最近のことだが、寝付く前にはかならずバッハの何かしらを聴いてから寝るようにしている。聴けば聴くほどに、和声の動きやそれぞれの声部の独立性に耳が引き込まれる。いまさらながら実に味わい深く、どれもが魅力的である。
大バッハ、ことヨハン=セバスチャン・バッハの家系には他にもたくさんの作曲家がいて、例えばC.P.E.バッハなどかなり響きが似た作品を書いているのだけれど、言葉で説明するのは難しい「深遠さ」という点では、大バッハの作品は他と一線を画している。作品から立ち上がる響きは、時に宇宙などと喩えられることもあるくらいだが、バッハほどに、響きに身を委ねられる作曲家はいない。私は、バッハとは何かと訊かれたら、「シンプル&古典的な端正さと天才的な閃きの同居」と答えるが、聴き手それぞれに、それぞれの独立した印象を植えつけてしまうのも、やはりバッハならではの作用なのだろうか。
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ざっと見渡したときに、サクソフォン・カルテット向けに編曲されたバッハの作品って、何があるかな。「フーガの技法」「パルティータ第4番」「パルティータ第6番」「シャコンヌ」「イタリア協奏曲」くらいだろうか。ソロでやるのも面白そうだけれど、やっぱりバッハの面白さは多声にあるのかなあとも思う。
一曲、なにかしっかりと四重奏でバッハを取り上げてみたい今日この頃。もしやるなら、ぜひマイナーキーの作品を吹いてみたい。そういえば伊藤康英先生が編曲した「シャコンヌ」が、イトーミュージックから楽譜を買ったきり手付かずだ(音を出しては挫折しを、4回くらい繰り返しているような)。
2 件のコメント:
ブリュッセルのBL!NDMAN QuartetのCDにサックスカルテットのバッハオルガン作品からの編曲があります。ラッキーなことに、全曲ウェッブで無料で!聴けます。楽譜が手に入るかどうか確認しましょうか?http://www.blindman.be/en/discography/show/3
> vismetさん
おおお、そういえばそうでした!以前教えていただいたのに頭から抜け落ちていました。とても興味深いスタイルで演奏されていますよね。
楽譜、すごく気になります…確認していただくことはできますか?
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