「第4回サクソフォン交流会 in 名古屋」のキックオフミーティングを実施。なかなか事務局のメンバーも多忙で集まることができなかったのだが、合間を縫って本日ようやくキックオフミーティングを開催することができた。各種トピックについて2時間半にわたって話し合いを行い、およその形が見えてきた(取り急ぎ、この週末中には各内容をWBS&ガントチャートに落としこむつもり)。
7月13日の午後開演予定、何といっても名古屋開催ということでいろいろ大変になると思うが、がんばらなければならない。詳細については、順次ウェブやFacebookページ上でお知らせしていきたい。
ウェブページはこちら。
Facebookページはこちら。
2013/01/31
2013/01/30
Daniel Kientzy plays Calin Ioachimescu on YouTube
Calin Ioachimescu氏のサクソフォン協奏曲を吹く、ダニエル・ケンジー Daniel Kientzy 氏の動画。アップロードしたユーザーのアカウント情報からすると、どうやら作曲者ご本人のようだ。映像としても面白いが、特に後半にかけて曲が盛り上がる様はとても興奮した。すこし日本風といえるような場所もありますね。
第1楽章
第2楽章
第1楽章
第2楽章
2013/01/29
Diana Rotaru "Shakti" ライブ録音
ディアナ・ロタル Diana Rotaruは1981年生まれのルーマニアの女流作曲家。同じく作曲家であるドイナ・ロタル Doita Rotaruを母に持ち、ブカレスト国立音楽大学とパリ国立高等音楽院で学び、以来数々の作曲賞を受賞。現在はブカレスト国立音楽大学で作曲科講師を務めている。
日本国内では、2004年の第25回入野賞受賞作の作曲家として知られている。その受賞作がサクソフォンと室内オーケストラのための「シャクティ Shakuti」であり、2005年12月15日、東京文化会館小ホールにおいてダニエル・ケンジー Daniel Kientzy氏と板倉康明指揮東京シンフォニエッタが世界初演を手がけた。再演は2006年のサクソフォーン・フェスティバルで、サクソフォンと室内オーケストラの作品集、という企画のなかで演奏されたのであった。この時の独奏は平野公崇氏、バックは同じ布陣。
冒頭、ソプラニーノサクソフォンの"Flauto"奏法が妙に印象的で、ずっと作曲者名と曲名は覚えていたのだが、肝心の音を忘れてしまっていた。最近ふと思い出してネットを探索してみたのだが、ダニエル・ケンジー氏による初演の録音を、ドイナ・ロタル氏のSound Cloudで聴けることが判明したのでご紹介したい。2007年にこの曲のCDについてのメールをロタル氏に送ったところ返信があり「非商用盤なのでお店では買えないけれど、持ってるからCD送ってあげますよー」と言われたきり、送られてこなかったのだった。懐かしいな。
「シャクティ」のSound Cloudへのリンクはこちら。
https://soundcloud.com/dianarotaru/shakti
Sound Cloud、最近流行ってますねえ。お気に入りは雲井雅人氏のSound Cloudページ(たぶん多くの方にはお馴染みだと思う)。こちらもまた紹介したい。
日本国内では、2004年の第25回入野賞受賞作の作曲家として知られている。その受賞作がサクソフォンと室内オーケストラのための「シャクティ Shakuti」であり、2005年12月15日、東京文化会館小ホールにおいてダニエル・ケンジー Daniel Kientzy氏と板倉康明指揮東京シンフォニエッタが世界初演を手がけた。再演は2006年のサクソフォーン・フェスティバルで、サクソフォンと室内オーケストラの作品集、という企画のなかで演奏されたのであった。この時の独奏は平野公崇氏、バックは同じ布陣。
冒頭、ソプラニーノサクソフォンの"Flauto"奏法が妙に印象的で、ずっと作曲者名と曲名は覚えていたのだが、肝心の音を忘れてしまっていた。最近ふと思い出してネットを探索してみたのだが、ダニエル・ケンジー氏による初演の録音を、ドイナ・ロタル氏のSound Cloudで聴けることが判明したのでご紹介したい。2007年にこの曲のCDについてのメールをロタル氏に送ったところ返信があり「非商用盤なのでお店では買えないけれど、持ってるからCD送ってあげますよー」と言われたきり、送られてこなかったのだった。懐かしいな。
「シャクティ」のSound Cloudへのリンクはこちら。
https://soundcloud.com/dianarotaru/shakti
Sound Cloud、最近流行ってますねえ。お気に入りは雲井雅人氏のSound Cloudページ(たぶん多くの方にはお馴染みだと思う)。こちらもまた紹介したい。
2013/01/28
Frederick Hemke's Performance on YouTube
昨年ノースウェスタン大学の教授を退いたフレデリック・ヘムケ氏。そのCelebration Concertで演奏されたオーケストラとの共演動画がYouTubeにアップロードされている。ガーシュウィンの作品のメドレー?かな?
この輝かしい音色!何度も聴いたペッテション「交響曲第16番」で聴いたあのヘムケ氏のサウンド、オーケストラの分厚い構造を突き抜けてくるような存在感は、健在だ。素晴らしい演奏に感動してしまったのだが、それだけではなくさらにエンターテイメント的な"見せ方"の要素も織り込んでくるあたりに、その人柄の良さが垣間見える気がした。ぜひご覧頂きたい。
ちなみに、ノースウェスタン大学の教授を退いたあとも、まだまだ演奏活動は続けていくようだ。差し当たって大きなイベントとして、作曲家のAugusta Read Thomas氏のページでこんな情報を見つけた。2014年にサクソフォン協奏曲その名も「ヘムケ・コンチェルト」の世界初演が予定されているとのこと。
March 13th, 2014: World Premiere, HEMKE CONCERTO for Saxophone and Orchestra, Fred Hemke soloist, New Haven Symphony Orchestra, William Boughton, conducting.
この輝かしい音色!何度も聴いたペッテション「交響曲第16番」で聴いたあのヘムケ氏のサウンド、オーケストラの分厚い構造を突き抜けてくるような存在感は、健在だ。素晴らしい演奏に感動してしまったのだが、それだけではなくさらにエンターテイメント的な"見せ方"の要素も織り込んでくるあたりに、その人柄の良さが垣間見える気がした。ぜひご覧頂きたい。
ちなみに、ノースウェスタン大学の教授を退いたあとも、まだまだ演奏活動は続けていくようだ。差し当たって大きなイベントとして、作曲家のAugusta Read Thomas氏のページでこんな情報を見つけた。2014年にサクソフォン協奏曲その名も「ヘムケ・コンチェルト」の世界初演が予定されているとのこと。
March 13th, 2014: World Premiere, HEMKE CONCERTO for Saxophone and Orchestra, Fred Hemke soloist, New Haven Symphony Orchestra, William Boughton, conducting.
2013/01/26
演奏会ご案内:藝大定期室内楽第39回
今日の夕方は、テナーサックスの調整@小田桐工房へ。だいぶ放ったらかしになっていたので(以前持っていったのはもしや去年の第1四半期か?)いろいろガタがきており、かなり時間をかけて調整していただいた。やはり年間3回は出したいところ。小田桐工房ではぐうぜん海老原恭平さんにお会いし、リサイタルの情報など教えていただいた。なかなか面白そうなので、そのうちブログでも紹介するつもり。
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中島諒さんからご案内いただいた演奏会。このような演奏会があることは知っていたのだが、実体はなかなかシビアというか選りすぐりという感じなのだそうだ。なんと70前後のグループから10チーム程度が厳選されている、というのだから驚き。
中島さんは、このようなメンバーでグラズノフ「四重奏曲」を演奏されるとのこと。この日、私はあいにく自身の練習がつくば市であるため伺えないのだが、ご興味ある方はぜひ伺ってみてはいかがだろうか。サクソフォンのみならず、他の編成の室内楽を聴けるというのも楽しそうだ(しかも名曲揃いときたもんだ)。
山﨑憂佳(4年), ssax
中島諒(3年), asax
三浦夢子(院1年), tsax
上野耕平(2 年), bsax
【藝大定期室内楽第39回】
出演:東京藝術大学在学生
日時:2013年2月2日 14:00開演(2月3日にも開かれるとのこと、そちらの詳細はわからず)
会場:東京芸術大学奏楽堂
料金:1500円
プログラム・出演者詳細:
・弦楽四重奏曲 ヘ短調 作品95 ◆ ベートーヴェン Streichquartett f-moll, op.95 ◇ Ludwig van Beethoven Vn.清水 公望(3年) 野田 明斗子(3年) Va.平高 明輝子(3年) Vc.福本 真琴(3年)
・弦楽四重奏曲 ヘ長調 ◆ ラヴェル String Quartet F-dur ◇ Maurice Ravel Vn.石田 紗樹(4年) 下田 詩織(4年) Va.松村 早 紀(4年) Vc.山本 直輝(4年)
・ブラス・メナジェリー ◆ チータム A Brass Menagerie ◇ John Cheetham Trp.金丸 響子(院1年) 重井 吉彦(2年) Hr.鈴木 優(3年) Trb.鳥越 崇裕(院2年) Tuba 田村 優弥 (4年)
・サクソフォーン四重奏曲 変ロ長調 作品109 ◆ グラズノフ Saxophon Quartett B-dur, op.109 ◇ Alexandre Glazounow Sop.Sax.山﨑 憂佳(4年) Alt.Sax.中島 諒(3年) Ten.Sax.三浦 夢子(院1年) Bar.Sax.上野 耕平(2 年)
・ピアノ三重奏曲 ト短調 作品15 ◆ スメタナ Piano Trio g-moll, op.15 ◇ Bedřich Smetana Pf.田中 翔平 (4年) Vn.白木 一光(4年) Vc.吉田 弦(4年)
・ピアノ三重奏曲 ハ短調 作品66 ◆ メンデルス ゾーン Piano Trio c-moll, op.66 ◇ Felix Men
delssohn Pf.栗田 奈々子(院1年) Vn.長尾 春花(院1年) Vc.山本 直輝(4年)
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中島諒さんからご案内いただいた演奏会。このような演奏会があることは知っていたのだが、実体はなかなかシビアというか選りすぐりという感じなのだそうだ。なんと70前後のグループから10チーム程度が厳選されている、というのだから驚き。
中島さんは、このようなメンバーでグラズノフ「四重奏曲」を演奏されるとのこと。この日、私はあいにく自身の練習がつくば市であるため伺えないのだが、ご興味ある方はぜひ伺ってみてはいかがだろうか。サクソフォンのみならず、他の編成の室内楽を聴けるというのも楽しそうだ(しかも名曲揃いときたもんだ)。
山﨑憂佳(4年), ssax
中島諒(3年), asax
三浦夢子(院1年), tsax
上野耕平(2 年), bsax
