2014/11/29

練習の日

吹いたり休んだりを繰り返して一日過ごした。曲をさらいつつも、リードを育てることを考えなければいけない時期に来ており、取っ替え引っ替えしながら本番用リード候補を絞り込んだ。なかなか難儀したので、やっぱりレジェール移行も考えないといけないかなあ。

夜は、千葉県柏市で開かれたエビちゃんのリサイタルへ。そちらは、別記事として書く。

2014/11/28

井澤裕介さんのライヴ@上福岡

昨日になるが、終業後に上福岡へと向かい、井澤裕介さん主催のライヴを聴いてきた。上福岡は思ったよりも遠く、会場に着くまでは大変だったのだが、本当に行って良かったと思ったのだった。

【Classic Music Live!! vol.3】
出演:井澤裕介(sax)、柏木かさね(vn)、大嶋千暁(pf)
日時:2014年11月27日(木)19:30開演
会場:Blanc(上福岡)
プログラム:
?***
A.リード「バラッド」*
J.ブラームス「ヴァイオリン・ソナタ第一番」より第一楽章**
A.ピアソラ「忘却」***
A.ピアソラ「エスクァロ」***
「スウィート・メモリーズ」(松田聖子)*
「ひこうき雲」(荒井由実)**
佐藤信人「さくらうさぎの香り」***
佐藤信人「もみじの香り」(委嘱作品・初演)***
M.アイシェヌ「カンティレーヌとダンス」***
「青春の輝き」(カーペンターズ)(アンコール)*
アンコール2曲目なんだったっけ***

*=サクソフォン+ピアノ
**=ヴァイオリン+ピアノ
***=サクソフォン+ヴァイオリン+ピアノ

上福岡から近い…が、なかなか分かりづらい場所にあるBlancというライヴバーで開催された。ゆったりとしたスペースで、ピアノとドラムが備え付けられ、音響は意外にも良い。

サクソフォンの井澤さんは、尚美学園大学を卒業され、現在東京音楽大学の大学院2年生。このたび、大阪市音楽団のバリトンサクソフォン奏者のオーディションに合格し、2015年より大阪に移住する予定とのことだ。井澤さんからは、今までも何度か演奏のご案内をいただいていたのだが、予定が合わず、今回初めて井澤さんの演奏を聴いたのだった。ピアノの千暁さんの演奏を拝聴するのも久しぶり。相変わらずお忙しそうで各所でご活躍だが、ますますアンサンブルピアニストとして磨きがかっているのは、すばらしい。

さて、井澤さんの演奏である。セルマーの楽器(Serie3)に、セルマーのマウスピースというごく一般的なセッティングなのだが、ちょっと聞いたことのない、なんとも蠱惑的な音が飛び出した。その音色に耳が吸い付けられたまま、気がついたらライヴが終わっていた…。それにしても、若い方でこのような音のアプローチをされることが、とても興味深い。井澤さんの美意識がそのまま音として客席に届いているのだろうか。師匠である小串先生の影響も感じるが、方向性は同じにしつつもコピーではないところが、井澤さんの演奏の個性だろう。

「うた」をテーマにしたということだが、どんな曲にあっても、極々自然であり、変な誇張や仕掛けなどは全くない。喋った言葉がそのまま音になり、それはそのままフレージングや音色として会場に広がってくる。若手奏者(などと上から目線的な言葉を使うのもおこがましいが)としては珍しいタイプの演奏家であると思った。私自身はテクニカルだったり派手だったり、というのも好きだが、こういうさり気ない作品を魅力的に聴かせられる「趣味の良さ」を携えていたとは!驚いた。だからこそ大阪市音楽団に迎えられた、というのもあるのかもしれない。ミュール編の小品とか、ばんばん吹いてほしいぞ。

演奏された作品は、アレンジ物、オリジナル物様々だが、佐藤信人さんの作品がまた良かった。京のお香を題材にとった作品という事だが、和風な全体を覆う雰囲気がなんとも言えず素晴らしく、聴き入ってしまったのだった。アイシェヌも、まさかこういった機会に聴けるとは意外ながらも嬉しく、カンティレーヌ、ダンスとも、集中力の高い演奏を楽しんだ。

打ち上げも参加させていただき、遅くまで楽しい時間を過ごしたのだった。大阪でのますますのご活躍を祈念する次第。また、こちらでの演奏もちょくちょく考えてはいるとのことなので、次に聴く機会を楽しみに待っていたい。

2014/11/27

佐藤渉さんのレッスン

月曜日、都内某所にて、Tsukuba Saxophone Quartetで佐藤渉さんのレッスンを受けた。曲は、マスランカ「レシテーション・ブック」の全楽章。12/21の演奏会に向けての練習の一環だ。

これまでにも、二度、TsukubaSQは佐藤さんのレッスンを受けたことがある。そのときもやはり、演奏会に向けて練習していた「レシテーション・ブック」だった。

佐藤さんのレッスンは、音楽的な表現や、技術的な指摘に留まらず、さらに奏法にまで細かく指摘してくださるもので、とても充実したものだった。また、雲井雅人サックス四重奏団にて初演を手がけて以来、作曲家とのコラボを行いながら、この曲の世界最高の演奏を常に世に送り出し続けてきた、その経験に基づく言葉は、何物にも変えがたい至言の数々である。

いろいろ宿題をいただいたので、頑張らなければ!

2014/11/26

The Top 10 Colleges for Saxophone Performance (?)

少し前だが、こんな記事の存在を知った。

直訳すると、"サクソフォン演奏を学べるトップ10大学"というところだろうか。アメリカの、サクソフォン学府の順位付け記事である。いったいどんな基準で選ばれているのか、謎。こういう記事を書く際には、順位を付ける基準を示すべきだと思うのだがなあ。

http://musicschoolcentral.com/the-top-10-colleges-for-saxophone-performance/

上記記事に書かれている順位を書き下してみた。バルティモアのピアボディ・インスティテュート、という名前は初めて知った。順位については基準がわからないのでノーコメント。各学校説明についてはおそらくきちんとしている…のではないかと思う。

1. University of Michigan School of Music, Theatre, and Dance – Ann Arbor, MI (Timothy McAllister)
2. Northwestern University Bienen School of Music – Evanston, IL (Timothy McAllister)
3. University of Iowa – Iowa City, IA (Kenneth Tse)
4. Indiana University Jacobs School of Music – Bloomington, IN (Otis Murphy)
5. Eastman School of Music – Rochester, NY (Chien-Kwan Lin)
6. University of Minnesota School of Music – Minneapolis, Minnesota (Eugene Rousseau)
7. Peabody Institute – Baltimore, MD (Gary Louie)
8. Manhattan School of Music – New York, NY (Paul Cohen)
9. Bowling Green State University – Bowling Green, OH (John Sampen)
10. Ball State University – Muncie, IN (George Wolfe)

I don't know HOW does author rank these colleges...

