2011/10/30

Life-Work Project Vol.3 ~ザ・サックス カルテット~

【Life-Work Project [東日本大震災支援チャリティコンサート・シリーズ] Vol.1 ~サクソフォン・ファミリー大集合!~】
出演:トラクシオン・アヴァン(宮崎真一、各川芽、清水いずみ、近藤敬行)
日時:2011年10月29日(金曜)15:00開演
会場:石森管楽器B1Fイヴェントスペース
プログラム:
D.スカルラッティ - 3つの小品
F.メンデルスゾーン - ロンド・カプリツィオーソ
E.ボザ - アンダンテとスケルツォ
B.ジョエル - ルートビアー・ラグ
M.リパートン - Lovin' You [Sr, Sn, T, B]
D.ベネット - サクソフォン・シンフォネット [PolySax, A, T, B]
M.ラヴェル - 楽園の美しい3羽の鳥
M.ブレッカー - デルタシティ・ブルース [solo T, A, T, B]
L.アンダーソン - フィドル・ファドル

Vol.1に伺って以来だった。宮崎真一さん関係の演奏会は、普段サックスの演奏会でお会いするような知り合いがあまりいないのだが、今回はTsukubaSQのKさんも来た他、会場ではしらこばと音楽団の本番を終えたばかりのニジマスさんにもお会いした。

かっちりした技術だけではなく、エンターテイメント性やマニアックなところまでをバランスよく配合した演奏は、さすがである。前半のクラシック3曲も、お馴染みのスカルラッティ&ボザに加えて、メンデルスゾーンという編曲を織り込んでくるところが素敵だ。しかもこのメンデルスゾーンがまた爽快な演奏で、会場からはため息が漏れた。

後半は、いわゆるサックス四重奏で演奏される"普通のポップス"が1曲もなかった!高度なテクニックに乗せて、「ルートビアー・ラグ」を演奏。そこら辺のクラシック曲よりもよっぽどテクニカルなアレンジ。リパートンの「Lovin' You」は、相変わらずの各川さんのソプリロ・サックスの驚異的なコントロールに惚れ惚れ、である。

ディヴィッド・ベネットの「サクソフォン・シンフォネット」は、これはAATBで演奏される曲の定番レパートリーだが、なんとこれのアルト1stパートをVibratoのポリカーボネートサクソフォンで演奏。さらに、曲が持つブルース風のイメージも存分に引き出して、これまで聴いたことのないような演奏に仕上がっていた(すごかった…)。

その後、「楽園の美しい3羽の鳥」をしっとりと演奏した後、なんとマイケル・ブレッカーのデルタシティ・ブルースを演奏。いやー、まさかこの曲が出てくるとは思わなかった。サクソフォン四重奏で演奏する、という発想も凄い…冒頭の見事なソロを披露した宮崎真一さんに大喝采が浴びせられた。最後は、アンダーソンのナンバーにて幕。

演奏後のヒトコマ。宮崎真一さんがVibratoサクソフォンを、各川芽さんが普通のアルトサクソフォン(ちなみにこの楽器は、ニジマスさん所有のCrampon S-1なのだ笑)を一緒に吹いている様子。一緒に吹いている様子を聴くと、さすがに違いがはっきりと判る。

ポリカーボネート製サックス、驚いたこと:
Eb管。
コンサート後に持たせてもらったけど、軽い。本当に軽い。
バネが、針バネではなく本当のバネ(いわゆる螺旋形スプリング)。
タンポが、皮等ではなくシリコン。
マウスピース差込口が、シリコンのようなウレタンのような素材。

2011/10/28

最近書いた記事関連で…

一件はサクソフォーン協会誌に、もう一件は某管楽器専門誌に、それぞれ記事を提供した。

サクソフォーン協会誌のほうは、ロシアのサクソフォンについて、S.ウィルソンの論文やJ.M.ロンデックスの評伝、ロシアのジャズサクソフォン史である「Red and Hot」等を参考にしながら書いた。実はもっと現代寄りの話題も出したかったのだが、シャポシュニコワ教授へのインタビューが言語の壁のせいで先送りにせざるを得なくなってしまい…やむなく、ソ連崩壊頃までの内容をまとめることとなった。ロンデックスのロシアツアーの話も盛り込み、そこそこ分量が多くなってしまった。

今回は編集委員としても参加しているので、校正作業のため、レイアウトが出来上がったぶんから少しずつ送られてきているところ。各著者の記事を先に読んでしまうのは楽しみがなくなってしまう…という残念な気持ちもあり、お得な気持ちもあり。発刊は11月頃になりそう、とのこと。

某管楽器誌のほうは、今日編集部まで出向いて担当の方とお話ししてきた。数年前にサクソフォーン協会誌に寄稿したシガード・ラッシャーに関する記事を全面的に見なおして、さらに30%ほどの書きおろし部分を付け加え、掲載してもらうこととなった。校正のためのゲラ刷りをもらったのだが、素晴らしいレイアウトにしてくださって感激である。こちらも11月発刊予定(また案内します)。

担当者の方と話が弾み、かれこれ2時間半も編集部に長居してしまった。サクソフォンのことからクラリネットのこと、何から何までマニアックな話が及んで、楽しかったなあ。

2011/10/27

Garage S出展内容@楽器フェア

Garage SのS様より、来月初頭にパシフィコ横浜にて開かれる"2011楽器フェア"への出展についてご案内いただいた。なんと、最近話題のアドルフ・サックス製の楽器を試奏可能な状態として出展するそうだ。Garage Sのサイトにもお知らせが掲載されている。

実はすでに浜松サクソフォンアンサンブルのてるてるさんからご案内いただいており、11月3日に同ブースに伺うつもりでいたのだが、昨日ラッシャーのマウスピースの記事をアップしたあとに、記事を読んでくださったS様から改めて連絡をいただいたのだ。以前、木下直人さんトランスファーのデファイエの録音でやり取りしたのだが、そんな縁もあってのこと。

楽器フェアの展示紹介のページは、こちら:
http://musicfair.jp/exhibitor/information.html?id=MF11012

以下、Sさんの案内文から引用。

歴史や資料や文章の中だけの楽器ではなく、実際に吹ける楽器として、認識してもらいたいと思って試奏できる機会を探してました。ラッシャー氏やアドルフサックスの音色や奏法、フレンチスクールの流れの根底にあるもの、大げさではありますが、それらの追体験ができると思います。もし機会があればお足を運んで頂けると幸いです。

最近何かと話題のアドルフ・サックス製の楽器、興味ある方はぜひマウスピースを持ってGarage Sのブースに伺ってみてはいかがだろうか。…もしラージ・チェンバーのマウスピースを持っているならば、なおさら!(そんな人、日本にいるのかな?)

ラッシャーのマウスピース推薦文

ラッシャーのマウスピース紹介のページにある、ラッシャー自身の推薦文が面白かったので、翻訳してみた。基本的な考えは、数年前にブログ記事用に訳した文と同じであり、特に真新しい情報はないが、注目すべきところはやはりラッシャーの挑発的な物言いだろう。

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親愛なる友人へ:
これは、私の名を冠した唯一のマウスピースである。私がコンサート活動を始めてから使っているマウスピースの、正確なレプリカである。このマウスピースを使って私が紡ぎ出した音色は、一般に「サクソフォンの音色」と呼ばれている音とは全く違うにも関わらず、世界中で賞賛を得た。

このマウスピースは、ただ一種類のフェイシングを持つ。これは何かの見過ごしでも製造コストの問題でもない。たくさんのプロフェッショナル奏者、サクソフォンを学ぶ生徒たちの経験に基づいたものだ。サクソフォンを演奏する上で、マウスピースのフェイシングは、様々な演奏上の恩恵をもたらすひとつの要因となり得る(フラジオ音域、音色の輝かしさ、音量、レスポンス、等々)。しかし、これらの恩恵は、得てして他の特徴をアンバランスに減少させてしまう。結果的に、不安定な音色を生み出すことになってしまうのだ。ここ数十年の一般的なマウスピースの傾向は、音色の輝かしさとある種のエッジを音色の中に求めるものであり、それらと引き換えに表情の美しさを失っていると考えられる。フェイシングに関する無意味な議論にばかり集中してしまい、マウスピースの内側の空間に関する議論を忘れてしまっていたのだ。

