the Moon」と「Spleen」はカミーユ・ソヴァージュに、「The Golden Sax」はルディ・ヴィードーフに、それぞれ捧げられたものだそうだ。また、「Selmera-Sax」は、名前のとおり?セルマー社から出版されているとのこと(…ちなみにこの作品集には収録されていない有名な「ソナタ嬰ハ調」は、ドゥラングル氏、フルモー氏などフランス派による録音も存在するが、何と言っても原博巳さん&伊藤富美恵さんのコンビによるもの「PCF(Cafua CACG-0067)」が一押し!)。
さて、ソヴァージュに捧げられた2曲、「Stars under the Moon」と「Spleen」を聴いてみよう。まるでポップスのバラードのような、実に甘いメロディがスピーカーから流れてくる。技術的に際立って難しい部分はあまりなく、とにかく最小限の音でもって、私達にサックスを聴く喜びを与えてくれるものばかりだ。「叙情的歌曲」なども改めて聴いてみると、ミュールに捧げられたフランス産の小品に劣らない音楽的内容とアピール度を持ったものばかりで、今まで忘れられていたのが信じられないくらいである。サックス聴き始めの方たちにも、けっこうオススメできるかも。デクリュック作品だけ集めたコンサート、なんてのも聴いてみたいなあ(さすがに集客ができないかしらん)。
バラグリオリ氏の演奏は、甘い音色と薄めのヴィブラートといったところが印象に残る。これらの小品に、この音色はなかなかマッチしているのではないかな、と思った。ヴィブラートは、もっとバリバリかけたら曲によっては面白い演奏になるだろうなー。ニュアンスの変化は少なくフラットな音楽作りだが、作品集という意味ではプラスかな。あ、あと録音状態が面白いですね。原博巳さんもご自身のブログで書いておられたが、ほとんど響きがない場所(もしくは、マイクから響きを取り込んでいない)での録音で、日本製のCDに聴き慣れている向きには、なかなか新鮮。ちなみに入手先だが…まだアクタスに数枚のこっているはず。アマゾンとかでは、扱っていたっけ、どうだっけ。
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フェルナンド・デクリュック(デュクルック/デュクリュック) Fernande Decruckは、1896年12月25日、フランスのGaillacに生まれた。8歳の時からトゥールーズの音楽院でピアノを学び、1918年にはパリ・コンセルヴァトワールに入学、ザヴィエ・ルルー、ジャン・ガロン、ポール・ヴィダール、ジョルジュ・カッサード、セザール・アベル・エスティールに師事した。和声学、フーガ、ピアノ伴奏の三科目で一等賞を、対位法で二等賞を獲得して卒業し、同時に和声学クラスのアシスタントに、ジャン・ガロンによって任命された。1922年には、ウジェーヌ・ジゴーの下でオルガンの勉強を開始、ジゴーの後任のマルセル・デュプレには、オルガンのほかに即興も学んだ。
デュプレの勧めもあり、デクリュックはオルガン奏者としてアメリカ演奏旅行を行う。1929年4月5日、ニューヨークのジョン・ワナメーカー講堂で開かれたツアーの初日に、3つの楽章からなるオルガンソロのための交響曲を即興で披露(即興の主題には、アメリカの作曲家の作ったメロディを引用した)。続く各地の公演においても、同じコンセプトによる即興演奏を行った。そして、その後数年にわたって、デクリュックはオルガンの演奏と作曲を行いながら、数年にわたってニューヨークに住むこととなる。
1933年には、フランスへ帰国。次第に多くの聴衆に、彼女の音楽が認知されるようになった。その時期、サクソフォンの作品はギャルド・レピュブリケーヌの奏者によって、オーボエ、クラリネット、バソンのトリオは、トリオ・ダンシェ・ドゥ・パリによってそれぞれ演奏されている。1935年、「ピアノ・ソナタ」がジャンヌ=マリー・ダレーによって国内演奏会で披露され、1937年にはトゥールーズ音楽院の和声学上級クラス講師となった。1937年から1941年にかけては、トゥールーズ音楽院の演奏会でいくつかの作品が披露された。例えば、1937年に作曲された「叙情的歌曲」のオーケストラ・バージョンが、エイメ・カンク指揮マルセル・ミュール独奏という組み合わせで1938年に同演奏会で初演されている。そして、1942年の終わりに、作曲に専念するためにパリでのオルガンの演奏活動を休止することとなる。