2014/11/25

トーマス・ドス「スポットライト」

トーマス・ドス Thomas Doss氏は、オーストラリアの作曲家である。日本では特に吹奏楽曲「シダス Sidus」によって知られているが、「シダス」は吹奏楽コンクール等でも頻繁に演奏されているため、ドス氏の名前を知っている方も多いのではないだろうか。

そのドス氏が、サクソフォン四重奏と吹奏楽のために書いた協奏曲が「Spotlights」である。オーストラリアのウィーン音楽院で学んだ若手演奏会により結成された、Mobilis Saxophonquartettにより、2014年4月14日に初演された。吹奏楽らしさをベースに残しつつ、サクソフォン四重奏の機動性やアピール度を多分に含む10分ほどの作品。その初演ライヴの演奏は、モビリスQのサイトから聴くことができる。

日本でも誰かやらないかなあと思っていたところ、なんと9月に演奏されていた…とういことを、滝上先生より教えていただいた。名古屋芸術大学ウィンド・オーケストラの演奏会で、三日月孝、滝上典彦、中山順次、櫻井牧男各氏がソリストとして立ち、そして指揮はヤン・ヴァン=デル=ロースト氏という布陣だったそうだ。この演奏が、日本初演となったそうだ。

【名古屋芸術大学ウィンドオーケストラ第33回定期演奏会】
2014年9月25日(木)18:30開演(18:00開場)
会場:日本特殊陶業市民会館フォレストホール
指揮:竹内雅一

演奏はde Haskeにレコーディングされ、本年末~来年頭頃リリース予定とのこと。本作品の世界初録音となる。

吹奏楽界で著名な作曲家は、時に非常に面白い作品を、独奏曲、協奏曲、四重奏曲といった形でサクソフォン界に送り込んでくることがあるのだが、意外と見過ごされることが多い…のは気のせいだろうか。

ちなみに、トーマス・ドス氏のこれまでのサクソフォン作品リストは、下記のような感じ。「モビリス」という作品が気になるなあ…。

Etude for Alto Saxophone [asax]
In Museum [asax, pf]
Mobilis [11sax]
Mobilis XL [11sax & Jazz Combo]
Wurdalak [chamber]

この名古屋芸術大学ウィンドオーケストラの演奏会では、もう一曲面白そうな作品が演奏されたのだが、その話題はまた今度。

2014/11/24

ヤマハ目黒吹奏楽団 Autumn Concert 2014

三連休の中日に、ステージマネージャーとしてヤマハ目黒吹奏楽団の演奏会運営に参加した。

2011年、なめら~か等でご活躍のサクソフォン仲間のHさんに誘っていただいて以来、ステージマネージャーとして携わるようになった。毎回、いろいろと勉強させていただき、また、演奏もステージ袖から楽しませていただいている。

【ヤマハ目黒吹奏楽団 Autumn Concert 2014】
出演:ヤマハ目黒吹奏楽団、鳥谷部武夫(指揮)、大田昌穂(司会)
日時:2014年11月23日(日)14:00開演
会場:めぐろパーシモンホール・大ホール
プログラム:
G.ロッシーニ/F.チェザリーニ - セヴィリャの理髪師
足立正 - 吹奏楽のための綺想曲「じゅげむ」
J.ウィリアムズ/J.カーナウ - カウボーイ序曲
P.チャイコフスキー/M.ハインズレー - バレエ組曲「くるみ割り人形」より
H.ジマー/明光院正人 - バックドラフト
F.チャーチル/L.モーリー - ディズニー「白雪姫」より口笛吹いて働こう
M.ハムリッシュ/森田一浩 - コーラスライン・メドレー
V.マッコイ/岩井直溥 - アフリカン・シンフォニー
R.ヘルナンデス/岩井直溥 - エル・クンバンチェロ
久石譲・木村弓/鈴木英史「千と千尋の神隠し」Highlights
れりごー(アンコール)
L.アンダーソン - そりすべり(アンコール)

(この写真は、2013年のもの…)
クラシックあり、ポピュラーあり、様々な曲を一挙に集めたようにも思えるが、プログラムのコンセプトとして、演奏会開催日である"勤労感謝の日"にちなんで、「はたらく」ということをテーマにしたのだという。なるほど。確かに、職業にちなんだタイトルが多い。

お客様は最終的に800名以上。会場には熱気があふれていた。

いつも思うのだが団員の皆様の、純粋な合奏が楽しいという気持ちがそのまま音に乗って滲み出てくるという印象を受ける。だから、聴いていてとても心地よいし、しかも技術的にもきちんとしているため、演奏として見事なものになっているのだ。今回とくにびっくりしたのは、かなりクラシック寄りの作品においても、きっちりとまとめてくることである。ロッシーニ、チャイコフスキーがそれにあたるのだが、この音の薄い作品を聴かせる苦労は相当なものと拝察する。にもかかわらず、良いアンサンブルが聴こえてきて、改めてヤマハ目黒吹奏楽団さんの地力の高さを垣間見た思いがするのだった。

プログラム的に、第一部の編曲者が個人的にツボですね。チェザリーニ、カーナウ、ハインズレーとは、なかなか面白い(笑)。

そして毎回恒例、大田先生の司会・名調子も楽しい。"吹奏楽の司会"で、こんなにすごい司会はほかに接したことがない。

打ち上げも参加。終電まで(笑)。打ち上げ企画でまさかのドラえもんクイズあり。

そういえば、7回もやっていると、新しく入団される方もいれば、退団される方もいる。今回は特に、個人的にいろいろとお世話になった方が数名、退団されることもあり、お疲れ様でしたと思うと同時に、寂しい気持ちにもなるのだった。

2014/11/22

TSQ合わせ&明日はヤマメのステマネ

今日は午前中にTsukuba Saxophone Quartetの合わせだった。「アルマンド・ルンバ」難しい…いや、簡単な曲なんて無いのだが。夜はスタジオに籠って個人練習。11/24には、佐藤渉さんのレッスンを控えている。

明日11/23は、ヤマハ目黒吹奏楽団のステージマネージャーのお仕事。なんだかんだ、2011年の冬季演奏会にお呼びいただいてから、7回目になる。お時間ある方はぜひ~

http://www.yamame-winds.net/main/index.html

2014/11/21

ご案内:Tsukuba Saxophone Quartet - Saxophone Concert Vol.6

今日は21:00-23:00で個人練習。明日は、午前中にTSQ合わせ、夜に同じ時間帯で個人練習。

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一か月後に迫った、Tsukuba Saxophone Quartetの演奏会をご案内。

委嘱アレンジ作品を含むプログラムで、気が付いたらヘヴィな曲ばかり…。とはいえ、とにかく名曲揃いで、サクソフォンの方にも、そうでない方にも、楽しんでいただけるかと思う。詳しいコンセプトは、後述のコンセプト文をお読みいただければと。

ぜひぜひ、お越しください!きっとご満足いただけることと思います!