【藝大定期室内楽第39回】
出演:東京藝術大学在学生
日時:2013年2月2日 14:00開演(2月3日にも開かれるとのこと、そちらの詳細はわからず)
会場:東京芸術大学奏楽堂
料金:1500円
プログラム・出演者詳細:
・弦楽四重奏曲 ヘ短調 作品95 ◆ ベートーヴェン Streichquartett f-moll, op.95 ◇ Ludwig van Beethoven Vn.清水 公望(3年) 野田 明斗子(3年) Va.平高 明輝子(3年) Vc.福本 真琴(3年)
・弦楽四重奏曲 ヘ長調 ◆ ラヴェル String Quartet F-dur ◇ Maurice Ravel Vn.石田 紗樹(4年) 下田 詩織(4年) Va.松村 早 紀(4年) Vc.山本 直輝(4年)
・ブラス・メナジェリー ◆ チータム A Brass Menagerie ◇ John Cheetham Trp.金丸 響子(院1年) 重井 吉彦(2年) Hr.鈴木 優(3年) Trb.鳥越 崇裕(院2年) Tuba 田村 優弥 (4年)
・サクソフォーン四重奏曲 変ロ長調 作品109 ◆ グラズノフ Saxophon Quartett B-dur, op.109 ◇ Alexandre Glazounow Sop.Sax.山﨑 憂佳(4年) Alt.Sax.中島 諒(3年) Ten.Sax.三浦 夢子(院1年) Bar.Sax.上野 耕平(2 年)
・ピアノ三重奏曲 ト短調 作品15 ◆ スメタナ Piano Trio g-moll, op.15 ◇ Bedřich Smetana Pf.田中 翔平 (4年) Vn.白木 一光(4年) Vc.吉田 弦(4年)
・ピアノ三重奏曲 ハ短調 作品66 ◆ メンデルス ゾーン Piano Trio c-moll, op.66 ◇ Felix Men
delssohn Pf.栗田 奈々子(院1年) Vn.長尾 春花(院1年) Vc.山本 直輝(4年)
ラベル:
情報
Divoom iTour-Boom (小型スピーカー)
四重奏の練習時に、録音機で録った音をプレイバックするための小型スピーカーを購入した。これまで使っていたのはProtekのサウンドボーイという小型スピーカーで、これはこれで音量的には満足行くものであったのだが、もう少し音質上のクリアさ・左右の分離が欲しかったのだ。充電式もしくは乾電池駆動であること、安価であること(2000円前後)、音量・音質ともにサウンドボーイを上回ること…等考慮した事前調査の上Divoom iTour-Boomを購入した。Amazonで2000円ちょっとで購入可能。
手持ちの録音や、前回練習時の録音を鳴らしてみたのだが、相当な音量と、十分実用レベルのクリアな音質に驚いた(サウンドボーイを置き換えることができそうでよかった。サウンドボーイは、今後メトロノームの音量増幅器として活躍してもらうことにしよう)。若干ホワイトノイズが目立つ気がするが、あまり気にならないレベル。さすがにミニコンポほどではないが、安物のラジカセよりも良い音がするのではなかろうか。
ちなみに、背面にはSDカードのスロットがあり、SDカードに記録されたMP3ファイルを連続して再生可能とのこと。そんな機能もあったのか(笑)。この音量なら、屋外でのイベントの際に持ちだしてBGMの流しっぱなしなどに便利かもしれない。自分の用途の範疇では、あまり使い道が思いつかないが…。
奥の黒く横長のスピーカーが、Divoom iTour-Boom。右隣がProtek サウンドボーイ。単三電池は大きさ比較のために置いてある(スピーカーが電池駆動というわけではない)。
手持ちの録音や、前回練習時の録音を鳴らしてみたのだが、相当な音量と、十分実用レベルのクリアな音質に驚いた(サウンドボーイを置き換えることができそうでよかった。サウンドボーイは、今後メトロノームの音量増幅器として活躍してもらうことにしよう)。若干ホワイトノイズが目立つ気がするが、あまり気にならないレベル。さすがにミニコンポほどではないが、安物のラジカセよりも良い音がするのではなかろうか。
ちなみに、背面にはSDカードのスロットがあり、SDカードに記録されたMP3ファイルを連続して再生可能とのこと。そんな機能もあったのか(笑)。この音量なら、屋外でのイベントの際に持ちだしてBGMの流しっぱなしなどに便利かもしれない。自分の用途の範疇では、あまり使い道が思いつかないが…。
奥の黒く横長のスピーカーが、Divoom iTour-Boom。右隣がProtek サウンドボーイ。単三電池は大きさ比較のために置いてある(スピーカーが電池駆動というわけではない)。
ラベル:
その他
2013/01/25
演奏会ご案内:第32回サクソフォーン・フェスティバル
直前にもう一度見どころを含めてご案内したいと思っているが、速報ということで掲載。
第32回サクソフォーン・フェスティバルが、2013/3/3(日曜)にパルテノン多摩にて開催される。例年の2日開催に比べると若干規模は小さくなってしまったが、今回実行委員長の原博巳さんの采配もあるのだろうか、内容を見る限りとても密度の高い催しとなっていると思う。我々アマチュアとしても、盛り上げていきたいところだ。
オープニングコンサート
音楽大学アンサンブルステージ
フェスティバルコンサート(サクソフォン+弦楽四重奏)
フェスティバルオーケストラ
Jrサクソフォンコンクール優勝者披露演奏
A会員によるプレミアムコンサート
カルテット名曲館
ディスカヴァリーコンサート
雲井雅人プレゼンツ「アドルフ・サックス工房からの枝分かれ」
小中高愛好家のための無料ワンポイント講座
アレクサンダー・テクニーク口座
サックス大合奏
チラシ表面(クリック拡大)
チラシ裏面(クリック拡大)
第32回サクソフォーン・フェスティバルが、2013/3/3(日曜)にパルテノン多摩にて開催される。例年の2日開催に比べると若干規模は小さくなってしまったが、今回実行委員長の原博巳さんの采配もあるのだろうか、内容を見る限りとても密度の高い催しとなっていると思う。我々アマチュアとしても、盛り上げていきたいところだ。
オープニングコンサート
音楽大学アンサンブルステージ
フェスティバルコンサート(サクソフォン+弦楽四重奏)
フェスティバルオーケストラ
Jrサクソフォンコンクール優勝者披露演奏
A会員によるプレミアムコンサート
カルテット名曲館
ディスカヴァリーコンサート
雲井雅人プレゼンツ「アドルフ・サックス工房からの枝分かれ」
小中高愛好家のための無料ワンポイント講座
アレクサンダー・テクニーク口座
サックス大合奏
チラシ表面(クリック拡大)
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情報
2013/01/24
Thomas Liley氏の訃報
朝起きたらNorth American Saxophone Allianceからメールが入っていた。何かと思えば、あのThomas Liley氏の訃報であった。
ユージン・ルソー氏の弟子としてアメリカを代表するサクソフォン奏者の一人であり、アメリカ海軍バンド奏者として活躍し、教育の分野でもインディアナ州立大、ミネソタ州立大、カンザス州立大、アイオワ州立大等で客員教授として後進の指導にあたった。まさ、国際サクソフォン委員会の執行役員として、ドゥラングル教授とともにサクソフォン・コングレスの運営にも携わった。
昨年のWSC@セント・アンドルーズでディヴィッド・デボア・キャンフィールド氏の「ソナタ・アフター・ブラームス」という新作の演奏をSt. Leonard Auditoriumで聴き、感銘を受けたものだ。観客席左下に石渡先生が映っていますね…この時、石渡先生にいろいろとLiley氏のことを聞けたのだった。
1948年9月生まれとのことだから、まだ60代。WSCのときに演奏を聴いた限り、衰えなど全く感じさせなかったのだが、何か大きな病気をしてしまったのだろうか。まだまだどこかで演奏を聴く機会もあるだろうなと思っていたのだが…早すぎる訃報に、さすがにショックを受けてしまった。ご冥福をお祈りします。
ユージン・ルソー氏の弟子としてアメリカを代表するサクソフォン奏者の一人であり、アメリカ海軍バンド奏者として活躍し、教育の分野でもインディアナ州立大、ミネソタ州立大、カンザス州立大、アイオワ州立大等で客員教授として後進の指導にあたった。まさ、国際サクソフォン委員会の執行役員として、ドゥラングル教授とともにサクソフォン・コングレスの運営にも携わった。
昨年のWSC@セント・アンドルーズでディヴィッド・デボア・キャンフィールド氏の「ソナタ・アフター・ブラームス」という新作の演奏をSt. Leonard Auditoriumで聴き、感銘を受けたものだ。観客席左下に石渡先生が映っていますね…この時、石渡先生にいろいろとLiley氏のことを聞けたのだった。
1948年9月生まれとのことだから、まだ60代。WSCのときに演奏を聴いた限り、衰えなど全く感じさせなかったのだが、何か大きな病気をしてしまったのだろうか。まだまだどこかで演奏を聴く機会もあるだろうなと思っていたのだが…早すぎる訃報に、さすがにショックを受けてしまった。ご冥福をお祈りします。
ラベル:
演奏家
2013/01/23
演奏会ご案内:吉田優サクソフォンリサイタル
ネットが取り持つ縁でお会いし、以前からちょくちょくサクソフォン関係の演奏会や飲み会でお世話になっている吉田優さん(2012年洗足学園音楽大学卒業、第11回大阪国際音楽コンクール入賞他)。このたび小中学時代の6年間を過ごした宮城県七ヶ浜で、リサイタルを開催されるとのこと。
プログラムは、サクソフォンを初めて聴く方にとっても、サクソフォンをよく知っている方にとっても、面白い内容だ。実はプログラム冊子に載せる曲目解説を提供したのだが、執筆を行いながら、さりげなく置かれた「少年時代」でふと筆が止まった。吉田さんは、専門的にサクソフォンの勉強を初めて以来、まさに「少年時代」を過ごしたこの地でリサイタルを行うことが一つの目標であったとのこと…その夢が実現する運びとなったということで、大変喜ばしい。
【吉田優サクソフォンリサイタル】
出演:吉田優(sax)、岩倉敦子(pf)
日時:2013年1月27日(日)13:30開演
会場:七ヶ浜国際村ホール
料金:一般1000円 学生(高校生以下)500円
プログラム:
C.ケクラン - 練習曲集より第2番
R.ロジャーズ - レッスンズ・オブ・ザ・スカイ
野田燎 - 舞
A.ウェニアン - ラプソディ
井上陽水 - 少年時代
真島俊夫 - モリコーネ・パラダイス
R.モリネッリ - ニューヨークからの4枚の絵
問い合わせ:
iwant170cm@gmail.com(吉田)
ということで、お近くの方はぜひ。私はこの日、別の用事が入っているため伺えないのだが、きっと素晴らしいリサイタルとなることだろう。盛会を祈念申し上げる。
チラシデザインはTsukuba Saxophone QuartetのChisa氏(クリックして拡大)。
プログラムは、サクソフォンを初めて聴く方にとっても、サクソフォンをよく知っている方にとっても、面白い内容だ。実はプログラム冊子に載せる曲目解説を提供したのだが、執筆を行いながら、さりげなく置かれた「少年時代」でふと筆が止まった。吉田さんは、専門的にサクソフォンの勉強を初めて以来、まさに「少年時代」を過ごしたこの地でリサイタルを行うことが一つの目標であったとのこと…その夢が実現する運びとなったということで、大変喜ばしい。
【吉田優サクソフォンリサイタル】
出演:吉田優(sax)、岩倉敦子(pf)
