2014/07/31

Scaramouche with Russian Folk Orchestra on YouTube

Chromecast購入してみた。これはなかなか面白い!(テレビがないのに面白いということは、テレビがあればもっと面白いのだろう)

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動画の紹介が多いが、決して手抜きではなく、ロンデックスコンクールの最中に見つけたが紹介しきれなかったものを取り上げているのだ。ご容赦願いたい。

ロシアの演奏映像からひとつ。ダリウス・ミヨー「スカラムーシュ」だが、ロシアの民族楽器オーケストラとの共演である!ORCHESTRA ACADEMIC RUSSIAN FOLK INSTRUMENTSというバンドだそうだ。編曲は誰が行ったのだろう?2013年の大阪国際室内楽コンクールでメニューイン金賞を得たトリオ「国境なきクラシック」の演奏で観たことのある楽器が含まれているような。

独奏は、ЖИВО АЛЕКСАНДРさん(で良いのかな)。実に面白く個性的な響き、また何よりソリストが楽しそうなのが良い!

第1楽章


第2楽章


第3楽章

ミシャ氏、コレゾフ氏によるプーランク「トリオ」 on YouTube

フランスのサクソフォン奏者、作曲家であるジャン=ドニ・ミシャ Jean Denis Michat氏(ソプラノ)と、ロシアの俊英、セルゲイ・コレゾフ Sergey Kolesov氏(テナー)による、フランシス・プーランク「トリオ」のサクソフォン版。

ミシャ氏とコレゾフ氏とは…意外な取り合わせだが、ある意味世界最強クラスのコンビではないだろうか。どきりとする新鮮な解釈も多く、とても楽しめた。ピアノの音色も、いかにもロシアスタイル、という感じで良いですな。



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コレゾフ氏と言えば、最近こんな動画を見つけた。ベダール「ファンタジー」の、サクソフォン+オルガン版。なぜこの曲をオルガンとやろうと思ったのだろう。。。

David Brutti氏のミニリサイタル at Sax.co.uk

イタリアのサクソフォン奏者、ディヴィッド・ブルッティ David Brutti氏の、Sax.co.ukというロンドンのサクソフォン販売店におけるミニリサイタルの模様がYouTubeにアップロードされていた。取り上げられている作品は、以下。

Terry Riley - Dorian Reed
Andrea Agostini - gli atomi che s'accendevano e radiavano
JacobTV - The Garden of Love

演奏は素晴らしいもので、独特のヴィブラートを持ちながらもテクニックや歌心が素晴らしく、ついつい聴き入ってしまうのだ。



前もブログに書いた気がするが、この方とは選曲の趣味が非常に合いそうな気がしている(笑)

2014/07/30

ローラン・テシュネ「即興:内的ソルフェージュ」

東京芸術大学助教授、桐朋学園音楽大学講師である、ローラン・テシュネ Laurent Teycheney氏の小論文「即興:内的ソルフェージュ」をご紹介。

サクソフォン的視点として興味深いのは、即興演奏家として、平野公崇氏が取り上げられていること。インタビューもあるなど、内容としてなかなか面白い。

http://www.lib.geidai.ac.jp/MBULL/33Teycheney.pdf

http://www.lib.geidai.ac.jp/MBULL/34Teycheney.pdf

一部引用する。

…大きな問題に、作曲された作品は、いったいどのようなアプローチで演奏すべきかという問題があります。
 考えなければならないことに、作曲家の意図、作品の持つスタイルや時代・背景などがあります。また、演奏者である自分自身の感性が感じるところもあります。特に悩むのは、それらは決しておいそれとは共存してくれないことにあります。
 作品をどこまでも理解することに努め、そのためには己の価値観を封印し、あくまで作曲者の求めているものや、スタイル等にどこまでも近づけていく事が正解なのか?それとも、あくまで自分個人の価値観を世に主張することが最大の目的であり、そのためには作品は単なる素材、或いは手段であり、楽譜上に書かれている事はガイドに過ぎず、どこまでも自分の持っているフィーリングに近い演奏が出来るようにするために変えていってしまうべきなのか?或いはその両方なのか?或いはそのどちらでもないのか?
 この答えは一つではないでしょうし、沢山の価値観が存在すると思いますが、音楽とはそれを一生かけて見つけていく作業とも言えるかもしれません。多くの経験を積む中で少しずつ分かっていけば良いことなのかも知れません。が、多くの学生がテクニックや楽譜や作者についての知識を与えられて、それだけで終わってしまい、そこに自分の感性をどう反映させれば良いかがわからないまま終わってしまうのが現状のように思います。…

即興演奏とは、この課題に対する答えとなりうる、というのが、インタビュー中での平野氏の主張である。なんとなく共感を覚えるのは、私も無意識に同じような悩みを抱えているからなのだろうか。

2014/07/28

List of Lauba's Etudes for saxophone

1. Balafon [A.Sax]
2. Savane [A.Sax]
3. Sanza [A.Sax]
4. Jungle [A.Sax]
5. Tadj [S.Sax]
6. Gyn [T.Sax]
7. Vir [T.Sax]
8. Ars [2 S.Sax]
9. Bat [B.Sax]
10. Hard too Hard [T.Sax]
11. Stan [B.Sax & Tape]
12. XYL (Balafon2) [A.Sax]
13. Cadenza (for Glazounov's Cocerto) [A.Sax]
14. Massaï [A.Sax & T.Sax]
15. Worksong [A.Sax]
16. Kabuki [S.Sax]
17. Clouds [A.Sax & Tape]
18. Arak [S.Sax]
19. Partyta [S.Sax]
20. Twins [2 B.Sax]
21. Bumble Beebop [A.Sax]
22. Bebop [A.Sax]
23. Pent [A.Sax]
24. Flamenco [A.Sax]
25. Salsa [A.Sax]
26. Banjo [A.Sax]
27. Morna [A.Sax]

先週末は…

土曜日は友人宅に日本酒と料理と楽器を持ち寄っての会合。10時間に及び、さらにアナと雪の女王のDVDを2回リピート。面白かった。

日曜日は、TSQ練習。「シャコンヌ」「レシテーション・ブック」を本格的に合わせ始める。12月まで、時間があるようで、意外と時間が足りない。個人練もますますスピードアップして進めなければ。

2014/07/27

ご案内(今日):Unknown Saxophone QuartetSalon Concert

サクソフォンつながりのお知り合いというかお友達の方々が出演するカルテットの演奏情報。なんと今日の夕方!ということで、直前のご案内となってしまったが、お時間ある方は伺ってみてはいかがだろうか。

私は残念ながら別件のため伺えずm(_ _;)m

【Unknown Saxophone Quartet Salon Concert】
7月27日 アート・カフェ・フレンズ(恵比寿)19:30Start(18:00 Open)
プログラム:
ギリシャ組曲(イトゥラルデ)
ミッション・インポッシブルのテーマ(シフリン)
ウェスト・サイド・ストーリー メドレー(バーンスタイン) 他
ミュージックチャージ:一般 3000円(+1st drink 500円)
学生 2500円(+1st drink 500円)

2014/07/24

Magazine spécial Saxophone

France musiqueにて、アドルフ・サックス生誕200年記念の特別番組(ネットラジオ)が公開中。フランス語ということで、何を言っているのかわからないのが心苦しいのだが、なかなか長時間の内容で充実したトークが展開されているであろうことが窺える(苦しい、笑)。

http://www.francemusique.fr/emission/le-magazine/2013-2014/magazine-special-saxophone-07-01-2014-12-30

上記リンクに飛んで、「ÉCOUTER L'ÉMISSION」というボタンをクリックすると、聴くことができる。リンク先ページのコピペだが、下記の作品の録音が流れる。なかなか素敵なセレクトだ。

♪Georges Bizet
Extrait de l'Arlésienne
Berliner Philharmoniker
Dir : Herbert von Karajan