1943年から1947年にかけては、デクリュックのオーケストラ作品が国内のオーケストラによって相次いで初演される。「Symphonie Rimbaldienne(1941)」「Poeme Chretiens(1943)」「Hymne a Apollon(1944)」などの作品が、ウジェーヌ・ビゴー、ポール・パレー、ジャン・フルネらの指揮の下、ラムルー管、コロンヌ管、パドゥループ管によって演奏されたのである。1946年3月、ポール・パレー指揮コロンヌ管弦楽団、ポール・ジャメの独奏によって、「ハープ協奏曲(1944)」が初演。1947年、クラリネット奏者のルイ・カフザックが「クラリネット協奏曲(1946)」を初演。同年、ハープシコードとオーケストラのための協奏的組曲「Les Trianos(1946)」がマルセル・ドゥ・ラクールによって初演される。1947年、デクリュックはアメリカに数ヶ月間滞在し、数多くのオルガンのための作品を手がけた。1948年、「コーラングレとオルガンのための3つの小品」が、アメリカのオルガニスト、エドワード・パワー・ビッグスによって演奏され、CBSラジオで放送された。その後フランスへ帰国し、同時にフォンテーニュブローのエコール・ミュニンシパルの、和声学と音楽史の講師職に就任した。
しかしその後デクリュックは、作曲に支障をきたすほどの病に侵されることとなる。大曲を手がけることができなくなり、もっぱら過去の作品の改訂と室内楽の小品の作曲に専念し始めた。1952年、癲癇の発作?が彼女を襲い、その後もたびたび発作に悩まされながら健康状態は悪化し、1954年8月6日、死去。フェルナンド・デクリュックは、その生涯においておよそ200曲を作曲した。そして、その作品のほとんどは1920年から1940年の間に作曲されたものである。彼女の数多い作品のうち、初めてポピュラリティを獲得したのは室内楽作品の、ピアノやオルガンのための独奏曲であった。その後、彼女は次第にオーケストラのために筆をとりはじめたのだ(初期のオーケストラ作品は、オルガンのための協奏曲とチェロのための協奏曲)。
アメリカでの最初の滞在の時期、彼女が30代の頃であるが、初めてサクソフォンのために作品を書き始めた。彼女の夫、モーリス・デクリュック Maurice Decruckは、アルトゥーロ・トスカニーニ指揮ニューヨーク・フィルハーモニックの専属サクソフォニストだったのだ。アメリカ滞在中は、彼女はエコール・フランセーズの名手…フランソワ・コンベルやマルセル・ミュールといったサクソフォン奏者たちとは、連絡を取っていなかったのである。事実、コンベルに献呈されたサクソフォンとピアノのための「叙情的歌曲作品69」は、1932年にフランスへと帰国した際に作曲したものであった。デクリュックは、ギャルド・レピュブルケーヌ吹奏楽団の演奏家に対して作品を提供した、初めての作曲家であるということになる。1933年から1939年の間、サクソフォンの扱いに長けることとなり、サクソフォンのために作られたものは40作品以上に及び、室内楽や四重奏曲だけでなく、オーケストラ作品も多い。「ソナタ嬰ハ調」は、初めはオーケストラとサクソフォンのために書かれたし、さらに彼女は「サクソフォーン協奏曲(現在は手稿が失われている)」も作曲しているほどである。いくつかのサクソフォン作品は、マルセル・ミュール、フランソワ・コンベル、カミーユ・ソヴァージュ、ルディ・ヴィードーフ(ウィードフト)、ギャルド・レピュブリケーヌ四重奏団のために書かれた。
彼女の30代の終わりから40代にかけては、多くの協奏曲と共に交響作品や歌曲を作曲。歌曲のうちいくつかの作品は、チャールズ・パンツェラ、ヘレーネ・ブヴィエ、ノエミー・ペルジア等の著名な歌い手に捧げられている。また、ソナタ、ソナチネ、トリオ、カルテットなどの室内楽作品は、ポール・ベーゼラーユ、アンドレ・アセラン、ジャンヌ=マリー・ダレー、トリオ・ダンシュ・ドゥ・パリなどに献呈されている。さらに、鍵盤楽器のためにも、ピアノやオルガンのためのソナタ、グランドオルガンのためのソナタなどを遺している。また、フェルナンド・デクリュックは、卓越したピアニスト、オルガニストでもあり、自作の演奏も積極的に行った。「ピアノのための9つの叙情的小品」「ピアノのためのソナチネ」「オルガン協奏曲」等は、彼女自身がパリにおいて初演した作品である。
