【My Favorites Saxophone Solo Concert】
出演:角口圭都(sax)、弘中佑子(pf)
日時:2012年11月17日(土)19:00開演
会場:名曲喫茶カデンツァ
プログラム:
C.ドビュッシー - ラプソディ
C.ロバ - ワークソング
H.トマジ - バラード
M.ラヴェル - 亡き王女のためのパヴァーヌ
A.ヴィバルディ - 四季より
A.ピアソラ - アディオス・ノニーノ
ペンタトニック・スケールに基づいた即興?(アンコール)
津田ホールでモーフィン・カルテットを聴いたあと、神保町へ移動して自衛隊音楽まつりを聴いてきたご一行と合流。私よりも世代としては上になるアマチュアの音楽仲間の皆様で、木下直人さんにお世話になったことのあるという点が共通項。2年ぶりくらいとなる再会を楽しみつつ、ビールをいただきながら1時間半ほどおしゃべり。初めましての方もいらっしゃったが、とても楽しかった。
その後、19:00の開演に間に合うよう本郷三丁目の名曲喫茶カデンツァへと移動。会場に着くと、Thunderさん、けこっつさん、Shunさん、tfmさんなど、お馴染みの方もたくさんいらっしゃっていた。ほぼ満席。新しくて綺麗で、とてもお洒落なスペース。角口さん自身のトークを挟みながら進行。プログラムはリサイタル級だが、会場や進行に、面白いギャップを感じる。
ドビュッシーが始まった途端に、モーフィン・カルテットを聴いてきた印象が抜け落ち、頭がリセットされてしまった。こういった小さい会場では奏者の生の音色が聴こえてくるものだが、とても輝かしい芯のある響きが素敵。抑制されつつも管理されたヴィブラートが心地よく、また瞬間瞬間を聴かせるに留まらない、全体の構成感も見事だ。ピアノの弘中佑子さんもさすがのサポート…エスケシュでの見事なアンサンブルを思い出す。
ワークソングは、これは無伴奏の高難易度の作品で、角口さんが取り上げるという話を聞いてやや意外ではあったものの、きちんと自分のものにしており、圧巻。客席も大いに沸いた。トマジは、これは(トークでも話されていたが)角口さんが4年生のときに、川口リリアで柏原卓之さんのアレンジしたサクソフォン・オーケストラ版をバックに独奏を吹いていたのだった。当時の感想がブログ記事に残っている。そのときもとても感銘を受けたのだが、思い出してなんだか冷静な気持ちでは聴けなかったのだった。
休憩は、アルコールが少々入った身体にパンチを入れるためにコーヒーをいただく。これがかなり効く。
後半は「好きな曲ベスト5に入る」という「亡き王女のためのパヴァーヌ」のサクソフォン・アレンジ版、そしてランパルの演奏を聴いてサクソフォンでの演奏を決意したとのヴィヴァルディ「四季」からの抜粋。「四季」は春1,夏1&3,秋3,冬1だったっけかな。例えば、春や冬の第3楽章なんてどんなふうに聴こえるのだろう。いつかぜひ取り上げてもらいたいものだ。最後の「アディオス・ノニーノ」は、吹っ切れて、楽しそうに演奏していたのが印象的だ。とてもビビビときたアンコール(ペンタトニックの即興風)は何の曲だったのだろう?
安定した技術、美しい音色、プログラミングと、総じてとてもレベルが高い。若くしてこういったレベルの演奏をしてしまうのは、角口さんだからなのか、それとも音楽大学全体のレベルの向上という部分もあるのか。しかし、これでもまだ角口さんは東京芸術大学の大学院を卒業して一年目、そして初リサイタルの時期ということで「角口圭都」という演奏家のポジションを定めつつある、まさにその時期なのだろう。1年後、2年後にどのような演奏をされているのか、ますます楽しみである。
今週末のリサイタル@富山県も、お近くの方はぜひ。詳細はこちらから。
終演後、聴きに来ていた人と出演者で、一緒に写真を撮らせてもらった。
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