その中でも、ショスタコーヴィチの「交響曲第5番」は、常に携帯音楽プレーヤーに入れて持ち歩いている曲のひとつだ。言うまでもない、政治色・プロパガンダ色に染められたこの曲は、やっぱり「革命」をやらせたら世界一の、ムラヴィンスキー×レニングラード・フィルハーモニーの取り合わせでこそ聴きたい。
ムラヴィンスキー×レニングラード・フィルの「革命」は、セッション盤・ライヴ盤ともいくつか出ている。まあ、どれもがすばらしいとか…ショスタコーヴィチへの最大限のオマージュとも取れる深い解釈、徹底的なリハーサルの結果としての録音は、圧巻としか言いようがない。


scora盤とAltus盤を聴き比べてみると、Altus盤のほうは録音があまりに良いせいで、ずいぶんと"綺麗に"聴こえる演奏だ。金管の音圧も均整が取れて上品だし、弱奏がクリアに聴こえるぶん、第3楽章なんて本当に天にも昇る美しさ。…うーん、scora盤に慣れてしまった身としては、ちょっと物足りないかなあ。なんというかメロディアっぽいあのガリガリした音色こそが、自分のお気に入りなのだなあと再認識した。
というわけで、「革命」に関してはやっぱりscora盤に戻ってくるのでありました。ムラヴィンスキーが数ある交響曲の中で最も重要だと考えていた2曲…ショスタコーヴィチの「交響曲第5番」とチャイコフスキーの「交響曲第5番」がいっしょに収録されてなかなかおトク。これらの曲が好きな方はぜひscora盤を聴いてみてください。
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