イギリスの代表的なサックス四重奏団、Apollo Saxophone Quartetのデビューアルバム「BOW OUT(CD ASQ 1)」をヤフオクで落札。かなり貴重な盤であるため、落札できるかどうかドキドキだったのだが、競合者がいなくて助かった。デビュー盤といっても、自主制作盤であるためかほとんどマシな流通経路に乗らず、幻のCDとなっていたものだった。イギリスのサックス好きとしては外せないでしょう!ということで、長きに渡って捜し求めていたのだが、探索開始から4年…ついに、という感じ。
Peter Lyondev - Kaval Sviri
Michael Nyman - A Watery Death
Michael Nyman - The Garden is Becoming a Roberoom
Michael Nyman - Chasing Sheep is Best Left to Shepherds
Paul Mitchell Davidson - A Small Dream of a Dance
Chick Corea - Children's Songs
Roy Powell - Bow Out
よもや、「クラシックのサックス四重奏団」にあるまじき挑戦的なプログラム!これこそが、アポロ・サクソフォン四重奏団のアイデンティティの一つである。ちなみに、ナイマンの作品は全て映画「英国式庭園殺人事件 The Draughtsman's Contract」からの抜粋である。んー、「An eye for optical theory」がないのはちょっと残念かなあ。あと、全体の収録時間が30分台というのは(^^;
出版は1992年…彼らが東京国際音楽コンクールでトルヴェール・クヮルテットを打ち破った前後でのレコーディングであり、最も若さと勢いがあった時期の演奏記録と言えるだろう。チック・コリアの「チルドレンズ・ソング」なんて凄いぞ。後に出版されたArgo盤も、かなりのテンションに圧倒されたが、こちらを聴いてしまえば、その印象が吹っ飛ばされてしまうほど。サックスパートはやや荒削りながら、シンセサイザーなども加えた豪華なサウンドで、引き込まれた。
「Kaval Sviri」や「A Small Dream of a Dance」も、作品・演奏とも良い!"ゆるみ"が全くないのだ。それぞれ、2分、5分の短い中にぎゅっと凝縮されたエッセンスは、いやおうなしに聴き手を惹きつける魅力がある。アポロ四重奏団の面々も、その楽譜に精一杯応えようとしているのが分かる。ナイマンの作品は、さすがにナイマン・バンドの豪華な響きとは一線を画すが、かなり健闘している(ナイマン好きならば、聴いておいて損はない)。
プロデュースはもちろんジョン・ハール氏。うーん、久々にハール派にやられました。やっぱり、自分はイギリスのクラシカル・サックスが好きなんだなあと、改めて認識した次第。
4 件のコメント:
the new york hat
楽譜どこかで手に入らないものか・・・
アポロの選曲はホントに魅力的ですね。
> tomoya-s-tipoさん
ご無沙汰してます。
アポロ四重奏団が取り上げる曲は、どれも素敵なのですが、メンバーの自作が多くて楽譜が出版されづらいのが残念です。
その曲に目をつけるあたり、さすがtomoyaさんです(笑)。同じアルバムだったら、私は「birth of a big gun」も好きですね。
君も知らない、ってことは入手は難しそうだなぁ。
そもそもあの曲やるならソプラニーノが要るな。
four seasonsもよいが、これこそ楽譜はなさそうだ…。
シャウトやシンセサイザーも必要ですしね(笑)
four seasonsのうち、My Mountain Topはテナーサクソフォンとテープという形で出版されています。Astute Musicから購入できます。ほかの曲も魅力的ですが、楽譜の入手は難しそうです。
私が目をつけているのは、London Saxophonicのマイケル・ナイマンの作品集で、楽譜は未出版ですが、これはいつか絶対やってみたいなと思っているものです。サックスのラージアンサンブルとしては、一番カッコイイCDだと思います。
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