2012/11/26

Special Hand'ling

Lawrence Gwozdz氏がヘンデル作品を取り上げたCDをご紹介。Lawrence Gwozdz氏は、ニューヨーク生まれ。ラッシャー派の高弟のひとりで、のちに南ミシシッピ大学においてサクソフォン科の教授となった。CD録音が多く、ラッシャーに関連した作品をいくつも吹き込んでいる。ご存知のかたはご存知であろう、グラズノフとフォン=コックのオーケストラ版マイナス・ワンCD付き楽譜は、Gwozdz氏によるお手本演奏が付属している。

「Special Hand'ling - The Music of George Frideric Handel(Romeo 7216)」というタイトルで、サクソフォンとハープシコード、チェロという編成。無造作なジャケットに期待も高まる(?)が、CDを再生してみれば聴こえてくるのはまぎれもなくバロックの響きである。控えめなヴィブラートとややこもり気味にも聴こえる純度の高い音色は、まさにラッシャー派のスタイルそのものであり、嬉しくなってしまった。

ヴァイオリン・ソナタ ホ長調 Op. 1, No. 15, HWV 373(ミュール編)
リコーダー・ソナタ ハ長調 Op. 1, No. 7, HWV 365(ミュール編)
ヴァイオリン・ソナタ第5番 ト短調 Op. 1, No. 10, HWV 368(ミュール編)
組曲第5番 ホ長調 HWV 430 - 第4楽章(ラッシャー編)
フルート・ソナタ ホ短調 Op. 1 No. 1b, HWV 359b(ミュール編)
ヴァイオリン・ソナタ第7番 ニ長調 Op. 1, No. 13, HWV 371(ラッシャー編)
ヴァイオリン・ソナタ第6番 ヘ長調 Op. 1, No. 12, HWV 370(ラッシャー編)

淡々と演奏されるが、音色や音量が現代サクソフォンのそれとはかけ離れているため、弦楽器やハープシコードともかなり良いバランスである(それでももちろんサクソフォンの存在感が一番だが)。ミュール氏やデファイエ氏のスタイルだと、こうはいかないだろう。トリルがかかる部分なんて、とても魅力的な音がする。編曲は、ミュール氏、ラッシャー氏、それぞれを使っているというのも面白い。

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