日時:2013年1月27日(日)13:30開演
会場:七ヶ浜国際村ホール
料金:一般1000円 学生(高校生以下)500円
プログラム:
C.ケクラン - 練習曲集より第2番
R.ロジャーズ - レッスンズ・オブ・ザ・スカイ
野田燎 - 舞
A.ウェニアン - ラプソディ
井上陽水 - 少年時代
真島俊夫 - モリコーネ・パラダイス
R.モリネッリ - ニューヨークからの4枚の絵
問い合わせ:
iwant170cm@gmail.com(吉田)
ということで、お近くの方はぜひ。私はこの日、別の用事が入っているため伺えないのだが、きっと素晴らしいリサイタルとなることだろう。盛会を祈念申し上げる。
チラシデザインはTsukuba Saxophone QuartetのChisa氏(クリックして拡大)。
ラベル:
情報
2013/01/22
VSOライヴ録音 on SoundCloud
Vienna Saxophonic Orchestraのファースト・アルバム「Frameless Pictures」のリリース記念ライヴの模様が、SoundCloudで配信中。2012年12月13日、Radio Music Hall in Viennaにおけるライヴ録音。
https://soundcloud.com/lars-mlekusch/vienna-saxophonic-orchestra
下記CD収録曲のうち、1.~5.のライヴ演奏を聴くことができる。ちょっと日本では考えられないほどの出血大サービス、といった趣だが、利益度外視・広く知ってもらうことの2点に主眼をおいている、ということなのだろうか。
1. D.ヤンガーマン - ソロスタルジア
2. E.グリーグ - 組曲「ホルベアの時代より」
3. J.ベラウアー - ストーミー・ウェザー
4. P.デュカス - 魔法使いの弟子
5. T.アラ - ポリクローム
6. H.ケルシュバウマー - OtMoorII
7. C.マウアー - フレイムレス・ピクチャーズ
やはり個人的にツボなのはダンカン・ヤンガーマン氏「ソロスタルジア」である。「アイス・マン」「ドラゴン・マン」というサクソフォン作品が有名だが、全体像が謎に包まれた作曲家である。今回VSOはヤンガーマン氏に新作委嘱したところ、こんな面白い作品が出来上がってきたとのこと。その他の作品や演奏については、CDを入手しだいレビュー予定。
そして、上記SoundCloudのリンクでは聴くことのできない、最終トラックの「フレイムレス・ピクチャーズ」がとても面白い作品なのだ…。
https://soundcloud.com/lars-mlekusch/vienna-saxophonic-orchestra
下記CD収録曲のうち、1.~5.のライヴ演奏を聴くことができる。ちょっと日本では考えられないほどの出血大サービス、といった趣だが、利益度外視・広く知ってもらうことの2点に主眼をおいている、ということなのだろうか。
1. D.ヤンガーマン - ソロスタルジア
2. E.グリーグ - 組曲「ホルベアの時代より」
3. J.ベラウアー - ストーミー・ウェザー
4. P.デュカス - 魔法使いの弟子
5. T.アラ - ポリクローム
6. H.ケルシュバウマー - OtMoorII
7. C.マウアー - フレイムレス・ピクチャーズ
やはり個人的にツボなのはダンカン・ヤンガーマン氏「ソロスタルジア」である。「アイス・マン」「ドラゴン・マン」というサクソフォン作品が有名だが、全体像が謎に包まれた作曲家である。今回VSOはヤンガーマン氏に新作委嘱したところ、こんな面白い作品が出来上がってきたとのこと。その他の作品や演奏については、CDを入手しだいレビュー予定。
そして、上記SoundCloudのリンクでは聴くことのできない、最終トラックの「フレイムレス・ピクチャーズ」がとても面白い作品なのだ…。
2013/01/21
8周年
ウェブページkuri_saxo時代から続けてきたdiary.kuri_saxo(旧タイトル:notes)が、本日8周年を迎えた。ひとえに、読者の皆様方のおかげである。改めて感謝申し上げたい。最初のデファイエQの録音に関する記事以来、アップロードした記事の総数はこの記事を含めて2539個である。近年は、1日1記事のペースをキープできているのが幸いだ。
一方で、インターネットにおいて"ブログ"が担う役割は、(数年前のピーク以降)最近は減じる傾向にあると思われる。TwitterやFacebookといった、リアルタイム性に優れた相互作用メディアの隆盛により、インターネット利用の主目的がシフトしつつあることを感じる。個人的に思っていたSNS型のメディアの弱点、「限定的な観測範囲」「検索性」といったところは、もはや問題ではなくなってきているかもしれない。…そんな時代の流れがあるからこそ、誰もがGoogleから辿り着けるオープンスペース=ブログで発信し続ける意味というのがあるのかなー、なんて思う今日このごろ。
今後ともよろしくお願いします。
気が向いたら、5周年以来のプレゼント企画でもやろうかな、と(笑)。
一方で、インターネットにおいて"ブログ"が担う役割は、(数年前のピーク以降)最近は減じる傾向にあると思われる。TwitterやFacebookといった、リアルタイム性に優れた相互作用メディアの隆盛により、インターネット利用の主目的がシフトしつつあることを感じる。個人的に思っていたSNS型のメディアの弱点、「限定的な観測範囲」「検索性」といったところは、もはや問題ではなくなってきているかもしれない。…そんな時代の流れがあるからこそ、誰もがGoogleから辿り着けるオープンスペース=ブログで発信し続ける意味というのがあるのかなー、なんて思う今日このごろ。
今後ともよろしくお願いします。
気が向いたら、5周年以来のプレゼント企画でもやろうかな、と(笑)。
ラベル:
その他
2013/01/20
ふと思ったこと
一度演奏/録音されたっきりお蔵入りになっている素晴らしい作品を掘り起こして再演することは、新作を委嘱初演することと同じくらい重要なことだと思うのだ。
さすがにメンデルスゾーンがバッハの作品に対してしたような影響力を持つようなことはできないけれど、CDを買って演奏会に出かけてアタリをつけ、なんとかして楽譜を入手し、できる限りの努力のもと練習して再演を行い、世の中に発信する…。プロフェッショナルの演奏家でなくても、できることはたくさんあるはず。そんなふうに地道に活動していければいいなあ。
ソロ、四重奏問わず、まだまだいくつも演奏したい作品がある!というのは嬉しいことだ。
さすがにメンデルスゾーンがバッハの作品に対してしたような影響力を持つようなことはできないけれど、CDを買って演奏会に出かけてアタリをつけ、なんとかして楽譜を入手し、できる限りの努力のもと練習して再演を行い、世の中に発信する…。プロフェッショナルの演奏家でなくても、できることはたくさんあるはず。そんなふうに地道に活動していければいいなあ。
ソロ、四重奏問わず、まだまだいくつも演奏したい作品がある!というのは嬉しいことだ。
2013/01/19
佐藤淳一サクソフォンリサイタル(奏楽堂デビューコンサート・シリーズNo.60)
昨年のドビュッシー・コンサートのときも、その企画の面白さと演奏の素晴らしさに感銘を受けたものだが、今回もまた非常に興味深い催しだった。
【奏楽堂デビューコンサート・シリーズNo.60 佐藤淳一サクソフォンリサイタル】
出演:佐藤淳一(sax)、菊地裕介(pf)、田野倉宏向(electro)
日時:2013年1月19日(土曜)14:00開演
会場:旧東京音楽学校奏楽堂
プログラム:
G.フォーレ/D.デファイエ - 幻想曲
C.ドビュッシー - ラプソディ(ヘンレ版)
M.ラヴェル/D.ワルター - ソナチネ
P.ブーレーズ - 二重の影の対話
G.グリゼイ - アニュビスとヌト
P.ジョドロフスキ - Mixtion
前半は、フォーレ、ドビュッシー、ラヴェルという、近代フランスを代表する華やかな作品たち。菊地裕介氏のピアノに乗った、佐藤さんの固有の暖かみのある音色が心地良い。フォーレの幻想曲は、なんとデファイエ氏によるアレンジメントということで、こんな楽譜があることを初めて知った。デファイエ氏の録音も、残っていないはずだ。ドビュッシーは最近話題のヘンレ版(ドビュッシー・コンサートでも経験済みだったため、改めて興味深く聴いた)、ワルター編のラヴェルは、まさにブラボーだ!
旧奏楽堂で奏でられるブーレーズ、というのも、なかなかオツなものだ。ライヴ演奏のパートにおいては、響きの少ない(しかし不思議と聴きやすい)ソロ部分、そして"影パート"においては完全な闇とはならず、カーテンの隙間から自然光がわずかながら入ってくる。現代のコンサートホールを想定して作曲されたこの名曲が、旧奏楽堂で奏でられるという稀な機会を楽しんだ。「アニュビスとヌト」は、バリトンサクソフォンによる演奏。この曲をバリトンで演奏されるのを聴いたのは初めてだったかもしれない。たぶん多くの方がそう思ったと思うのだが、改めて「アニュビス~」を聴くと、単音を軸に音楽を展開していくシェルシの作品との関連性を強く感じる。そもそも、グリゼイはシェルシに影響を受けてスペクトル楽派を創始したのであった。
ジョドロフスキの演奏も良かった。この曲のソロパートは、どちらかと言えばパリを思わせる大都会的な雰囲気よりも、少しラテン的要素や極東的要素が感じられる演奏のほうが面白い気が常々している。そのためか、ララン氏の録音は私の中ではスタンダードとなっているのだが…本日の佐藤さんが、どのように料理してくるのかとても興味があった。日本人的な感性を取り込んだ演奏は、実に説得力あるものだ。一部ペダリングによる事故(?)があったものの、音響パートも非常に満足行くものに仕上がっており(多面体スピーカーの効果もあるだろうか?)、こういった素晴らしい演奏で「Mixtion」が多くの聴衆に認知されるのは嬉しい限り、である。アンコールは、ラモーのコンセールを2曲(なんと菊地裕介氏はチェンバロを演奏)。
本日の演奏会を聴き、サブタイトルともなっている「フランス音楽・響きの潮流」について私なりに考えた結果は、後日ブログで書きたいと思っている。アンコールの前に佐藤さん自身の考えが舞台で話されたが、聴衆のみなさんは、演奏と併せてそれをどのように捉えたのだろうか。
3月には、トーキョーワンダーサイト本郷で、サクソフォンとエレクトロニクスの演奏会を開催予定とのこと。こちらも楽しみである。
【奏楽堂デビューコンサート・シリーズNo.60 佐藤淳一サクソフォンリサイタル】
出演:佐藤淳一(sax)、菊地裕介(pf)、田野倉宏向(electro)
日時:2013年1月19日(土曜)14:00開演
会場:旧東京音楽学校奏楽堂
プログラム:
G.フォーレ/D.デファイエ - 幻想曲
C.ドビュッシー - ラプソディ(ヘンレ版)
M.ラヴェル/D.ワルター - ソナチネ
P.ブーレーズ - 二重の影の対話
G.グリゼイ - アニュビスとヌト
P.ジョドロフスキ - Mixtion
前半は、フォーレ、ドビュッシー、ラヴェルという、近代フランスを代表する華やかな作品たち。菊地裕介氏のピアノに乗った、佐藤さんの固有の暖かみのある音色が心地良い。フォーレの幻想曲は、なんとデファイエ氏によるアレンジメントということで、こんな楽譜があることを初めて知った。デファイエ氏の録音も、残っていないはずだ。ドビュッシーは最近話題のヘンレ版(ドビュッシー・コンサートでも経験済みだったため、改めて興味深く聴いた)、ワルター編のラヴェルは、まさにブラボーだ!