♪Jules Moremans
Extrait de la Fantaisie
Jules Moremans

♪Rudy Wiedoeft
Extrait de la Sarabande
Rudy Wiedoeft

♪Jacques Ibert
Extrait du Concertino de chambre
Marcel Mule, saxophone

♪Charlie Parker - Dizzy Gillespie
Groovin High
Charlie Parker

♪Thierry Pécou
Extrait de Nanook Trio
Trio Saxiana

♪Luciano Berio
Extrait de Chemin 4
Ensemble Quaerando

♪Philippe Geiss
Extrait de Medina
Philippe Geiss

♪Thierry Pécou
Extrait de la Machine délirante

2014/07/23

宗貞啓二先生のグラズノフ on YouTube

小川卓朗氏のFacebookタイムラインより。

大森義基指揮エリザベト音楽大学サクソフォーンラージアンサンブルとの共演で、宗貞啓二先生演奏のアレクサンドル・グラズノフ「サクソフォン協奏曲」。編曲者は良くわからないが、やはりJ.M.ロンデックス氏のアレンジだろうか(追記:宗貞先生のアレンジとのこと)。



圧倒的な演奏である。宗貞氏の演奏の素晴らしさを一言で言い表すのは難しいが、強靭なフレージングや、曲のスタイル毎の演奏の変化、そして高密度の音色といったところが印象深い。"動かざること山の如し"とも形容できるような演奏する姿だが、聴こえてくる音楽は実に魅力的だ。

ちなみに、会場は「エリザベト音楽大学 セシリアホール」とのことだが、ホールの豪華絢爛さにも驚いた。

2014/07/22

TIME誌のマルセル・ミュール:アメリカツアー記事

サクソフォン奏者のマルセル・ミュール Marcel Mule氏は、1958年、シャルル・ミュンシュ率いるボストン交響楽団のアメリカ国内ツアーに同行し、イベール「コンチェルティーノ・ダ・カメラ」ならびにトマジ「バラード」を客演奏者として演奏した。アメリカの多くの聴衆に感銘を与え、アメリカ国内におけるクラシカル・サクソフォンの地位向上に寄与したことはよく知られている。

そのコンサートについての、TIME誌上の記事である。写真としてネット上に落ちていたものを、書き起こしてみた。後日時間があったら翻訳してみたいが、それほど長くない文章であるので、ご用とお急ぎでない方はぜひお読みいただきたい。ミュール氏が、いかに当時の聴衆を熱狂させたかが良く分かる。驚いたことに、あのポール・デスモンドがコメントを寄せている。ジャズ・サクソフォンという地平から観測したクラシカル・サクソフォンの凄さを端的に述べており、一読の価値あり。ちなみに、文中に出てくる「Serious」という単語は、真面目な、とか厳粛な、とか訳すのが普通だが、敢えて「本物の」と(批判覚悟で)訳すと、文章が持つパワーが伝わってくると思う。

記事の最後にミュール氏はこのように述べている。少し脚色して訳すと、次の内容となる。

「私には、ひとつの使命があります。人々に、本物のサクソフォンとはどういうものなのかを知ってほしいのです。今こそ、本来の姿を失ったサクソフォンの中に、かつてこの楽器が持っていた高潔さが見出されるべきなのです。」

この言葉をミュールが語ったのが1958年。それから50年以上が経つ。ミュール氏が思い描いていた"未来の"サクソフォン界の在り方は、どのようなものだったのだろうか。

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1958年2月10日発行 TIME誌

Serious Sax

When Belgian Instrument Maker Adolphe Sax stuck a reed into a conical brass tube and patented the hybrid in 1846, he contributed a new instrument to the military band. In time his saxophone traveled across the Atlantic, became a mainstay of jazz. But the saxophone has always had its strict classical disciples. Last week one of the best and most influential of them. France's Marcel Mule, made his U.S. debut with the Boston Symphony Orchestra and convincingly demonstrated just how good the serious alto sax can sound.

Saxophonist Mule chose for his debut program the works of two contemporary French composers - Jacques Ibert's Concertino da Camera and Henri Tomasi's Ballade. What the audience heard was an open, evenly controlled sound that could sing with a clean vibrato or a finely trimmed staccato, swell robustly and solidly with no trace of the breathy "air sound." Under Mule's scurrying fingers, the saxophone sometimes took on the quick sheen of strings, or the water-clear inflections of the flute, or the warm quality of the bassoon. Gone were the wah-wahs and wobbles, the slithers and wails of the pop saxophonist.

Jazzmen scorn most classically trained sax players, but frequently dig Mule, Says the Dave Brubeck Quartet's Paul Desmond, a brilliant alto-sax artist: "He has the quality of purity. He's made the sax sound good, which no other legit sax player has done." In the 1920s, onetime Schoolteacher Mule served in the Garde Republicaine, which has French's finest military band. He studied the few orchestral works for saxophone then at hand, including Richard Strauss's Domestic Symphony, Bizet's L'Arlesienne. After a brief flirtation with jazz, Mule formed a serious saxophone quartet "for which there was no music."

Although a few composers, among them Ibert, Arthur Honegger and Darius Milhaud, have since written for the saxophone, serious Saxophonist Mule, 56, still feels like a man without a musical country. It pains him to hear of abuses such as those practiced by the rock 'n' roll players who put chewing gum in the sax to dull its glorious tone. Mule notes sadly that even at the Paris Conservatory, where he is professor of saxophone, most of his students graduate into jazz or military music. "I have one mission in line," he says. "That is to make people take the saxophone seriously. It's time they discovered the nobility of this spoiled instrument."

2014/07/20

4th JML Int'l Competition: 全日程終了

昨日、第4回ジャン=マリー・ロンデックス国際サクソフォンコンクール The 4th Jean-Marie Londeix International Saxophone Competitionの本選における順位が決定し、タイ・フィルハーモニックとともに披露演奏会が行われて閉会となったようだ。関係者のみなさま、おつかれさまでした。また、第1位受賞の松下洋くん始め、入賞者のみなさま、また、入賞こそのがしたものの各ラウンドで健闘のみなさま、おめでとうございます&おつかれさまでした。

1999年、フランス・ボルドーで開かれた第1回コンクール(平野公崇氏が第1位受賞)以来の、日本人の第1位受賞:松下洋くん、ならびに第4位受賞:伊藤あさぎさん、というのは、日本のサクソフォンの歴史の上で、とても意義深く重要なことだ。クラシック・サクソフォンの演奏は、コンクールの結果が全てではないが(実際、松下洋くんも伊藤あさぎさんも、この規模の国際コンクールでタイトルを取るのは初めてだと思うが、今までだって十分すぎるほど素晴らしい活動をしているのは周知の通り)、それでも日本のサクソフォン界が得たひとつ大きなものであることは間違いない。

個人的な趣味として、一次予選で、まだ音になっていない作品を含む、無伴奏のいくつものステキな演奏を聴けたのが良かった。世界トップクラスだと思われる演奏もあり、演奏者の覇気を感じる演奏が多かった。また、二次での演奏は、多くが完成されており、やはり名演と呼ぶにふさわしい演奏が散見された。

Adolphesax.comチームの仕事は今回も素晴らしく、いくつかの理由によりストリーミング中継が不可能と知るや、各演奏直後のYouTube即時アップロードへと切り替えがなされ、またAdolphesax.comのFacebookページでは各ラウンドでの結果の速報も出され、遠隔地からほぼリアルタイムで結果を知ることができた。ほぼボランティアのようなもので、我々はもっと彼らに感謝すべきと思う。

最後に、松下洋くんの入賞者披露演奏会の模様を貼り付けておく。アンコールは「あの曲」…なんて素敵だろう!


