2013/02/27

アリオンSQ x Quatuor Bジョイントコンサート

とても楽しみにしていた、ArionSQとQuatuorBの演奏会!次から次へと素敵な演奏を聴くことができて、とても嬉しかった。

【Arion Saxophone Quartet x Quatuor B Joint Concert】
出演:Arion Saxophone Quartet、Quatuor B
日時:2013年2月26日 19:00開演
会場:台東区ミレニアムホール
プログラム:
W.A.モーツァルト「"フィガロの結婚"序曲」(ASQ&QB)
G.ピエルネ「守護天使の歌」(QB)
高橋宏樹「アルルのサックス展覧会」(QB)
八木澤教司「アリオンの竪琴」(ASQ)
F.ティケリ「アウト・オブ・ザ・ブルー」(ASQ)
M.ラヴェル「ボレロ」(ASQ&QB)
江原大介「インフィニティ」(ASQ&QB)
長生淳「八重奏曲」(ASQ&QB)
F.ロウ「踊り明かそう」(ASQ&QB、アンコール)

上野駅で降りて向かったものの、徒歩15分以上かかるかなりの距離。鶯谷からのほうがまだ近かったかな…。そういえば昔、BCSEの演奏会のために伺ったことを思い出した。内装が木でできた、よく響くホール。

「"フィガロの結婚"序曲」から、とても快活な音楽。美しい音色、そして技術的にも素晴らしく、オープニングに相応しく、続く演奏に期待が高まる。それぞれがお得意のレパートリーを披露する第一部は、まずQuatuor Bがピエルネの小品と、高橋宏樹氏の「アルルのサックス展覧会」を。実は東京で聴くのは初めてだった?かもしれないが最近ますます高まるアンサンブル力に感銘を受ける。「アルルのサックス展覧会」は、実演で聴くとよりそのパロディっぷりが前面に押し出されており、とても楽しむことができた。アリオンSQの演奏は、代名詞ともいえる「アリオンの竪琴」でYouTubeでも聴いたすばらしい演奏を堪能し、続いてティケリ。至難かつクールなこの作品を、まさか実演で聴くことができるとは思っていなかった!

純度の高いよく揃った音色を武器とするQuatuor B、4者がそれぞれに特徴的な音を持つアリオンSQと、2つのカルテットを聴き分けるのはとても面白い。それぞれがそれぞれの良いところをプレゼンテーションする競演会でもあり、そうかと思えば8重奏では意外なほどに息があった演奏も聴くことができる。意外とこういう形態での演奏会って少ないな。レパートリーも充実してきているし、とても面白いと思うのだが。

後半は、有村氏の編曲という「ボレロ」から。照明まで交えた演出と、まさかという驚きにも満ち溢れた、しかし決してハメは外さないアレンジは、才気を感じさせる。江原大介氏の新作は、3楽章構成の急緩急という構成の佳曲。最初こそシリアスな響きでこれ、楽譜が出版されさえすれば、かなり流行るのではないかな(急速楽章は5分くらいだったので、例えばアンサンブルコンテストの新たなレパートリーとして…)。日本国内に留めておくのがもったいない、という気もした。2015年のコングレスで…どうでしょう。タイトルの「インフィニティ」は、名手たちの演奏に感じる"無限"の可能性を…ということで付けた、とは作曲家の江原氏のコメントだが、個人的には八重奏の"8"を90度傾けて∞としたところから着想したのかなあ、とも思った。

そして、2団体の聴き分けの面白さは、やはり最後の長生淳「八重奏曲」でのバトルでこそ本領発揮されていたと思う。TsukubaSQとサクゴレンでも昨年9月にやったばかりで、なんだか懐かしく聴いたのだった。それぞれの奏者が魅力的で、それぞれのカルテットが魅力的で、そして一体となって突き進む8本のサクソフォンアンサンブルが魅力的で…と、実に豪華な15分間を過ごした。

アンコールに「踊り明かそう」。終演後はロビーが大混雑。実はアリオンSQの皆様とは初めましてだったのだが、ご挨拶できて良かった。打ち上げにも伺い、とても楽しかった!…見事に終電を逃してしまったのだが(^^;

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