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で、そのデクリュックのサクソフォン作品集である。それが、「Fernande DECRUCK - Musique pour Saxophone alto & Piano(dapheneo A510)」。サックスを吹くのはジャン=ピエール・バラグリオリ Jean-Pierre Baraglioli氏。彼は、ギャルド・レピュブリケーヌ吹奏楽団の主席アルトサクソフォン奏者、インターナショナル・サクソフォン四重奏団のソプラノ奏者、コロンヌ管弦楽団のソリストといった顔を持つ、フランスの中堅どころのプレイヤー。ギャルド吹奏楽団やインターナショナル四重奏団の関係でたびたび来日しており、セルマー関連の筋ではおなじみの奏者か。ピアノは、リヨン音楽院に学んだフローレスタン・ブーティン Florestan Boutin氏。収録曲目は、以下の通り(もちろん、全ての作品がデクリュックの筆によるもの)。
・8つのフランス風小品 8 pieces francaises
・叙情的歌曲 Chant lyrique
・叙情的歌曲第3番 3eme Chant lyrique
・叙情的歌曲第5番 5eme Chant lyrique
・Stars under the Moon
・Sax-Volubile
・Selmera-Sax
・Complainte de Dinah
・The Red Sax
・Jazz Toccata
・Spleen
・The Golden Sax
そもそも、このCDを買った理由というのが、「叙情的歌曲第5番」が収録されていたから、である。昨年末のフェスティバルで雲井雅人氏による演奏を聴いた折に、演奏のみならず作品の美しさにも感動し、「ソナタ以外にもこんな美しい曲を書いていたんだ!」と思っていたところ、渋谷のアクタスでこのCDを見つけ、気が付いたらレジに向かってダッシュしていたのだ。ほとんど衝動買いだったのですよ。
本ディスクには有名な「ソナタ嬰ハ調」は収録されておらず、今までレコーディングがなされていなかった小品ばかりが取り上げられており、デクリュックの作風を知る上で、重要な資料となっている。このうち、「8つのフランス風小品」はマルセル・ミュールに、「叙情的歌曲」はフランソワ・コンベルに、「Stars under the Moon」と「Spleen」はカミーユ・ソヴァージュに、「The Golden Sax」はルディ・ヴィードーフに、それぞれ捧げられたものだそうだ。また、「Selmera-Sax」は、名前のとおり?セルマー社から出版されているとのこと(…ちなみにこの作品集には収録されていない有名な「ソナタ嬰ハ調」は、ドゥラングル氏、フルモー氏などフランス派による録音も存在するが、何と言っても原博巳さん&伊藤富美恵さんのコンビによるもの「PCF(Cafua CACG-0067)」が一押し!)。
さて、ソヴァージュに捧げられた2曲、「Stars under the Moon」と「Spleen」を聴いてみよう。まるでポップスのバラードのような、実に甘いメロディがスピーカーから流れてくる。技術的に際立って難しい部分はあまりなく、とにかく最小限の音でもって、私達にサックスを聴く喜びを与えてくれるものばかりだ。「叙情的歌曲」なども改めて聴いてみると、ミュールに捧げられたフランス産の小品に劣らない音楽的内容とアピール度を持ったものばかりで、今まで忘れられていたのが信じられないくらいである。サックス聴き始めの方たちにも、けっこうオススメできるかも。デクリュック作品だけ集めたコンサート、なんてのも聴いてみたいなあ(さすがに集客ができないかしらん)。
バラグリオリ氏の演奏は、甘い音色と薄めのヴィブラートといったところが印象に残る。これらの小品に、この音色はなかなかマッチしているのではないかな、と思った。ヴィブラートは、もっとバリバリかけたら曲によっては面白い演奏になるだろうなー。ニュアンスの変化は少なくフラットな音楽作りだが、作品集という意味ではプラスかな。あ、あと録音状態が面白いですね。原博巳さんもご自身のブログで書いておられたが、ほとんど響きがない場所(もしくは、マイクから響きを取り込んでいない)での録音で、日本製のCDに聴き慣れている向きには、なかなか新鮮。ちなみに入手先だが…まだアクタスに数枚のこっているはず。アマゾンとかでは、扱っていたっけ、どうだっけ。
ラベル:
CD
2008/01/02
サクソフォンとチェロの作品集