いつものまとめページ日本語版・英語版も、時間を取って作成する予定。

さあ、今年はあと、管打楽器コンクールとディナンのコンクールである!特にディナンは、Adolphesax.comのチームが現地入りするとのことで、今回の如く詳細に追っていきたい。

2014/07/19

4th JML Int'l Competition: 本選(ファイナル)結果

第4回ジャン=マリー・ロンデックス国際サクソフォンコンクール The 4th Jean-Marie Londeix International Saxophone Competitionの本選の結果が出た。

第一位:松下洋
第二位:Angel Soria Diaz
第三位:Philip Pierick
第四位:伊藤あさぎ
第五位:Don-Paul Kahl

2014/07/17

演奏会情報:サクソフォン2本とピアノによるコンサート

横井くんと梅沢さんとちあきさんのトリオコンサート。横井くんも梅沢さんも、同じアマチュアながらどちらもソロ・リサイタルを開催するほど。先日のサクソフォン交流会では、長生淳「パガニーニ・ロスト」を演奏していたが、見事であった。千暁さんの素晴らしさは、もはや言うまでもなく、である。

残念ながら私はこの日東京におらず、聴きに行くことができない。ご盛会を祈念する次第。

【サクソフォン2本とピアノによるデュオ&トリオ コンサート】
出演:梅沢洋、横井彬士(以上sax)、大嶋千暁(pf)
日時:2014年7月20日(日)18:00開演
会場:アーティストサロン "Dolce"
料金:¥1,000(全席自由)
プログラム:
A.ウェニアン - ラプソディ
M.ブルッフ - コル・ニドライ
M.シュルード - Renewing the Myth
J.カントルーブ/伊藤康英 - オーヴェルニュの歌第1集
長生淳 - パガニーニ・ロスト
F.プーランク - トリオ 他
問い合わせ:
TEL:03-5909-1771(ドルチェ楽器)
Mail:saxophone_ume@yahoo.co.jp(梅沢)

2014/07/16

ウズメカルテットによる"Reach Out"と"Le bal"

ウズメ・サクソフォン・カルテット(Quatuor de saxophones Uzumé、Uzumé Saxophone Quartet)は、パリ国立高等音楽院在籍・卒業の日本人奏者によって結成されたサクソフォン四重奏団である。2013年に結成され、同年10月にはパリ国立高等音楽院の室内楽科第一課程入学試験にカルテットとして合格。Jens McManama氏の下で研鑽を積む。メンバーと基本担当楽器は下記の通り。

安井寛絵, saxophone soprano
外山舞, saxophone alto
井上ハルカ, saxophone tenor
本堂誠, saxophone baryton

そのウズメカルテットだが、これまでライヴはもちろん録音等でも聴く機会がなく、どのような演奏をするか非常に気になっていた。…と思っていたところに、なんとYouTubeに録音(残念ながら映像ではないが…)がアップされた。さっそく聴いてみたが、音色や発音の独特な軽やかさとともに、日本人的な感性(決め所でピタリと合う感じ)も交えた、素晴らしい演奏である。

藤倉大「Reach Out」…なんと寛絵さんはソプラニーノパートも全てソプラノで吹いているとのこと!


ティエリー・エスケシュ Thierry Escaich「Le Bal」…特に、ダイナミクスと発音の見事さに強く惹かれる。すごい!


いつかライヴで聴ける機会を楽しみにしたい。

2014/07/15

4th JML Int'l Competition: ファイナリストの皆さんの経歴

第4回ジャン=マリー・ロンデックス国際サクソフォンコンクール The 4th Jean-Marie Londeix International Saxophone Competitionのファイナリスト5人それぞれの経歴を簡単に調べてみた。併せて、二次予選への動画のリンクを張った。皆、何かしらウェブやらブログやらfbページやら持っているのは、時代を感じますね。

Angel Soria Diaz(スペイン)
1987年、スペイン生まれの奏者。バレアレス諸島音楽院を経て、バーゼル音楽院に入学。マルカス・ワイス Marcus Weissに師事し、修士号を得た。現在はサラマンカ音楽院教授。Sigma Project等に参加。
ウェブ→http://www.angelsoria.com/
F.シュミット「伝説」
B.マントヴァーニ「霧雨の狂」

Philip Pierick(アメリカ)
1987年、アメリカ生まれの奏者。イーストマン音楽院でチェン・クヮン・リン Chen Kwan Linに、イリノイ大学でデブラ・リッチマイヤー Debra Richtmeyerに、ブーローニュ音楽院でジャン=ミシェル・グーリー Jean Michel Gouryに師事。第3回ロンデックスコンクールでセミファイナリスト。Ogni Suono Saxophone DuoでNoa Evenとともに活動。
ウェブ→http://philpierick.wix.com/philpierick
E.デニゾフ「ソナタ」
B.マントヴァーニ「霧雨の狂」

松下洋(日本)
日本の奏者。1987年ソウル生まれ。洗足学園音楽大学を主席で卒業し、東京藝術大学大学院に在学中。第3回ロンデックスコンクールでセミファイナリスト。2012年より年一回のペースでリサイタルを開催。サクソフォンを堺武弥、原ひとみ、原博巳、池上政人、林田祐和、須川展也の各氏に師事。第26回江戸川区新人演奏会オーディションに管楽器第1位、第1回いちのみや音楽コンクール第一位、第3回ロンデックスコンクールでセミファイナリスト。
ブログ→http://blog.goo.ne.jp/youcrossgun
A.デザンクロ「PCF」
野平一郎「アラベスク3」

伊藤あさぎ(日本)
日本の奏者。東京藝術大学卒業、同大学院修士課程修了。パリ国立高等音楽院第二課程を修了。メイヤー財団より奨学金を得るほか、平成23年度文化庁新進芸術家海外研修員。サクソフォンをを長瀬敏和、冨岡和男、平野公崇、クロード・ドゥラングル、クリストフ・ボワの各氏に師事。第2回ロンデックスコンクールでセミファイナリスト。第25回日本管打楽器コンクールサクソフォン部門第2位。第3回パリサクソフォンコンクール第1位。
ウェブ→http://itoasagi.com/
E.デニゾフ「ソナタ」
P.ルルー「SPP」

Don-Paul Kahl(アメリカ)
1989年、アメリカ生まれの奏者。サスケハナ大学で学士号を得た後、フロリダ大学でジョナサン・ヘルトンに師事して修士号を得、ブーローニュ音楽院でジャン=ミシェル・グーリー Jean Michel Gouryに師事。アメリカ国内で、フロリダ・コンチェルト・コンペティション他数多くのコンクールで入賞。
ウェブ→http://www.donpaulkahl.com/
E.デニゾフ「ソナタ」
野平一郎「アラベスク3」

2014/07/14

4th JML Int'l Competition: 二次予選通過者(ファイナリスト)決定

Adolphesax.comのFacebookページに、第4回ジャン=マリー・ロンデックス国際サクソフォンコンクール The 4th Jean-Marie Londeix International Saxophone Competitionの二次予選通過者(ファイナリスト)速報が掲載されていた。

Angel Soria Diaz, Spain
Philip Pierick, USA
Yo Matsushita, Japan
Asagi Ito, Japan
Don-Paul Kahl, USA

みなさんの本選での健闘を祈りたい。日本人は、松下洋くん、伊藤あさぎさんが本選に残った。

(追記)Finalists Announcementsの動画より。ステージ上のスクリーンに本選出場者の名前がリストされている。

2014/07/13

4th JML Int'l Competition: 二次予選選択曲(List2)の割合

本日、そして明日、第4回ジャン=マリー・ロンデックス国際サクソフォンコンクール The 4th Jean-Marie Londeix International Saxophone Competitionの二次予選が開かれている。

Shyen Lee氏(マヒドール大学・サクソフォン科教授)の、JMLコンクールのFacebookページへの書き込みを見ると、次のようなタイムスケジュールにて進行するようだ。二次予選参加者全員の健闘を祈りたい。特段、日本からの参加となる伊藤あさぎさん、日下部任良さん、松下洋さん、中島諒さんには、ぜひ健闘いただきたいところである。

