2014/11/10

雲井雅人サックス四重奏団第12回定期演奏会

【雲井雅人サックス四重奏団第12回定期演奏会~フレデリック・ヘムケ氏を迎えて~】
出演:雲井雅人サックス四重奏団、フレデリック・ヘムケ(客演)
日時:2014年11月8日 19:00開演
会場:津田ホール
プログラム:
John Mackey - Unquiet Spirits
Antonin Dvorak / 阪口新 - String Quartet No.12 "America"
Simon & Garfunkel / 佐藤信人 - Simon & Garfunkel Medley
Phil Woods - Three Improvisations (rev. 2001)
George Gershwin / Jonah Blum & Frederick L. Hemke - Scenes from "Porgy and Bess"
George Gershwin - Embraceable You (encore)
George Gershwin - Fascinating Rhythm (encore)

土曜日の東京公演を皮切りに、日曜日に名古屋で昼夜公演、今日月曜日は〆の大阪公演を行ったとのこと。なんとパワフルな!

私は東京公演に伺った。都内でも屈指の音響を誇る室内楽ホールの津田ホールだが、もうすぐ無くなってしまうという。ここで雲井雅人サックス四重奏団の演奏を聴いたのは、2005年9月以来だが、その時からさらに進化したサウンドをここで聴くことができるとは、なんという僥倖であろうか。

ジョン・マッキーの「Unquiet Sprits」を、雲井雅人サックス四重奏団(以下、雲カル)が取り上げるのは少し意外な感じがした。アメリカの若手四重奏団、Zzyzx Quartet(ザイジクス・カルテット)の委嘱により制作され、2012年のサクソフォン・コングレスで第1楽章が初演された。マッキー氏の他の作品に比べてなかなかハードな響きがするが、リズムの遊びにマッキー氏らしさを感じる。続いてドヴォルザークのアメリカ。いやはや、この1曲で大感動してしまった。さりげない冒頭から、テナーの主題提示(この瞬間に魂を抜かれた)、フレーズが折り重なり、いつしかその芳醇な響きに溺れていった。耳が幸せな響きで埋め尽くされるという、稀な体験をした。

後半は、まさかの「サイモンとガーファンクル・メドレー」から開始。ポピュラー・ミュージックとはいえ、なかなか精神性の高い内容は、雲カルの方向性にぴったりだと感じた。アレンジは尚美学園大学の院生の佐藤氏。才気を感じる。フィル・ウッズの「3つの即興曲・改訂版」は、以前も取り上げられた作品だ。個人的には、改訂前のバージョンでもぜひ聴きたいと思っているのだが、雲カルの演奏で第1楽章の充実度合を聴いてしまうと、もはや何も言えなくなってしまう。

そしてフレデリック・ヘムケ氏登場!もうね、出で立ちからカッコ良すぎ。79歳にして、雲カルの響きと渡り合う鮮烈なサウンド。メタルのマウスピースに、セルマーのサクソフォン。ヘムケ氏の音の方向性は、LP時代から微塵も変わっていないが、しかし未だに進化し続けていることを確信した。ガーシュウィンの曲を、こうやって姿勢を正して聴いたのは初めてだったかもしれないが、何はともあれ貴重な機会に臨席できたことを喜びたい。アンコールに、「エンブレイサブル・ユー」と「魅惑のリズム」を、いずれもヘムケ氏をフィーチャーして演奏。

津田ホール外観。

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