12/16のことだが、きちんと書いておかなければ。蓼沼雅紀氏のサクソフォーンコンサートを三郷市で聴いてきた。
・蓼沼雅紀サクソフォンコンサート
出演:蓼沼雅紀(sax)、加藤由紀子(pf)、佐藤親悟、河合一富、渡辺秀文(以上指揮)、栗ヶ沢中学校吹奏楽部、六実中学校吹奏楽部
日時:2007/12/16(日)13:30開演
場所:三郷市文化会館大ホール
入場料:全席自由1500円(当日2000円)
プログラム:
・ドビュッシー「ラプソディ」
・C.P.E.バッハ「無伴奏ソナタ」
・ボルヌ「カルメン幻想曲」
・スウェアリンジェン「セレブレーションとグローリー」
・鈴木英史編「ラテン・フィエスタ」
・カーペンター「青春の輝き」
・マッサー&ゴフィン「すべてをあなたに」
・モンティ「チャルダッシュ」
~アンコール~
・きよしこの夜
・ヴィードーフ「サクソフォビア」
・葉加瀬太郎「情熱大陸」
ココスで頼んだ大盛りハンバーグがなかなかサーブされず、なんとドビュッシーに遅刻!時間ぴったりに始まったようで、一曲目をロビーで聴いた。二曲目からホールに入ると、大ホールを埋め尽くすほどのお客さん!そう、今回は蓼沼氏が教えに行っている中学校との共演ということで、家族連れの方が多かったようだ。真っ暗闇の中を、転びそうになりながら進み、10列目ほどの場所を確保。
C.P.E.バッハの「ソナタ」は、最近特にサクソフォン界で流行しているような気がするが、フルートにはない芯のある安定さが、寧ろこの曲をさらに魅力あるものにしているように感じる。ソプラノサクソフォンで吹くと、どうしてもフラジオ音域を使用せざるを得ないが、そんなことを感じさせない見事な演奏だった。真っ暗中でたった一人スポットに浮かび上がって吹いている様子を見るうちに、少しトリップ。
アルトサクソフォンに持ち替えて、ボルヌ「カルメンファンタジー」。もともとはフルートの超絶技巧の見本市のような曲だが、サックスで吹くと、さらに難易度が上がるのはお察しの通り。一音目から、響きがホールを満たした!そう、蓼沼氏の武器は、やはりこの美しい音色だ。言葉では表現しづらいのだが、サックスでこういう倍音の比を持っている人はあんまり聴いたことがない(基音と同じくらいに、何かの音がものすごく響く)。音量は大きくないのだが、とにかく響きがものすごい。アクロバティックな曲奏が続くにつれ、どんどんと引き込まれた。クライマックスでは循環呼吸すらも使いながら、見事なフィニッシュ。大きな拍手。
後半は、栗ヶ沢中学校吹奏楽部、六実中学校吹奏楽部の合同バンドとの共演。まずは、吹奏楽だけでスウェアリンジェンの作品から。ここで上手さに驚いた!特に全国に行ったりするような中学校ではないはずなのだが、出てくる音一つ一つがとにかく確信に満ちていて、聴き手が純粋に音楽と向き合うことができる。うーん、こりゃウチの大学の吹奏楽団より上手いな(笑)クラリネットが比較的正面に見えたのだが、誰一人としてあいまいな指使いをしているような感じは受けなかった。続く、蓼沼氏との共演に向けて期待が高まる。
鈴木氏の「ラテン・フィエスタ」から(蓼沼氏は、ここからマイクを使用…マイクを通したことによる音色は、アルトに関しては意外と普通だった)。ソロのみならず指揮もバンドも熱い演奏で、客席が大いに沸いた。その流れのまま「青春の輝き」に「すべてをあなたに」だなんて、もうプログラム・ビルディングがニクイ!「すべてをあなたに」での、サクソフォンセクションとのスタンドプレイによるユニゾンという演出も、最高でした。
最後は「チャルダッシュ」でにぎやかにしめ、アンコールへ。アンコールもまた、面白かった!「きよしこの夜」などクリスマス色に染まると思えば、「サクソフォビア」で場内が大爆笑の連続するようなプレイをしてみたり、最後は、おお、まさか「情熱大陸」とは!最後も、大きな拍手が送られた。
いやあ、演奏も、演奏会としてもすばらしかったと思う(^^)総じてとにかく楽しいコンサートだったなあ。クラシックでがちがちに固めるのも良いが、こういったコンサートもまた楽しいな。次回のコンサートは、何を持ってくるのだろうか…楽しみだ。
終演後、ロビーで蓼沼氏にご挨拶しようとするも、ホールから出てみると、すでに携帯のカメラ攻めにあっていたのでした(笑)一瞬だけご挨拶して、早々に引き上げた(^^;なかなかのイケメンでもいらっしゃるため、ファンがつきそうですなあ(ここのブログも、このコンサート後、蓼沼氏関連のキーワードでの訪問者がぐっと増えた)。これからの活動にも期待しております。
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