【Amuser Saxophone Quartette 1st Recital】
出演:Amuser Saxophone Quartette(河原翌真、菊地麻利絵、中村ちひろ、大野香菜)
日時:2012年12月27日(木)開演18:30
会場:ティアラこうとう 小ホール(都営新宿線・東京メトロ半蔵門線 住吉駅より徒歩5分)
料金:500円(全席自由)
プログラム:
J.フランセ - 小四重奏曲
P.I.チャイコフスキー - 弦楽四重奏曲第1番
J.S.バッハ - 目覚めよと呼ぶ声あり
D.マスランカ - マウンテン・ロード
菊地さんよりご案内いただいていた演奏会。先日のドビュッシーのレクチャーコンサートが今年最後に聴きに行く演奏会かなと思っていたら、埼玉大学吹奏楽部とAmuserSQが残っていたのだった。11月から12月までの間に、20回近く何かしらの演奏機会に伺っていることになる。前半は仕事が忙しく行きたい演奏会にも行けなかったので、ここにきてリバウンドしているような。
職場から会場まで遠く、また18:30開演ということでさすがに間に合わず、後半のバッハから聴いた。なんとか後半には間に合って良かった…。
AmuserSQは、東京音楽大学の学生により2011年の12月に結成されたアンサンブルである。ソプラノの河原氏は、名古屋音楽大学出身で現在東京音楽大学の大学院2年生、そのほかのメンバーは学部の4年生である。リサイタルは今回が初となるが、これまで複数回の演奏機会をこなしているとのこと。一昔前までは、アンサンブルといえば東京芸大か昭和音大か洗足音大かというイメージがあったのだが、最近では基本的な技術力の上昇ほか様々な要因からか、魅力的な演奏をするグループが増えてきていると思う。
休憩後、最初聴いたのはバッハ。音色・バランスといったところで若干ソプラノが分離する格好となっており、ときどき予期する響きから転回しているように聴こえる部分もあった。このバランスならば、前半のチャイコフスキーの弦楽四重奏のアレンジなんてかなり良い演奏だったと思うのだが。ただし、"地"の技術がしっかりしており、きちんと聴衆に聴かせるようなベクトルを持つ演奏だったと思う。それにしても、菊地さんの立ち回りや確固たる音楽づくりは凄いですね(ますますソロでの演奏を聴いてみたくなった)。
マスランカはさらに和声の難易度が上がるが、テクニカルな面では安定している。第2楽章や第3楽章が特に興味深い。また、第6楽章後半のコラール変奏では各プレイヤーの独奏となるが、それぞれの奏者の個性が出ていて面白く聴くことができた。楽章が進んでもとくに疲れた様子も見せない。前半にはフランセと、さらに30分に及ぶ大曲チャイコフスキーをこなしているわけで、たしかにプロフェッショナルの演奏家にとっては当たり前なのだが、実は凄いことなんだよなあ…驚いてしまった。
アンコール1曲目はフォーレ「ドリー」の"子守唄"。2曲目はヴィードーフの「サキソフォビア」の四重奏アレンジ版(菊地さんアレンジとのこと)。ヴィードーフの演奏が、不思議と心地よく余韻として帰り道もずっと残っていたのだった。
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