サクソフォンの発明者であるアドルフ・サックスは、マウスピースの内側の空間について、明確ない定義を行なっている。アドルフ・サックスの特許に示された図に描かれているとおり、短くて太いずんぐりした形状で、大きな図体で、マウスピースの内径についても大きく、樽型のチェンバーを持つというものだ。また、特許の図に添えられた文章が示すとおり、すべてのサクソフォンのマウスピースは同じ形で有るべきでなのだ。

音色の改善に関する意見を作る前に、まずは8週間、新しいマウスピースで毎日練習してみなさい。昔のマウスピースと新しいマウスピースを交互に使ってはいけない。初期段階で多大な努力を求められても、諦めてはいけない。この努力に対する見返りは、サクソフォンが本来持つ特徴…滑らかで豊潤な音色、他の楽器との音色のブレンド、独奏の際の表現力となって、もたらされることだろう。このマウスピースを使うことで、アドルフ・サックスが目指したクラシック音楽の高貴な遺産に新しい風を吹き込むという目標を実現する手助けとなることだろう。

私がこのマウスピースから得た利益はすべて、サクソフォンの教育のための基金へと使われる。

Sincerely Yours,

Sigurd Manfred Rascher

2011/10/25

IS05をAndroid 2.3へアップデート

IS05をメジャーアップデート。いちばんの更新点は、OSがAndroid 2.3となったことだ。いろいろと細かい所が使いやすくなって嬉しい。IS05の完成度の高さを改めて感じる。携帯電話の更新サイクルは2年~3年くらいだが、このぶんなら余裕であと2年くらいは使えると思っている。

そういえばauといえば最近はiPhone 4Sが人気だが、Apple製品をひとつも持っていない自分としては、いまいち飛び込む勇気が出ない。これまでに収集してきたデータ資産はWindowsで扱うことを前提としていることもあり…って、要はまんまと囲い込み戦略にはまっているのだが。初めて触れたコンピュータがAppleだったら今の状況は違ったかも。

海の向こうからは、Android 4.0という話も聞こえてきた。Samsungが手がけたリファレンスデザイン(Galaxy Nexus)にはOMAPが乗っているのか…しばらくTIの一人勝ち状態になるのだろう。となると、Qualcommの次の一手は…?

2011/10/24

Arno Bornkamp plays Milhaud & Adams in orchestra on YouTube

オランダのサクソフォン奏者、アルノ・ボーンカンプ Arno Bornkamp氏が、ダリウス・ミヨーの「世界の創造」とジョン・アダムズの「シティ・ノワール」をオーケストラの中で吹いている動画を発見した。Radio Filharmonisch Orkestこと、オランダ放送フィルハーモニー管弦楽団の演奏会で、指揮者はなんと演奏会通してジョン・アダムズ(!)。驚いた。

アダムズの「シティ・ノワール」には、超絶技巧を要するサクソフォンパートが含まれている。初演はグスターボ・ドゥダメル指揮ロサンゼルス交響楽団で、ティモシー・マカリスター Timothy McAllister氏がソロパートを務めたが、その強烈な演奏は当時語り草となった(NHKの芸術劇場でも放映された…たぶん、NHK史上最もサックスの音数が多かったに違いない笑)。以前ブログでも取り上げた

ロスフィルでの初演後、ロンドン交響楽団(この時のソリストはサイモン・ハラーム Simon Haram氏)他、いくつかのオーケストラで取り上げられていたようなのだが、オランダで演奏される機会があったとは知らなかった。独奏がボーンカンプ氏…まさに、オランダにあってはこの人以外有り得ないという順当な人選だ。しかも、「シティ・ノワール」のみならず、同じくサクソフォンが活躍しまくる「世界の創造」まで演奏されたとは!しかもその演奏会の模様がまるまるYouTubeに公式にアップロードされているとは!驚き10倍という感じ。

ミヨー、アダムズともに、実に聴き応えがある。時間のあるときにじっくり楽しんで頂きたい。「世界の創造」は、さすがにフランス国立管弦楽団とバーンスタインとデファイエのコンビには敵わないかもしれないが、なかなかの名演である。「シティ・ノワール」は、アダムズ氏の指揮が意外なほどにイケイケで…第3楽章の勢いなど、ロスフィルを思い出すテンションだ。


Darius Milhaud - La Creation du Monde(ミヨー「世界の創造」)…7:00くらい
Igor Stravinsky - Les noces(ストラヴィンスキー「結婚」) 33:30くらい
John Adams - City Noir Mov.1(アダムズ「シティ・ノワール」)…1:27:10くらい
John Adams - City Noir Mov.2…1:40:00くらい?アタッカなのかな?
John Adams - City Noir Mov.3…1:49:30くらい

ちなみに、リハーサル映像が下記動画から少しだけ観られる。ボーンカンプ氏の暴れっぷりは、リハーサルの時のほうが凄いような(この動画については記事を書いていた)。

2011/10/23

しらこばと音楽団@岸町地区文化祭2011

昨年も参加した浦和の岸町地区文化祭に、今年もしらこばと音楽団のメンバーとして参加。今回のメンバーは、ねぇ。さん&ニジマスさん(asax)、mckenさん(bsax)、やまーさん(perc)、kuri(tsax)。

地域の文化祭の催し物の一環ということで、親子連れやガールスカウトのみなさん、ご年配の方など、たくさんの方が遊びに来てくれた。やっぱり、演奏し始めると音が部屋の外に聴こえていくためか、あっという間に大盛況になる。朝の9時半から午後3時まで、ほぼノンストップで様々なイベントを実施した。終日大賑わいだった各イベントの写真は、Facebookにて友人限定で公開中。

・しらこばと音楽団の演奏(11:30~&14:00~の2回公演)
・メンバー持ち寄りの小物楽器体験(机の上に置いておけば、みんな勝手に遊び始めるから嬉しい)
・エコ楽器手作りに挑戦(牛乳パックを使ったウィップは、なんと材料がなくなるほどの人気)
・みんなで叩いてみよう!リズムワークショップ(やまーさん大活躍)
・プロフェッショナル・ギタリストの齋藤泰士さんとやまーさんのデュオ(圧巻)

…など、盛りだくさんだった。それにしても子供たちの元気はすごい!一緒に遊んでパワーをもらったような気がする。音が出るものに対する興味とか、真剣に楽器作りをする様子とか、普段生活している中では決して触れられないものだ。

「サザエさんメドレー」や「宝島」などの新曲も交えた2回分のセットリストは以下(なんか忘れているような)。
* 銀河鉄道999
* サザエさん(オープニング&エンディング)
* ウィーアー!
* となりのトトロメドレー
* ピンク・パンサー
* 宝島
* 浪花節だよ人生は
* ちいさい秋みつけた
* 名探偵コナンのテーマ

ご案内:しらこばと音楽団

案内が直前になってしまったが…。

【しらこばと音楽団ワークショップ】
出演:しらこばと音楽団(今日はねぇ。さん、ニジマスさん、mckenさん、やまーさん、kuri)
日時:2011年10月23日 9:00くらいから15:00くらい
会場:埼玉県岸町公民館第三講座室
なにやるの?:
しらこばと音楽団演奏
ギター&パーカッション演奏
音のでるおもちゃ作り
コラージュパネルづくり
手作りエコ楽器体験コーナー

という感じのワークショップをやっている。特に、お近くにお住まいでお子さま連れの方、遊びに来てください〜♪ヽ(´▽`)/

なめら~か第11回定期演奏会はポップス特集!