旧奏楽堂で奏でられるブーレーズ、というのも、なかなかオツなものだ。ライヴ演奏のパートにおいては、響きの少ない(しかし不思議と聴きやすい)ソロ部分、そして"影パート"においては完全な闇とはならず、カーテンの隙間から自然光がわずかながら入ってくる。現代のコンサートホールを想定して作曲されたこの名曲が、旧奏楽堂で奏でられるという稀な機会を楽しんだ。「アニュビスとヌト」は、バリトンサクソフォンによる演奏。この曲をバリトンで演奏されるのを聴いたのは初めてだったかもしれない。たぶん多くの方がそう思ったと思うのだが、改めて「アニュビス~」を聴くと、単音を軸に音楽を展開していくシェルシの作品との関連性を強く感じる。そもそも、グリゼイはシェルシに影響を受けてスペクトル楽派を創始したのであった。
ジョドロフスキの演奏も良かった。この曲のソロパートは、どちらかと言えばパリを思わせる大都会的な雰囲気よりも、少しラテン的要素や極東的要素が感じられる演奏のほうが面白い気が常々している。そのためか、ララン氏の録音は私の中ではスタンダードとなっているのだが…本日の佐藤さんが、どのように料理してくるのかとても興味があった。日本人的な感性を取り込んだ演奏は、実に説得力あるものだ。一部ペダリングによる事故(?)があったものの、音響パートも非常に満足行くものに仕上がっており(多面体スピーカーの効果もあるだろうか?)、こういった素晴らしい演奏で「Mixtion」が多くの聴衆に認知されるのは嬉しい限り、である。アンコールは、ラモーのコンセールを2曲(なんと菊地裕介氏はチェンバロを演奏)。
本日の演奏会を聴き、サブタイトルともなっている「フランス音楽・響きの潮流」について私なりに考えた結果は、後日ブログで書きたいと思っている。アンコールの前に佐藤さん自身の考えが舞台で話されたが、聴衆のみなさんは、演奏と併せてそれをどのように捉えたのだろうか。
3月には、トーキョーワンダーサイト本郷で、サクソフォンとエレクトロニクスの演奏会を開催予定とのこと。こちらも楽しみである。
2013/01/18
Rob Buckland - GAMESHOW
明日は佐藤淳一氏のリサイタル!みなさまぜひ旧奏楽堂へ~。詳細はこちら。
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アンディ・スコット Andy Scott氏(イギリスのサクソフォン奏者・作曲家、アポロSQ等に参加)の、「Dark Rain」という作品を聴いて以来、ずっと楽しみにしていたCDを入手した。昨年のWSCの際にリリース準備中という情報だけは得ていたものの、肝心のリリース日がわからないままだったのだ。昨年末になってようやくavailableとなり、早速購入した。
「GAMESHOW(Sospiro Records SOSRB100112)」
Michael Ball - Concerto
Andy Scott - Dark Rain
Graham Fitkin - Gameshow
JacobTV/Marc Rogers - Tallahatchie Concerto
演奏者、収録曲目だけを見ても、イギリスのサクソフォン好きにとって垂涎の的である。独奏はロブ・バックランド Rob Buckland氏、「Dark Rain」ではジョン・ハール John Harle氏も参加、グラハム・フィトキン Graham Fitkin氏の新作協奏曲あり、バックは王立北部音楽院吹奏楽団(RNCM)…と、これでもかというほどの豪華布陣。さらに、個人的な趣味としてJacobTV「Tallahatchie Concerto」の吹奏楽編曲版(アレンジはMarc Rogers氏)まで収録されていて、「いますぐ買え」と諭されているような気になってしまう。
作曲者のアンディ・スコットが1985年に広島平和記念資料館を訪れた時に受けた印象が「Dark Rain」の基になっているという。そう、タイトルの「Dark Rain」とは原爆投下後に降ったいわゆる"黒い雨"のことであり、2005年に終戦60周年を記念して作曲された(2006年のBritish Composer Awardsを受賞)。吹奏楽と2人のサクソフォン奏者のためのダブル・コンチェルトの形態をとり、1st奏者はソプラノ+アルト持ち替え、2nd奏者はアルト+テナー持ち替えとなる。全体は22分に及び、独奏パートは各種音楽スタイルをボーダレスに吹きこなす能力と、フラジオ音域を含む高い技術力が求められる。ハール氏とバックランド氏の独奏はかなり刺激的であり、特にジャズ・スタイルの箇所においてはクラシック奏者らしからぬ吹きっぷり。イギリスサクソフォン界ならでは、だろう。最終部は、なんだかレッド・ツェッペリンの「天国への階段」を思わせるような感動的な音楽。
ボール作品は、バックランド氏が初めて献呈を受けたサクソフォン協奏曲なのだそうだ。知らない作品だったが、最終部にかけてとてもかっこ良いフレーズが頻出する。フィトキン作品は、Londonレーベルから出ているフィトキン作品集に比べれば印象はやや薄いものの、それでも面白い作品であることは間違いない。超重厚な和音(時に「ここまで?」と思わせるほど)に、ソプラノサクソフォンのエッジの効いたリズム、音運びが絡む。フィトキン好きにオススメ。
「Tallahatchie Concerto」は、管弦楽版を聴くとオーケストレーションがやや苦しいスコアであるのだが、吹奏楽編曲版を聴くとその不自然さが払拭され、まるでオリジナルの作品のようにも聴こえてしまうほどだ。バックランド氏のソロは、アグレッシブな表現も交えた説得力あるもので、この作品にふさわしい。第一楽章は非常に捉えどころなさが際立つのだが、これを面白く聞かせる手腕に舌を巻く。すでにリリースされているボーンガンプ氏の演奏(アルバム「Buku」所収)と聴き比べてみるのも面白いかもしれない。RNCMの演奏もかなり健闘している。改めて「Tallahatchie Concerto」のJacobTVによる解説を読んでみると、第1楽章のあの浮遊感のある響きの理由が書いてあった。それによると、あの超壮大なオラトリオ「Paradiso」の次の作品がこの「Tallahatchie Concerto」だったから、とのこと。なるほど。「ピンク色の影、天空にはオレンジ色の雲」という表現が面白い。
購入は、版元であるSospiro Recordsのサイトから可能。プロモ動画はこちらから。
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アンディ・スコット Andy Scott氏(イギリスのサクソフォン奏者・作曲家、アポロSQ等に参加)の、「Dark Rain」という作品を聴いて以来、ずっと楽しみにしていたCDを入手した。昨年のWSCの際にリリース準備中という情報だけは得ていたものの、肝心のリリース日がわからないままだったのだ。昨年末になってようやくavailableとなり、早速購入した。
「GAMESHOW(Sospiro Records SOSRB100112)」
Michael Ball - Concerto
Andy Scott - Dark Rain
Graham Fitkin - Gameshow
JacobTV/Marc Rogers - Tallahatchie Concerto
演奏者、収録曲目だけを見ても、イギリスのサクソフォン好きにとって垂涎の的である。独奏はロブ・バックランド Rob Buckland氏、「Dark Rain」ではジョン・ハール John Harle氏も参加、グラハム・フィトキン Graham Fitkin氏の新作協奏曲あり、バックは王立北部音楽院吹奏楽団(RNCM)…と、これでもかというほどの豪華布陣。さらに、個人的な趣味としてJacobTV「Tallahatchie Concerto」の吹奏楽編曲版(アレンジはMarc Rogers氏)まで収録されていて、「いますぐ買え」と諭されているような気になってしまう。
作曲者のアンディ・スコットが1985年に広島平和記念資料館を訪れた時に受けた印象が「Dark Rain」の基になっているという。そう、タイトルの「Dark Rain」とは原爆投下後に降ったいわゆる"黒い雨"のことであり、2005年に終戦60周年を記念して作曲された(2006年のBritish Composer Awardsを受賞)。吹奏楽と2人のサクソフォン奏者のためのダブル・コンチェルトの形態をとり、1st奏者はソプラノ+アルト持ち替え、2nd奏者はアルト+テナー持ち替えとなる。全体は22分に及び、独奏パートは各種音楽スタイルをボーダレスに吹きこなす能力と、フラジオ音域を含む高い技術力が求められる。ハール氏とバックランド氏の独奏はかなり刺激的であり、特にジャズ・スタイルの箇所においてはクラシック奏者らしからぬ吹きっぷり。イギリスサクソフォン界ならでは、だろう。最終部は、なんだかレッド・ツェッペリンの「天国への階段」を思わせるような感動的な音楽。
ボール作品は、バックランド氏が初めて献呈を受けたサクソフォン協奏曲なのだそうだ。知らない作品だったが、最終部にかけてとてもかっこ良いフレーズが頻出する。フィトキン作品は、Londonレーベルから出ているフィトキン作品集に比べれば印象はやや薄いものの、それでも面白い作品であることは間違いない。超重厚な和音(時に「ここまで?」と思わせるほど)に、ソプラノサクソフォンのエッジの効いたリズム、音運びが絡む。フィトキン好きにオススメ。
「Tallahatchie Concerto」は、管弦楽版を聴くとオーケストレーションがやや苦しいスコアであるのだが、吹奏楽編曲版を聴くとその不自然さが払拭され、まるでオリジナルの作品のようにも聴こえてしまうほどだ。バックランド氏のソロは、アグレッシブな表現も交えた説得力あるもので、この作品にふさわしい。第一楽章は非常に捉えどころなさが際立つのだが、これを面白く聞かせる手腕に舌を巻く。すでにリリースされているボーンガンプ氏の演奏(アルバム「Buku」所収)と聴き比べてみるのも面白いかもしれない。RNCMの演奏もかなり健闘している。改めて「Tallahatchie Concerto」のJacobTVによる解説を読んでみると、第1楽章のあの浮遊感のある響きの理由が書いてあった。それによると、あの超壮大なオラトリオ「Paradiso」の次の作品がこの「Tallahatchie Concerto」だったから、とのこと。なるほど。「ピンク色の影、天空にはオレンジ色の雲」という表現が面白い。
購入は、版元であるSospiro Recordsのサイトから可能。プロモ動画はこちらから。
ラベル:
CD
2013/01/16
Cafua RecordsオンラインストアでCDが2割引セール中
サクソフォンのCDを含む、興味深い盤をいくつもリリースしているCafua Recordsのオンラインストアにおいて、CD全品2割引のセール中。
カルテット・スピリタスの「The Quartet(CACG-0191)」を含む3枚のCDがレコード芸術特選盤に選ばれたことを記念しての、期間限定セールだそうだ。2013/1/21正午までとのこと。送料無料というのも(これはCafuaのオンラインストアでは常時そうなのだが)嬉しい。
http://www.cafua.com/
以下、サクソフォンのCDへのリンクを張っておく。
カルテット・スピリタス「The Quartet」
雲井雅人「Simple Songs」
雲井雅人「ドリーム・ネット」
雲井雅人サックス四重奏団「マウンテン・ロード」
雲井雅人サックス四重奏団「チェンバー・シンフォニー」
雲井雅人サックス四重奏団「レシテーション・ブック」
雲井雅人サックス四重奏団「むかしの歌」
原博巳「レチタティーヴォ・ファンタジア」
※原博巳氏の「PCF」「森の静けさ」は、品切れ中とのこと。あの名盤がそんな状況とは…残念だ!
波多江史朗「Songs」
ジェローム・ララン「Impressions d'Automne」
林田和之「Lessons of the Sky」
國末貞仁「The Last Country」
佐藤渉「Saxophone Recital」
もし抜けがあったら教えて下さいm(_ _)m
カルテット・スピリタスの「The Quartet(CACG-0191)」を含む3枚のCDがレコード芸術特選盤に選ばれたことを記念しての、期間限定セールだそうだ。2013/1/21正午までとのこと。送料無料というのも(これはCafuaのオンラインストアでは常時そうなのだが)嬉しい。
http://www.cafua.com/
以下、サクソフォンのCDへのリンクを張っておく。
カルテット・スピリタス「The Quartet」
雲井雅人「Simple Songs」
雲井雅人「ドリーム・ネット」
雲井雅人サックス四重奏団「マウンテン・ロード」
雲井雅人サックス四重奏団「チェンバー・シンフォニー」
雲井雅人サックス四重奏団「レシテーション・ブック」
雲井雅人サックス四重奏団「むかしの歌」
原博巳「レチタティーヴォ・ファンタジア」
※原博巳氏の「PCF」「森の静けさ」は、品切れ中とのこと。あの名盤がそんな状況とは…残念だ!