アルフォンソ・ロザーノ=ロペス Alfonso Lozano-Lopez氏は、ボルドー音楽院に学んだサクソフォニスト。現在は、ボルドーを中心に現代作品の演奏に携わるなど、活躍されているそうだ。氏は、チェリストのジュリー・ライデラッハ Julie Laderachとともにサクソフォンとチェロのデュオ"DoubleFaze"を組んでいる。2005年に"DoubleFaze"が作った自主制作盤のCDを上田卓様より頂戴したので、紹介しておきたい(ロザーノ=ロペス氏と上田卓氏とは、良き友人関係でいらっしゃるそうだ)。500枚限定のCDで、外装から演奏まで、自主制作盤ならではの気持ちが込められたものとなっている。シリアルナンバーは294/500。
これがアルバムの外観(右奥が表紙、折り目を挟んで左手前が裏表紙)。Calliopeの復刻シリーズを思わせる紋様だが、手触りや表面の状態から推察するに、どうやらプリントではなく、一枚一枚に人力でデザインを施しているようなのだ!ジャケットはボール紙。中の解説書も、これはおそらくインクジェットプリンターで一枚一枚印刷して切り離したのでしょうなあ、という様相。そこかしこから愛を感じる。解説書は、スペイン語とフランス語(あ、読めない…)。収録曲目は以下の通り。野田燎氏に献呈された新実氏の作品が目を引く。…数年前のサクソフォーンフェスティバルで、田村真寛氏らによる若いデュオの演奏を聴いたときのことを思い出した。
・Volker Heyn - Inzerzioni (1997)
・新実徳英 - 風韻I (1987)
・Francois Rosse - Cseallox (1994)
・Eckart Beinke - Sotto voce (2005)
・Gyorgy Kurtag Jr. - Rh@psodie.hu (2005)
サクソフォンとチェロのデュオは、密に寄り添ったユニゾンから相反するサウンドまで、それぞれの楽器の間の(サウンドとしての)距離感を自在に伸び縮みさせることができるという点で、大変魅力的な編成である。新実徳英氏の筆による「風韻I」の冒頭を聴いてみよう。チェロが、楔を打ち込むような音を三度鳴らしているところに、風のようなサクソフォンが極小状態でフェードイン。クレシェンドをするかと思えば、いつの間にか2つの楽器が一緒に歌っている…。中間部では、ブルース風のサクソフォンの蠢きに、コントラバスのようなパルスを絡めてゆくチェロ。次の瞬間にはまたユニゾンに…という風。サクソフォンとチェロのデュオが奏でる音のパレットは、サクソフォンとピアノのデュオにも匹敵するか、もしくはある側面においてはずっと優位にも聴こえる。
収録された作品の中では、「風韻I」と「Rh@psodie.hu」にひかれた。「風韻I」が持つ不安定な響きやテンポは、邦楽器…尺八や筝といったものを思い起こさせる。そういえば、サクソフォン作品で言えば棚田文則氏の「Mysterious Morning III」も、そういったものに題材を求めたのだっけ。この作品がすっと心にしみこんでくるのは、やっぱり私が日本人であるからなのだろう。派手な音響が出現する場所はなく、アピール度は小さいようにも思えるが、逆にこういう作品ももっと演奏されて良いのではないかなと思った。そうだなあ、コンサートホールではなくて、50人くらいが入るスペースで、間近に音を受けたらゾクゾクするだろうな。「Rh@psodie.hu」は、スラップ・タンギングの連続から始まる高速フレーズに、まるでアンコールのようなワクワク感を覚える。中間部ではチェロのフラジォレット音域にサクソフォンのブレスノイズが折り重なるなど、ユニークな音作り。最終部は、冒頭のイメージが回帰して幕となる。5分くらいの作品で、けっこう楽しい。
DoubleFazeの演奏は、技術的に問題を感じるところは全くなく、意図的に安定さ/不安定さを織り交ぜながらの進行が見事。音場が近く、デッドな録音だが、そのおかげでむしろサクソフォンとチェロの一騎打ち!といった様相がリアルに迫ってきて、不思議とリスニングに集中することができる。
サックスとチェロといえば、デニゾフの「アルトサクソフォンとチェロのためのデュオ・ソナタ」や、Libby Larsenの「Bid Call」という作品も、ちょっと興味がある。誰か録音してくれないかなあ。そのほか、ギュンター・ラファエルの「ディベルティメント」とか、ダナ・ウィルソンの「Sati(sax + cello + perc)」とか。
