有村氏のリサイタルは伺えず…残念。
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タイのサクソフォン奏者で、Siam Saxophone Quartetのメンバー、そしてお友達であるWisuwat "George" Pruksavanich氏(私は彼のことをGeorgeと呼んでいる)のCDを先週初めに入手した。このアルバムはGeorgeのファーストアルバムであり、企画が立ち上がったあたりから完成までGeorgeのFacebookアカウントで経緯を追うこともできたため、内容を知るのも早く楽しみにしていた。収録曲は次の通り。
JacobTV - Grab It!
Barry Cockcroft - Rock Me
Graham Fitkin - Hard Fairy
Christian Lauba - Hard too Hard
Russell Peterson - Quintet
Claude T. Smith - Fantasia
Prince Phichai Mahintorodom - Lao Duang Duan
タイトルだけ眺めても「おっ」と感じる方がいることだろう。ヤコブTV、コッククロフト、フィトキン、ロバといった現代作曲家の高難易度の作品、アメリカのラッセル・ピーターソンとC.T.スミスの作品エンターテインメント性あふれる作品が一挙に収録されている。
だがこのアルバムの特徴はそれに留まらない。フィトキン、ピーターソン、スミス作品で、Georgeによるスペシャル・アレンジが施されているのだ!そのアレンジたるや、サクソフォンと、ドラム、ベース、ギター、シンセサイザーというもの。完全にロック編成のヘヴィな音作りは、実にクール!特に、もともとソプラノサックス+2台ピアノ編成のフィトキン「ハードな妖精」のアレンジなど、まるでプログレッシブ・ロックのようにも聴こえ、個人的には超感涙ものである。また、もともと吹奏楽のために書かれたスミス「ファンタジア」がどのように料理されているのかも、気になる方は多いのではないだろうか。
全体的にヴィブラート控えめで、サクソフォンパートにはさらなるニュアンスの変化が欲しい部分も少しあるが、それでもこの全体のクールさを前にしては何も言えなくなってしまう。現代作品が好きな方、そしてロックが好きな方であれば、一発でノックアウトされてしまうのではないだろうか。
また、無伴奏曲も注意深く聴いてみると面白い味付けがされている。「ロック・ミー」をこのように料理するのかあと、ニヤニヤしてしまう。無伴奏曲でのテクニックは実に冴え渡っており、「ハード・トゥ・ハード」でも安定した技巧と大胆な表現も聴くことができる。おすすめ。
購入は、Georgeへのメールで。私が購入したときは、1枚10ドルちょっとだった。日本への発送なら、送料込みでも20USドルいかないはず。
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