July 13
09:00 A. Pin-Hun Chen, Taiwan
09:45 B. Piyaphon Asawakarnjanakit,Thailand
10:30 C. Robert Bob Eason, USA
11:15 D. Asagi ITO, Japan
13:30 E. Xabier Casak Ares, Spain
14:15 F. Xin Gao, China
15:00 G. Luo Jie Luo, China
15:45 H. Chi Chihim Chik, Hong Kong
16:30 I. Kittikun Kittikun Jungate, Thailand
17:15 J. Kusakabe Tadayoshi, Japan
19:00 K. Pierick, Phil USA
19:45 L. Yo Matsushita, Japan
20:30 M. Don-Paul Kahl, USA
21:15 N. Alvaro Collao León, Chile

July 14
09:00 O. Ryo Nakajima, Japan
09:45 P. Sean Mix, USA
10:30 Q. Elisa Urrestarazu Capellán, Spain
11:15 R. Wisuwat George W. Pruksavanich, Thailand
13:30 S. Adrian Adrián Piñeiro Aspres, Spain
14:15 T. Kaiju Kay Zhang, Austrailia
15:00 U. Angel Soria Diaz, Spain
16:00 Jury Meeting and Announce the finalist

さて、二次予選選択曲List2の選択割合である。マントヴァーニが最も多く、次いで平義久、野平一郎とルルーが同数となる。野平一郎「アラベスク3」や平義久「Penombres VI」のいずれも、確かに素晴らしい作品であるが、こうやって国際コンクールの場で課題曲として指定されているのを見ると、作品としての評価の高さを実感し、やはり日本人として嬉しくなってしまう。

このグラフは、セミファイナリストの割合のみをカウントしているが、一次で惜しくも敗退となった参加者も含め、全体を参照すると、マントヴァーニと野平一郎が同数(ともに20人が選択)で、最も選ばれていた。次いで、平義久(14人)、ルルー(10人)となっている。Rojkoは2人、Rosseは1人である。この割合の中、二次にRojkoとRosseを選択したプレイヤーが残ったのは、より多くの選択曲を聴けるという意味で、興味深いことである。

2014/07/12

4th JML Int'l Competition: 二次予選選択曲(List1)の割合

第4回ジャン=マリー・ロンデックス国際サクソフォンコンクール The 4th Jean-Marie Londeix International Saxophone Competitionの二次予選では、下記List1から1曲、List2から1曲をそれぞれ選択し、演奏する。

List 1.
- Légende (version for alto saxophone and piano) by André CAPLET (Resolute Music Publications)
- Légende op. 66 (alto saxophone) by Florent SCHMITT (Édition Durand)
- Sonate (alto saxophone, with Finale by JML), by Paul HINDEMITH (Édition Schott)
-Prélude, Cadence et Final (alto saxophone) by Alfred DESENCLOS (Édition Leduc)
-Sonate (alto saxophone) by Edison DENISOV (Édition Leduc)
-Chant Premier (tenor saxophone) by Marcel MIHALOVICI (Édition Heugel)
-Music for tenor saxophone by William KARLINS (Southern)

List 2.
- L'incandescence de la bruine (soprano saxophone) by Bruno MONTOVANI (Édition Lemoine)
- SPP (soprano saxophone) by Philippe LEROUX (Édition Billaudot)
- Arabesque 3 (alto saxophone) by Ichiro NODAÏRA (Édition Lemoine)
- Pénombre VI (alto saxophone) by Yoshihisa TAÏRA (Édition Transatlantiques)
- Godba (alto saxophone) by Uros ROJKO (Édition Drustvo Slovenski)
- Silence for a disturbed yell (baritone saxophone) by François ROSSÉ (Édition Paquelet)

二次予選進出者の、選択曲List1の選択割合をグラフ化してみた。デニゾフ「ソナタ」、デザンクロ「PCF」、シュミット「伝説」と、サクソフォンの世界では古典とされながら、高い基礎力と音楽性が要求される作品が並んだ(ミハロヴィッチは少しびっくりしたが…そういえば第2回で第5位入賞したV.Daoud氏は、二次予選も本選もミハロヴィッチだったような)。演奏しつくされたこれらの作品ゆえ、これまでのコンクールでは、次のステージに進むような方の演奏は超名演となる場合が多く、そんなところも楽しみにしている。

4th JML Int'l Competition: 審査員の経歴

第4回ジャン=マリー・ロンデックス国際サクソフォンコンクール The 4th Jean-Marie Londeix International Saxophone Competitionの審査員の経歴を、簡単に紹介。オグバーン氏、ヴィッカーズ氏、ヴィラ氏の名前は、恥ずかしながら初めて聞いた。

http://www.music.mahidol.ac.th/jmlisc/en/jury.php

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審査委員長:ジャン=マリー・ロンデックス Jean Marie Londeix

サクソフォン奏者、サクソフォン研究家。1932年にフランス・ボルドーで生まれ、パリ国立高等音楽院でマルセル・ミュールに師事し、審査員全員一致の一等賞並びに審査員特別賞を得て卒業。600回以上のコンサートに出演、献呈された作品は250に及ぶ。ボルドー音楽院で教鞭を執り、多くの後進を育成した。…という、ありきたりな文章で書ききれないほどの経歴を持つ大御所の一人。現在の、どころか、史上最高のサクソフォン研究者の一人ではないかな。ちょっとワケありで最近いろいろとロンデックス氏とメールをやりとりしているのだが、その話はまたいつか。

コーディネイター:ウィリアム・ストリート William Street

ミシガン州デトロイト出身のサクソフォン奏者。ノースウェスタン大学、ボルドー音楽院、Catholic Universityより学位を得る。NASA(North American Saxophone Alliance)の会長職、世界サクソフォンコングレス国際委員会職などを歴任。 カナダのアルバータ大学において教授職にある。近年では、International Saxophone Quartetのメンバーとしてたびたび来日しており、お馴染みの方も多いだろう。

審査員:ジェームズ・J・オグバーン James J. Ogburn

アメリカ出身の作曲家・指揮者。セントラル・ワシントン大学で学士号を、ピッツバーグ大学で修士・博士号を得、タイ・バンコクのマヒドール大学で教鞭をとる。作曲家としては、北京現代音楽フェスティバルや第16回サクソフォンコングレスなどで、多くの奏者によって新作が演奏されている。指揮者としても、タイ・フィルハーモニックを始めとする数多くの団体の演奏会に招聘される。

審査員:ジェフリー・E・ヴィッカーズ Jeffrey E. Vickers

アメリカのサクソフォン奏者。ミシシッピ大学で学士号を、インディアナ州立大学で修士・博士号を得た。現在はSouthern Arkansas Universityにて講師を務めている。自身の演奏会では特に現代作品を中心に取り上げ、これまでにクリスチャン・ロバ、イダ・ゴトコフスキーら、多くの作曲家とコラボレーションする。セルマー・アーティスト、ならびに、リコー・アーティスト。

審査員:マリー=ベルナデット・シャリエ Marie Bernadette Charrier

フランスのサクソフォン奏者。ナント音楽院、ボルドー音楽院で学び、現在は母校のボルドー音楽院で教鞭をとる。世界各国の音楽祭に頻繁に招かれ、これまでにソリストとして、また自身が音楽監督を務めるプロキシマ・ケンタウリのメンバーとして、世界15カ国以上での演奏経験、マスタークラス講師としての経験がある。独奏、ならびに室内楽のCD録音も多い。

審査員:マルカス・ワイス Marcus Weiss

スイスのサクソフォン奏者。バーゼル音楽院とノースウェスタン大学に学び、現在はバーゼル音楽院のサクソフォン科、室内楽科で教鞭をとる。アメリカ、フランス、オーストリア、ドイツ、日本などでマスタークラスを開催。XASAXにおける長期に渡る活動を知っている方も多いだろう。Musiques Suissesを始めとする数多くのレーベルへの録音は、特筆すべきものがある。

