2011/01/10

Armand Qualliotineの室内楽作品集

Armand Qualliotineは、アメリカ生まれの作曲家で、現在バークリー音楽院の作曲科教授を務めている。自身がギター奏者だったことから、作曲以外にギターを教えていたこともあるようだ。あまり聞いたことの名前であったので、少し興味が湧いて彼の室内楽作品集を聴いてみた。おなじみAlbanyレーベルからの出版、相変わらずLR分離がやや弱いこもり気味の録音だ(苦笑)。

「ARMAND QUALLIOTINE Chamber Works(Albany Troy935)」
全てArmand Qualliotine氏の作品:
BACH Fantasia [Radnofsky SQ, John McDonald, pf]
Hummingbird [Pei-Chun Lin, pic, Anny Chang, pf]
Love Feat of the Fireflies [Kenneth Radnofsky, ssax, John McDonald, pf]
Phonocopia [Jill Dreeben, pic&fl, Linda Bento-Rei, fl, Avien O'Leary, alt.fl]
Terzetto [Kenneth Radnofsky, asax, Emmanuel Feldman, vc, John McDonald, pf]
La Farfalla Verdi [AUROS Group for New Music]

サクソフォンが含まれている作品だけざっと聴いてみた。とてもジトッとした暗い雰囲気のなかに、煌めくような美しさを見出すことができる。あまりこれまでには聴いたことないタイプの音楽だ。Radnofsky Saxophone Quartetが演奏する「BACH Fantasia」は、タイトル通りにBACHの音列からヒントを得た作品。もともとの音列も暗いが、その雰囲気をそのまま継承して肉付けしたような感じ。サクソフォン四重奏とピアノという編成はありそうであまりないが、デニゾフを始めとする他の傑作たちと比較してしまうとちょっと厳しいか。

ソプラノサックスとピアノで演奏される「Love Feat of the Fireflies」は、このCDで聴くことのできる(サクソフォンが含まれている)作品のなかでは一番好きかな。ありふれた編成だが、あるフレーズをどう響かせれば美しいのか、ということが確信を持って書かれているため、美しいものを美しいと感じることができる。「Terzetto」は、珍しや、サクソフォン、チェロ、ピアノという編成。他の2曲と比べると、楽章が4つに分かれていることもあり最も起伏に富んでいる。3楽章まではなんだか良く解らないなあと思いながら聴いたのだが、4楽章が充実した音楽的内容で驚いた。

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