これがアルバムの外観(右奥が表紙、折り目を挟んで左手前が裏表紙)。Calliopeの復刻シリーズを思わせる紋様だが、手触りや表面の状態から推察するに、どうやらプリントではなく、一枚一枚に人力でデザインを施しているようなのだ!ジャケットはボール紙。中の解説書も、これはおそらくインクジェットプリンターで一枚一枚印刷して切り離したのでしょうなあ、という様相。そこかしこから愛を感じる。解説書は、スペイン語とフランス語(あ、読めない…)。収録曲目は以下の通り。野田燎氏に献呈された新実氏の作品が目を引く。…数年前のサクソフォーンフェスティバルで、田村真寛氏らによる若いデュオの演奏を聴いたときのことを思い出した。
・Volker Heyn - Inzerzioni (1997)
・新実徳英 - 風韻I (1987)
・Francois Rosse - Cseallox (1994)
・Eckart Beinke - Sotto voce (2005)
・Gyorgy Kurtag Jr. - Rh@psodie.hu (2005)
サクソフォンとチェロのデュオは、密に寄り添ったユニゾンから相反するサウンドまで、それぞれの楽器の間の(サウンドとしての)距離感を自在に伸び縮みさせることができるという点で、大変魅力的な編成である。新実徳英氏の筆による「風韻I」の冒頭を聴いてみよう。チェロが、楔を打ち込むような音を三度鳴らしているところに、風のようなサクソフォンが極小状態でフェードイン。クレシェンドをするかと思えば、いつの間にか2つの楽器が一緒に歌っている…。中間部では、ブルース風のサクソフォンの蠢きに、コントラバスのようなパルスを絡めてゆくチェロ。次の瞬間にはまたユニゾンに…という風。サクソフォンとチェロのデュオが奏でる音のパレットは、サクソフォンとピアノのデュオにも匹敵するか、もしくはある側面においてはずっと優位にも聴こえる。
収録された作品の中では、「風韻I」と「Rh@psodie.hu」にひかれた。「風韻I」が持つ不安定な響きやテンポは、邦楽器…尺八や筝といったものを思い起こさせる。そういえば、サクソフォン作品で言えば棚田文則氏の「Mysterious Morning III」も、そういったものに題材を求めたのだっけ。この作品がすっと心にしみこんでくるのは、やっぱり私が日本人であるからなのだろう。派手な音響が出現する場所はなく、アピール度は小さいようにも思えるが、逆にこういう作品ももっと演奏されて良いのではないかなと思った。そうだなあ、コンサートホールではなくて、50人くらいが入るスペースで、間近に音を受けたらゾクゾクするだろうな。「Rh@psodie.hu」は、スラップ・タンギングの連続から始まる高速フレーズに、まるでアンコールのようなワクワク感を覚える。中間部ではチェロのフラジォレット音域にサクソフォンのブレスノイズが折り重なるなど、ユニークな音作り。最終部は、冒頭のイメージが回帰して幕となる。5分くらいの作品で、けっこう楽しい。
DoubleFazeの演奏は、技術的に問題を感じるところは全くなく、意図的に安定さ/不安定さを織り交ぜながらの進行が見事。音場が近く、デッドな録音だが、そのおかげでむしろサクソフォンとチェロの一騎打ち!といった様相がリアルに迫ってきて、不思議とリスニングに集中することができる。
サックスとチェロといえば、デニゾフの「アルトサクソフォンとチェロのためのデュオ・ソナタ」や、Libby Larsenの「Bid Call」という作品も、ちょっと興味がある。誰か録音してくれないかなあ。そのほか、ギュンター・ラファエルの「ディベルティメント」とか、ダナ・ウィルソンの「Sati(sax + cello + perc)」とか。
ラベル:
CD
2008/01/01
アンサンブル・プロクシマ・ケンタウリのCD
明けましておめでとうございます。2008年が皆様にとって良い年になりますように。というわけで、新年一発目の記事です。
シャリエ氏のソロCDとともに、同じくシャリエ氏が参加したアンサンブル・プロクシマ・ケンタウリ Ensemble Proxima Centauri(以下EPC)のCDも、上田卓さんに送ってもらったのです(ありがとうございました)。EPCは、同時代の室内楽作品を演奏するために1991年に結成され、以降、フランス国内外での演奏活動やレコーディングで活躍中の団体。メンバーは以下の通りだが、曲によってソロ、デュオ、全員による合奏など様々に編成を変える。
ジェラルディーヌ・ケラー Geraldine Keller(女声ソプラノ)
アンネ・コラ Anne Colas(フルート)
フィリップ・グエノクパティ Philippe Guenoukpati(フルート)