【Tsukuba Saxophone Quartet - Saxophone Concert Vol.6(自主公演)】
日時:2014年12月21日(日)18:00開演
会場:ルーテル市ヶ谷センター・音楽ホール
入場料:1000円
プログラム:
C.コリア/旭井翔一 - アルマンド・ルンバ(サクソフォン四重奏版委嘱初演)
J.L.d.ティロ - トルメンタ・タンゴ
木山光 - ハデヴィッヒII
J.S.バッハ/伊藤康英 - シャコンヌ
D.マスランカ - レシテーション・ブック
http://www.tsukubasq.com/

[コンセプト解説]
真鍮製の管体に葦の発音機構を持ち、路上からライヴハウス、音楽ホールまで、いかなるシチュエーションにおいてもピタリと当てはまるサクソフォン。
本コンサートでは、キリスト教的世界観に基づいたクラシック作品2曲をメインに
据えた。バロック時代を代表する作品の一つであるバッハ「シャコンヌ」、そして、賛美歌・グレゴリオ聖歌を、現代的な作曲フォーマットによって再構築したマスランカ「レシテーション・ブック」である。いずれも、クラシカル・サクソフォンの魅力を最大限に引き出した傑作だ。
一方、ジャズ、タンゴ、ロックのエッセンスを取り入れたサクソフォン四重奏の名品も多く存在する。「シャコンヌ」「レシテーション・ブック」の響きを"聖"とすれば、これらの作品の響きはさながら"俗"といったところだろう。その中でも、今回は際立った個性を持つ以下の3曲を取り上げた。
「アルマンド・ルンバ」は、スペイン情緒あふれるジャズ・ナンバー。サクソフォン四重奏版のアレンジを、新進気鋭の作曲家・旭井翔一に委嘱し、本コンサートで初演する。「トルメンタ・タンゴ」は、トルメンタ(嵐)の名にふさわしい賑やかかつスピーディな展開が魅力の作品。「ハデヴィッヒ2」は、ロックの影響を受けたポスト・ミニマル風のサウンドの中に、緻密に計算された書法が光る。
”聖"と"俗"、極端な二面性から導き出されたこのプログラム。サクソフォンが持つ無限の可能性とTSQの現在(いま)を、存分にお楽しみいただければ幸いである。

(チラシはクリックして拡大)

2014/11/20

コスタリカのSONSAX

21:00-23:00で個人練習。チック・コリア/旭井翔一「アルマンド・ルンバ」を集中してさらう。急がば回れ、ゆっくり、確実な速度で繰り返し。明日も同じ時間帯、21:0--23:00で個人練習。

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サクソフォン四重奏+パーカッションという編成は、あるようであまりなくて、ぱっと思い付くのだと日本のBijou Sax QuartetとかHIBI★Chazz-Kだが、コスタリカに面白い団体がある。その名もSONSAX(ソンサックス)。ラテン・ミュージックに的を絞り、暗譜で時に振りまで交えながら、ダンサブルな音楽を奏でる彼らは、クラシックとはやや離れた位置にいるのかもしれないが、この上なく魅力的だ。

トップはJavier Valerio氏は、インディアナ州立大学への留学経験があるのだが、実はそこで石渡悠史先生に習ったことがあるのだそうだ(と、石渡センセがおっしゃっていた)。

YouTube上を探すと、いろいろアップされているのだが、私自身はこの演奏が好きだ。2012年のサクソフォン・コングレス@セント・アンドルーズにおける、Lap of Honour(総まとめコンサート)の模様。会場は、Buchanan Theaterだ。このカッコよさ、そして客席の熱狂ぷりといったら、なかなか観ることができない。アンコールではコングレス総監督のRichard Ingham氏が出てきて踊ってるし…(笑)。楽しい音楽の時間だ。

http://youtu.be/WusZgn-X4ws?t=33m3s

ちなみに、SONSAXの後にはPedrosaxが登場している。そして、最後にはストラスブール音楽院のサクソフォンアンサンブルが「Klezmer Salsa(1:35:40くらいから)」を演奏しているのだが、その中にSONSAXのメンバーも参加している。こちらの熱狂も、すごい。

こういった、Funkyな感じの曲もカッコいいですね。ブルース~。

2014/11/19

情報:シンタ&マカリスター両氏参加のフランス音楽作品集

個人練習をペースアップ。今日は21:00-23:00。中1日以下のペースで取り組むことにした。とにかくゆっくりから確実にさらって、精度を上げる作業の繰り返し。ある曲をさらっているとほかの曲の腕が落ちていくので、もどかしいが、少しずつやっていくしかない。

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ピアノのキャスリーン・グッドソン Kathryn Goodson氏がプロデュースした、フランス音楽作品集がNavona Recordsからリリースされた。サクソフォン、ホルンmバストロンボーンが参加し、オリジナル作品・アレンジ作品を演奏する。サクソフォンは、なんとドナルド・シンタ Donald Sinta&ティモシー・マカリスター Timothy McAllister両氏参加ということで、非常に興味深い(録音は2010年)。

詳細は下記リンクから辿ることができる。
http://www.navonarecords.com/bellenuit/index.html

サクソフォンが入っているのは、以下の曲。マカリスター氏のフランクや、シンタ氏のドビュッシー、さらに共演曲もありと、面白そうだ!
C.ドビュッシー - ラプソディ(シンタ)
C.フランク - ヴァイオリン・ソナタ(マカリスター)
J.B.サンジュレ - デュオ・コンチェルタントより第2楽章(シンタ&マカリスター)
C.ドビュッシー - 美しき夕暮れ(シンタ)
M.ラヴェル - ハバネラ形式の小品(シンタ)
O.メシアン - ヴォカリーズ・エチュード(マカリスター)
J.マスネ - タイスの瞑想曲(シンタ&マカリスター)



Amazonでも取扱いを開始していた。こちら→Belle Nuit 購入したらレビューする予定。

2014/11/17

第6回サクソフォン交流会申し込み開始→終了

第6回サクソフォン交流会の、アンサンブルステージ参加団体募集が、昨日の22:00から開始。

https://sites.google.com/site/saxkouryukai/

さっそく予定の枠が埋まり、申し込みを終了した。

開始2分で10団体の応募があり、さらに3分後には予定数に達してしまったのには驚いた。

2014/11/16

Green Ray Saxophone Quartet 3rd Concert

演奏会に伺うのは第一回以来だった。今回もまた素敵な時間を過ごした。

【Green Ray Saxophone Quartet 3rd Concert】
出演:Green Ray Saxophone Quartet
日時:2014年11月15日 18:00開演
会場:古賀政男記念館 けやきホール
プログラム:
三浦真理「ティータイムの画集」
織田英子「東回りの風」
平部やよい「倖せヲ呼ぶ嶌」
F.デクリュック「変奏曲」
I.ゴトコフスキー「四重奏曲」
山本哲也「Green Sonatine」(アンコール)