波多江史朗「Songs」
ジェローム・ララン「Impressions d'Automne」
林田和之「Lessons of the Sky」
國末貞仁「The Last Country」
佐藤渉「Saxophone Recital」
もし抜けがあったら教えて下さいm(_ _)m
ラベル:
CD
1979年WSC@シカゴのニュース映像
これは貴重な…。1979年に開かれた世界サクソフォン・コングレス@シカゴの模様を伝える、短いニュース映像。ジャズサクソフォン奏者として出演したBunky Green氏の関連の動画のようだ。
途中、なんとフレデリック・ヘムケ氏がインタビューに答える様子が映っていて驚いた。ヘムケ氏若い!また、クラシックの奏者による演奏が一瞬映り、音声ではReginald Jacksonだと伝えているが、別資料によればJackson氏はサクソフォンとマリンバのための作品しか演奏していないはずで、もしかしたら映像と音声の間に不整合があるかもしれない。
途中、なんとフレデリック・ヘムケ氏がインタビューに答える様子が映っていて驚いた。ヘムケ氏若い!また、クラシックの奏者による演奏が一瞬映り、音声ではReginald Jacksonだと伝えているが、別資料によればJackson氏はサクソフォンとマリンバのための作品しか演奏していないはずで、もしかしたら映像と音声の間に不整合があるかもしれない。
2013/01/15
RascherSQ appears on Dubai Eye
Rascher Saxophone Quartetが1/15にドバイで演奏会を開催するに辺り、ネット情報誌"Dubai Eye"にRascherSQの特集が組まれている。
ざっと読んだところ、掲載されている情報として真新しいものはないが、フィリップ・グラスの2曲("四重奏のための協奏曲"と"パッセージ")、そしてバッハのフーガを参考録音として聴くことができる。このうち、フィリップ・グラスの「パッセージ」にRascherSQが参加した録音があるということは、初めて知った。一聴してグラスの作品だとわかる、とてもおもしろい曲だ。ここで聴くことができるのは「Channels and Winds」だが、「Offering」と「Meetings Along the Edge」も聴いてみたいな。
http://dubaieye1038.com/page/Rare_treat_for_lovers_of_classical_music/82631
記事の方も、時間があれば全訳してしまいたいくらいなのだが…(ソプラノのクリスティン氏のインタビューが基になっているそうだ)。
ざっと読んだところ、掲載されている情報として真新しいものはないが、フィリップ・グラスの2曲("四重奏のための協奏曲"と"パッセージ")、そしてバッハのフーガを参考録音として聴くことができる。このうち、フィリップ・グラスの「パッセージ」にRascherSQが参加した録音があるということは、初めて知った。一聴してグラスの作品だとわかる、とてもおもしろい曲だ。ここで聴くことができるのは「Channels and Winds」だが、「Offering」と「Meetings Along the Edge」も聴いてみたいな。
http://dubaieye1038.com/page/Rare_treat_for_lovers_of_classical_music/82631
記事の方も、時間があれば全訳してしまいたいくらいなのだが…(ソプラノのクリスティン氏のインタビューが基になっているそうだ)。
2013/01/14
大雪の中の練習
さいたま市のプラザノースにて9:00-17:00でTsukuba Saxophone Quartet練習。Benjamin Boone「Alley Dance」を引き続きさらっているが、ようやく構成に目処がつきつつも、細かい部分の精度が上がらず苦労している。できるかぎり頑張るしかない…。
お昼ごはんを食べに練習室から出てみたところ、なんと大雪!だいぶテンションが上ったが、帰り際にあんなことになるとは予想だにしなかった。雨雪の予報が出ていたところで、夕方には止むとの情報からちょっと楽観視しすぎたか。
17:00に練習を終えて外に出てみると、ものすごい量の積雪。足がびしょ濡れになりながら最寄りバス停に向かうも、バスは超満員で乗ることができず。もちろんタクシー会社に電話がつながるはずもない。仕方なくいったんプラザノースに戻り、調べてみるとどうやらニューシャトルは動いている模様。加茂宮駅までやはり足がびしょ濡れになりながら歩き、ニューシャトルに乗ってなんとか大宮駅まで行くことができた。このときすでに19:00過ぎ。完全復旧していた京浜東北線を使って帰ることができた。家に着いたのは21:00少し前。たいへんな帰路だった。
お昼ごはんを食べに練習室から出てみたところ、なんと大雪!だいぶテンションが上ったが、帰り際にあんなことになるとは予想だにしなかった。雨雪の予報が出ていたところで、夕方には止むとの情報からちょっと楽観視しすぎたか。
17:00に練習を終えて外に出てみると、ものすごい量の積雪。足がびしょ濡れになりながら最寄りバス停に向かうも、バスは超満員で乗ることができず。もちろんタクシー会社に電話がつながるはずもない。仕方なくいったんプラザノースに戻り、調べてみるとどうやらニューシャトルは動いている模様。加茂宮駅までやはり足がびしょ濡れになりながら歩き、ニューシャトルに乗ってなんとか大宮駅まで行くことができた。このときすでに19:00過ぎ。完全復旧していた京浜東北線を使って帰ることができた。家に着いたのは21:00少し前。たいへんな帰路だった。
ラベル:
演奏
2013/01/13
神奈川フィル第7回ニューイヤー・フレッシュ・コンサート
午前中、つくば市でラージアンサンブル練習に参加し、13:00のつくばエクスプレスに飛び乗って溝の口へ向かう(意外なことに、つくばから溝の口まで乗り換え1回で行くことができた)。洗足学園音楽大学の前田ホールで開かれるニューイヤーコンサートを聴きに伺った。
【神奈川フィルハーモニー管弦楽団 第7回ニューイヤー・フレッシュ・コンサート~光り輝く若き才能たちの競演!~】
出演:大山平一郎指揮神奈川フィルハーモニー管弦楽団、毛利文香(vn)、小澤瑠衣(sax)、江口有香(guest concert master)
日時:2013年1月13日(日曜)15:00開演
会場:洗足学園前田ホール
プログラム:
J.ブラームス - ヴァイオリン協奏曲作品77(独奏:毛利文香)
E.グレグソン - サクソフォン協奏曲(独奏:小澤瑠衣)
M.ムソルグスキー/M.ラヴェル - 展覧会の絵
最初に登場した毛利文香さんという方は、洗足学園の普通科3年生&桐朋学園音楽大学音楽学部ソリストディプロマコース在籍中(…って、どういうこと?)。第79回日本音楽コンクール第3位、2012年には第8回ソウル国際音楽コンクールヴァイオリン部門で優勝という経歴を持つ。大編成のオーケストラをバックに、40分間におよぶ名曲を、完全暗譜で弾ききった!演奏中の集中力・そしてオーラはピカイチ。国際レベルの素晴らしい演奏を堪能することができた。第3楽章のロンドにおける、重音を多く交えた勢い溢れる演奏が特に印象深い。なんとなく、弾いている最中と休憩中の立ち姿のギャップがいいですね(笑)。
休憩を挟んでグレグソン。キラキラしたオーケストラの響きの中であっても、独奏楽器としてのアピールという点では、サクソフォンもヴァイオリンに負けていない!小澤瑠衣さんは、ホールに響くとても美しい音色を武器に、複雑なリズム・主題・ハーモニーの組み合わせの中で、確固たるクラシック・サクソフォンの響きを構築していた。これまで須川展也氏のBBCフィルとの録音を聴いたことがあるが、またそれとは違った新たなグレグソンの響きを創り出していた。引き続きフランスで研鑽を積まれるとのことで、1年後、2年後にどのようなサクソフォン奏者となっているのか、非常に楽しみだ(ぜひ日本でリサイタルを!)。
「展覧会の絵」は、「古城」のサクソフォン独奏は、グレグソンに引き続き小澤瑠衣さん(こちらのソロもとても"渋い"音楽作り)。「ビドロ」のユーフォニアムは洗足学園音楽大学の学生かな?楽曲ごとにまるで紙芝居のように(スナップショット的に)オーケストラの響きが変わっていくラヴェルの管弦楽マジックを楽しんだ。バーバ・ヤーガ~キエフの大門のあたりで、ついつい演奏者も楽しくなってしまっているように見えるのが良かったな(^^)
オーケストラも非常に良かった。大山平一郎氏ならでは、ということころもあるだろう。ロマンティックな部分はとても分析的ですっきりしており、強奏部分や急速楽章では(立ち姿からはちょっと想像できないほどの)意外なほどアグレッシブな音楽作りで、オーケストラから様々な響きを引き出していた。まことにもって真の指揮者、音楽家たる立ち振舞い。氏の指揮するオーケストラを、もっと聴いてみたいなと思った。
アンコールは、なんと「ラデツキー行進曲」!そういえば"ニューイヤー"コンサートだったのだった(笑)手拍子までしてしまって、とても楽しかった。
【神奈川フィルハーモニー管弦楽団 第7回ニューイヤー・フレッシュ・コンサート~光り輝く若き才能たちの競演!~】
出演:大山平一郎指揮神奈川フィルハーモニー管弦楽団、毛利文香(vn)、小澤瑠衣(sax)、江口有香(guest concert master)
日時:2013年1月13日(日曜)15:00開演
会場:洗足学園前田ホール
プログラム:
J.ブラームス - ヴァイオリン協奏曲作品77(独奏:毛利文香)
E.グレグソン - サクソフォン協奏曲(独奏:小澤瑠衣)
M.ムソルグスキー/M.ラヴェル - 展覧会の絵
最初に登場した毛利文香さんという方は、洗足学園の普通科3年生&桐朋学園音楽大学音楽学部ソリストディプロマコース在籍中(…って、どういうこと?)。第79回日本音楽コンクール第3位、2012年には第8回ソウル国際音楽コンクールヴァイオリン部門で優勝という経歴を持つ。大編成のオーケストラをバックに、40分間におよぶ名曲を、完全暗譜で弾ききった!演奏中の集中力・そしてオーラはピカイチ。国際レベルの素晴らしい演奏を堪能することができた。第3楽章のロンドにおける、重音を多く交えた勢い溢れる演奏が特に印象深い。なんとなく、弾いている最中と休憩中の立ち姿のギャップがいいですね(笑)。
休憩を挟んでグレグソン。キラキラしたオーケストラの響きの中であっても、独奏楽器としてのアピールという点では、サクソフォンもヴァイオリンに負けていない!小澤瑠衣さんは、ホールに響くとても美しい音色を武器に、複雑なリズム・主題・ハーモニーの組み合わせの中で、確固たるクラシック・サクソフォンの響きを構築していた。これまで須川展也氏のBBCフィルとの録音を聴いたことがあるが、またそれとは違った新たなグレグソンの響きを創り出していた。引き続きフランスで研鑽を積まれるとのことで、1年後、2年後にどのようなサクソフォン奏者となっているのか、非常に楽しみだ(ぜひ日本でリサイタルを!)。
「展覧会の絵」は、「古城」のサクソフォン独奏は、グレグソンに引き続き小澤瑠衣さん(こちらのソロもとても"渋い"音楽作り)。「ビドロ」のユーフォニアムは洗足学園音楽大学の学生かな?楽曲ごとにまるで紙芝居のように(スナップショット的に)オーケストラの響きが変わっていくラヴェルの管弦楽マジックを楽しんだ。バーバ・ヤーガ~キエフの大門のあたりで、ついつい演奏者も楽しくなってしまっているように見えるのが良かったな(^^)
オーケストラも非常に良かった。大山平一郎氏ならでは、ということころもあるだろう。ロマンティックな部分はとても分析的ですっきりしており、強奏部分や急速楽章では(立ち姿からはちょっと想像できないほどの)意外なほどアグレッシブな音楽作りで、オーケストラから様々な響きを引き出していた。まことにもって真の指揮者、音楽家たる立ち振舞い。氏の指揮するオーケストラを、もっと聴いてみたいなと思った。