審査員:ロドリーゴ・ヴィラ Rodrigo Vila

スペインのサクソフォン奏者。ボルドーのジャック・ティボー音楽院で学び、現在はスペインのBalearic Islands音楽院で教鞭をとる。ヨーロッパを始め世界各国で演奏・マスタークラスを開くほか、オーケストラへの客演も多い。

2014/07/10

4th JML Int'l Competition: 一次予選通過者(セミファイナリスト)決定

Adolphesax.comのFacebookページにて、第4回ジャン=マリー・ロンデックス国際サクソフォンコンクール The 4th Jean-Marie Londeix International Saxophone Competitionの一次予選通過者(セミファイナリスト)がたった今公開された。予定では20名だったが、甲乙つけ難く21名になったとのこと。

Piyaphon Asawakarnjanakit,Thailand
Xabier Casak Ares, Spain
Pin-Hun Chen, Taiwan
Chi Chihim Chik, Hong Kong
Alvaro Collao León, Chile
Robert Bob Eason, USA
Xin Gao, China
Asagi ITO, Japan
Luo Jie Luo, China
Kittikun Kittikun Jungate, Thailand
Don-Paul Kahl, USA
Kusakabe Tadayoshi, Japan
Yo Matsushita, Japan
Sean Mix, USA
Ryo Nakajima, Japan
Pierick Phil, USA
Adrian Adrián Piñeiro Aspres, Spain
Wisuwat George W. Pruksavanich, Thailand
Angel Angel Soria Diaz, Spain
Elisa Elisa Urrestarazu Capellán, Spain
Kaiju Kay Zhang, Australia

二次予選での皆様の健闘を祈りたい。日本人の通過者は、伊藤あさぎ氏、日下部任良氏、松下洋氏、中島諒氏の4名。

2014/07/09

4th JML Int'l Competition: 一次予選選択曲(無伴奏現代曲)の割合

第4回ジャン=マリー・ロンデックス国際サクソフォンコンクール The 4th Jean-Marie Londeix International Saxophone Competitionの一次予選における、参加者の無伴奏現代作品の選択割合をグラフにしてみた。ボルドー産で、今や無伴奏現代作品の定番であるクリスチャン・ロバ Christian Lauba氏の作品を中心に、先鋭的作品が並ぶ…と、15年前ならそう言ったかもしれないが、もはや「バラフォン Balafon」「ジャングル Jungle」あたりは"古典"と呼んでも差し支えないほどに、世界中で演奏されまくっている。それを裏付けるような、この「バラフォン」「ジャングル」への偏り具合である。

「バラフォン」「ジャングル」が筆頭に来ることは予想できていたが、次に何が来るのかわからなかった。なんとBalafon2こと「XYL」が!曲全体の構成感やアピール度など、人気が出る理由は分からなくもない。「フラメンコ Flamenco」も、今回のYouTube動画で初めて聴いたが、良い曲ですよね。そういえば、クリスチャン・ロバ氏は一次予選の動画をずいぶんと観ているようで、気に入った演奏?についてはロバ氏自身のFacebookのウォールからYouTubeへのリンクを張っている。なかなか面白い。

こういった場で比較的新しい作品を取り上げてしまう参加者の冒険心のようなものには、恐れ入る。そういった挑戦には個人的に心からの拍手を送りたい。ここまでに、未だ聴いたことのないクリスチャン・ロバ「Arak」や、ティエリー・アラ Thierry Allaの「Discoidal」も気になっている。

以下、文字情報として内容をベタ貼りしておく。Unknownとなっているのは、プログラム冊子の無伴奏現代作品の欄に、なぜかカルク=エラートの楽章名が書いてあったため、わからなかったもの。

Lauba/Balafon.......18
Lauba/Jungle........14
Lauba/XYL............8
Lauba/Flamenco.......7
Lauba/Tadj...........6
Havel/Oxyton.........3
Lauba/Steady Study...2
Unknown..............2
Alla/Discoidal.......1
Lauba/Arak...........1
Lauba/Bebop..........1
Lauba/Hard too Hard..1
Lauba/Kabuki.........1
Lauba/Savane.........1
Lauba/Vir............1

さて、一次予選は明日までとなり、セミファイナリスト(一次予選通過者)の発表も明日に予定されている。果たして誰が通過するのか…興味津々だ。

4th JML Int'l Competition: 一次予選選択曲(Karg-Elertのカプリス)の割合

第4回ジャン=マリー・ロンデックス国際サクソフォンコンクール The 4th Jean-Marie Londeix International Saxophone Competitionの一次予選における、参加者のジークフリート・カルク=エラート(エレルト?) Sigfrid Karg-Elert「25のカプリス 作品153」の選択割合をグラフ化してみた(画像はクリックすると拡大)。

1人あたり2曲選択しなければならないのだが、組み合わせについては考慮せず、純粋に選択された数でカウントした。また、プログラム冊子中の表記として数字と曲のタイトルが不一致していたものについては、曲のタイトルを正しい情報と捉えてカウントしている。

25もの曲があればほとんどバラけるかなあと思っていたのだが、まあ「1. Preambolo」が多く選択されるのは腑に落ちるとして、「13. In modo misolidio」「7. Toccata」「12. Ciaccona」が数多く選択されているあたりが面白い。組み合わせという観点で分析したらその理由もわかるかもしれないが、さすがにそこまではしないでおく(というか、組み合わせを分析し始めて何かしらの傾向を掴み始めるならば選択曲の数に対して母数が圧倒的に不足している)。

カプリスの各曲には、次のような名前が付けられている。参加者は、カプリス各曲の性格を考慮した上での2曲の選択(参加要項原文:Choice of saxophones at the discretion of the candidate based upon by the character of the Caprices)が求められているようだ。

no 1, Preambolo 'Molto veloce'
no 2, Valse languide 'Non troppo allegro'
no 3, Consolation 'Larghetto con molto espressione'
no 4, Corrente 'Allegro veloce'
no 5, Giga 'Presto'
no 6, Rag 'Molto vivo'
no 7, Toccata 'Allegrissimo e leggierissimo-Brilliante'
no 8, Ondina 'a piacere'
no 9, Arlecchino 'Allegro burlesco'
no 10, Cubana in modo frigico 'Moderato'
no 11, In modo lidio 'Alla marcia'
no 12, Ciaccona 'Tema con 21 variazioni-Finale'
no 13, In modo misolidio 'Tempo di Bourr e-un po' mosso'
no 14, In modo frigico 'Alla Sarabanda-gajo risvegliato'
no 15, Alla burla 'Vivacissimo'
no 16, Piccola danza elegiaca 'Moderato'
no 17, Valse d'amore 'Non troppo allegro'
no 18, Ib rienne 'Brioso'
no 19, Tarantelle e Sizilienne 'Prestissimo possibile-Andantino'
no 20, In modo dorico 'Quieto'
no 21, Studio 'Vivace'
no 22, Leggenda 'Andante sostenuto-un poco piu mosso'
no 23, Tanghetto 'Tempo ordinario-Finale brioso'
no 24, Papillon 'Allegretto, leggierissimo possibile'
no 25, Metamorfosi 'Tema in 8 metamorfosi'

今の今まで知らなかったのだが、CDにもなっているようだ。→25 Caprices & Sonata 演奏は、ベルリン出身のサクソフォン奏者、クリスティアン・ペータース Christian Petersによる。このCDについてはmckenさんのサイトに紹介があった(さすがだ!)。