女性作曲家をコンセプトとしたプログラムだという。そのコンセプトを聞いた時に、リュエフ、ゴトコフスキーあたりが来るのかなあと思っていたのだが、まさかのデクリュックの秘曲(聴いたことない)と、平部やよい作品(大好きな曲の1つ)という、他のカルテットが取り上げないようなプログラミングに驚いた。演奏が上手いのはもちろんだが、ストレートボールのなかに巧みに変化球を混ぜてくるプログラミングも、GRSQの魅力の一つだ。

演奏は相変わらず素晴らしい。あいまいな部分を最小化してピタリと決めてくるあたり、作品に取り組む際の真摯な姿勢が窺える。音色や和声感は、現代のトレンドを感じたり、師である雲井雅人氏の影響を感じたり…最終的に彼らなりの美意識に基づくところに落ち着けているのだろう。

前半に邦人作曲家、後半にフランスの作曲家がそれぞれ並んだが、やはり私自身がニッポンジンだからなのか、特に前半が面白く聴けた。基本的な部分がしっかりしているので、比較的シンプルな「東回りの風」のような作品であっても、楽しんで聴くことができる。また、楽章ごとに変わる表情と演奏とがリンクして、説得力ある演奏となっていた。「倖せヲ呼ぶ嶌」は、パワーある演奏!見事だった。初演の東京サクソフォンアンサンブルの演奏とはまた大きく違った方向に舵を切った内容で、立体的な構造が浮き上がるのが印象的。

後半はデクリュックから。主題からして想像以上にシンプルな作品で、淡々とした音運びに、別の意味で驚いた。デクリュックって、ほかにも四重奏曲書いていたっけなあ。今度調べてみようっと。ちなみにこの作品は、メンバーの内田氏が国立音楽大学の図書館で見つけてきたのだそうだ。さすが国立音楽大学図書館の蔵書量のハンパなさ。ゴトコフスキーは、やっぱり良い曲ですね。演奏も、ひたすら内面を掘り下げていくという感じで圧巻だった。聴くたびに思うのだが、ゴトコフスキーさんてどんな人となりなのだろう。緩徐楽章と急速楽章での、響きの違いっぷりがやはり面白い。

アンコールは、山本さんがGRSQのために書いた作品。耳に残りますね(笑)。

第4回も大いに期待!

打ち上げも参加させてもらい、メンバーやお知り合いの方や、あと意外な方々(笑)との邂逅もあり、楽しかった。

2014/11/14

A performance edition and technical guide to Bach's Chaconne for Alto Sax.

スティーヴン・ペイジ Stephen Page氏の博士論文をご紹介。アイオワ州立大学でケネス・チェ氏のもとで学んだ奏者で、Zzyzx Quartetの奏者としても有名であり、現在はテキサス州立大学にて講師職にある。

そのペイジ氏の論文で、「A performance edition and technical guide to Johann Sebastian Bach's Chaconne from Partita in D minor, BWV 1004, for alto saxophone」というタイトル。バッハの「シャコンヌ」をアルトサクソフォンで取り組む際の、編曲のアイディアと裏付け、演奏のアドバイス、並びに編曲譜を付録として掲載…というような内容。

下記リンク先の「Download」ボタンをクリックすると、PDF形式で全文を読むことができる。

http://ir.uiowa.edu/etd/5034/

そういえば、バッハの「シャコンヌ」を独奏で演奏する、といえば、ダグラス・オコナー氏も取り組んでしていたが、アメリカではけっこう流行っているのだろうか。ペイジ氏自身の演奏も聴いてみたいなー。

2014/11/12

演奏会情報:Green Ray Saxophone Quartet 3rd

国立音楽大学出身の、4人の奏者によって結成されたアンサンブルの演奏会をご案内。

【Green Ray Saxophone Quartet 3rd Concert】
日時:2014年11月15日(土)開場 17:30開演 18:00
会場:古賀政男音楽博物館内 けやきホール(新宿駅より小田急線、地下鉄千代田線 代々木上原駅下車 徒歩3分)
料金:2,000円(全席自由、当日500円増)
プログラム:
F.デュクリュック - 変奏曲
I.ゴトコフスキー - サクソフォーン四重奏曲
平部やよい - 倖せヲ呼ぶ嶌 他
問い合わせ:
green.ray.sax.iuki@gmail.com
http://nonaka-actus.com/?pid=80777799

2年前の第1回の演奏会に伺ったのだが、非常にぴしっとしたアンサンブルや、良く響く音色、ちょっと珍しいプログラムに感銘を受けた。残念ながら昨年の第2回演奏会には都合が合わなかったのだが、今年は休日ということもあり、伺う予定。

今年は、女性作曲家をテーマにした演奏会なのだそうだ。難曲ゴトコフスキーとともに演奏されるのは、なんとあのデュクリュックの四重奏作品(聴いたことがないぞ…笑)、そして、今年前半の東京サクソフォンアンサンブルの再結成において委嘱・初演された、平部やよい氏作曲の名曲「倖せヲ呼ぶ嶌」である。あの曲を想像すると、Green Ray Saxophone Quartetにとてもマッチしているような…。どのような演奏が展開されるのか、とても楽しみだ!

個人練習再始動

12/21の演奏会に向けて、10/26の演奏会以降、2週間ほどサボっていた個人練習を再開。どうも10月の演奏会を終えて以来フワフワしていたのだが、先週末の練習であまりに個人的に吹けなさすぎて(ヤヴァーイ!)、お尻に火が付いた状態となっている。

今日は「ハデヴィッヒII」と「レシテーション・ブック」を。どの曲も大変だが、新しくさらうのとはまた違った難しさ(以前の癖を抜きながら、精度高くさらいなおしていく作業)がある。また、小さい音量のコントロールなども、試行錯誤の連続。

しばらく、週2~3回のペースくらいでコンスタントにこなしていく予定。まずは、週末の「レシテーション・ブック」の合わせに向けて加速しよう。

明日も21:00-23:00で練習。

2014/11/11

第6回サクソフォン交流会のアンサンブル参加団体募集

コンサート案内の件やら、トーマス・ドスの某作品の件やら、いろいろと書きたいことは溜まっているのだが、まずはこれを。

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第6回サクソフォン交流会 in 香川の、アンサンブル参加団体募集を、2014/11/16(日曜)22:00に開始いたします。下記ページより要項を確認の上、ぜひ参加をご検討いただければと思います。

https://sites.google.com/site/saxkouryukai/

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ということで、現地打ち合わせも済ませ、本格的に始動している。印刷物やら企画ステージやら、いろいろと業務が増えてくるが、着実にこなしていきたい。今回は事務局内でサブマネージャーを立てたこともあり、それなりに負荷分散されて、今のところ上手くいっている…のではないかと。

2014/11/10

雲井雅人サックス四重奏団第12回定期演奏会

【雲井雅人サックス四重奏団第12回定期演奏会~フレデリック・ヘムケ氏を迎えて~】
出演:雲井雅人サックス四重奏団、フレデリック・ヘムケ(客演)
日時:2014年11月8日 19:00開演
会場:津田ホール
プログラム:
John Mackey - Unquiet Spirits
Antonin Dvorak / 阪口新 - String Quartet No.12 "America"
Simon & Garfunkel / 佐藤信人 - Simon & Garfunkel Medley
Phil Woods - Three Improvisations (rev. 2001)
George Gershwin / Jonah Blum & Frederick L. Hemke - Scenes from "Porgy and Bess"
George Gershwin - Embraceable You (encore)
George Gershwin - Fascinating Rhythm (encore)

土曜日の東京公演を皮切りに、日曜日に名古屋で昼夜公演、今日月曜日は〆の大阪公演を行ったとのこと。なんとパワフルな!

