前回の記事の続き。
関東地方の、某T大学へ進学。当然のように吹奏楽団に入団し、トランペットの盟友?rokuen氏やサックスのめえめえさん、先輩のK野さんやきみーさんと出会う。大学の吹奏楽団のサックスパートには、松雪明先生がトレーナーとして時々来ており、カルテットの練習に際して何度もお世話になる機会を持つことができた(音楽だけでなく、人間としても大変尊敬できる先生で、私たちの中では誇りだ)。また、東京に比較的近いため、演奏会を聴きに行ったり渋谷のタワレコでCDを漁ったりする機会が増えた。
最初に聴いたのは、2003年の10月に東京文化会館で聴いた栃尾さんのリサイタル。次は、当時付き合っていた女の子と一緒に行った、2003年のフェスティバルの最終コンサート(雲井氏と平野氏と原氏)、2004年1月の須川さんと東京佼成の演奏会。さらに、浜離宮の雲井雅人サックス四重奏団の演奏会。素晴らしい演奏、素晴らしいホールで、どれもカルチャーショックだったなあ。フェスの平野さんに影響されて「バラフォン」の楽譜を買い、雲井Qのすごさに影響されて、直後の四重奏の本番で「トニーへの歌」を演奏したような(順番は逆かな?)。
2004年(大学2年生)は、新しいしカルテットを結成し、それに伴って水面下でCD収集や楽譜収集に励んでいたが、この時どうしても入手できなかったのがマスランカ「マウンテン・ロード」の楽譜。そういえば、4月から12月にかけては、演奏会にはあまり行かなかった気がする。フェスティバルではクリニックに参加して、服部吉之先生と出会ったっけな。フェスティバルコンサートのトリは、須川さんの演奏で伊藤康英先生の「協奏曲」ピアノ2台版。
年が明けて2005年、松雪先生に、デザンクロのレッスンを受けた際、かねてより聴きたいと思っていたデファイエQのリュエフやパスカルが入った音源をお持ちでないかを尋ね、CD-Rを送ってもらったのである。
…大感動!!リュエフの一発目のペダル音に飛び上がり、なんだかワケのわからないテンションで、Yahoo!アカウント取得&ウェブページkuri_saxoを開設。確かに、この「ダイアリー」は、こんな記事から始まっていることが証拠である。但し、当初はブログではなく、PDFファイルをアップするという、これまたワケのわからないことをしていた(いつのまにか、HTML形式に移行。ブログで書き始めるのは、もっとずっと後のこと)。ウェブページには、日記以外のコンテンツとして書き溜めた「フーガの技法」の楽譜をアップするなどしていた。
まもなく、Thunderさんのブログに初コメント(笑)。mckenさんとネットを介したやりとりを始めたのも、この頃だったかなー。しかし、まだまだハンドルネームが揺れていたっけ。"クリバ"とか"クリバヤシ"とか"kuri_saxo"とか。結局は"kuri"に落ち着いたのだが…。自分のサイトを作ったこともあり、(質はともかくとして)ネット上のコミュニケーションの仲間入りをしたと言える時期ではないだろうか。
同時に、Yahoo!のアカウントからマスランカ氏に「マウンテン・ロード」の楽譜をどうしても買いたいのです!という旨のメールを送った(メールアカウント取って一番最初に送ったメールが、英文メールだったというのも、手前味噌ながら驚き…)。ドキドキしながら返事を待っていたのだが、数日後に大変丁寧な調子で返信をいただけたのだ!このときの嬉しさは、言葉では言い表せなかったなー。国際郵便為替を使って送金し、楽譜が入った大きな小包を受け取った時のワクワク感…ああ、久々に思い出してしまった。
最初に送ったメールがフイにされていたら、おそらくその後、海外にメールを送るのが怖くなってしまっていただろうな。そういった意味でも、マスランカ氏の、私のような見知らぬ者に対する優しさには、今でも感謝している。以降は、メールを使って作曲家や出版社にコンタクトすることが徐々に多くなっていった。「バードランド」のためにRAFの音楽課にメールを送ったり、「ソビエト民警のための行進曲」のために、RNCMとB&Hにメールを送ったりするたびに、いちいちドキドキしていた気がする。イトーミュージックさんとも、何度もメールをやりとりしたっけかな。
