ジャン=マリー・ロンデックス Jean Marie Londeix氏とポール・ブロディ Paul Brodie氏の二重奏曲集。ロンデックス氏については、いまさら説明の必要も無いだろう。ポール・ブロディ氏は、ユージン・ルソー氏とともに世界サクソフォン・コングレスの立ち上げ者のひとりとして知られている。1934年生まれ、カナダを代表するサクソフォン奏者の一人で、「アンバサダー・オブ・サクソフォン=サクソフォン大使」というニックネームを持っている。
以前、ブロディ氏からLPの盤起こしをしたCD-Rを購入したのだが(ブロディ氏が亡くなる2007年より前のことで、eBayに出品されていた)、最近木下直人さんに木下さんの復刻環境によるCD-Rをお送りいただいた。先日のTsukuba Saxophone Quartetの長野公演の際、木下さんにお越しいただいたのだが、メンバーがルクレールのデュオ・ソナタを吹いているのを聴いて、メンバーぶん復刻して送って下さったのだ。たいへん嬉しいことだ(ありがとうございました)。
1975年、原盤はCrest。おそらく擬似残響と思われる独特のサウンドを伴った演奏である。テクニックを聴いているとどちらがどちら、ということは容易にわかるのだが、実はあまり気にならず、純粋にデュエットの愉しみが前面に押し出されている。収録曲は以下のとおり。テレマンのカノン風ソナタからの4曲と、ルクレールのソナタから3曲。いずれもロンデックスが編曲したもので、Alphonse Leducより出版されているとのこと。
G.F.Handel - 12 canons melodieux, ou 6 sonates en duo: Sonata in G major, TWV 40:118
G.F.Handel - 12 Canons melodieux, ou 6 sonates en duo: Sonata in D major, TWV 40:120
G.F.Handel - 12 Canons melodieux, ou 6 sonates en duo: Sonata in A minor, TWV 40:123
G.F.Handel - 12 Canons melodieux, ou 6 sonates en duo: Sonata in G minor, TWV 40:119
J.M.Leclair - Sonata for 2 Violins in C major
J.M.Leclair - Sonata for 2 Violins in F major
J.M.Leclair - Sonata for 2 Violins in A flat major
テレマンは、曲によってアルト+テナー、ソプラノ+テナー、ソプラノ+アルトなどと持ち替えられており、なかなか楽しい。音色や美妙なニュアンスのコントロール、そして何より発音の美しさは、さすがにロンデックスに軍配が上がるが、ブロディもなかなか健闘していると思う。あと個人的には、ルクレールの緩叙楽章のゆったりとした雰囲気が好きだ。寄せては返す波に揺られているような心地になる。
表面・裏面ジャケットのスキャンデータもお送りいただいた。裏面ジャケットには、ロンデックス氏とブロディ氏の対談が掲載されており、時間があったら訳してみるつもり。
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