今年のコンセプトは、なめら~かポップス!!…というわけで、サクソフォン・アンサンブル なめら~かの演奏会を聴くためにみなとみらいへと伺った。これまで2、3回ほどなめら~かさんの演奏会を聴いている身としては、どんな演奏会になるか想像できず、その意外性がどのようにさばかれるのかも楽しみにしていた。

【サクソフォン・アンサンブル なめら~か第11回定期演奏会~NAMERAKA POPS~】
出演:サクソフォン・アンサンブル なめら~か
日時:2011年10月22日(土曜)19:00開演
会場:横浜みなとみらいホール・小ホール
プログラム:
大野克夫 - 「名探偵コナン」テーマ
L.バーンスタイン - ウェスト・サイド・ストーリーより
C.コリア - スペイン
R.ロジャース - マイ・フェイバリット・シングス
鳥山雄司 - ソング・オブ・ライフ
J.ウィリアムズ - スターウォーズより

一発目は、サキソフォックスシリーズから「名探偵コナン」。Thunderさんや佐場野さんがコナン吹くなんて、ちょっと感動的なくらいレアな機会だと思うが(笑)、これがびっくりするほどのハイ・テンション!!一曲目から素敵な"つかみ"で、観客席も沸いた。二曲目は「ウェストサイドストーリー」。物語を考慮すると順不同になるが、4曲目(終曲)として、「クラプキ警部」が置かれており、まるでハイドンの室内交響曲でも聴いている気分。音を追っていくと、まぎれもなきバーンスタインの音楽であり、天才的な筆致を楽しんだ。小編成だと音の輪郭を追いやすい…。

三曲目に、本多俊之編「スペイン」。もちろんあの超絶受け渡しもしっかりと演奏され、曲が終わった後など近くにいた方が「すごい」を連発していたのが思い出される。この曲を聴く楽しみのひとつに、ソプラノ二本の性格の違いがあるが、Jさん&けこっつさんという布陣で、これまた面白い。Jさんのソロは、リアルにアドリブだったのだろうか?前半最後が「マイ・フェイバリット・シングス」で、コナンと同じメンバーでの演奏。私自身も、これまでに何度も本番に乗せたことのある曲だが、今回の解釈は大いに参考にしたい!!evenとswingをいかに切り替え、どのようなテンポで全体の印象を作り上げていくのか…etc.

後半は、「song of life」がさりげなく演奏されたあと、メインプロの「スターウォーズ」。交流会のときも聴いたが、あんなもんじゃないほどにパワーアップ!!ここまで演奏されてしまうとぐうの音も出ない。まるで、四楽章形式のアレグロ~アダージオ~スケルツォ(まあ、今回はマーチだったけど)~アレグロと続く、壮大な交響曲の様相を呈していた。最初の曲では、まさにオープニングというだけあって、おなじみの主題が次から次へと顔を出す、"スペース・オペラ"の序曲。2曲目は、もう今日一番の演奏だったかもしれない。美しい各奏者のソロと、ドラマティックな構成に鳥肌が立つ。後半の2曲は、大人数と音域の広さを生かして、まるでオーケストラのような色彩感だった。

アンコールは、おなじみ「○ンダー○ード」。

2011/10/22

ブルーオーロラSQのCD発売・演奏予定

インドネシアのDiscusなるプログレッシヴ・バンドのセカンドアルバム、「...tot licht!」がマイブーム。1曲目の「System Manipulation」や6曲目の「Anne」なんて、想像を絶するほどに"プログレ"している。

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この度、平野公崇氏がサクソフォン四重奏団を結成したそうだ。メンバーは、平野公崇(ソプラノ)、田中拓也(アルト)、西本淳(テナー)、大石将紀(バリトン)という、まさに精鋭の4名。すでにCD発売といくつかのリサイタルが決定しており、私も聴く機会を楽しみにしているところ。ひとたびサックスを吹けばあのような(?)演奏をする平野公崇氏が、四重奏のソプラノサックスを吹くなんてちょっと想像がつかない。他の3人は室内楽のなかでも吹いているところを聴いたことがあるのだが…。いまからどんな演奏になるか、想像を巡らせておこう。

すでに録音され、オクタヴィアレコードから11月18日に発売されるというCD。Amazonでも予約開始している(→ブルーオーロラSQ「ファースト・ブルー」)。収録曲目は、下記の通り。
B.バルトーク - ミクロコスモスより
A.K.グラズノフ - サクソフォン四重奏曲
P.I.チャイコフスキー - 四季
A.ドヴォルザーク - ユーモレスク
N.リムスキー=コルサコフ - 熊蜂の飛行

まさかのオール・ロシアン・プログラム!!まさかデビュー盤にこの選曲を持ってくるとは、予想の斜め上を行くというものだ。どういった意図があってのことだろうか。ロシアン・プログラムというと、アウレリア四重奏団の「Four Generations of Russian Composers」や、ソロ録音ならばドゥラングル教授の「The Russian Saxophone」が真っ先に思い浮かぶものだが、19世紀後半~20世紀前半に活躍した作曲家のプログラムというのは、少なくともCDとしては思い当たらない。

首都圏で予定されているリサイタルは、2回。

【ブルーオーロラ サクソフォン・カルテット CD発売記念ミニコンサート&トークショウ】
出演:ブルーオーロラ サクソフォン・カルテット
日時:2011年11月6日(日曜)16:00開演
会場:ノナカ・アンナホール
料金:3000円("ご来場のお客様にはブルーオーロラのデビューCDをプレゼントさせて頂きます"とのこと)
プログラム:
CD収録曲目から数曲
問い合わせ&予約:
http://nonaka-actus.com/?pid=35738213

3000円でコンサートが聴けてCDもプレゼントとのこと(お得!)。首都圏近郊にお住まいの方は、いかがだろうか。この日は夜から練習があるので、前半だけでも伺えるかなー。

【ブルーオーロラ サクソフォン・カルテットCDリリース記念コンサート】
出演:ブルーオーロラ サクソフォン・カルテット
日時:2011年12月1日(木曜)19:00開演
会場:浜離宮朝日ホール
料金:一般5000円、学生3000円(当日各500円増)
プログラム:
J.S.バッハ - コラール・プレリュード
P.I.チャイコフスキー - 「四季」より10月
M.ラヴェル - 「クープランの墓」よりプレリュード
A.K.グラズノフ - サクソフォン四重奏団
詳細:
http://www.asahi-hall.jp/hamarikyu/event/2011/12/event897.html

会場が浜離宮朝日ホールというだけでも、食指が動く。平日か…この時期は仕事が再び繁忙期に突入することが予想されるが、業務調整次第かな。CDに収録されていないラヴェルやバッハをやるというのも、面白そう。

2011/10/20

Ensemble international de saxophones "SUNTHESIS"

改めて説明するまでもないが、Ensemble international de saxophones de Bordeauxといえばジャン=マリー・ロンデックス Jean Marie Londeix氏がボルドー音楽院の生徒たちとともに結成したラージアンサンブルである。1977年に結成され、毎年入れ替わるボルドー音楽院の12人の生徒達がサクソフォン(1Sn, 2S, 3A, 3T, 2B, 1Bs)を担当し、ロンデックス氏は指揮を振っている。ロンデックス氏はすでにボルドー音楽院の教授職から退いているが、このアンサンブルは現在でも存在するのだろうか。

そのボルドーアンサンブルのCDだが、これまでに2枚リリースされており、いずれも入手困難な状態である。そのうちの1枚がAmazon.comだったかAmazon.frだったか忘れたが、このCDが中古で売られているのを見つけたときはとても嬉しかったものだ。なにせ、mckenさんのサイトでそのレビューを読んで、ほしい!と思ったのが高校3年生の頃のこと…探し続けて足掛け10年、ついに手に入れた「SUNTHESIS(Quantum QM6901)」だったが、期待通りの素晴らしい内容であった。

Christian Lauba - Les 7 Iles
Michel Fusté Lambezat - Formes Couleurs
Francois Rossé - Spath

ロバ作品は、なんと1988年に川崎で開かれた世界サクソフォーンコングレスでのライヴ録音。ピアニストにYves Josset(J.M.Gouryとの共演でも有名)を迎え、超絶テンションと緊張感で駆け抜ける18分間。このクラスの編成のサクソフォンアンサンブルとしては、間違いなくトップクラスの録音だろう。ちなみに、いわゆる「エチュード」よりも、どちらかと言えば「ルフレ」を熱く激しくしたようなイメージ。

このロバ作品の演奏については、京青さんが送ってくれたプログラムにクレジットが掲載されている。それによると:

Federico Monderci, sopranino…たぶんイタリアで最も活動的なクラシカル・サクソフォン奏者。イタリアサクソフォン四重奏団メンバー。シャンドスにレコーディングされたケックランのエチュード集が有名。
Jean-Michel Goury, soprano…ロバ作品を始めとする現代作品の演奏で有名。いわゆるロバの「9つのエチュード」をCDに全曲録音している。
下地啓二, soprano…国立音楽大学准教授。
Daniel Gauthier, alto…カナダ出身、現在はドイツでAlliage SQのリーダーとして活躍。国際コンクールの審査員も務める。
James Umble, alto…ロンデックス氏の伝記本の編纂者。
William Street, alto…JML国際コンクールのオーガナイザ。
市川豊, tenor…東京サクソフォーンアンサンブル元メンバー。現在は、大井町の青稜中学校・高校で教師をしているそうだ。
Jorgen Pettersson, tenor…この人はすごいですよ。CDが超変態。
上田啓二, tenor…広島文化短期大学講師。
Massimo Mazzoni, baritone…イタリアサクソフォン四重奏団。
Johannes Ernst, baritone…Arte Novaレーベルに録音された協奏曲集が有名。
佐々木雄二, bass…東邦音楽大学助教授。

とまあ、20年を経た現在から考えれば錚々たるメンバーが吹いている。いやー、このソプラニーノがまさか若き日のモンデルチ氏だったとは…とか。ぜひライヴで聴いてみたかった。

他のセッション録音となる2作品も高クオリティの演奏に驚く。1988年12月の録音ということで、コングレスとはさほど離れていない時期だが、残念ながら正確なクレジット情報は記されていない。「Formes Couleurs」での(タイトル通りに)曲ごとに色彩感を変えていくような響きに、特に惹かれた。ロセの、無限回廊にはまり込んでしまったような音世界も、あまりほかでは経験できないものだろう。ロセについては、他のサクソフォン作品を聴いてもイマイチピンとこなかったのだが、そのイメージを払拭するものであった。演奏の素晴らしさのせいもあるかもしれない。

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(追記)

Thunderさんから、コメント欄に情報を頂いた。ぜひご一読を。
元記事で間違っているところを修正しました。

2011/10/19

The influence of jazz elements on Edison Denisov's Sonata

テキサス大学のデジタル・リポジトリから、2004年にOra Paul Haarが著した論文「The influence of jazz elements on Edison Denisov's Sonata for for alto saxophone and piano」を参照可能だ。御存知の通り、アメリカの多くのサクソフォン科の学位審査は、演奏に加えて論文が非常に重要な位置を占めており、相当に気合の入った論文が出てくるものだ。

いくつかはNorth American Saxophone Allianceの論文誌に収録されているが、ネット上をさまよっていると自由に参照可能な形式で落ちていたりして、たまに見つけては内容を楽しんでいる。今回紹介するのは、下記のような内容。

Chapter 1: Influence of Jazz Upon Melody, Harmony and Rhythm
Chapter 2: General Biographical Sketch of Edison Denisov
Chapter 3: Jazz in Soviet Culture and its Influence Upon Edison Denisov
Chapter 4: An Analysis of Jazz Elements Found in the Third Movement of the Sonata for Alto Saxophone and Piano
Chapter 5: Assimilation of Jazz Elements Into Movements I & II

どうです?面白そうでしょう。特にジャズからの影響に着目したものは、寡聞にして知らなかった。デニゾフの論文はこれまでもいくつか出ていて、Joren Cainの1999年の論文や、日本語だと須々木由子さんがかなり体系的な論文を書いている。

ちなみに私の環境では、いくつかの譜例が文字化けしているのが少し残念だった。フォントが組み込まれていないんだろうな…。

2011/10/18

イトゥラルデ「小さなチャルダーシュ」の四重奏版

ペドロ・イトゥラルデ Pedro Iturralde「小さなチャルダッシュ Pequena Czarda」の四重奏版について、なんとなく噂には聞いたことがあったのだが、問い合わせのメールを受け取って調べてみた。

イタリアのAtem Saxophone Quartetの演奏。ちょいと癖がある演奏をする団体だが、私が最も好きな四重奏団のひとつ。


ロンデックスの目録によると、たしかに四重奏版がリストされており、独奏版と同じくReal Musical Editionの出版となっている。インターネットを使ってさらに調べてみると、Real Musical Edition(editorial@realmusical.com)のカタログ番号134206が四重奏版の楽譜を指し示しているとの情報を見つけることができた。取り扱っている楽譜屋さんは、下記を見つけたが…国内で扱っているところはないのだろうか。入手が容易ならば、けっこう人気が出そうなのだがなあ。

もしご存知の方がいらっしゃいましたら、ぜひ教えて下さい。

June Emerson
Intermusica

2011/10/17

演奏会ご案内を2つ

おなじみ、Thunderさんが主宰するサクソフォンアンサンブル・なめら~かの演奏会。ふだんはバリバリのクラシックの演奏を手がけているイメージがあるが、今回はなんとポップス特集(!)。なめら~かさんが演奏する「スペイン」や「ソング・オブ・ライフ」というのは想像がつかないのだが、どんな演奏になるんだろうか。

第11回というところに、その歴史の長さを感じる。私なんかにとっては、とうてい想像することすらできないが…。メンバーが少しずつ変わりつつも、コンスタントな演奏活動を展開するところには誠に恐れ入るばかり。ちなみに、mckenさんもラージステージに出演するそうな。

【サクソフォンアンサンブル・なめら~か第11回定期演奏会】
日時:2011年10月22日(土)19:00開演
会場:横浜みなとみらいホール・小ホール
料金:入場無料(整理券等は不要)
曲目:
L.バーンスタイン - 「ウェストサイド・ストーリー」より
C.コリア/本多俊之 - スペイン
R.ロジャース/真島俊夫 - マイ・フェイバリット・シングス
鳥山雄司/啼鵬 - ソング・オブ・ライフ
J.ウィリアムズ - 「スター・ウォーズ」より

Thunderさんがこの演奏会に寄せたコメントはこちら

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震災復興支援として「一時的な支援よりも、継続した支援」を目的に、宮崎真一さんを中心に継続的に開催されている演奏会。5月にVol.1が、7月にVol.2が開かれ、今回は第3回目となる。第3回は、待ちに待った四重奏団、トラクシオン・アヴァンの登場だ。トラクシオン・アヴァンというと、私にとってはクセナキスやドナトーニをバリバリ吹いているイメージがあって、そんな想像から宮崎真一さんもコワイ人だと思い込んでいたのだが…(?)。

第1回の演奏会に伺い、職人芸的なところと知的なところと大道芸的なところを絶妙なバランスで組み合わせた、サクソフォンでしかできないような素晴らしい演奏をする皆様だということがわかり(笑)、今回のVol.3も楽しみにしているところ。

【ライフ-ワーク プロジェクト vol.03 『ザ・サックス・カルテット』】
出演:トラクシオン・アヴァン(宮崎真一、各川芽、清水いずみ、近藤敬行)
日時:2011年10月29日(土曜)15:00開演
会場:石森管楽器 B1F イヴェントスペース
料金:1000円
プログラム:
F.メンデルスゾーン - 序奏とカプリチオ
E.ボザ - アンダンテとスケルツォ
ドイツ民謡 - 山の音楽家
ほか
協賛:石森管楽器・株式会社シアターサポート
後援:日本サクソフォーン協会
チケットのお問い合わせ:
lifeworkproject@yahoo.co.jp (LIFE-WORK事務局)
03-3360-4970(石森管楽器)

この演奏会に関する宮崎真一さんのブログ記事はこちら

加藤里志さんリサイタル山梨公演

ということで、山梨まで加藤里志さんのリサイタルを聴きに伺った。山梨といえばほうとうと温泉、そして加藤さんのリサイタル!!(ん?)