マリー=ベルナデット・シャリエ Marie-Bernadette Charrier(サクソフォン)
コランヌ・フクエ=ランドレヴィ Corinne Fouquer-Landrevie(ピアノ、チェレスタ)
クレマン・フォーコンネ Clement Fauconnet(パーカッション)
クリストフ・アヴェル Christophe Havel(ライヴエレクトロニクス)
室内楽作品演奏団体のレギュラーメンバーに、ライヴエレクトロニクスの技術者がいるというだけで、なんだかダニエル・ケンジー氏とレイナ・ポーテュオンド女史のMeta Duoを思い出しますな(笑)。ライヴエレクトロニクスのサウンドは、以前もこのブログ上で論じたとおり、合奏形態拡張の現時点における最終ポイントというとらえ方をしているので、私個人的にはさほどの違和感はない。…あ、全曲にエレクトロが入っているというわけではないので、そこのところ誤解がないように書いておきます。
さて、今回ご紹介するのはそのEPCがレコーディングした2枚。まずは、EPCメンバーでもあるクリストフ・アヴェル Christophe Havel氏の作品集「aer(Alba musica / MUSIDISC MU291672)」である。ティエリー・アラ(!!)によるアヴェル氏のバイオグラフィを読んでみると、演奏家でもあり、作曲家でもあり、エンジニアでもあるのだというが、さすがに様々な分野を知り尽くしているだけあって、奏者から音を最大限に引き出そうとするような作風を感じる。そのちなみに顔立ちは西村朗氏に似ているような気がするのだが、どんなもんだろうかね。収録曲目は、以下の通り。
P.-S. (prepared piano, electro)
AER[la danse] (piccolo, sn.sax, celesta, perc)
RamDom (flute, sax, piano, perc, electro)
S (sax, electro)
「AER」「RamDom」はそれぞれ、絵画にテーマを求めたもの、コンピュータにテーマを求めたものだそうだ。どちらも密度の濃い点描的なサウンド。演奏レベル&テンションは言うまでもなく高いが、作品としては一回聴いてみただけではちょっと理解が及ばず残念(^^;;今後もう少し聴きこんでみることにします。こういった作品は、実演で聴いてこそなのかもしれない。
「P.-S.」は、最初聴いていると何がなんだかよく分からない曲だが、じっと聴いているうちに大海のような壮大なサウンドに沈んでいくような錯覚を覚えた。中間部と最後に聴くことができる、クライマックスは圧感の一言。このCDの中で一番気に入ったのが、最後に置かれたサクソフォンとサンプラーのための「S」。シャリエ氏の演奏も冒頭から冴えまくっており、様々な音を奏でるエレクトロニクスとサクソフォンがつかずはなれずアンサンブルを繰り広げる様子に、思わず引き込まれてしまった。しっかし、バリトンサックスの楽器としての自在さってすごいよなあ。吹奏楽の中などで吹いているだけでは、ここまですごい楽器だという認識を持つことは絶対できないだろうな。
もう一つは、知る人ぞ知るフランスの作曲家フランソワ・ロセ Francois Rosse氏の作品集「...Por Casualidad...(Alba musica AL 0298)」。ロセ、という名前をよく聞く割に、この作曲家について知らなかったので、解説書のバイオグラフィを訳してみるか…とも思ったのだが、なんと解説のほとんどがロセ氏の筆によるもので、マトモなことが書いていない!(笑)唯一ヨシダススム氏によるロセのバイオグラフィは、フランス語で書いてあるため、読めない…。今度「Comprehensive...」をひいてみないと。収録曲目は、以下の通り。
Cseallox (bsax, cello)
Reflets dans l'O (sop-voice, piano)
Windschrei (voice, piano)
Salvador por casualidad... (flute, sax, piano, perc, electro)
Ost-Atem (t.sax, electro)
Sonate No.5 (piano)
Mondseele (voice, piano)
Pierre des vents (sop-voice, flute, sax, piano)