アンコールは、なんと「ラデツキー行進曲」!そういえば"ニューイヤー"コンサートだったのだった(笑)手拍子までしてしまって、とても楽しかった。
2013/01/12
演奏会のご案内:佐藤淳一博士のリサイタル
来週に迫った佐藤淳一博士のリサイタルのご案内。非常に興味深い内容である。
下記の案内文にも書いてあるが「フランス的なもの」について紐解こうとする、非常に興味深いプログラムとなっている。例えば、とあるサクソフォン作品を聴いた時に、「あ、これはフレンチ・アカデミズムの作品だ」と直感的に思うことが多々ある。特殊奏法が使われていても、エレクトロニクス作品であったとしても、フォーレの時代からドビュッシーを経て続く伝統的なフレンチ・アカデミズムの潮流…根底に流れる、ある種の美意識を感じるのである。それが具体的に何であるのか、その解決のための糸口を掴むことができるのではないかと期待している。
それから、超個人的な感覚では、ジョドロフスキの「Mixtion」を聴けることがとても嬉しい。テナーサクソフォンとエレクトロニクスという編成の作品中、最高の名曲である。
----------
来年の1月19日に奏楽堂デビュー・コンサート・シリーズに出演させて頂けるとことになりました。このシリーズは東京芸術大学や大学院を卒業した年に大学から推薦をもらって演奏する場を頂けるものです。来年の4月からは旧奏楽堂は耐震構造の改修に伴い休館となるそうなので、まだ旧奏楽堂に来たことがない方や休館する前にまた来ておきたい方は是非とも日本最古の木造の洋式音楽ホールをご堪能下さい。
今回のリサイタルのコンセプトはフランス音楽の「内面の響き」です。ブーレーズという一聴してもフランス音楽だとすぐに分からなそうなコンテンポラリーなどを演奏しても、その中にある「フランス的な響き」というのは変わらないなという感覚を近頃フランス音楽を演奏する度に思っていました。先日演奏したドビュッシーとブーレーズは以外と近いところにいる気がするのです。印象派と呼ばれるフォーレ、ドビュッシー、ラヴェルの音の響きから始めて、セリエルを取り入れながらもドビュッシーに強い影響を受けたブーレーズ、そのブーレーズへの反発からスペクトル楽派を創り出したグリゼイ、そういった流れとはまた違った観点でミュージックコンクレートなども織り交ぜながら作曲するジョドロフスキまで年代順にフランス人の作曲家だけで並べ、それを演奏者と聴衆で共有して「フランス音楽の響きの潮流」を感じるというのが今回のコンセプトです。また洗足の大学院の時に指揮で共演して頂いたピアニストとして大活躍されている菊地裕介さんとピアノで始めて共演出来るのもとても楽しみです!フランスにとても長い期間留学されていた菊地さんの素晴らしい音楽も是非ご堪能下さい。
もし来て頂ける方がいらっしゃったらチケットは旧奏楽堂までか私宛にご連絡下さると幸いです。
佐藤淳一 サクソフォン・リサイタル
ーフランス音楽・響きの潮流ー
2013年 1月19日(土)
開場1:30 開演2:00
入場料2000円
会場:旧東京音楽学校奏楽堂
曲目
G.フォーレ《幻想曲》
C.ドビュッシー《ラプソディ》(Henle版)
M.ラヴェル《ソナチネ》
P.ブーレーズ《二重の影の対話》
G.グリゼイ《アヌビスとヌト》
P.ジョドロフスキ《ミクシオン》
G.Fauré《Fantasie》
C.Debussy《Rapsodie》
M.Ravel《Sonatine》
P.Boulez《Daialogue de L'ombre Double》
G.Grisey《Anubis et Nout》
P.Jodlowski《Mixion》
サクソフォン:佐藤淳一
ピアノ:菊地裕介
エレクトロニクス:對馬樹
音響:(株)エディスグローヴ
下記の案内文にも書いてあるが「フランス的なもの」について紐解こうとする、非常に興味深いプログラムとなっている。例えば、とあるサクソフォン作品を聴いた時に、「あ、これはフレンチ・アカデミズムの作品だ」と直感的に思うことが多々ある。特殊奏法が使われていても、エレクトロニクス作品であったとしても、フォーレの時代からドビュッシーを経て続く伝統的なフレンチ・アカデミズムの潮流…根底に流れる、ある種の美意識を感じるのである。それが具体的に何であるのか、その解決のための糸口を掴むことができるのではないかと期待している。
それから、超個人的な感覚では、ジョドロフスキの「Mixtion」を聴けることがとても嬉しい。テナーサクソフォンとエレクトロニクスという編成の作品中、最高の名曲である。
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来年の1月19日に奏楽堂デビュー・コンサート・シリーズに出演させて頂けるとことになりました。このシリーズは東京芸術大学や大学院を卒業した年に大学から推薦をもらって演奏する場を頂けるものです。来年の4月からは旧奏楽堂は耐震構造の改修に伴い休館となるそうなので、まだ旧奏楽堂に来たことがない方や休館する前にまた来ておきたい方は是非とも日本最古の木造の洋式音楽ホールをご堪能下さい。
今回のリサイタルのコンセプトはフランス音楽の「内面の響き」です。ブーレーズという一聴してもフランス音楽だとすぐに分からなそうなコンテンポラリーなどを演奏しても、その中にある「フランス的な響き」というのは変わらないなという感覚を近頃フランス音楽を演奏する度に思っていました。先日演奏したドビュッシーとブーレーズは以外と近いところにいる気がするのです。印象派と呼ばれるフォーレ、ドビュッシー、ラヴェルの音の響きから始めて、セリエルを取り入れながらもドビュッシーに強い影響を受けたブーレーズ、そのブーレーズへの反発からスペクトル楽派を創り出したグリゼイ、そういった流れとはまた違った観点でミュージックコンクレートなども織り交ぜながら作曲するジョドロフスキまで年代順にフランス人の作曲家だけで並べ、それを演奏者と聴衆で共有して「フランス音楽の響きの潮流」を感じるというのが今回のコンセプトです。また洗足の大学院の時に指揮で共演して頂いたピアニストとして大活躍されている菊地裕介さんとピアノで始めて共演出来るのもとても楽しみです!フランスにとても長い期間留学されていた菊地さんの素晴らしい音楽も是非ご堪能下さい。
もし来て頂ける方がいらっしゃったらチケットは旧奏楽堂までか私宛にご連絡下さると幸いです。
佐藤淳一 サクソフォン・リサイタル
ーフランス音楽・響きの潮流ー
2013年 1月19日(土)
開場1:30 開演2:00
入場料2000円
会場:旧東京音楽学校奏楽堂
曲目
G.フォーレ《幻想曲》
C.ドビュッシー《ラプソディ》(Henle版)
M.ラヴェル《ソナチネ》
P.ブーレーズ《二重の影の対話》
G.グリゼイ《アヌビスとヌト》
P.ジョドロフスキ《ミクシオン》
G.Fauré《Fantasie》
C.Debussy《Rapsodie》
M.Ravel《Sonatine》
P.Boulez《Daialogue de L'ombre Double》
G.Grisey《Anubis et Nout》
P.Jodlowski《Mixion》
サクソフォン:佐藤淳一
ピアノ:菊地裕介
エレクトロニクス:對馬樹
音響:(株)エディスグローヴ
ラベル:
情報
2013/01/11
"Terror and Magnificence - THE FILM" on YouTube
YouTubeのジョン・ハール氏の公式アカウントが面白い。ハール氏の演奏のほか、氏がこれまでに作曲したテレビ用の音楽が映像とともにアップロードされるなど、氏の多才さを感じられる内容となっている。
最近アップロードされた動画「TERROR AND MAGNIFICENCE - THE FILM」は、非常に興味深い内容。あの名盤「Terror and Magnificence」収録の同名曲(作曲はもちろんハール氏)をサウンドトラックとして使いながら教会建築などにも触れるBBC制作のドキュメンタリーである。動画後半では、ハール氏の「Terror and Magnificence」の演奏の最終部分も映像で観ることができ、ちょっと感動してしまった。
http://www.youtube.com/watch?v=Tegv_KCyZZA
9分30秒くらいからの部分は、クラシックサックスと民族音楽と古楽とロックの融合(ああ、フュージョンと言えば良いのか)というイメージで、実にかっこ良い。最終部では、40本のソプラノサクソフォンの即興が炸裂する。「Terror and Magnificence」、CD所持されてない方はぜひ購入されてはいかがだろうか。クラシックサックスを見る目が変わります。
最近アップロードされた動画「TERROR AND MAGNIFICENCE - THE FILM」は、非常に興味深い内容。あの名盤「Terror and Magnificence」収録の同名曲(作曲はもちろんハール氏)をサウンドトラックとして使いながら教会建築などにも触れるBBC制作のドキュメンタリーである。動画後半では、ハール氏の「Terror and Magnificence」の演奏の最終部分も映像で観ることができ、ちょっと感動してしまった。
http://www.youtube.com/watch?v=Tegv_KCyZZA
9分30秒くらいからの部分は、クラシックサックスと民族音楽と古楽とロックの融合(ああ、フュージョンと言えば良いのか)というイメージで、実にかっこ良い。最終部では、40本のソプラノサクソフォンの即興が炸裂する。「Terror and Magnificence」、CD所持されてない方はぜひ購入されてはいかがだろうか。クラシックサックスを見る目が変わります。
2013/01/09
東京佼成WOの新しいサクソフォン奏者
東京佼成ウインドオーケストラからの須川展也氏の退団に伴い、アルトサクソフォン奏者の募集がされていたことは記憶に新しいが、今年に入ってようやく発表になったようだ。
http://www.tkwo.jp/profile/member/
ということで、第22回管打楽器コンクール1位、クローバーSQソプラノ奏者、各音楽大学の講師としてもおなじみの林田祐和氏である。伝統あるTKWOのサクソフォン奏者への就任は一大事であるが、これから林田氏がこの吹奏楽団の中でどのような位置を占めていくことになるのか、注目したい。プロフィールページの、一問一答インタビューが面白い。
http://www.tkwo.jp/profile/member/
ということで、第22回管打楽器コンクール1位、クローバーSQソプラノ奏者、各音楽大学の講師としてもおなじみの林田祐和氏である。伝統あるTKWOのサクソフォン奏者への就任は一大事であるが、これから林田氏がこの吹奏楽団の中でどのような位置を占めていくことになるのか、注目したい。プロフィールページの、一問一答インタビューが面白い。
ラベル:
演奏家
情報:ブルターニュ国際サクソフォンアカデミー2013
アレクサンドル・スーヤ氏、安井寛絵さん、ヨナタン・ラウティオラ氏らが主催するブルターニュ国際サクソフォーンアカデミーの第2回のウェブサイトが開設され、募集要項が発表されている。
http://www.bretagneacademysax.com/
他のサクソフォンアカデミーとの大きな違いは、やはり安井寛絵さんによる日本人参加者への配慮だろう。申し込みから実際の受講まで、日本語が利用できるのは、外国語が不慣れな方にとってはありがたいのではないだろうか。さらに今年は、CNSDMPのサクソフォン科在籍中の外山舞さん、本堂誠さんによるサポートもあるという。もちろん実際の内容も盛り沢山。すでに多くの方の問い合わせ・申し込みがあるとのことで、ご興味ある方は早めに検討されてはいかがだろうか。
http://www.bretagneacademysax.com/