11時ころに最寄り駅を出発し、まずは甲府へ。"小作"甲府駅前店にて、ほうとうを堪能した。野菜の旨味と味噌味が見事にマッチした南瓜ほうとうが、実に美味。知らなかったのだか、けっこうな有名店のようで…15:00近くに入ったにも関わらず、なかなかの混雑っぷり。続いて、リサイタル会場最寄り駅となる塩崎へ移動。富士山の景観を楽しみながら丘陵地帯を散策し、日帰り温泉"湯めみの丘"へと伺った。源泉かけ流しで、まろやかな泉質を楽しんだ。露天風呂からは、東に富士山、西に太陽が輝く。南アルプスの山の端へとまさに沈みゆく太陽を、温泉に浸かりながら眺めるという贅沢な時間を過ごした。

山梨といえば、長野に帰省するときにいつも通るのだが、じっくりと滞在するのは初めてだったかも。車で来れればもっといろいろ楽しめそうだなあ。温泉というと、長野出身の私としては対抗意識を持ってしまうのだが…(笑)

さて、加藤さんのリサイタルである。ご出身が山梨だそうで、2009年にも山梨でリサイタルを開いており、今回が二回目だそうな。この立地、この会場の広さ(500席)にしては、なかなかの盛況。地元で開くリサイタルって、普段は見えないその人のパーソナルな一面が感じられて、なんだか素敵ですよね。"月の光"をテーマにしたという、コンセプチュアルなプラグラム。詩の朗読や照明やプロジェクタも使いながら、物語のようにコンサートが進行していった。

【加藤里志サクソフォンリサイタル「月の光」】
出演:加藤里志(サクソフォン)、羽石道代(ピアノ)
日時:2011年10月16日(日)18:00開演
会場:山梨県甲斐市「双葉ふれあい文化館」
料金:大人2000円、学生1000円(全席自由)
プログラム:
G.フォーレ - 月の光
C.ドビュッシー - 艶やかな宴
B.マントヴァーニ - 霧雨の狂
C.ドビュッシー - 小組曲
C.フランク - ヴァイオリン・ソナタ

フォーレの「月の光」とドビュッシーの「艶やかなる宴」は間断なく演奏された。温泉に入ったあとのリラックスした身体に染み入る美しい旋律。広い会場に響き渡るサクソフォンとピアノ。実に贅沢な時間であった。ホール後ろに映し出される幻燈が、えもいわれぬ雰囲気を助長していた。

ブルーノ・マントヴァーニの「霧雨の狂」は、聴いたことが無いような演奏であった。冷徹で、音符の一つ一つに至るまで丁寧に計算し尽くされた演奏は、近代フランス…ドビュッシーの流れのなかに置かれてもなんら違和感を感じない。いろんな解釈が可能な作品で、燃さかるような演奏や、光輝くような演奏はこれまでに経験したことがあったが、このまさに月の光を感じさせるタイプは初めてだった。

ドビュッシーの「小組曲」は、まるで古楽器で演奏されるような様式美を感じさせる。ここで加藤さんは、サクソフォンという存在を消し去り、ただひたすらにドビュッシーの和声と旋律を紡ぐことに意識を傾けていた(たぶん)。

休憩後のフランクは、名演奏と呼ぶに相応しい。この曲って、人生の酸いも甘いも知り尽くした演奏家が奏でるところにこそ魅力を感じるのだが(そもそもそういう曲ですよね)、なぜかそのような人生の悲哀を感じさせるような。。。加藤さんの人生経験が豊富なのか、ピアノの羽石さんの人生経験が豊富なのか(笑)というくらい、"素敵な"演奏であった。うーん、不思議。

アンコールはたぶん東京公演でも共通なので書くのを控えるが、「やっぱりこれがないと!」という1曲と、加藤さんの名前にちなんだ1曲が演奏された。最後の曲では、なんとなくホロリとさせられてしまった。うーむ、フランクのあとにこの選曲とは、センスが良すぎるぞ。

演奏会後は鈍行でトロトロと帰ってきたのだが、電車が遅れて帰りついたのは0時を回ってしまった…(苦笑)。

来週は東京公演。この日はいろいろと演奏会日程が被っているのだが、ご興味ある方はぜひ。私はなめら~かに行きます。

2011/10/15

プログレッシブ・ロックへの入り口

プログレッシブ・ロックが好きだ。

…と言っても、ディープなファンの方には申し訳なくなるくらいのつまみ食いっぷりであり、せいぜいELP、キング・クリムゾン、イエス、ピンク・フロイド、レッド・ツェッペリン(これは完全なるプログレとは言えないか…)、ドリームシアター(これはプログレッシブ・メタルか…)、フランク・ザッパ(もはやプログレではないか…)あたりの代表盤を聴いた程度。自分なりにボチボチと楽しみ&少しずつ勉強している。例えば先週末NHK-FMで放送された「今日は一日プログレ三昧、再び」など、自分にとってはとても良い勉強になった。

そもそもクラシック・サクソフォンのCDしか買わない私が、どのようにしてプログレを知るに至ったかと言えば、プログレをアレンジして取り上げたサクソフォンのCDによって、だ(笑)。最初は、プログレだという感覚を持たずに聴き、単純に良い曲だなあと思っているうちによく聴くようになったクチである。その入口となった2枚をご紹介したい。

トルヴェール・クヮルテットの「My Favorite Things(TOCT-8606)」。クラシック・サクソフォンのCDとは言えないが、今になって見返してみると収録曲がいちいちツボである。真島俊夫によるアルバムタイトル曲「My Favorite Things」のスーパー・アレンジに始まり、菅野よう子、宮川彬良、長生淳と、錚々たるメンバーが楽曲提供している。

ここに収録されているのが、イエスの「Roundabout」とキング・クリムゾン「21st Century Schizoid Man」である。イエスの冒頭のギターリフをソプラノサックスの流麗な音色で表現しているのは見事。また、キング・クリムゾンはやりたい放題のスペシャル・アレンジで、原曲の壊れっぷりを見事に表現していると思う。どちらも、楽譜が出版されれば嬉しいのだが。

Sax 4th Avenueの「Delusions de Grandeur(AMP Rec 02)」。アメリカでジョン・サンペンに学んだ門下生によって結成され、リサイタルや放送用録音等の活動を行った。CDとしてリリースされているのはこのアルバムが唯一なのだが、まさに隠れた名盤!mckenさんに紹介してもらったのだが、初めて聴いた時、超絶クオリティのアレンジと演奏に驚いたことを思い出す。

収録されているのは、キング・クリムゾン復活期の「フレーム・バイ・フレーム」と、ELPの「タルカス」。もう何と言っても私がプログレにはまるきっかけとなった「タルカス」である。Cobaがアコーディオンで弾き、上野耕路がピアノで弾き、吉松隆がオーケストラに編曲したこの名曲だが、まさかサクソフォン四重奏で演奏されるとはキース・エマーソンも夢にも思っていなかっただろう。ミサ賛歌がないのが残念だが、他をすべて含む12分間の演奏!CDはやや手に入れづらいが、AmazonでMP3販売されている

2011/10/14

サキソフォックスのとっておき

"サキソフォックス"、待望のセカンドアルバムである。吹奏楽に比べてポップスのレパートリーが圧倒的に少なかったサクソフォン四重奏に、新しい風を吹き込んだサキソフォックス。ここ最近の普及っぷりは、みなさんご存知の通り。何が素晴らしいって、その選曲センス(子どもが楽しい曲、大人が楽しい曲、マニア受けする曲…)、アレンジ(高橋宏樹氏、石川亮太氏という最強のコンビ)、CDがリリースされていること(しかも演奏はQuatuor Bの皆さんのお友達!)である。

Tsukuba Saxophone Quartetでも頻繁に取り上げており、例えば先日の寿大学で演奏している。ときどき参加しているしらこばと音楽団でも、定番のレパートリー。そういえば、学園祭でも天久保オールスターズバンドのサクソフォン・セクションメンバーが、準備中に「ルパン三世」「見上げてごらん夜の星を」を演奏していた。

楽譜の印刷はおそらく電子写真方式。ひとつひとつの楽譜のリリースにとても小回りが効くのだと思う。現在リリース中の楽譜は、この写真の通り(クリックして拡大)。サクソフォン四重奏版"ニュー・サウンズ・イン・ブラス"と言ってしまっても過言ではないだろう。楽譜は数週間単位でどんどんリリースされているので、CDについてもぜひ、1st, 2ndと言わず、3rd, 4th, 5th...と、毎年コンスタントなリリースを望みたいところだ。

さて、CDの話に戻ろう。「サキソフォックスのとっておき(SuperKids SKSF-111012)」というタイトルでリリースされた2ndアルバム、まさに音楽の"とっておきの"おもちゃ箱というプログラミングで、聴く前から期待が高まる。特に、ダッパーサクセーバーズさんによって存在が知らしめられながら、楽譜入手困難ゆえ(現在はそんなことはないが…)一般には広く演奏されていなかった「ズルい女」など、第1回交流会に参加された方は待望のタイトルではないだろうか。