4th JML Int'l Competition: 初めて聴くロバ作品

第4回ジャン=マリー・ロンデックス国際サクソフォンコンクール The 4th Jean-Marie Londeix International Saxophone Competitionの一次予選が進行中。一次予選の選択曲割合については、今まとめている最中なのだが、無伴奏現代作品の選択曲では、クリスチャン・ロバ Christian Lauba氏の作品が大きな割合を占める。「バラフォン」「ジャングル」が多いようだが、初めて音を聴く作品があったのでご紹介しておく。

ここでご紹介するのは3曲だが、いずれもタイトルとして掲げられている音世界を無伴奏サクソフォンで見事に表現した作品ばかりだ。ロバ氏の底知れぬ才気を感じ、やはり無伴奏現代作品でロバ氏のものほどはなかなか稀であるな、と実感する。せっかくなので、日本人参加者による演奏を貼り付け。各演奏については、まだ一次予選進行中ということもあり、特定の演奏についてはノーコメント(下記に挙げた以外の演奏もできる限り聴いているが、健闘している方ばかりだと思う)。

フラメンコ Flamenco (演奏は丸場慶人氏)


カブキ Kabuki (演奏は中島諒氏)


ビバップ Bebop (演奏は松下洋氏)

2014/07/08

4th JML Int'l Competition: 参加者の国籍割合

第4回ジャン=マリー・ロンデックス国際サクソフォンコンクール The 4th Jean-Marie Londeix International Saxophone Competitionの一次予選における参加者の国籍割合をグラフにしてみた(画像はクリックすると拡大)。中国・タイを筆頭に、日本、スペイン、アメリカ、オーストラリア、カナダ、台湾…が続く。以前に比べると全体の参加人数は減少した(78→67)。アジア圏からの参加割合が増加している。特に、中国からの参加者は以前の5人に比べて11人と、アジアのサクソフォン界の近年の発展を示すような状況に、驚くと同時に少し怖くなるのだった。

参加者の国籍割合は、PDFファイルで公開されているプログラム冊子から情報を引き出してきた。スクリプトを使って参加者データをCSVファイルに落とし、Excelで読み込んでグラフを作成している。

スクリプトはPerlを使って1時間くらいでサクっと書いたものなので、コードは汚いしバグもあって恥ずかしいことこの上ないのだが、誰か使いたい人がいるかもしれないので置いておく(お手持ちのプラットフォーム用の処理系を用意して自由にご利用ください)。プログラム冊子のPDFファイルを、Adobe Readerを使ってテキストファイルに変換、$input_file = "<ファイル名>"でそのテキストファイル名を指定すると、$output_file = "<ファイル名>"のcsvファイルが出力される。

元データに表記の揺れがあり、完全な状態にはできないが、そこは何卒、手修正でお願いします…。全てを手作業で抽出するよりは楽なはず…。もしくは、どなたかデバッグしてくれると嬉しいなあ(ボソ)。

$input_file  = "Londex-londex2014-web.txt";
$temp_file1  = "_temp1.txt";
$temp_file2  = "_temp2.txt";
$output_file = "output.csv";
@item = ("Name", "Nationality", "Date of Birth", "Music institution \(s\) attended", "Names of Principle Teachers", "Award", "Awards", "Professional Positions", "Profession Positions", "Professional Position", "The First Eliminatory Round", "The Second Eliminatory Round", "Final Round with orchestra", "List 1", "List 2" );

open(IN, $input_file);
open(OUT, "> $temp_file1");
while() {
 if ( $_ =~ /^\d{2}\s\n|^\s\n/ ) {
 } else {
  chomp;
  print OUT $_;
 }
}
close(IN);
close(OUT);

open(IN, $temp_file1);
open(OUT, "> $temp_file2");

while() {

 foreach $i (@item) {
  $_ =~ s/$i:/\n$i:/g;
 }
 print OUT $_;
}

close(IN);
close(OUT);

open(IN, $temp_file2);
open(OUT, "> $output_file");

while() {
 chomp;
 if ( $_ =~ /Name: / ) {
  print OUT "\n\"$_\",";
 } else {
  print OUT "\"$_\",";
 }
}

close(IN);
close(OUT);

unlink ($temp_file1);
unlink ($temp_file2);

2014/07/07

4th JML Int'l Competition: 一次予選録画が順次公開中

本日より第4回ジャン=マリー・ロンデックス国際サクソフォンコンクール The 4th Jean-Marie Londeix International Saxophone Competitionの予選が開始。ライヴ・ストリーミングは、残念ながらいくつかの理由により実施が困難な状況にあるとのことだ。

その代わり、Adolphesax.comチームは録画した動画を演奏終了後からできるだけ早く("as soon as the participants play"と書いてあった)YouTubeへのアップロードを試みているとのこと。この仕事の早さには驚きで、おかげでほぼリアルタイムで現地の演奏の様子を知ることができ、感謝の念に絶えない。

アップされた動画は、下記リンクより参照することができる。

http://adolphesax.com/en/the-broadcasting-londeix/eliminatory-round-videos-londeix

2014/07/06

4th JML Int'l Competition: いよいよ明日から予選

NHKのニュースでモルゴーア特集やってたみたい。かっこいいなあ。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140703/k10015714101000.html

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さて、第4回ジャン=マリー・ロンデックス国際サクソフォンコンクール The 4th Jean-Marie Londeix International Saxophone Competitionの開幕である。サクソフォン奏者のための、国際的に有名な登竜門の一つとなっているこのコンクール、果たして今回は誰が入賞をかっさらっていくのか、興味津々。また、日本からも多くの奏者が参加しており、彼らの活躍も期待してしまうところ!

本日はジェネラル・ミーティング、一次予選は明日からとのこと。プログラム冊子のPDF版が公開され、下記Facebookページよりダウンロード可能となっている。近日中にまとめページを作成予定。

https://www.facebook.com/groups/jmlisc

また、Adolphesax.comのチームにより、今回も全編がストリーミング中継される予定。ストリーミング中継のページは、下記リンクより辿っていただきたい。スケジュールはまだウェブ等で発表されていない…かな?

http://adolphesax.com/en/j-m-londeix-2014-eng

一次予選課題曲は次の通り。奏者は、List1から2曲、List2から1曲を演奏する。

List1
- 25 Capricen op. 153a (1929) by Sigfrid KARG-ELERT (1877-1933).
List2
- One of « 9 Études » for solo saxophone by Christian LAUBA (Alphonse Leduc Music Publications
- Hard too Hard (tenor saxophone) by Christian LAUBA (Alphonse Leduc Music Publications)
- Xyl – Balafon II- (alto saxophone) by Christian LAUBA (Alphonse Leduc Music Publications)
- Kabuki (soprano saxophone) by Christian LAUBA (Alphonse Leduc Music Publications)
- Arak (soprano saxophone) by Christian LAUBA (Resolute Music Publications)
- Partyta (soprano saxophone) by Christian LAUBA (Resolute Music Publications)
- Bumble Beebop (alto saxophone) by Christian LAUBA (Resolute Music Publications)
- Bebop (alto saxophone) by Christian LAUBA (Resolute Music Publications)
- Flamenco (alto saxophone) by Christian LAUBA (Édition Resolute Music Publications)
- Steady study on the boogie (alto saxophone) by Christian LAUBA (Éditions Billaudot)
- Oxyton (baritone saxophone) by Christophe HAVEL (Éditions. P.J. Tonger - Germany)
- Strata (tenor saxophone) by Colin LABADIE (http://www.colinlabadie.com/strata.html)
- Discoïdal (tenor saxophone) Thierry ALLA (Resolute Music Publications)

2014/07/05

M.アイシェンヌ「カンティレーナとダンス」をvn, va, pfで on YouTube

ヴァイオリン、サクソフォン、ピアノのための作品といえば、何を思いつくだろうか。

イダ・ゴトコフスキー「トリオ・リリック」、マリリン・シュルード「静けさの中で…」ディヴィッド・デボア・キャンフィールド「ソナタ・アフター・ブラームス」、ラッセル・ピーターソン「トリオ」くらいだろうか。エルワン・シュルホフが「ジャズ・コンチェルティーノ」なる作品を書いているようだが、音を聴いたことはない。やや外れたところでは、加藤昌則「オリエンタル」(作品リストからは外れているが、ヴァイオリン+サクソフォンがオリジナル)だろうか。