私は東京公演に伺った。都内でも屈指の音響を誇る室内楽ホールの津田ホールだが、もうすぐ無くなってしまうという。ここで雲井雅人サックス四重奏団の演奏を聴いたのは、2005年9月以来だが、その時からさらに進化したサウンドをここで聴くことができるとは、なんという僥倖であろうか。

ジョン・マッキーの「Unquiet Sprits」を、雲井雅人サックス四重奏団(以下、雲カル)が取り上げるのは少し意外な感じがした。アメリカの若手四重奏団、Zzyzx Quartet(ザイジクス・カルテット)の委嘱により制作され、2012年のサクソフォン・コングレスで第1楽章が初演された。マッキー氏の他の作品に比べてなかなかハードな響きがするが、リズムの遊びにマッキー氏らしさを感じる。続いてドヴォルザークのアメリカ。いやはや、この1曲で大感動してしまった。さりげない冒頭から、テナーの主題提示(この瞬間に魂を抜かれた)、フレーズが折り重なり、いつしかその芳醇な響きに溺れていった。耳が幸せな響きで埋め尽くされるという、稀な体験をした。

後半は、まさかの「サイモンとガーファンクル・メドレー」から開始。ポピュラー・ミュージックとはいえ、なかなか精神性の高い内容は、雲カルの方向性にぴったりだと感じた。アレンジは尚美学園大学の院生の佐藤氏。才気を感じる。フィル・ウッズの「3つの即興曲・改訂版」は、以前も取り上げられた作品だ。個人的には、改訂前のバージョンでもぜひ聴きたいと思っているのだが、雲カルの演奏で第1楽章の充実度合を聴いてしまうと、もはや何も言えなくなってしまう。

そしてフレデリック・ヘムケ氏登場!もうね、出で立ちからカッコ良すぎ。79歳にして、雲カルの響きと渡り合う鮮烈なサウンド。メタルのマウスピースに、セルマーのサクソフォン。ヘムケ氏の音の方向性は、LP時代から微塵も変わっていないが、しかし未だに進化し続けていることを確信した。ガーシュウィンの曲を、こうやって姿勢を正して聴いたのは初めてだったかもしれないが、何はともあれ貴重な機会に臨席できたことを喜びたい。アンコールに、「エンブレイサブル・ユー」と「魅惑のリズム」を、いずれもヘムケ氏をフィーチャーして演奏。

津田ホール外観。

2014/11/09

6th Dinant Competition (2014): 主要紙ネット版に結果が掲載

第6回アドルフ・サックス国際コンクール(ディナン) The 6th Adolphe Sax International Competition 2014の、本選での上野耕平氏と田中拓也氏の結果並びにインタビューが、いくつかの主要紙ネット版に掲載されている。ソースはすべて同一で、共同通信のようだ。サクソフォンのコンクール結果がこのようにメディアで報じられることは珍しく、アドルフ・サックス生誕200周年ということもあるのかなあ、などと思ったのだった。

(最初はスポーツ紙だけの掲載だったのですが、スポーツ紙以外も取扱いを始めたため、記事タイトルを変更ならびにリンクを追加しました)

毎日新聞
http://mainichi.jp/select/news/m20141111k0000m040046000c.html

日経新聞
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG10H1F_Q4A111C1000000/

サンケイスポーツ(産経系列)
http://www.sanspo.com/geino/news/20141109/sot14110912090007-n1.html

産経ニュース(産経系列)
http://www.sankei.com/world/news/141109/wor1411090019-n1.html

日刊スポーツ(朝日系列)
http://www.nikkansports.com/general/news/f-gn-tp1-20141109-1394058.html

スポーツ報知(読売系列)
http://www.hochi.co.jp/topics/20141109-OHT1T50075.html

スポーツニッポン
http://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2014/11/09/kiji/K20141109009253960.html

6th Dinant Competition (2014): 本選結果が発表

第6回アドルフ・サックス国際コンクール(ディナン) The 6th Adolphe Sax International Competition 2014の本選結果が発表された。

日本からの参加者について、上野氏は2位、田中氏は6位だった。

1st prize:Nikita Zimin, Russia
2nd prize:Kohei Ueno 上野耕平, Japan
3rd prize:Asya Fateyeva, Germany
4th prize:Guillaume Berceau, France
5th prize:Nicolas Arsenijevic, France
6th prize:Takuya Tanaka 田中拓也, Japan

2014/11/08

6th Dinant Competition (2014): 本選の中継予定(2日目のみ)

第6回アドルフ・サックス国際コンクール(ディナン) The 6th Adolphe Sax International Competition 2014の本選について、1日目の演奏が終了した。1日目は、コンクール規定により中継されなかったが、2日目は中継されるとのことだ。

11/8
Name, Selected Work, CST, JST(11/9)
Nicolas Arsenijevic, Lars Erik Larsson - Konsert, 20:05, 4:05
Guillaume Berceau, Lars Erik Larsson - Konsert, 20:50, 4:50
Asya Fateyeva, Jean Denis Michat - Shams, 21:35, 5:35

ファブリス・モレティ2014東京公演

アドルフ・サックス生誕200周年の記念すべき日に、ルーテル市ヶ谷にて実に素晴らしいリサイタルを聴いた。

【CD発売記念 ファブリス・モレティ サクソフォーンリサイタルツアー2014 東京公演】
出演:ファブリス・モレティ(sax)、服部真理子(pf)
日時:2014年11月6日 19:00開演
会場:ルーテル市ヶ谷・音楽ホール
料金:3500円、学生2500円(当日各500円増し)
プログラム:
J.B.サンジュレ - ファンタジー・ブリランテ
P.A.ジュナン - ソロ・ドゥ・コンセール
B.ハイデン - ソナタ
M.コンスタン - ムジク・ドゥ・コンセール
H.トマジ - エヴォカシオン
P.イトゥラルデ - ギリシャ組曲
A.グラズノフ - 協奏曲
R.プラネル - 感傷的なワルツ(アンコール)
林光 - キュンキュン(アンコール)
E.ボザ - アリア(アンコール)