装丁から手抜きなし。表紙は"四重奏"に引っ掛けたルノー・キャトルだし、見開き裏表紙、CDレーベル、裏面にいたるまでサキソフォックスの写真がふんだんに使われている。もちろん、内容も素晴らしい…一曲目「ドレミの歌」から見事なテクニックで魅せるのは、さすがである。

おすすめは、以下のとおり。
「ドレミの歌」…気合いの入り方が凄い。アレンジも素晴らしい。
「トリッチ・トラッチ・ポルカ」…正統派アレンジなのだが、なんだか惹かれた。
「サザエさんメドレー」…Keyが不思議な感じだが、おなじみのメロディがサックスで吹けると思うと…。
「どんぐりころころ」…「こぎつね」風アレンジ(笑)あちらを演奏したことがある方にとっては、ニヤリだろう。
「アンパンマンメドレー」…「アンパンマンたいそう」が入っている時点で、もう買うしかないでしょ。
「津軽海峡・冬景色」…マルゴー(テナー)の演奏がすごい(爆)。「長崎は今日も雨だった」と人気を二分しそうだな。そして全部テナーが旋律(爆)
「ズルい女」…もうこれは鉄板でしょう。かっこいい!途中の「Uooh!(声指定)」のところがどうなっているかは、CDを買ってのお楽しみ。
「Short Shorts」…タモリ倶楽部と言ったほうがわかりやすいか。またまたマルゴー大活躍。
「マルサの女」…まさかこの選曲とは、予想外。「ミュージック・フォー・シネマ」をやった方でも楽しめそうな、おもしろアレンジ。演奏もファンキー。
「ルージュの伝言」…オススメというか、後半の展開が知っている人は知っているサクソフォン四重奏のための名曲「A small dream of a dance」(ご存知ですか?)っぽかったので、思わずコメント。あと、ラフィットのソプラノサックスが素敵。
「Funk de 茶色の小瓶」…これはまた手の込んだアレンジ。スケールからして変わっちゃっているので、ぱっと聴いて原曲がわからないかも。
「旅立ちの日に」…問答無用。小学校時代を思い出したい方にはぴったり。仲間内で吹くだけでも楽しめそう。
「宝島」…あっさり系かと思ったら、演奏はかなりファンキーで、こう来るか、という感じ。

ということで、買いましょう(´∀`)Amazonでも取り扱いを開始している(→サキソフォックスのとっておき)他、版元のスーパーキッズレコードでも購入できる。ちなみに私が買ったのは、予約限定版の録音用スコアブック付きセット(1万円也)。残念ながら、現在ではスコアブックは入手不可能であるようだ。

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(追記)
昨日書き忘れたのだが、唯一のこのCDの不満点は…録音状態がイマイチなこと。なんだか、出来の悪いLPの復刻のような音がして、聴き疲れしてしまう。

そういえば、演奏しているラフィット、ムートン、マルゴー、ラトゥールの名前だが、ボルドーの5大シャトーの名前なのである(ご存知でした?)。足りないのはシャトー・オー・ブリオン。

2011/10/13

Arno Bornkamp plays "The Garden of Love" on YouTube

アルノ・ボーンカンプ氏が、JacobTVの「The Garden of Love」を演奏した動画を、YouTubeで発見した。Gapでのライヴ…ということは、おそらく2年前のギャップ国際サクソフォンセミナーでの録画だろう。確かこの時、ボーンカンプ氏はJacobTV特集と題して、JacobTV音楽の解説、そして「Grab It!」や「The Garden of Love」を含む作品を演奏したはずだ。

「The Garden of Love」は、「Grab It!」の5倍くらい難しい曲であり、ライヴでの演奏は様々な危険が伴うが、さすがの演奏である。惜しむらくは、ちょっと響き過ぎる場所での演奏で、ビデオでは音を捉えきれていないところか。JacobTVの音楽は、やはり響きが幾分抑制された空間でこそ効果を発揮するものだと思う(と、JacobTV自身も語っている)。

2011/10/12

1972~1978年のバンドジャーナル(抜粋)

兵庫県にお住まいのTさんから、1972年~1978年のバンドジャーナルから28冊ぶんのスキャンデータを送っていただいた。貴重な資料をお送りいただき、感謝申し上げる次第。

すでにひと月以上前にお送りいただいて、紹介が遅れてしまったが、まだまだ時間を見つけては目を通している最中である。こうして改めて読むと、バンドジャーナルって本質的には吹奏楽指導者をターゲットとした雑誌なのだなということを、改めて認識する。著名な吹奏楽指導者による対談があったり、楽器のクリニックレポートが掲載されていたり、コンクール情報が掲載されていたり…。いかにも、日本の管打楽器黎明期を象徴するような記事ばかりである。

また、海外奏者の来日情報&レポートは、記事の執筆者自身が心から楽しみにし、楽しんでいる様子が伝わってくる。まだまだ日本の管楽器のレベルが国際クラスに達していなかったころの、海外奏者の来日公演は、まさに最良のお手本であり、そのたびに多くの話題となったのであろう。モーリス・アンドレの来日時なんか、総力を上げての特集が組まれており、なんだか微笑ましくもある(面白い所では、James Houlik氏の来日記事なんてのがある…というか、来日していたことに驚き)。

吹奏楽雑誌ということで、サクソフォン関連の記事を見つけるのは難しいが、阪口新氏、大室勇一氏、石渡悠史氏など、錚々たるメンバーが寄稿している。特に大室勇一氏は、イーストマン音楽院での経験を生かし、吹奏楽に関しても確固たる考えを持っているようだ。対談に参加したり、記事を執筆したり…といったところで、その深い知識・経験に基づいた論理的思考に驚かされる。

ちなみにサクソフォン奏者に絡む部分については抜粋して以前送ってもらっており、ブログでも取り上げた。
http://kurisaxo.blogspot.com/2010/09/bj.html

うーん、一筋縄ではいかない資料だ。すこしずつ読み進めていきたい。

2011/10/11

ボーンカンプ氏の無料CD音源追加

現在作成が進行しているという、田中靖人さんのアルバムが気になる!なんと、プロデューサーがジョン・ハール!→http://yaplog.jp/tanakayasuto/archive/1068

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以前こんな記事を書いた。ボーンカンプ氏が、自身の公式ウェブサイトでソロCD録音を無料配布していたのだ。しかも「Hot Sonate!」「Sonata for the Stringed Instrument: Brahms, Franck, Schumann」という超名盤2枚ということで、各所で話題になったのだが、なんとさらに3枚が追加された。

http://www.arnobornkamp.nl/uk/discografie.html

今回追加されたのは、「Saxophone Sonatas」「Reed my mind」「Adolphe Sax Revisited」という、これまた強烈な3枚。クラシックのサクソフォン吹きだったら、どれも一度は聴いておきたいアルバムばかりだ。以下、簡単な内容の解説と、聴きどころを書いておく。

「Saxophone Sonatas(GLOBE)」…おそらく20代に録音された、サクソフォン・ソロの代表曲集。最初のクレストンから、鮮烈な音色が響く!若さ故の癖のようなものもやや感じられるが、これより5年前に録音されたジョン・ハールの盤ほどではない。ボーンカンプ氏の基本盤として、ぜひおさえておきたいCD。

「Reed My Mind(BVHAAST)」…まず、レーベルがBVHAASTだというところからワクワクしてしまう(爆)。アルトサックスとテナーサックスで演奏される、無伴奏現代作品集。ベリオの「セクエンツァIXb」やシュトックハウゼン「友情に(めずらしくアルトで演奏されている)」といったメジャーどころから、めったに聴く機会のないメファノ「Periple」や野田燎「即興曲」全曲版まで。しかし何と言っても最強なのは、クリスチャン・ロバ「ハード」の演奏。これを聴かずして、無伴奏を語るなかれ。

「Adolphe Sax Revisited(Ottave)」…アドルフ・サックス自身が制作した楽器と、19世紀に制作されたピアノのコンビによる演奏。演奏されている作品も、サクソフォン黎明期の貴重な作品ばかり。聴いて楽しむのもアリだが、どちらかというと研究向きかな。

