というわけで、聴きました「In Transit(Innova 652)」。ティモシー・マカリスター Timothy McAllisterの名前は、国内ではあまり知られていないけれど、アメリカでは間違いなくトップクラスのサクソフォン奏者の一人だ。アリゾナ州立大学の教授であり、サクソフォンのコンテンポラリーの分野では、おそらくジョン・サンペン John Sampen氏と並ぶアメリカの二大巨頭ではないかな。
Timothy McAllister(sax), Kathryn Goodson(pf)
Roshanne Etezady - Streetlegal
William Albright - Sonata
Milton Babbitt - Accampanied Recitative
Gregory Wanamaker - Sonata deus sax machina
Mischa Zupko - In Transit
発売されてから、それなりに時間が経っているはずなのだが、これまで聴いていたなかったことを恥じた。オルブライトの「ソナタ」の決定盤は、疑いなくこれだと言えよう。ジョン・サンペン氏の盤もあるが、まさかあのディスク以上のテンションとテクニックで演奏されてしまった録音が存在するとは…。最初、部屋の掃除をしながら何気なく聴いていたのだが、オルブライトに突入した途端に金づちで頭を殴られたような気がして…。
そして、聞き慣れないミッシャ・ツプコという作曲家の「In Transit」は、コンテンポラリー風味のテクニカルな箇所と、爽やかな(ポップ)な箇所が錯綜する、なかなかの傑作であった。ちょっと長いんだけど。最後の楽章が、The Dreamと名付けられていて、夢のような美しい響きで幕引きとなるのも、センスがあるな。
少し聴きづらい作品が多いのだが、そんな作品であっても、軽々と聴かせていく(音色が軽くなるわけではない)のは、マカリスター氏の実力によるところが大きいだろう。ディスクとしての完成度は非常に高い。コンテンポラリーにアレルギーがなければ、強烈におすすめできる。
最後に、Innovaレーベルの、このディスクの紹介ページをリンクしておく。こちら。One Sheet Textという項目の、このディスクの評が痛快そのものだ(爆)。
2 件のコメント:
実はミーシャ、ズプコさんとは親しい友達です。彼もシカゴ在住でIn Transitも何回か演奏しました(ミーシャのピアノ伴奏でも何回か)。すごく良い曲ですよね。聞きやすい所もあるけど商業的すぎない所がとても好きです。
おおっと、親しい間柄でしたか!さすがです!
とても面白い曲だと思いました!Northshore SaxTrioで、次回来日の際は、ぜひライヴで聴きたいです!
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