ファブリス・モレティ Fabrice Moretti氏は、マルセル・ミュール、ダニエル・デファイエと続くエコール・フランセーズの継承者として、サクソフォンの伝統的なクラシック作品を趣味良く聴かせる、数少ない奏者の一人。少し前まではデュオ服部の招きで、最近は鈴研音楽会の招きで、毎年来日している。今年はなんと、アドルフ・サックス生誕200周年のその日にリサイタルを開催。コンサート中のMCによれば、昨年来日した折に「この記念すべき日を日本の聴衆の皆さんとお祝いしたい!」と決め打ちで選んでホールを確保したそうだ。私自身は昨年は伺えず、2年ぶりとなったが、期待通りの、いや、期待以上のリサイタルであった。

クランポンの最新機種"Senzo"を携えたモレティ氏。もちろんS-3プレスティージュ時代も美しい音色で魅了したが、さらにその音色に磨きがかかっていると感じた。個人的な感想だが、金属的な音色の成分がやや縮退し、まろやかさが全体を覆い、さらにダイナミクスのコントロール(特にp)が進化していると感じた。開発に深く携わっただけあって、やはりわが意を得たりというようなコントロールが随所に見られた。

古い2作品を"Senzo"で聴く。響きは芳醇で、アドルフ・サックスの制作したサクソフォンとはかけ離れているが、違和感は感じない。色気…というか、エスプリを振りまきながら、見事に吹ききるモレティ氏。コンサート最初から喝采モノである。モレティ氏のコンサートは、ピアノの服部真理子氏との掛け合いのMCも魅力だ。新しく録音したCDの話、Senzoの話、アドルフ・サックスの話、作曲家の話…どれも聞いて楽しいものだ。ハイデンは、なかなかライヴで演奏する奏者もおらず、珍しい作品だが、今までのこの作品のイメージをい覆されるような(第3楽章の爆速であること!)凄みがあった。コンスタンほど現代に近づいても、モレティ氏の演奏はまったくブレず、しっかりしたテクニックの下地、芳醇な音色、趣味の良さ、どれをとっても一級品だ。

後半は、民族音楽に影響を受けた佳作「エヴォカシオン」「ギリシャ組曲」が続く。「ギリシャ組曲」は、スパニッシュ・ジャズではあるが、モレティ氏が吹くとまるでフランスのおしゃれなシャンソンのごとく響く。これはこれでアリだな(笑)。最後のグラズノフは、アドルフ・サックス200周年を祝うハッピー・バースデーの曲にも聴こえてしまったほどだ。名演奏とは、このような演奏のことを言うのだろう。筆舌に尽くしがたい。

アンコールは…林光作品が面白い!最後は「アリア」でしっとりと。

ツアーはまだまだ続く。ぜひお近くの方は聴いてみることをおすすめする。

2014/11/07

6th Dinant Competition (2014): 本選出場者の簡単な経歴、選択曲、スケジュール

第6回アドルフ・サックス国際コンクール(ディナン) The 6th Adolphe Sax International Competition 2014の本選出場者の経歴、選択曲。

Takuya Tanaka 田中拓也, Japan

東京芸術大学大学院修士課程在学中。第25回日本管打楽器コンクール第1位並びに特別大賞受賞。ブルー・オーロラ・サクソフォン・カルテットのメンバーとして活動。現在は、洗足学園音楽大学講師。サクソフォンを、冨岡和男、平野公崇、原博巳の各氏に師事。

Kohei Ueno 上野耕平, Japan

東京芸術大学学士課程在学中。第28回日本管打楽器コンクール第1位並びに特別大賞受賞。NHK-FM名曲リサイタル出演、題名のない音楽会出演など、メディアへの露出も多い。2014年10月、ファーストアルバム「アドルフに告ぐ」。サクソフォンを、鶴飼奈民、須川展也、原博巳の各氏に師事。

Nikita Zimin, Russia

グネーシン音楽学校でマルガリータ・シャポシュニコワ教授に師事、パリ国立高等音楽院でクロード・ドゥラングル教授に師事し、修士課程を卒業(修士リサイタルではサラサーテ「ツィゴイネルワイゼン」を吹き、居並ぶ聴衆を圧倒した。)。ロストロポーヴィチ財団より奨学金を得る。第5回アドルフ・サックス国際コンクールにおいて第2位受賞。そのほか、数々の国際コンクールで入賞しまくっている。オーケストラとの共演も多数。YouTubeに動画・録音がアップされてまくっているので、そのロシアの雄大な大地を思わせるようなスケールの大きな演奏を耳にされた方も多いはず。

Nicolas Arsenijevic, France

サン=モール音楽院でニコラ・プロスト氏に師事、セルジー・ポントワーズ音楽院でジャン=イヴ・フルモー氏に師事、パリ区立13区音楽院でクリスチャン・ヴィルトゥ氏に師事。その後、パリ国立高等音楽院に入学した。ナント国際コンクール、ギャップ・ユーロピアンコンクール等で入賞。現在は、Conservatoire à Rayonnement Communal in Vincennesの講師。けっこう前からこの方の名前は存じている。というのも、まだニコラ氏がパリ13区音楽院の学生であった際に、大西智氏さんから「超おすすめの奏者!」というような触れ込みで、ニコラ氏が吹くサン=サーンス「序奏とロンド・カプリチオーソ」の録音を送ってもらったのだ。その上手さに飛び上るほど驚き、いつか大物になると思っていたところ、あれよあれよという間にパリ国立高等音楽院に入学、そして今回のコンクールでもファイナルへと残った。

Guillaume Berceau, France

Rayonnement音楽院でEric Devallon氏に師事、Toulouse音楽院でPhilippe Lecocq氏に師事。続いて、パリ国立高等音楽院に入学し、クロード・ドゥラングル教授に師事した。ナント国際コンクール、ギャップ・ユーロピアンコンクール、UFAM国際コンクールで入賞。いくつかの音楽院で、講師として活動中。Nicolas Arsenijevic氏とも親交があるようで、LE RESTAURANTという、テアトル・ミュージックの企画に出演していたようだ。

Asya Fateyeva, Germany

Simferopol Schoolを経て、グネーシン音楽学校でマルガリータ・シャポシュニコワ教授に師事した。その後、ドイツのHochschule fur Musik und Tanz in Cologneでダニエル・ゴーティエ氏に師事、続いてリヨン国立音楽院でジャン=ドニ・ミシャ氏に師事した。キエフ、モスクワ、ハンブルク、ニュルンベルク、ギャップにおけるコンクールで入賞経験がある。オーケストラとの共演も数多い。これまでのアドルフ・サックス国際コンクールの中で、女性としてファイナルに残った初めての奏者となる。