ということで、あまり思いつかないのだが(笑)、おそらく一番有名な作品が、マルク・アイシェンヌ Marc Eychenne氏の「カンティレーナとダンス Cantilene et Danse」であろう。アイシェンヌは1933年、アルジェリア生まれの作曲家である。ヴァイオリン奏者としても活躍し、アルジェリアとフランスで数多くのリサイタルを開き、またフランスの放送録音演奏への参加も多かったという。「カンティレーナとダンス」は、1961年の所産。

その「カンティレーナとダンス」を、ヴァイオリン、ヴィオラ、ピアノで演奏したという動画の存在を、マンハッタン音楽院在学中のLee Wonkiさんに教えていただいた(ありがとうございます!)。


※リンクを知っている人のみ公開の限定公開動画ではあるが、ここへの掲載は大丈夫とのこと。

素晴らしい演奏ではないか!技術的に超高レベルであることは疑いがなく、各楽章の性格をきっちりと表現している。さりげないフレージングも素敵。個人的には、弦楽器ならではの熱さに感銘を受けた。オリジナル編成ではないにしろ、今後もし「カンティレーナとダンス」のオススメ演奏を聴かれたら、私はこれを推奨することになるだろう。

さらにこれを聴いて思ったのは、やはりAlto(ヴィオラ)とアルト・サクソフォンって近い位置にいるのだなあ、ということ。ミヨー「世界の創造」での、アルト・サクソフォンのAlto的な使われ方や、ヒンデミット「ヴィオラ・ソナタ」をアルト・サクソフォンで演奏した時のハマり具合などを聴き、そのように思っていたが、それを再認識した。特に、息の長いメロディにおけるサクソフォンの存在感は、弦楽器にも負けていないのだろう。

2014/07/04

Quatuor Axone - Musique francaise pour quatuor de saxophones

Quatuor Axoneは、フランスの、比較的若いサクソフォン四重奏団である。メンバー全員がパリ国立高等音楽院のサクソフォン科を卒業し、さらに四重奏としても同音楽院の室内楽科第3課程を修了している。公式ページはこちら(→http://www.quatuoraxone.com/)。メンバーは、以下の通り。ジェロー・エトリヤール氏は、アドルフ・サックス国際コンクールでの入賞経験もあり、さらにギャルド・レピュブリケーヌ吹奏楽団のメンバーでもあるため、名前を知っている方も多いのではないだろうか。

Gurvan Peron, soprano saxophone
Geraud Etrillard, alto saxophone
Cedric Carceles, tenor saxophone
Martijne van Dick-Jansen, baritone saxophone

Quatuor Axoneは、メイヤー財団の出資によりCollection Jeunes Solistesシリーズ(第3課程の優秀修了者にCD制作の権利が与えられる…というようなコンセプトだったはず)にもCDを吹き込んでいる。以前、バリトンのMartijneさんにそのCDを送っていただき、それ以来愛聴盤である。

今回ご紹介するのは、「Musique francaise pour quatuor de saxophones(Indesens INDE053)」という商用盤。フランスの伝統的な四重奏作品と、現代作品が同居するプログラミングに期待が高まる。

Eugene Bozza - Andante et Scherzo
Sebastien Beranger - Axiomes (Maqam II)
Gabriel Pierne - Introduction et Variations sur une ronde populaire
Regis Campo - Tintamarre
Sylvain Griotto - Les fils du metal

ボザ、ピエルネ、といった作品は、技術的に完成されており、さらにその向こう側を期待してしまう。往年の名アンサンブルを聴いた時に感じる「聴くだけ耳が飽和してくるような」印象はさすがにないが、隅から隅まで丁寧に作りこまれた録音として、価値は高い。現代におけるボザやピエルネの演奏として、耳にしておくべき内容だ。

同時代の作品のほうはどうだろう。ベランジェ作品は、重音を始めとする特殊奏法をふんだんに盛り込んだ緊張感の高い作品。ちなみに、スコアを作曲家のページからダウンロードできるので、ぜひお試しあれ。…と、ここまでは普通なのだが、カンポ作品でその踊りだしてしまいそうな愉悦感に魅了され(やはりカンポ氏の作品は楽しい!)、そしてグリオット作品では、「メタル」の名前の通りの、まるでメタルロックをそのままサクソフォン四重奏に落としてきたような、ファンキーな響きに、良い意味で予想を裏切られた。これはすごいや。

AmazonではMP3販売しているみたい→Musique française pour quatuor de saxophones

H.ヴィラ=ロボス「ファンタジア」作曲の頃

エイトル・ヴィラ=ロボス Heitor Villa-Lobos「Fantasia ファンタジア」について、イサカ大学サクソフォン科Steven Mauk教授が書いた記事の一部を訳してみた。なかなか面白い。

http://faculty.ithaca.edu/mauk/docs/villalobos.pdf

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ユージン・ルソー氏の著作「Marcel Mule: His Life and the Saxophone(Etoile Music, 1982)」には、ミュールがヴィラ=ロボスと会った時のことを回顧している部分がある。

ヴィラ=ロボスとは、私がまだ20代の頃に会った。私はそのころすでにたくさんの演奏をしていたが、まだ音色の拡張のためにヴィブラートを導入する前であった。私たちは意気投合し、その頃ヴィブラートを使っていなかったにも関わらず、ヴィラ=ロボスは私の音色を気に入ってくれた。あるオーケストラの客演指揮者としてヴィラ=ロボスが招かれていた時、私はそのオーケストラで吹いていたのだ。彼はとても神経質な男で、時折オーケストラの楽員が手を抜くと、激怒するのであった。
その後再びヴィラ=ロボスはパリを訪れたが、その時もサクソフォンを含む作品を演奏した。その頃、私は音色の拡張のためにヴィブラートを導入していた。ヴィラ=ロボスは、それをとても気に入ったようだった(原文:did not at all hide the fact that he liked it.)。ヴィラ=ロボスの多くの作品がサクソフォンを含んでいることを知っているでしょう?
そして数年後、ヴィラ=ロボスは「ファンタジア」の自筆譜を私に送ってきた。「ファンタジア」は、私に献呈されていた。

ヴィラ=ロボスは、ソプラノサクソフォンと3つのホルン、そして弦楽合奏のために、1948年に「ファンタジア」を書いた。そのため、ミュールはその頃にその譜面を受け取っているはずである(フルスコアに"1948年ニューヨークにて"という注釈がついている。またピアノリダクション版に"1948年リオにて"という注釈がついている)これが合っているのか間違いなのかは良くわからず、オーケストラ版がニューヨークで、ピアノリダクション版がリオデジャネイロで書かれたかどうかも、よくわからない。ルソーのインタビューは次のように続く。

ルソー:「ファンタジア」を演奏したのですか?
ミュール:いいえ。何人かの指揮者と交渉したのですが、誰も興味を示しませんでした。私自身も、いまいちこの作品に興奮しませんでした。
ルソー:自筆譜を持っているのですか?
ミュール:いいえ。どこにあるかわかりません。パリからサナリー(訳注:ミュールはパリでサクソフォンを吹いていたが、引退後、サナリーへと移住した)へと引っ越した時、多くのものを失くしてしまったのです。
ルソー:ヴィラ=ロボスとは文通していましたか?
ミュール:はい。しかし、彼の手紙をわたしはもう持っていません。

1948年は、ヴィラ=ロボスにとって特別な年だ。この年、ヴィラ=ロボスは膀胱がんと診断され、ニューヨークのニューヨークメモリアルスローンケタリングがんセンターで手術を受けた。この年にヴィラ=ロボスが作曲した作品を見ると、声楽とピアノのための4つの作品(そのうちの1曲「ビッグベン」と呼ばれる作品はオーケストラのためにも編曲されている)、1つのピアノ協奏曲、そしてこの「ファンタジア」を書いている。ほとんどが伝統的なクラシックの編成のために書かれたなか、ヴィラ=ロボスが非常にめずらしいソプラノ・サクソフォンのために作品を書いたことは特筆に値する。しかも、初演の計画もミュールからの委嘱もない、という状況において!

