ヴァイオリン、サクソフォン、ピアノのための作品といえば、何を思いつくだろうか。
イダ・ゴトコフスキー「トリオ・リリック」、マリリン・シュルード「静けさの中で…」ディヴィッド・デボア・キャンフィールド「ソナタ・アフター・ブラームス」、ラッセル・ピーターソン「トリオ」くらいだろうか。エルワン・シュルホフが「ジャズ・コンチェルティーノ」なる作品を書いているようだが、音を聴いたことはない。やや外れたところでは、加藤昌則「オリエンタル」(作品リストからは外れているが、ヴァイオリン+サクソフォンがオリジナル)だろうか。
ということで、あまり思いつかないのだが(笑)、おそらく一番有名な作品が、マルク・アイシェンヌ Marc Eychenne氏の「カンティレーナとダンス Cantilene et Danse」であろう。アイシェンヌは1933年、アルジェリア生まれの作曲家である。ヴァイオリン奏者としても活躍し、アルジェリアとフランスで数多くのリサイタルを開き、またフランスの放送録音演奏への参加も多かったという。「カンティレーナとダンス」は、1961年の所産。
その「カンティレーナとダンス」を、ヴァイオリン、ヴィオラ、ピアノで演奏したという動画の存在を、マンハッタン音楽院在学中のLee Wonkiさんに教えていただいた(ありがとうございます!)。
※リンクを知っている人のみ公開の限定公開動画ではあるが、ここへの掲載は大丈夫とのこと。
素晴らしい演奏ではないか!技術的に超高レベルであることは疑いがなく、各楽章の性格をきっちりと表現している。さりげないフレージングも素敵。個人的には、弦楽器ならではの熱さに感銘を受けた。オリジナル編成ではないにしろ、今後もし「カンティレーナとダンス」のオススメ演奏を聴かれたら、私はこれを推奨することになるだろう。
さらにこれを聴いて思ったのは、やはりAlto(ヴィオラ)とアルト・サクソフォンって近い位置にいるのだなあ、ということ。ミヨー「世界の創造」での、アルト・サクソフォンのAlto的な使われ方や、ヒンデミット「ヴィオラ・ソナタ」をアルト・サクソフォンで演奏した時のハマり具合などを聴き、そのように思っていたが、それを再認識した。特に、息の長いメロディにおけるサクソフォンの存在感は、弦楽器にも負けていないのだろう。
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