うーん、ぜんぜん知らない作品ばかり。だが、これはなかなか楽しいアルバムだ。まずアルバムタイトルにもなっている「Salvador por casualidad...」だが、綿密に調整された楽器間のバランスと音響が、作品の緊張感を聴き手に向けてリアルに伝えることに成功していると感じる。奏者の肉声も交える多彩な響きの中に、才気を感じ取ることができた。こういう作品を、どうやって発想し作曲しているのか、というのは興味あるところだ。
「Pierre des vents」も良いなー。楽章で分かれているため「Salvador」よりもコンパクトにまとまった印象を受け、聴き易い。ソプラノ(女声)が様々な奏法で駆け抜けていく様は、フランス語なので何を言っているかはよく分からないのだが(汗)耳を傾けているだけで楽しい。テンションが高い場所だけでなく、繊細で美しい箇所もたくさんあり、このCDの中では一番のオススメかもしれない。実現は難しいだろうが、再演されるべきだと感じた。
途中におかれた2つの即興「Windschrei」「Mondseele」も、面白さの極み(ピアノはロセ氏自身が担当)。タイトルがきちんと付いているが、いくつかのテイクに後から名付けをおこなったのだろうか。それとも、きちんとテーマがあるのかな。これら即興録音に対する、ロセ氏の解説は、やっぱりなんだかよくわからん(笑)。また、いくつかの作品にライヴ・エレクトロニクスを使用しているが、かなり控えめに使用しているため、時々加わるエフェクトや電子音が、ことさらに印象的に響くのが面白かった。「Ost-Atem」も、ほとんどはテナーサクソフォンのソロという風である。
シャリエ氏のサックスは、どの録音でもすごい!日本で手に入る録音がほとんどなく、名前だけ知りながら見過ごしたままになっていたが、こんな強烈な演奏をする奏者だとは、思ってもみなかった。いつか実演を聴いてみたいなあ(以前、来日されていたようなのだが…)。
シャリエ氏のソロCDとともに、同じくシャリエ氏が参加したアンサンブル・プロクシマ・ケンタウリ Ensemble Proxima Centauri(以下EPC)のCDも、上田卓さんに送ってもらったのです(ありがとうございました)。EPCは、同時代の室内楽作品を演奏するために1991年に結成され、以降、フランス国内外での演奏活動やレコーディングで活躍中の団体。メンバーは以下の通りだが、曲によってソロ、デュオ、全員による合奏など様々に編成を変える。
ジェラルディーヌ・ケラー Geraldine Keller(女声ソプラノ)
アンネ・コラ Anne Colas(フルート)
フィリップ・グエノクパティ Philippe Guenoukpati(フルート)
マリー=ベルナデット・シャリエ Marie-Bernadette Charrier(サクソフォン)
コランヌ・フクエ=ランドレヴィ Corinne Fouquer-Landrevie(ピアノ、チェレスタ)
クレマン・フォーコンネ Clement Fauconnet(パーカッション)
クリストフ・アヴェル Christophe Havel(ライヴエレクトロニクス)
室内楽作品演奏団体のレギュラーメンバーに、ライヴエレクトロニクスの技術者がいるというだけで、なんだかダニエル・ケンジー氏とレイナ・ポーテュオンド女史のMeta Duoを思い出しますな(笑)。ライヴエレクトロニクスのサウンドは、以前もこのブログ上で論じたとおり、合奏形態拡張の現時点における最終ポイントというとらえ方をしているので、私個人的にはさほどの違和感はない。…あ、全曲にエレクトロが入っているというわけではないので、そこのところ誤解がないように書いておきます。
さて、今回ご紹介するのはそのEPCがレコーディングした2枚。まずは、EPCメンバーでもあるクリストフ・アヴェル Christophe Havel氏の作品集「aer(Alba musica / MUSIDISC MU291672)」である。ティエリー・アラ(!!)によるアヴェル氏のバイオグラフィを読んでみると、演奏家でもあり、作曲家でもあり、エンジニアでもあるのだというが、さすがに様々な分野を知り尽くしているだけあって、奏者から音を最大限に引き出そうとするような作風を感じる。そのちなみに顔立ちは西村朗氏に似ているような気がするのだが、どんなもんだろうかね。収録曲目は、以下の通り。
P.-S. (prepared piano, electro)
AER[la danse] (piccolo, sn.sax, celesta, perc)
RamDom (flute, sax, piano, perc, electro)
S (sax, electro)