他のサクソフォンアカデミーとの大きな違いは、やはり安井寛絵さんによる日本人参加者への配慮だろう。申し込みから実際の受講まで、日本語が利用できるのは、外国語が不慣れな方にとってはありがたいのではないだろうか。さらに今年は、CNSDMPのサクソフォン科在籍中の外山舞さん、本堂誠さんによるサポートもあるという。もちろん実際の内容も盛り沢山。すでに多くの方の問い合わせ・申し込みがあるとのことで、ご興味ある方は早めに検討されてはいかがだろうか。
ラベル:
情報
2013/01/08
イタイ・タルガム 「偉大な指揮者に学ぶリーダーシップ」
ちょっと仕事が忙しく、あまりブログを書いている時間が取れない。睡眠時間を削るわけにはいかないので…明日の退社後は時間が取れそうなので、溜まった雑務を片付けなければ。
伊藤康英先生のFacebookタイムラインより。TEDでのイタイ・タルガムItay Talgamのプレゼンテーション、「偉大な指揮者に学ぶリーダーシップ」を下記サイトより観ることができる。サクソフォンとは直接は関係ないが、非常に面白い内容だ。ぜひご覧いただきたい。
http://www.ted.com/talks/lang/ja/itay_talgam_lead_like_the_great_conductors.html
伊藤康英先生のFacebookタイムラインより。TEDでのイタイ・タルガムItay Talgamのプレゼンテーション、「偉大な指揮者に学ぶリーダーシップ」を下記サイトより観ることができる。サクソフォンとは直接は関係ないが、非常に面白い内容だ。ぜひご覧いただきたい。
http://www.ted.com/talks/lang/ja/itay_talgam_lead_like_the_great_conductors.html
【再掲】演奏会のご案内:小澤瑠衣さん plays グレグソン
ちょうど昨日のWSC打ち上げの際にもお会いしたところなので、再掲。もう今週末に迫っている。
現在フランスのセルジー・ポントワーズ音楽院に留学中の小澤瑠衣さん。前回の管打楽器コンクールで2位入賞、洗足学園音楽大学のサクソフォン科を主席卒業と、国内での活躍に引き続いて、渡欧し、充実した日々を送られているそうだ。
小澤さんは、この年末年始に一時帰国している。というのも、神奈川フィルハーモニー管弦楽団とともにエドワード・グレグソンの「サクソフォン協奏曲」を演奏するとのこと。神奈川フィルハーモニー管弦楽団のサイトでもすでに告知されているので、こちらでもご案内。ちなみにこの共演の話、渡欧のまさに直前に飛び込んできたそうだ(笑)。松下洋さんのリサイタルでアンサンブルの一員としての演奏しか聴いたことがないので、とても楽しみである。
【第7回ニューイヤー・フレッシュ・コンサート ~光り輝く若き才能たちの競演~】
出演:大山平一郎指揮神奈川フィルハーモニー管弦楽団、小澤瑠衣(sax)、毛利文香(vn)
日時:2013年1月13日(日曜日) 15:00開演
会場:洗足学園前田ホール
料金:一般3000円、学生1000円
プログラム:
J.ブラームス - ヴァイオリン協奏曲ニ長調作品77
E.グレグソン - サクソフォン協奏曲
M.ムソルグスキー/M.ラヴェル - 組曲「展覧会の絵」
詳細:
http://www.kanaphil.or.jp/Concert/concert_detail.php?id=100
協奏曲二本仕立てというスペシャル・コンサート。ムソルグスキーでの独奏も、小澤瑠衣さんが担当されるとのこと。
現在フランスのセルジー・ポントワーズ音楽院に留学中の小澤瑠衣さん。前回の管打楽器コンクールで2位入賞、洗足学園音楽大学のサクソフォン科を主席卒業と、国内での活躍に引き続いて、渡欧し、充実した日々を送られているそうだ。
小澤さんは、この年末年始に一時帰国している。というのも、神奈川フィルハーモニー管弦楽団とともにエドワード・グレグソンの「サクソフォン協奏曲」を演奏するとのこと。神奈川フィルハーモニー管弦楽団のサイトでもすでに告知されているので、こちらでもご案内。ちなみにこの共演の話、渡欧のまさに直前に飛び込んできたそうだ(笑)。松下洋さんのリサイタルでアンサンブルの一員としての演奏しか聴いたことがないので、とても楽しみである。
【第7回ニューイヤー・フレッシュ・コンサート ~光り輝く若き才能たちの競演~】
出演:大山平一郎指揮神奈川フィルハーモニー管弦楽団、小澤瑠衣(sax)、毛利文香(vn)
日時:2013年1月13日(日曜日) 15:00開演
会場:洗足学園前田ホール
料金:一般3000円、学生1000円
プログラム:
J.ブラームス - ヴァイオリン協奏曲ニ長調作品77
E.グレグソン - サクソフォン協奏曲
M.ムソルグスキー/M.ラヴェル - 組曲「展覧会の絵」
詳細:
http://www.kanaphil.or.jp/Concert/concert_detail.php?id=100
協奏曲二本仕立てというスペシャル・コンサート。ムソルグスキーでの独奏も、小澤瑠衣さんが担当されるとのこと。
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情報
2013/01/07
WSCの打ち上げ
昨日は午前・午後枠でTsukuba Saxophone Quartetの練習。長時間だったので大変だった。精度高く・スピード速く、というのはなかなか難しいところだ。
夜は、渋谷でWSC参加者の打ち上げ、兼、WSCの時に仲良くなったオーストラリアのサクソフォン奏者、Michael Bednallが日本のご友人の家にホームステイ中ということで彼を交えた懇親会。たくさんの方が集まり楽しい飲み会となった。セント・アンドルーズの日本・タイ料理のお店"NAHM-JIM"での会食のことが懐かしく思い出される。
ちなみに原博巳さんと私で、WSCのレポートを協会誌に寄稿した。校正も完了し近日中に発刊予定なので、協会員の方はぜひお読みいただければと思う。
夜は、渋谷でWSC参加者の打ち上げ、兼、WSCの時に仲良くなったオーストラリアのサクソフォン奏者、Michael Bednallが日本のご友人の家にホームステイ中ということで彼を交えた懇親会。たくさんの方が集まり楽しい飲み会となった。セント・アンドルーズの日本・タイ料理のお店"NAHM-JIM"での会食のことが懐かしく思い出される。
ちなみに原博巳さんと私で、WSCのレポートを協会誌に寄稿した。校正も完了し近日中に発刊予定なので、協会員の方はぜひお読みいただければと思う。
ラベル:
その他
2013/01/05
Lars Mlekusch氏サクソフォンクラスのプロモ動画
ヤマハ横浜での福井健太さんとWonki Leeさんの演奏会は、なんとチケット完売のため伺えず(!)残念…。
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Lars Mlekusch氏率いるKonservatorium Wien Universitätのサクソフォン・クラスのプロモーション動画。サクソフォン専攻の活動内容というと、私個人が持つイメージは座学、個人レッスン、室内楽、ラージアンサンブル、試験といったところだ。しかし、Lars氏のクラスでは、この動画を観る限り非常にオリジナリティ溢れる特別プログラムを頻繁に開いているようだ。
ベートーヴェン「ピアノ五重奏曲」をサクソフォンで
ライヒ「クラッピング・ミュージック」を振り付きで
ライヒ「ニューヨーク・カウンターポイント」を振り付きで
サクソフォンとエレクトロニクスのワークショップ
ジョン・ケージ作品の視覚・聴覚パフォーマンス"Happy New Ears & Eyes"
Christian Wolffのワークショップ
マウリシオ・カーゲルのワークショップ
サクソフォン5重奏"Five Corners"(レパートリーはバロック~ポップス~ミニマル)
透明な楽譜?を使った新作のリハーサル
サクソフォン四重奏&弦楽四重奏
サクソフォン四重奏向けの新作
アコーディオン・コントラバス・テナーサックスという編成の室内楽新作
シャリーノ「Labocca i piedi, il suono」と「Studi per l'intonazione del mare」の演奏(100のサクソフォン)
どこからどこまでがLarsの仕掛けによるもので、どこからが学生の提案によるものなのか…ということは判らないが、それにしても面白い。
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Lars Mlekusch氏率いるKonservatorium Wien Universitätのサクソフォン・クラスのプロモーション動画。サクソフォン専攻の活動内容というと、私個人が持つイメージは座学、個人レッスン、室内楽、ラージアンサンブル、試験といったところだ。しかし、Lars氏のクラスでは、この動画を観る限り非常にオリジナリティ溢れる特別プログラムを頻繁に開いているようだ。
ベートーヴェン「ピアノ五重奏曲」をサクソフォンで
ライヒ「クラッピング・ミュージック」を振り付きで
ライヒ「ニューヨーク・カウンターポイント」を振り付きで
サクソフォンとエレクトロニクスのワークショップ
ジョン・ケージ作品の視覚・聴覚パフォーマンス"Happy New Ears & Eyes"
Christian Wolffのワークショップ
マウリシオ・カーゲルのワークショップ
サクソフォン5重奏"Five Corners"(レパートリーはバロック~ポップス~ミニマル)
透明な楽譜?を使った新作のリハーサル
サクソフォン四重奏&弦楽四重奏
サクソフォン四重奏向けの新作
アコーディオン・コントラバス・テナーサックスという編成の室内楽新作
シャリーノ「Labocca i piedi, il suono」と「Studi per l'intonazione del mare」の演奏(100のサクソフォン)
どこからどこまでがLarsの仕掛けによるもので、どこからが学生の提案によるものなのか…ということは判らないが、それにしても面白い。
Mari Fujiwara: Winds - a la memoire de Nausicaa
チェロのCDだが、先日書いた"「風の谷のナウシカ」より組曲5つのメロディー"の楽譜の記事と関連する。この曲のアレンジャーである藤原真理氏(言わずもがな、卓越したチェロ奏者でもある)自身の演奏により収録されている。プロデューサー/シンセサイザーは久石譲氏、ピアノはなんと秦はるひ氏である。CDタイトルは、「風-Winds~ナウシカの思い出に捧げる(DENON COCO-70460)」。収録曲は下記の通り。
久石譲 - 「風の谷のナウシカ」から5つのメロディー「組曲」
風の伝説、はるかな地へ、レクイエム、遠い日々、谷への道
カタルーニャ民謡 - 鳥の歌
カルミナ - 甘き春に
ブレイク - アニメーション「スノーマン」~ウォーキング・イン・ジ・エア
マーラー - 緑の森を楽しく歩いた
バリー - 野生のエルザ
久石譲 - 映画「グリーン・レクイエム」~グリーン・レクイエム
ドゥゲルト - 空と太陽と海
ヴィヴァルディ - 協奏曲集「四季」~「冬」よりラルゴ
当たり前だが、恐れ入るほどの素晴らしい演奏だ。曲が軽くてもたまにはサクソフォン以外の器楽の演奏や、声楽も聴かなければいけませんね…表現として勉強になる場所がたくさんある。とても安価に購入できるので「風の谷のナウシカ」に興味が有る方は購入されてはいかがだろうか。
このCDは中古品がAmazonで購入可能である。BlueSpec CD仕様の新品はこちらから。また、楽譜もAmazonでの取り扱いを開始した。
久石譲 - 「風の谷のナウシカ」から5つのメロディー「組曲」
風の伝説、はるかな地へ、レクイエム、遠い日々、谷への道
カタルーニャ民謡 - 鳥の歌
カルミナ - 甘き春に
ブレイク - アニメーション「スノーマン」~ウォーキング・イン・ジ・エア
マーラー - 緑の森を楽しく歩いた