2011/10/10

Arno Bornkamp plays "Fingers" on YouTube

20年前に演奏されたボーンカンプ氏の動画がYouTubeにアップロードされていた。テナーサクソフォンとオーケストラのための「Fingers」という作品で、若かりしころの(といっても30歳前後か?)ボーンカンプ氏がオーケストラと真っ向から激突する様子を克明に捉えている。しかも会場はコンセルトヘボウ!びっくりした。

以下、動画のInformationをそのまま引用。なかなか強烈な演奏。ハリソン・バートウィッスルの「パニック」を思い出した。
Arno Bornkamp (tenor saxophone) and the Radio Chamber Orchestra conducted by Hans Vonk play 'Fingers' by Geert van Keulen, March 1991, in the Concertgebouw Amsterdam

作品自体は15分程度で、動画後半は芸術省大臣?(どなたかこの方の素性を知っている方、教えて下さい…)のコメント、続いて何かの賞の授与。驚くのはそのあとボーンカンプ氏が吹く短いアンコール!抜粋とはいえ、まさかあの曲をアンコールで吹くとは…と、爆笑してしまった。まあ確かにテナーサクソフォンなら、アリなのか(いや、ない)。

前半


後半

雙峰祭楽しかった~

昨日は1日、某T大学の学園祭"雙峰祭"へ遊びに行った。昼からの天久保オールスターズバンド@松美池ステージでの演奏と、夕方からのK-SQUARE(T-SQUAREのコピーバンド)演奏@第2学群Bistro-GENの2つのステージに参加してきた。

東京駅から始発の高速バスに乗車して、8時20分頃にはつくばに到着。まずは天久保オールスターズバンドの直前確認に参加。あまスタとしては、年間を通して参加人数がいちばん多いイベントではないかな?また、3連休中で来筑しやすいということもあって、すでに卒業したメンバーもたくさん。なかには2年ぶり、3年ぶりくらいに会うようなメンバーがいたり、かと思えば初めて会うメンバーがいたり。そんなところも楽しい。

本番までの空いた時間には、某氏(吹奏楽団時代の盟友)が持ってきたスロヴァキアの民族楽器fujaraの超巨大版とサックスで即興セッションしたり、おしゃべりしたり。出番が近づいて楽器を持って松美池ステージ横に移動すると、吹奏楽団が演奏中。演奏もMCも演出も超かっこよくて、テンションで聴いてしまったー。

セットリストは、以下。

1. Can't turn you loose
2. Lunch Time Party
3. Bunny Hop
4. Don't Stop Me Now
5. あまスタコンチェルト
6. Soul Intro ~ The Chicken
7. Flying Frog
8. 歩いて帰ろう(時間の都合でカット)
9. 銀河鉄道999
10. 勇気100%

いやー、いろいろと盛り上がって、お客さんもたくさんいて楽しかったなー。演奏のソロ陣営も最強。こういうライヴを、固定メンバー無しでできてしまうというのは凄い。確か天久保オールスターズバンドの初回ライヴは2007年6月17日だったと思うのだが、もう4年以上続いていることにびっくりだ。それもこれも、ちゃばさん始めとする運営メンバー、そして、いつもつくば市で参加しているメンバーの、それぞれの活動の賜物か。

松見ステージで演奏した後は、Bistro-GENに移動して友達とパスタとノンアルコールカクテルを堪能。んまかったー。その後、文サ館E室に引きこもってK-SQUAREを軽くさらう。吹奏楽団のサックスパートの方ともおしゃべりしたり、WX-5を貸して触ってもらったり、某Tさんが持ってきたGXRのP10ユニットで遊んだり…。

17:00にはBistro-Genに移動。またまたノンアルコールカクテルを頂きながら(雙峰祭はいつからかアルコール禁止なのだ)、Sさんを中心とした某Coco'sバンド?に聴き入る。素敵ー!

楽器や機材の準備をしていると、あっという間に本番。セットリストは以下。「J.S.B.」~「Fightman」の前半までは、アルトサックスを使ってみた。他は、ぜんぶWX-5&VL70-mで演奏。ちなみに、これがAKAIだったら、またちょっと違う演奏になったりするのだろうか?

Omens of Love
宝島
J.S.B.~Fightman
Truth

まあ、色々と演奏事故が起こりかけたり、最後に笑いの神が降りてきたりと、いろいろあったがなんとかなった(^^;たくさんのお客さんに聴いていただいて、演奏サイドのテンションも上がって楽しかった!

ライヴ後は、T氏に乗せてもらって宿泊場所へチェックイン。つくばに来るとき、ときどきお世話になっている某安宿で、大学からも比較的近いのが嬉しいところ。チェックイン後、すぐに灯禾軒へ。打ち上げ!さらに別の旧知のメンバーも加わって、19:30から23:30まで、なんだかつくばぽい懐かしい感じの超激しい(笑)飲み会を楽しんだ。宿泊場所の門限の関係で、23:30には退席したが、灯禾軒は1:00まで営業!みんなはその時間までいたようで…。

ということで、濃~~い一日だった。演奏も充実していたし、いろんな人とも会えた。楽しかったなー。

2011/10/09

今日はつくばへ

今日はつくばへ。学園祭へ遊びに行く。

アルトサックス(昨日ネックのコルクが剥がれたので、紙で応急措置)と、WX-5 with VL-70mと、一泊ぶんの荷物が重い…。昼から松美ステージにて天久保オールスターズバンドに参加、夕方から第二学群のいつもの場所でT-SQUAREのコピーバンド。

そのまま打ち上げへ参加するのだが、灯禾軒で飲むのも楽しみのひとつだったりする。

2011/10/08

Sonic Art Saxophone Quartetのストリーミングラジオ

ちょっと時間が迫ってきているので、取り急ぎリンク先だけ。私が最も好きな若手四重奏団のひとつ、Sonic Art Saxophone Quartetの新譜が、数曲抜粋されてストリーミング放送されるようだ。日本時間で本日、22:05から(たぶん)。

http://www.swr.de/swr2/programm/sendungen/neues-vom-klassikmarkt/-/id=660574/nid=660574/did=8700972/1104apq/

聴く場合は、リンク先ページの左下の再生リンクをクリックしていただきたい。

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(感想はここに書きます)

The sheet music of "Atom Hearts Club Quartet"

The sheet music (score) of Takashi Yoshimatsu's "Atom Hearts Club Quartet" for saxophone quartet is published with on-demand. Japan Arts is dealing with this material. First, try mail to yoshimatsumusiclibrary@japanarts.co.jp

Enjoy the music!!

tfmさんのブログ紹介

千葉県の大学で室内楽団に所属しながらサクソフォンを吹いているtfmさん。今年に入ってから、ブログやコンサートを通じてお知り合いになった。サクソフォン発表会や角口さんの管打楽器コンクール慰労会などでもお会いしている。そのtfmさん、びっくりするほど濃い情報満載のブログを書いているので、ご紹介したい。

http://saxastfm.blog.fc2.com/

tfmさんのサクソフォンに関する各種イベントへの出現頻度は、私はもちろん、おそらくThunderさんやmckenさんをも上回っているかもしれない(笑)。管打楽器コンクールとその周辺の様子は、主にtfmさんのブログを通じて知ったほどだ。最近でも、私が行くことが出来なかった雲井雅人サックス四重奏団の演奏会などもきちっと押さえ、Thunderさん、mckenさんのブログと共に、サクソフォン関連の情報を収集するための巡回ブログのひとつとなっている。

ブログの開始時期は2011年8月と、まだまだ出来てから日が浅いのだが、その頃からの記事の内容でいったらウチのブログなんかよりよっぽど濃いのではないかな(笑)。今後もチェックしていきたい。

2011/10/07

"寿大学"プログラム考

昨日の寿大学の演奏、どんなプログラミングにすべきかというところを考えるのが大きな課題だった。65歳以上の方限定ということで、"サクソフォックス"シリーズから有名な2曲を選び(「浪花節だよ人生は」と「長崎は今日も雨だった」)、こんなときの鉄板である「四季メドレー」まではあっさり決まったのだが、そこからが大変だった。

まずはオープニング。今回は最終的にサキソフォックスの「こぎつね」を選んだが、もしかしたら「茶摘みによるディヴェルティメント」なども候補としていた。楽譜の入手が遅れたのが痛かった。昭和のポップスは、もう1曲くらいあっても良かったかもしれない。「上を向いて歩こう」のサクソフォン四重奏譜があると知って、出版社まで教えてもらって探したのだが、結局見つけることができなかったのだ。