本選においては、各奏者は次の曲を吹かなければならない。

課題曲:
Jan van der Roost - Images(コンクールのために書かれた新作)

選択曲(下記リストから1曲選択):
Chant des Ténèbres by Thierry Escaich
Concerto, Op. 14, by Lars-Erik Larsson
Fantasia by Heitor Villa-Lobos
Ostinati by Frédéric Devreese
Rhapsody for Alto Saxophone by André Waignein
Shams by Jean-Denis Michat

本選出場者の選択曲とスケジュール(現地時間CET)は、下記の通りである。ラーション祭りだ!(笑)

11/7
Takuya Tanaka, Lars Erik Larsson - Konsert, 20:05
Kohei Ueno, Lars Erik Larsson - Konsert, 20:50
Nikita Zimin, Lars Erik Larsson - Konsert, 21:35

11/8
Nicolas Arsenijevic, Lars Erik Larsson - Konsert, 20:05
Guillaume Berceau, Lars Erik Larsson - Konsert, 20:50
Asya Fateyeva, Jean Denis Michat - Shams, 21:35

(1014/11/08 23:19修正)
本選は中継がないので、ご注意を。2日目のみ中継されるそうだ。1日目は録画のアップを待ちましょう。

2014/11/06

アドルフ・サックス生誕200周年の日

今日、2014年11月6日は、アントワーヌ・ジョゼフ・アドルフ・サックス Antoine Joseph Adolphe Sax(1814 - 1894)の200回目の誕生日だ。

素晴らしい楽器を発明した、このベルギー・ディナン生まれの才気あふれる楽器職人に、われわれサクソフォン奏者は改めて感謝しなければならない、と思う。サクソフォンがない音楽界など、もはや考えられない…とは言い過ぎだろうか。

とはいえ、改めて、ここまで素晴らしい管楽器もなかなかないとの思いを強くする。それは、この楽器が自然発生的に進化てきたのではなく「発明」されたからなのだが、オクターヴキィがあり、音量のコントロールが自由自在、音色もヴァリエーション豊富、人間工学に基づいたキィ配置でフィンガリングも限界がなく、音程も作りやすく、同族楽器で高音から低音までカバーし、しかも互いに音色が溶け合い…こういった特徴を並べるだけでも、いかにサックス氏がしっかりした考えを持って、この楽器の基礎を作ったのか…氏の生真面目さか、天才性かはわからないが、その凄さが良くわかる。

ところで、サックス氏は、軍楽隊における木管と金管の音色の融和を狙ってサクソフォンを考案したと伝えられている。実際、当時のサクソフォンを吹いてみると、音量や音色など、非常に控えめであり、現代の楽器特性とは似ても似つかないものである。楽器やマウスピースの構造の変化によって、サクソフォンはその特性を徐々に進化させてきたことはよく知られているが、誰がどのようにして(演奏家か?指揮者か?楽器職人か?)その特徴を持たせるきっかけ、ならびに方向性を作っていったのか、という経緯を詳しく知ることができればと、常々から思う。

サックス氏が最初考案したサクソフォンのままでは、ジャズを中心としてここまでの市民権を得るには至らなかっただろう。また、クラシックの世界においても、ここまで多くの充実した作品(現在、サクソフォンのために書かれたクラシック作品は、およそ30000作品ある、と言われている)は生まれ得なかったであろう。サックス氏の功績とともに、そういったサクソフォンの方向性を決定付けた「何か」について、同列に論じられるようになってほしいと考えている。

2014/11/05

6th Dinant Competition (2014): 二次予選通過者(ファイナリスト)発表

第6回アドルフ・サックス国際コンクール(ディナン) The 6th Adolphe Sax International Competition 2014の本選に進む二次予選通過者(ファイナリスト)6名が発表された。

日本からは、田中拓也氏、上野耕平氏の2名が通過した。日本の方が2名通過するのは、第1回(大和田氏、戸田氏)&第2回(原氏、林田氏)以来となる。

Takuya Tanaka, Japan
Kohei Ueno, Japan
Nikita Zimin, Russia
Nicolas Arsenijevic, France
Guillaume Berceau, France
Asya Fateyeva, Germany

公式発表は下記リンクから。
http://sax.dinant.be/concours/6e-cias---2014/resultat-des-demi-finales

本選での皆様の健闘を祈りたい。

2014/11/04

演奏会案内:ファブリス・モレティ2014

今年もモレティ氏が来日する。クランポンの新たなる銘機"Senzo"を携えての2度目の来日となるが、果たして今年はどのような演奏を聴かせてくれるのだろうか。

最新作のCDも気になっている。今回は、パスカル「ソナチネ」、ガロワ=モンブラン「6つの小品」、プラネル「ロマンティック組曲」、トマジ「エヴォカシオン」、デュボワ「ディヴェルティスマン」、トマジ「バラード」という、なかなか強烈なラインナップ。会場での販売もあることだろう。

狙ったのか、たまたまか、この日はアドルフ・サックス(1814 - 1894)生誕200周年の、ちょうどその日である。記念すべき日に臨席するのにふさわしい、充実したリサイタルとなりそうだ。ぎりぎりまでわからないが、仕事の都合もなんとかつく…かな?

【CD発売記念 ファブリス・モレティ サクソフォーンリサイタルツアー2014 東京公演】
出演:ファブリス・モレティ(sax)、服部真理子(pf)
日時:2014年11月6日 19:00開演
会場:ルーテル市ヶ谷・音楽ホール
料金:3500円、学生2500円(当日各500円増し)
プログラム:
J.B.サンジュレ - ファンタジー・ブリランテ
P.A.ジュナン - ソロ・ドゥ・コンセール
B.ハイデン - ソナタ
M.コンスタン - ムジク・ドゥ・コンセール
H.トマジ - エヴォカシオン
P.イトゥラルデ - ギリシャ組曲
A.グラズノフ - 協奏曲
問い合わせ:
08012086390(デュオ服部)
suzuken_concert@yahoo.co.jp(鈴研音楽会)

また、東京公演を皮切りに11/8@名古屋、11/17@山口、11/19@福岡とツアーが続く。詳細は下記チラシ画像をクリックしてご確認いただきたい。

6th Dinant Competition (2014): 二次予選選択曲・自由曲割合

第6回アドルフ・サックス国際コンクール(ディナン) The 6th Adolphe Sax International Competition 2014の、二次予選が進行中。さすが、世界の猛者が集結しているだけあって、名演揃いだ!ここから6人が選ばれてファイナルへと進むのだが、果たして誰がその座を勝ち取るのか…。

二次予選においては、各奏者は以下の3曲を演奏しなければならない。

・必須課題曲(ピアノとのデュオ)
Jan Van Landeghem - 3 Pieces

・選択曲(ピアノとのデュオ)
Ichiro Nodaira - Arabesque III
Jean-Luc Fafchamps - Décalcomanie de Reich et Ligeti (avec Piazzolla en surimpression)
Henri Pousseur - Duel de Capricares
Claude Ledoux - Kyoko’s Dance
Florent Schmitt - Légende
Gregory Wanamaker - Sonata Deus Sax Machina
William Albright - Sonata
Edison Denisov - Sonata