バリー - 野生のエルザ
久石譲 - 映画「グリーン・レクイエム」~グリーン・レクイエム
ドゥゲルト - 空と太陽と海
ヴィヴァルディ - 協奏曲集「四季」~「冬」よりラルゴ
当たり前だが、恐れ入るほどの素晴らしい演奏だ。曲が軽くてもたまにはサクソフォン以外の器楽の演奏や、声楽も聴かなければいけませんね…表現として勉強になる場所がたくさんある。とても安価に購入できるので「風の谷のナウシカ」に興味が有る方は購入されてはいかがだろうか。
このCDは中古品がAmazonで購入可能である。BlueSpec CD仕様の新品はこちらから。また、楽譜もAmazonでの取り扱いを開始した。
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CD
2013/01/04
John Adams "City Noir"のスコア閲覧
たびたびこのブログでも取り上げているジョン・アダムズ「シティ・ノワール」。2009年10月8日に(シモン・ボリバル・ユース・オーケストラなどで有名な)グスターボ・ドゥダメル氏の、ロサンジェルス・フィルハーモニー管弦楽団音楽監督就任記念演奏会で初演された管弦楽作品である。3楽章から成り、全編にわたってアルト・サクソフォンが大活躍する。その活躍ぶりたるや、もしかしたら、協奏曲以外でオーケストラの中にサクソフォンが使われた作品としては、史上最多の音数を誇るのではないか…というほどのものである。初演時のアルト・サクソフォンは、ティモシー・マカリスター氏が担当した。以前同コンサートの動画が公開されていたが、現在は公開期間終了に伴い観ることができない。DVDは現在でも売っているようだが。
ジョン・アダムズ指揮オランダ放送フィルハーモニー管弦楽団のRadio4公式動画を、下記リンクから観ることができる。アルト・サクソフォンは、アルノ・ボーンカンプ氏。
http://kurisaxo.blogspot.jp/2012/09/arno-bornkamp-plays-milhaud-adams.html
で、ここまでサクソフォンが活躍しているならいったいどんな楽譜なんだと気になるのだが、版元であるBoosey&Hawkesのサイトでスコアをオンライン閲覧することができると知った。簡単なRegistrationが必要であるが、そこさえ問題なくクリアすれば全ページの閲覧が可能だ。リンクは下記。
http://www.boosey.com/cr/perusals/score.asp?id=982
第1楽章:p.3~
第2楽章:p.94~(p.99、p.113に特に目立ったサクソフォン・ソロ)
第3楽章:p.125~(p.138、p.146に特に目立ったサクソフォン・ソロ)
御用とお急ぎでない方はぜひサクソフォンパート他を追ってみてはいかがだろうか。全パートに渡ってなかなかぶっ飛んだ作品だということがよく分かる。サクソフォンパートは、譜ヅラとしても難しく、超高速のフレーズ内でニュアンスの変化も要求され、さらに大管弦楽編成の中で緻密なアンサンブルが必要…と、オーケストラ・スタディとしてはトリプルA級であろう。マカリスター氏やボーンカンプ氏がいかに凄いことをやっているのか、ということが良くわかる。もし日本のオーケストラがこの作品を演奏することになったら、サクソフォンは誰が担当することになるのだろうか!(わくわく)
ちなみに「シティ・ノワール」以外にもアダムズ「中国のニクソン」とかライヒ「18人のミュジシャンのための音楽」なども閲覧でき、なかなか面白い。
ジョン・アダムズ指揮オランダ放送フィルハーモニー管弦楽団のRadio4公式動画を、下記リンクから観ることができる。アルト・サクソフォンは、アルノ・ボーンカンプ氏。
http://kurisaxo.blogspot.jp/2012/09/arno-bornkamp-plays-milhaud-adams.html
で、ここまでサクソフォンが活躍しているならいったいどんな楽譜なんだと気になるのだが、版元であるBoosey&Hawkesのサイトでスコアをオンライン閲覧することができると知った。簡単なRegistrationが必要であるが、そこさえ問題なくクリアすれば全ページの閲覧が可能だ。リンクは下記。
http://www.boosey.com/cr/perusals/score.asp?id=982
第1楽章:p.3~
第2楽章:p.94~(p.99、p.113に特に目立ったサクソフォン・ソロ)
第3楽章:p.125~(p.138、p.146に特に目立ったサクソフォン・ソロ)
御用とお急ぎでない方はぜひサクソフォンパート他を追ってみてはいかがだろうか。全パートに渡ってなかなかぶっ飛んだ作品だということがよく分かる。サクソフォンパートは、譜ヅラとしても難しく、超高速のフレーズ内でニュアンスの変化も要求され、さらに大管弦楽編成の中で緻密なアンサンブルが必要…と、オーケストラ・スタディとしてはトリプルA級であろう。マカリスター氏やボーンカンプ氏がいかに凄いことをやっているのか、ということが良くわかる。もし日本のオーケストラがこの作品を演奏することになったら、サクソフォンは誰が担当することになるのだろうか!(わくわく)
ちなみに「シティ・ノワール」以外にもアダムズ「中国のニクソン」とかライヒ「18人のミュジシャンのための音楽」なども閲覧でき、なかなか面白い。
ラベル:
楽譜
2013/01/03
楽器創造館ブログの記事より
ときどき読んでいる楽器創造館ブログの記事より、サクソフォンに関連する記事をご紹介。著者の永井洋平氏は、ヤマハで管楽器の開発にも携わっていたとのことで、管楽器の開発者としての視点から語られるあまり知られていない(と思われる)エピソードは、非常に興味深い。
サキソホンの地位を高めた二人の奏者
http://gakki-souzou.cocolog-nifty.com/blog/2012/06/post-e52c.html
ミュール氏と阪口新氏について触れらている。
夭折した日本の管楽器奏者3人
http://gakki-souzou.cocolog-nifty.com/blog/2012/04/post-dd17.html
大室勇一氏について触れられている。また、以前このブログでも紹介したフルートの加藤恕彦氏についても触れられている。
サキソホンのウルフトーン(狼音)
http://gakki-souzou.cocolog-nifty.com/blog/2011/07/post-7de9.html
宮島基栄氏とのエピソードが少々。「ウルフトーン」ということばは初めて聞いた。
アドルフ・サックスに挑戦すれど・・・
http://gakki-souzou.cocolog-nifty.com/blog/2011/07/post-bab9.html
ヤマハ社内でこのような研究の種が蒔かれていたとは知らなかった…もしいずれのプロジェクトも成功していたら、いまの管楽器界はどうなっていたのであろうか。
サキソホンの地位を高めた二人の奏者
http://gakki-souzou.cocolog-nifty.com/blog/2012/06/post-e52c.html
ミュール氏と阪口新氏について触れらている。
夭折した日本の管楽器奏者3人
http://gakki-souzou.cocolog-nifty.com/blog/2012/04/post-dd17.html
大室勇一氏について触れられている。また、以前このブログでも紹介したフルートの加藤恕彦氏についても触れられている。
サキソホンのウルフトーン(狼音)
http://gakki-souzou.cocolog-nifty.com/blog/2011/07/post-7de9.html
宮島基栄氏とのエピソードが少々。「ウルフトーン」ということばは初めて聞いた。
アドルフ・サックスに挑戦すれど・・・
http://gakki-souzou.cocolog-nifty.com/blog/2011/07/post-bab9.html
ヤマハ社内でこのような研究の種が蒔かれていたとは知らなかった…もしいずれのプロジェクトも成功していたら、いまの管楽器界はどうなっていたのであろうか。
ラベル:
メディア
2013/01/01
年越しから2013年へ
明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
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高校の部活の同期と30日から31日にかけて湯田中温泉に宿泊。東京から佐久平まで新幹線(新幹線あさま、下り線に乗るのは初めて)、佐久市から車に乗せてもらって移動した。31日に湯田中から実家に戻り、ゆっくりしている。
年越しは、東急ジルヴェスターコンサート2012-2013とともに。23:30から始まったライヴ中継は、須川展也氏による吉松隆「サイバーバード協奏曲」の第1楽章(冒頭抜粋、1分程度)から始まり、さらにピアノ、ヴァイオリンのソロを経てエルガー「威風堂々」にて年が明けた。後半は、ハーライン「星に願いを」でも須川展也氏による演奏を聴くことができた。須川氏の演奏がすばらしいことは言うまでもないし、藤岡幸夫氏と東京フィルのコンビは、やはり熱く楽しい。
「サイバーバード」が一瞬だけだったのは少し残念…クラシック・サクソフォンを一般に認知してもらえる最高のチャンスのひとつだっただけに、なおさら。中継されていなかった前半では「サイバーバード」の第1楽章と第3楽章が演奏されたらしいので、まあしょうがないか。一般の音楽ファンは、須川氏の演奏と、「サイバーバード」の冒頭部分をどう捉えたのだろうか。また、FacebookやTwitterでの盛り上がり(「サイバーバード」CM断絶時の落胆と、「星に願いを」で再登場したときの歓声)を見て、クラシック・サクソフォン界に対して、須川氏が背負っているものの大きさを改めて感じ、また、次世代スターの隆盛を切望するのだった。
3月の吉松隆氏の還暦記念コンサートで、同じコンビによる演奏が聴ける。聴きに行くかどうかはまだ決めかねているところ。
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高校の部活の同期と30日から31日にかけて湯田中温泉に宿泊。東京から佐久平まで新幹線(新幹線あさま、下り線に乗るのは初めて)、佐久市から車に乗せてもらって移動した。31日に湯田中から実家に戻り、ゆっくりしている。
年越しは、東急ジルヴェスターコンサート2012-2013とともに。23:30から始まったライヴ中継は、須川展也氏による吉松隆「サイバーバード協奏曲」の第1楽章(冒頭抜粋、1分程度)から始まり、さらにピアノ、ヴァイオリンのソロを経てエルガー「威風堂々」にて年が明けた。後半は、ハーライン「星に願いを」でも須川展也氏による演奏を聴くことができた。須川氏の演奏がすばらしいことは言うまでもないし、藤岡幸夫氏と東京フィルのコンビは、やはり熱く楽しい。
「サイバーバード」が一瞬だけだったのは少し残念…クラシック・サクソフォンを一般に認知してもらえる最高のチャンスのひとつだっただけに、なおさら。中継されていなかった前半では「サイバーバード」の第1楽章と第3楽章が演奏されたらしいので、まあしょうがないか。一般の音楽ファンは、須川氏の演奏と、「サイバーバード」の冒頭部分をどう捉えたのだろうか。また、FacebookやTwitterでの盛り上がり(「サイバーバード」CM断絶時の落胆と、「星に願いを」で再登場したときの歓声)を見て、クラシック・サクソフォン界に対して、須川氏が背負っているものの大きさを改めて感じ、また、次世代スターの隆盛を切望するのだった。
3月の吉松隆氏の還暦記念コンサートで、同じコンビによる演奏が聴ける。聴きに行くかどうかはまだ決めかねているところ。
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