David P. Applebyによれば、「ファンタジア」の初演は1951年11月17日、Waldemar Szilmanをサクソフォン独奏に迎えて、ヴィラ=ロボス指揮の室内楽オーケストラによって、リオデジャネイロの Auditório do Ministério da Educação e Culturaにて行われた。

Peer International(現在のSouthern Music傘下)が1963年に本作品を出版した。ミニチュアスコアは売り譜、パート譜はレンタル譜で利用可能。ピアノリダクション版には「Fantasia for soprano or tenor saxophone and chamber orchestra」と書かれている。オーケストラスコアには、「Fantasia for Saxophone, 3 F Horns and String Orchestra」と書かれ、「B-flat saxophone」という指示があるのみである。

ここでひとつの疑問が生じる。ヴィラ=ロボスは、この作品がテナーサクソフォンで演奏されることを想像していたのだろうか?ミュールという、史上最も偉大なソプラノサクソフォン奏者の一人に献呈されたことから、ソプラノサクソフォンを念頭において作曲されたと推測される。実際、オクターヴ下のテナーサクソフォンで演奏されると、可愛らしさや繊細さに欠けるように思う。テナーサクソフォンの指示が追加されたのは、単に出版社の経済上の都合かもしれない。1963年当時、ソプラノサクソフォンでクラシックを吹く奏者はごくわずかであったから、同時にテナーを編成に加えたのかもしれない。

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以上。

2014/07/02

わたせひでひこ 奇聞屋フルートライブ Vol.24

【わたせひでひこ 奇聞屋フルートライブ Vol.24】
出演:渡瀬英彦、池田さく子(fl)、大宅裕(pf)
日時:2014年7月2日 19:30開演
会場:奇聞屋
プログラム:
F.クープラン - 恋のうぐいす
F.クープラン - 小さなGigue
A.ヴィヴァルディ - 小品集より
W.F.バッハ - フルート二重奏より第1楽章、第2楽章
坂本龍一/木下正道 - 美貌の青空
A.ヴィヴァルディ - ピッコロ協奏曲より第2楽章
F.ドップラー - ハンガリー田園幻想曲
R.シューマン - 3つのロマンス
C.L.S.シャミナード - コンチェルティーノ
B.エヴァンズ - My Bells(アンコール)

毎月第一水曜日に開かれる渡瀬英彦先生の奇聞屋ライヴ、本日はピアノの大宅裕さんを迎えて、知る人ぞ知る室内楽団、Duo Brusselでの演奏がメインとなった。前半は、トレヴァー・ワイ氏の編曲した小品を中心に、さらにデュオも交えての比較的軽めなプログラムであったが、後半は何があったのか超弩級プログラム。油断ならないとはこのことだ!ドップラー、シューマン、シャミナードとは、そのままリサイタルとなってもおかしくないレベルだ。鮮烈な演奏…ぜひ次はコンサートホールのような場所でも聴いてみたいものだ。

坂本龍一作品ではフルート+バスフルート+ピアノという編成であった。この3本が共鳴したときの、得も言われぬような音色、いや雰囲気か?は、これまでほとんど体験したことのないような、身体にダイレクトに響くものであった。

2014/07/01

サクソフォーンアンサンブルの会 第30回演奏会

サクソフォン交流会の録音の整備終わった\(^o^)/送付は他の事務局メンバーにお任せ。

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交流会の次の日に伺った演奏会。TSQの12月の演奏会チラシも挟み込んだぞ。

【サクソフォーンアンサンブルの会 第30回演奏会】
出演:サクソフォーンアンサンブルの会、原博巳(客演sax)
日時:2014年6月29日(日曜)14:00開演
会場:牛込箪笥区民ホール
プログラム:
H.ヴィラ=ロボス/圓田勇一「ブラジル風バッハ第一番」
H.ヴィラ=ロボス/新実信夫「ファンタジア」
坂井貴祐「アリオーソとトッカータ」
光田健一「サクソフォン五重奏のための抒情組曲"エウロパ"」
福島弘和「アンティフォナ」
J.ノレ「気まぐれな組曲」
C.M.シェーンベルク/新実信夫「レ・ミゼラブル」
J.マヌーキアン/新実信夫「アルメニアン組曲」
A.I.ハチャトゥリアン「剣の舞」+α

開演前にチラシを挟み込み、空いた時間でUさんとともに近くの"くるり"というラーメン屋さんへ。美味!そしてボリュームも!

プログラム冊子には、「第30回演奏会に寄せて」とのことで、石渡悠史先生、宗貞啓二先生のコメントが掲載されていた。ななな、なんと豪華な。…と思ったのだが、サクソフォンアンサンブルの先駆け的存在(第1回演奏会は、なんと1978年!私は生まれてすらいない)として日本のサクソフォン界の一端を支えてきた存在であることに間違いはなく、諸先生方がコメントするのもある意味当然と言えば当然なのだなあと思い直した。それだけ、大きな存在なのである。

驚くべきことは、単純に名や歴史ばかりではなくて、技術的・音楽的に素晴らしい演奏会を開く、というところだ。おそらく実質的なコアメンバー(だと推察する)JION Saxophone Quartetの面々を筆頭に、アマチュアながら強力な布陣が揃う。

最初のH.ヴィラ=ロボス/圓田勇一編「ブラジル風バッハ第一番」を聴くことができたのは、僥倖であった。第1回の演奏会にけるメイン曲が、30回という節目において冒頭に演奏されることの大きな意義を感じた。簡単な曲ではないが、第3楽章の怒涛の音符の並びに至るまできっちりと、迫力満点の演奏である。ちなみに、原博巳さんはアルトの3rdを担当、随所で凄い仕事をしていたのも印象的。その原さんをソリストに迎え、ヴィラ=ロボスつながりで「ファンタジア」。原さんのソロは、いつものどんな大人数を従えたとしても負けないパワーと、さらに今回は自由闊達な歌い方が印象的であった。もっとカッチリ決めてくると思いきや、意外というか嬉しい誤算というか。

第2部は、聴きやすい小編成の作品が並ぶ。SATTBという編成の「エウロパ」なる作品の楽しさに気付くことができたのは収穫であった。この作品、TKWOのサクソフォンパートを中心に結成された「Colors」なるユニットのために書かれた作品とのこと。CDを買ってみようと思っている。また、ジェローム・ノレの「トカデ(気まぐれな組曲)」は、JION Saxophone Quartetのメンバーにより演奏され、パーカッションの高田亮氏をゲストに迎えていた。第1~4楽章を見事に駆け抜け、最後は大喝采。私も演奏したことがあるためその難しさは重々承知しており、今回の演奏には舌を巻いた。

最後は、シェーンベルグ「レ・ミゼラブル」とマヌーキアン「アルメニアン組曲」。いずれもN実さんのスペシャルアレンジである。「アルメニアン組曲」という作品は初めて知ったのだが(なんとNMLにも見つけられない)、非常に面白い内容だ。アルメニア民謡的な響きとともに、やや現代的な響きバランス良く同居しており、何かのきっかけに人気が出そうな…こんなに知られていないのは不思議。5楽章から成る作品だが、最後まで熱演であった。

アンコールは、アルメニアつながりでハチャトゥリアン「剣の舞」に、某吹奏楽のアルメニアっぽい曲(笑)を組み込んだスペシャル・ピース。面白かった!

会場を出るといつのまにやら大雨。