「AER」「RamDom」はそれぞれ、絵画にテーマを求めたもの、コンピュータにテーマを求めたものだそうだ。どちらも密度の濃い点描的なサウンド。演奏レベル&テンションは言うまでもなく高いが、作品としては一回聴いてみただけではちょっと理解が及ばず残念(^^;;今後もう少し聴きこんでみることにします。こういった作品は、実演で聴いてこそなのかもしれない。
「P.-S.」は、最初聴いていると何がなんだかよく分からない曲だが、じっと聴いているうちに大海のような壮大なサウンドに沈んでいくような錯覚を覚えた。中間部と最後に聴くことができる、クライマックスは圧感の一言。このCDの中で一番気に入ったのが、最後に置かれたサクソフォンとサンプラーのための「S」。シャリエ氏の演奏も冒頭から冴えまくっており、様々な音を奏でるエレクトロニクスとサクソフォンがつかずはなれずアンサンブルを繰り広げる様子に、思わず引き込まれてしまった。しっかし、バリトンサックスの楽器としての自在さってすごいよなあ。吹奏楽の中などで吹いているだけでは、ここまですごい楽器だという認識を持つことは絶対できないだろうな。
もう一つは、知る人ぞ知るフランスの作曲家フランソワ・ロセ Francois Rosse氏の作品集「...Por Casualidad...(Alba musica AL 0298)」。ロセ、という名前をよく聞く割に、この作曲家について知らなかったので、解説書のバイオグラフィを訳してみるか…とも思ったのだが、なんと解説のほとんどがロセ氏の筆によるもので、マトモなことが書いていない!(笑)唯一ヨシダススム氏によるロセのバイオグラフィは、フランス語で書いてあるため、読めない…。今度「Comprehensive...」をひいてみないと。収録曲目は、以下の通り。
Cseallox (bsax, cello)
Reflets dans l'O (sop-voice, piano)
Windschrei (voice, piano)
Salvador por casualidad... (flute, sax, piano, perc, electro)
Ost-Atem (t.sax, electro)
Sonate No.5 (piano)
Mondseele (voice, piano)
Pierre des vents (sop-voice, flute, sax, piano)
うーん、ぜんぜん知らない作品ばかり。だが、これはなかなか楽しいアルバムだ。まずアルバムタイトルにもなっている「Salvador por casualidad...」だが、綿密に調整された楽器間のバランスと音響が、作品の緊張感を聴き手に向けてリアルに伝えることに成功していると感じる。奏者の肉声も交える多彩な響きの中に、才気を感じ取ることができた。こういう作品を、どうやって発想し作曲しているのか、というのは興味あるところだ。
「Pierre des vents」も良いなー。楽章で分かれているため「Salvador」よりもコンパクトにまとまった印象を受け、聴き易い。ソプラノ(女声)が様々な奏法で駆け抜けていく様は、フランス語なので何を言っているかはよく分からないのだが(汗)耳を傾けているだけで楽しい。テンションが高い場所だけでなく、繊細で美しい箇所もたくさんあり、このCDの中では一番のオススメかもしれない。実現は難しいだろうが、再演されるべきだと感じた。
途中におかれた2つの即興「Windschrei」「Mondseele」も、面白さの極み(ピアノはロセ氏自身が担当)。タイトルがきちんと付いているが、いくつかのテイクに後から名付けをおこなったのだろうか。それとも、きちんとテーマがあるのかな。これら即興録音に対する、ロセ氏の解説は、やっぱりなんだかよくわからん(笑)。また、いくつかの作品にライヴ・エレクトロニクスを使用しているが、かなり控えめに使用しているため、時々加わるエフェクトや電子音が、ことさらに印象的に響くのが面白かった。「Ost-Atem」も、ほとんどはテナーサクソフォンのソロという風である。
シャリエ氏のサックスは、どの録音でもすごい!日本で手に入る録音がほとんどなく、名前だけ知りながら見過ごしたままになっていたが、こんな強烈な演奏をする奏者だとは、思ってもみなかった。いつか実演を聴いてみたいなあ(以前、来日されていたようなのだが…)。
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