・自由曲(無伴奏曲)

必須課題曲のJan Van Landeghem「3 Pieces」は、具体的に言葉では表しづらいのだが、特に2楽章と3楽章はやや短絡的ながらも、とても良い作品であると感じた。コンクールに留めず、リサイタルなどで演奏する人がいてもおかしくないのではないかな。演奏者的にはどうなんだろう。

選択曲と、自由曲の割合をそれぞれグラフ化してみた。母数が小さいので、あまり意味はないかもしれないが…。クリックすると拡大できる。

そもそも、選択曲に入っているプログラムがどれも強烈に難しい作品ばかりだ。参考までに第4回の二次予選の選択曲は、イベール、吉松、デニゾフ、シュミット、シュルード、クレストン、デザンクロ、ヒンデミットであった。ここ8年での、サクソフォン界における若手の技術力・音楽性の向上を如実に表しているものだ…とは、言い過ぎだろうか。とはいえ、力のある奏者は存分に実力を披露して差別化できるわけで(コンクールだからね)、願ったりというところなのだろうか。

割合が多いのはオルブライト。この作品、容易には登攀不可能な作品だと思っていたのだが、今やそういう時代ではないのだな…。吹きこなせれば、どこまでも良い演奏を展開することが可能(と個人的には思っている)な作品であることには間違いない。ワナメーカーやファフシャンの作品が演奏されないのが少し残念だ。ロシアのノヴィコフ氏とツィミン氏が、ともにデニゾフを選択していたのが興味深い。彼らに限らず、ロシアからの参加者は全員デニゾフを選択していたようだ。

無伴奏作品は、ロバ「ジャングル」が多い。そのほか、聴いたことのない作品も演奏されるが、こういった新たなレパートリーの存在を知ることも、このコンクールの醍醐味。

全リストは下記の通り。クリックすると画像を拡大できる。楽譜は出版されているが聴いたことのない西村朗「水の影」や、そもそも曲名すら耳にしたことのないアペルギスの「P.S.」(楽譜はここからDL可能)、ミシャの「Clos Guinguet」が特に気になっている。

2014/11/03

6th Dinant Competition (2014): 二次予選スケジュール

第6回アドルフ・サックス国際コンクール(ディナン) The 6th Adolphe Sax International Competition 2014の二次予選が進行中。11/3-11/4の日程で、18人が演奏する。

ライヴ中継はAdolphesax.comより参照されたし。

スケジュールは下記の通り。日本時間を追記してみた。

CET...中央ヨーロッパ時
JST...日本標準時

CET  JST
+1:00 +9:00

11月3日
10:02 18:02 NOVIKOV, EVGENY (RUSSIA)
10:45 18:45 PELLENS, PIETER (BELGIQUE)
11:30 19:30 PERETTO, NICOLA (ITALY)
12:15 20:15 Break 休憩
14:02 22:02 RADFORD, JONATHAN (UNITED KINGDOM)
14:47 22:47 SU, NINGXIN (AUSTRALIA)
15:32 23:32 TANAKA, TAKUYA (JAPAN)
(※ここから日本時間で11月4日)
16:15 00:15 Break 休憩
16:32 00:32 TRILLAUD, MARTIN (FRANCE)
17:15 01:15 KOHEI, UENO (JAPAN)
18:02 02:02 ZIMIN, NIKITA (RUSSIA)

11月4日
10:02 18:02 ARSENIJEVIC, NICOLAS (FRANCE)
10:47 18:47 BERCEU, GUILLAUME (FRANCE)
11:32 19:32 COMPAGNON, SANDRO (FRANCE)
12:15 20:15 Break 休憩
14:02 22:02 FATEYEVA, ASYA (GERMANY)
14:47 22:47 GARCÍA BEJARANO, JOSE CARLOS (SPAIN)
15:32 23:32 GARCÍA JORGE, ANTONIO (SPAIN)
(※ここから日本時間で11月5日)
16:32 00:32 GRICAR, JAN (SLOVENIA)
17:17 01:17 LOUMAN, FLORENT (FRANCE)
18:02 02:02 MATSUSHITA, YO (JAPAN)

京都二泊三日旅行

一年に一回、家族で集まっての旅行。今年は京都二泊三日の旅だった。徒歩移動が多く、脚はなかなか疲れたのだが、いやはや、楽しかったー。心配していた雨もほとんど降らず、幸いだった。

そういえば、毎年、いろいろと下調べをしてから行くも、何かしら"ハズレ"があるのだが、今年は珍しくすべて"アタリ"という感じ。旅程はこんな感じ。

1日目:西本願寺→京うどん→東寺→平等院→京野菜っぽい夕食→京都駅近辺泊
2日目:京都御所→京都北山の洋菓子店→京都府立植物園→錦市場で昼食→渡月橋→嵯峨近辺泊
3日目:嵐電→鹿苑寺金閣→竜安寺→しま田で昼食→妙心寺

16:00頃の新幹線で京都駅を出発し、18:40には自宅に着いた。新幹線は早い!高いけど(笑)

2014/11/02

6th Dinant Competition (2014): 一次予選通過者(セミファイナリスト)発表

第6回アドルフ・サックス国際コンクール(ディナン) The 6th Adolphe Sax International Competition 2014の一次予選通過者のライブストリーム中継を見た。

日本人参加者は…田中拓也氏、上野耕平氏、松下洋氏が通過した。

EVGENY NOVIKOV (RUS)
PIETER PELLENS (BEL)
NICOLA PERETTO (ITA)
JONATHAN RADFORD (UK)
NINGXIN SU (AUS)
TAKUYA TANAKA (JPN)
MARTIN TRILLAUD (FRA)
KOHEI UENO (JPN)
NIKITA ZIMIN (RUS)
NICOLAS ARSENIJEVIC (FRA)
GUILLAUME BERCEAU (FRA)
SANDRO COMPAGNON (FRA)
ASYA FATEYEVA (GER)
JOSE CARLOS GARCÍA BEJARANO (ESP)
ANTONIO GARCIA JORGE (ESP)
JAN GRICAR (SLO)
FLORENT LOUMAN (FRA)
YO MATSUSHITA (JPN)

公式情報はこちらから。
http://sax.dinant.be/concours/6e-cias---2014/resultat-des-eliminatoires

二次予選での皆様の健闘を祈りたい。

2014/11/01

京都へ

この週末は、年に一度の家族旅行。今年は2泊3日で京都へ。いま京都に向かう新幹線の車中だ。

改修が完了した宇治の平等院や、一般公開中の京都御所などを巡る予定。雨予報だが、京都なら雨も風情に変わる…ということで。