2012/11/07

ヴォルフ指揮の戯曲「アルルの女」

アルフォンス・ドーデ Alphonse Daudetの小説「風車小屋便り」に基づく3幕の戯曲「アルルの女」。ジョルジュ・ビゼーが付けたことは有名だが、その戯曲版の「アルルの女」の録音を島根県のF様よりお送りいただいた。アルベール・ヴォルフ Albert Wolff指揮のスタジオ・オーケストラによる録音で、録音年は1955年。イギリスDecca LXT5229, 5230という型番がついている。

F様には、さらに日本語の台本のフルバージョンまで送っていただいた。前奏曲のサクソフォンソロは、有名なグラモフォン盤の解説にもある通り「フレデリの弟(白痴)の動機」とのことで、いったい何を意味するのかサッパリだったのだが、台本を読んでみるとその意見がよく分かる。サクソフォンにとってはこれほど有名、かつ重要な曲であるのに、不勉強でちょっと恥ずかしい。

さて、この録音だが、サクソフォンが随所で魅力的な音を出しているのだ。特にパストラルでの木管合奏とともに奏でられるオブリガードは、これまでに聴いたことのないほど蠱惑的(こわくてき)なもので、まるで上質なワインを味わい、酔わされているような気分になってしまう。すると、誰が演奏しているのだろうということになるのだが、「聴いたことのない音」というのがポイントであり、どうにも判定しかねているところ。最初は、デファイエ氏かなあと思ったのだが、前奏曲の独奏におけるフレージングは、やや凡庸である気もする。

ちょっと探したところ、NMLにもあったので、アカウントをお持ちで気になる方はぜひ聴いてみていただきたい。

※この録音に参加しているサクソフォン奏者が誰なのかご存知の方がいたら、ぜひ教えてください!

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