トーマス・ドス Thomas Doss氏は、オーストラリアの作曲家である。日本では特に吹奏楽曲「シダス Sidus」によって知られているが、「シダス」は吹奏楽コンクール等でも頻繁に演奏されているため、ドス氏の名前を知っている方も多いのではないだろうか。
そのドス氏が、サクソフォン四重奏と吹奏楽のために書いた協奏曲が「Spotlights」である。オーストラリアのウィーン音楽院で学んだ若手演奏会により結成された、Mobilis Saxophonquartettにより、2014年4月14日に初演された。吹奏楽らしさをベースに残しつつ、サクソフォン四重奏の機動性やアピール度を多分に含む10分ほどの作品。その初演ライヴの演奏は、モビリスQのサイトから聴くことができる。
日本でも誰かやらないかなあと思っていたところ、なんと9月に演奏されていた…とういことを、滝上先生より教えていただいた。名古屋芸術大学ウィンド・オーケストラの演奏会で、三日月孝、滝上典彦、中山順次、櫻井牧男各氏がソリストとして立ち、そして指揮はヤン・ヴァン=デル=ロースト氏という布陣だったそうだ。この演奏が、日本初演となったそうだ。
【名古屋芸術大学ウィンドオーケストラ第33回定期演奏会】
2014年9月25日(木)18:30開演(18:00開場)
会場:日本特殊陶業市民会館フォレストホール
指揮:竹内雅一
演奏はde Haskeにレコーディングされ、本年末~来年頭頃リリース予定とのこと。本作品の世界初録音となる。
吹奏楽界で著名な作曲家は、時に非常に面白い作品を、独奏曲、協奏曲、四重奏曲といった形でサクソフォン界に送り込んでくることがあるのだが、意外と見過ごされることが多い…のは気のせいだろうか。
ちなみに、トーマス・ドス氏のこれまでのサクソフォン作品リストは、下記のような感じ。「モビリス」という作品が気になるなあ…。
Etude for Alto Saxophone [asax]
In Museum [asax, pf]
Mobilis [11sax]
Mobilis XL [11sax & Jazz Combo]
Wurdalak [chamber]
この名古屋芸術大学ウィンドオーケストラの演奏会では、もう一曲面白そうな作品が演奏されたのだが、その話題はまた今度。
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