楽器紹介は、以前聴いたQuatuor Bの演奏会でのステージングを少し参考にさせてもらった。最後に4本の音高の違いを感じてもらうために音階を繋げて吹くところなど、そのまま丸パクリである。話が飛ぶが、さらう時間が十分あれば、やはりQuatuor Bにヒントを得た、ジュークボックス的企画も面白いかも。JSAの民謡楽譜は実に出来が良いため、そちらをジュークボックス的にかけてみるのもアリだなあ。

ひとつポリシーとして、「ぜったい知らない曲、だけどテンションが高い、集中力が高い」というような曲が1つくらいあっても良いじゃない、というところは昔から持っている。知らない曲だとしても、綿密にアンサンブルを合わせて仕上げた演奏から受ける印象は、ライトなポップスを立て続けに演奏するよりはずっと良いだろう…と考えている。今回、ラヴェル「弦楽四重奏曲」と、ピアソラの「乾杯」がその役割だったと思うのだが、これらの曲もまだまだ練習中であるため、まだまだその役割には到達できなかった。

2011/10/05

練馬区"寿大学"でのTsukubaSQ演奏

有給休暇をいただいて(先日も一日分いただいたばかりだが)、練馬区"寿大学"でTsukuba Saxophone Quartetのメンバーで演奏してきた。"寿大学"は、65歳以上の練馬区在住の方を対象とした生涯学習講座のような企画である。詳細はこちら

なんと、まるまる1時間のステージ。選曲・司会原稿・楽器紹介と、普段コンサートで吹くのとはまた違った準備が必要で、いろいろと大変だったが、最終的にはそこそこ良いステージングになったのではないかなー。セットリストは、以下。ラヴェルとピアソラが浮いているが、これは試演の意味もあったため。

ドイツ民謡 - こぎつね
ラヴェル - 弦楽四重奏曲より第1楽章(癒しのクラシック的な感じ)
楽器紹介(さくらのテーマ、幸せなら手をたたこう、365歩のマーチ、Chanson de l'éléphant)
ピアソラ - 乾杯(4本の楽器大活躍的な感じ)
四方章人 - 浪花節だよ人生は
彩木雅夫 - 長崎は今日も雨だった
オムニバス - 四季の童謡メドレー
岡野貞一 - ふるさと(アンコール)

自分のしゃべりの反省:
・もっと前を見る。ビデオを見返したら、30%前、70%原稿だった…
・時々入ってしまう"えー"を無くす
・聞き手が感じる速度は、話し手が感じる速度の1.5倍だと思え

That's Saxophone Philharmony plays "A Song for Japan"

今日は第3回サクソフォン交流会のキックオフミーティングだった。仕事がおしてだいぶ遅れてしまったが、なんとか最後の1時間に参加することができた。委細後日。皆様のご参加を心よりお待ちしております。

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先日のThat'sさんのアンサンブルコンサートでトリに演奏した、「A Song for Japan」の演奏映像がアップロードされた。That's Saxophone Philharmonyのメンバーと、同じコンサートに出演したEspoir Saxophone Orchestra、そしてTsukuba Saxophone Quartetのメンバーも参加している。「A Song for Japan」という楽曲については、以前ブログでも記事を書いた



サクソフォン8重奏版へのアレンジは、Takeyuki Nagano氏による。4重奏版が渡部哲哉氏により制作され、「A Song for Japan」の公式サイトで公開されているが、このアレンジはそれとはまた別のもの。サクソフォンだけの演奏に限って言えば、YouTubeにアップロードされているものの中ではいちばん大きい編成ではないかな。

映像を見返しながら、なんとなくあの演奏した時の印象を思い出してしまった。

2011/10/03

加藤里志さんのリサイタルご案内

雲井雅人サックス四重奏団の演奏会は、仕事のため行けず…(T_T)うーむ、なんか最近このパターンが多いぞ。次回に予定されているというバッハ&マスランカは、絶対聴き逃さないようにしなければ。

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サクソフォンの加藤里志さんから、リサイタルのご案内をいただいた。御存知の通り、洗足学園音楽大学大学を卒業後、前々回の管打楽器コンクールで入賞され、その後各所でご活躍のサクソフォン奏者である。公式サイトはこちら。確か2年前のフェスでご挨拶以来、なかなかゆっくりとお話する機会もないのだが、いろいろなところでお見かけしている。なんと、先日のThat's Saxophone Philharmoyのアンサンブル演奏会にいらしていたとのことで(あるメンバーの方とお知り合いだそうだ)、そこでTsukubaSQの演奏を聴かれてしまったらしい(笑)。

実はきちんとソロの演奏を聴いたことがなく、聴きたいと思っていた機会にちょうどご案内が。これは楽しみ!ちなみに、10月22日はサクソフォンアンサンブル・なめら~かの演奏会とバッティングしているため、思い切って山梨公演に伺うこととした。山梨かー、帰省の度に毎回通るけど、文字通り「通過」で、まともに歩いたことはないな。ほうとう食べてこよ~う。

以下、加藤さんの短いコメントを。

フランスの詩人ポール・ヴェルレーヌの詩「月の光 Clair de Lune」に焦点を当て、その詩に魅せられた19世紀末の作曲家と、その後彼等の歴史を引き継いだフランス人作曲家の作品を演奏いたします。

加藤さんのプログラミングは、毎回ぶれない軸が魅力的だ。私が好むようなサクソフォンの激烈マニアックな部分とはやや重なりが小さいものの、サクソフォンとしてではなく、クラシックの楽器としてのプログラミング。これは純粋なクラシック愛好家の方にたくさん聴いて欲しい。

今回は、「月の光」がテーマだということだが、私なんかは優しい響きよりも「月に憑かれたピエロ」に代表されるような"狂気"とか"冷酷"とかいうキーワードが思い浮かんでしまう。ドビュッシーは「ベルガマスク組曲」や「前奏曲集」ではなく、ヴェルレーヌの詩に基づく歌曲「艶やかな宴」の第1巻(Clair de Luneというタイトルの曲を含んでいる)と、また面白いところを持ってきている。

【加藤里志サクソフォンリサイタル「月の光」】
出演:加藤里志(サクソフォン)、羽石道代(ピアノ)
■山梨公演
日時:2011年10月16日(日)18:00開演
会場:山梨県甲斐市「双葉ふれあい文化館」
料金:大人2000円、学生1000円(全席自由)
■東京公演
日時:2011年10月22日(土)19:00開演
会場:古賀政男音楽博物館「けやきホール」(代々木上原)
料金:大人3000円、学生2000円(全席自由)
プログラム:
G.フォーレ - 月の光
C.ドビュッシー - 艶やかな宴
B.マントヴァーニ - 霧雨の狂
C.ドビュッシー - 小組曲
C.フランク - ヴァイオリン・ソナタ
予約:
http://nonaka-actus.com/?pid=34754865(アクタスセルマージャパン『オンラインショップ』)
Mail : info@satoshi-kato.com
FAX : 044-571-7173
下記情報をMAILまたはFAXでお送り下さい。
◆お名前
◆ご住所
◆連絡先
◆人数(種別)
◆公演場所(山梨・東京)
主催・問い合せ:
加藤里志コンサート事務局:http://satoshi-kato.com/

2011/10/02

帰ってきました! etc.

伊豆~箱根をめぐる家族旅行から帰ってきましたー。いやあ、楽しかった&リフレッシュ。

高校卒業後より長野県を出てしまったため、なかなかこうして家族全員でゆっくり過ごす時間が帰省時以外で取れないのだが、やっぱ重要だよなあ(来年もやりたいな)。写真は友人限定公開でFacebookにアップしたので、お時間あるかたはどうぞ。

それにしても、一日目の宿"いなとり荘"は実に良かった。稲取で宿泊場所をお考えの方、オススメです。ここはまた伺いたい。

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先日ブログにアップしたデファイエの録音の件、メールいただいた方には返信しました!もし届いていない方がいましたら、再度ご連絡いただけますか?

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京青さんほかの示唆で、記事「いろいろなプログラム冊子」について情報を追記・修正した。