ジェローム・ララン Jérôme LARANさんから、プライヴェート・レコーディングを送っていただいた。録音データが付与されていなかったので良く分からないのだが、メイヤー財団作成のディスクよりも、早い時期にレコーディングされたものだろうか?→2003年のレコーディングだそうです。
Bernat Vivancos - L'ombre des rêves
George Gershwin - Prelude
Piet Swerts - Klonos
Modest Mussorgsky - Il vecchio castello
Ryo Noda - Mai
Carlos Gardel - El dia que me quieras
Jacob ter Veldhuis - Grab It!
ラランさんのサックスは、現代作品、アカデミック作品、無伴奏、古典、ポップス、ロック、どの分野においても、変幻自在。作品のスタイルが変わろうとも、サクソフォンの魅力を存分に表現しているのが印象的。…そう、ラランさんの魅力の一つに、全分野に渡る楽器の扱いとしてのフットワークの軽さが挙げられることは間違いないだろう。どんなスタイルの作品においても普通に聴けてしまうサックスは、ある意味驚異的だ。
ヴィヴァンコスの、サクソフォンソロとオーケストラのための作品を聴いてみよう。アルトサックスの神秘的なロングトーンに始まり、前半は美しいメロディや和声を重ねながら展開する「海」を連想させるドラマである(タイトルの邦訳は「夢の影」だそうだが、私の中ではむしろ海を渡ってくる神秘的な響き…というイメージが先行した)。中間部における、循環呼吸を使用しているであろう長大なアルペジオ風フレーズは、ぼーっとしながら聴いていると何となく過ぎてしまうが、実は凄いことをやっているではないか!。
後半はバリトンサックスに持ち替え、とたんにリズミカルなフレーズが演奏される。クライマックスでは、細かい16分音符の並びをばったばったと切り裂いていくが、直後にカット・オフ。最初にアルトで奏でられたフレーズが回帰し、波が引くようにゆったりと曲が閉じる。最後の最弱音まで、耳をひきつけられる美しい音色…。作品としても素晴らしいが、この曲をじっくり聴かせられるのはラランさんならではでしょうなあ。その後に置かれた小品も、どれもが素晴らしい。「Grab It!」は、期待通りの名演。
今年も、来日予定があるそうだ。今度は何をやらかしていただけるのか、今からとても楽しみ!!フェスティバルのときに久々に再会してちょっと聞いた話では、M○○○○○○のアナザー・ヴァージョンも考えているとかで、期待特大。Cafuaにレコーディングされたという録音も、リリースがm待ち遠しい。
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