佐藤渉さんから、またSim@さんから連絡を頂いたのが、2005年の暮れ。フェスももちろん聴きに行った。2006年初頭、イギリスのサクソフォーン界に関する研究を開始。音源を見境無く収集しはじめる。2006年の2月ごろ、mixi加入。雲井さんを発見し、失礼とは思いながら何度もページを訪問する。
2006年7月、ジェローム・ララン氏が来日。大泉学園ゆめりあホールで行われたリサイタルは、今まで聴いたコンサートの中で最も印象深いものの一つとなっているが、その場所でThunderさんの紹介により、mckenさんと初対面したのである。また、演奏会後にララン氏にメールを送り、お知り合いになることができた。そうだ、コンサートに向かう途中に立ち寄ったオープンしたばかりのドルチェ楽器で、倉田さんと2時間ほど話し込んだうえに、マーフィ氏にサインをもらったのだった。
このころ、フェルドハウス氏から楽譜を購入するために、PayPalのアカウントを作成。PayPalってeBayでたくさん使われているんだ…ってことで、eBayでの音源収集も開始。送料の高さに驚きながら、持っていなかったLPを少しずつ収集し始めた。5ドルのレコードを落札して送料20ドルと言われたときは、さすがに青ざめたけど。
2006年11月、HTMLで書いていた「ダイアリー」を、ブログへ移行。更新頻度を上げ、おおよそ一日に一つの記事を書くように心がけた。当時の訪問者は、およそ40人/日。さすがブログのほうがPageRankが上がるためか、その後少しずつ訪問者が増えていくのが面白かった。
2006年の暮れから2007年の頭にかけては、何と言っても、生野裕久氏に宛ててメールではなく初めて手紙を使った、ということ、それから「an eye for a difference」がらみのクリス・カルドウェル氏との出会いが印象深い。結局実現はしなかったけれど、実はデルタ・サクソフォン四重奏団のつくば市公演(演奏会とワークショップ)を、水面下で準備していたのですよ!これに関しては結局、デルタQの来日自体が流れてしまい、叶わなかった。
2007年3月、サクソフォーン協会のアンサンブルコンクール参加の折に、日本各地のアマチュアサクソフォン奏者と知り合う。短い時間ではあったが、そこで顔をあわせた多くの方と、その後にわたるネット上やオフラインでの付き合いが始まった。2007年7月、ジョイントリサイタルの折に原さんや大石さんと初対面。2007年8月、Adolphesax.comのチームの方のご尽力により、Saxologie共同購入プロジェクト(?)を敢行。到着が遅れたものの、結果的に合計4冊の冊子を日本へと輸入することができ、またこの時に新たにお知り合いになったサックス吹きの方もいた。
2007年10月、ラッシャーについての研究開始。A.Jackson氏と初めてコンタクト。ある意味においては、ロンデックス氏をもしのぐ世界最高のサクソフォーン研究家であり、現在もA.Jackson氏に協力し、とあるウェブページの日本語版作成を行っている(公開はもう少し先です)。2007年11月、ドゥラングル教授の伝説的リサイタル。京青さんのお膳立てにより、静岡のアマチュアサクソフォニスト、あかいけさんと初対面。芸大のとある方々とも初対面。
2007年12月、フェスティバル参加。無謀にも「Heartbreakers Part1」を日本初演。フェスのレセプションで、アマチュア・プロのサクソフォン奏者と知り合いになった。上田卓氏からはボルドー音楽院関連の大量の資料を頂戴した。2007年暮れ、世界的なギャルド研究家、木下直人さんから連絡を頂く。木下さんからは、その後もたくさんの音源や資料を頂戴している。2008年1月、ロンデックスコンクールの折に、集計ページを作成する際、李早恵氏、オコナー氏など多くの方のお世話になった。また、ラッシャーに作品を献呈した唯一の日本人、笹森建英氏と手紙をやりとりすることができた。
現在の調査・研究対象は「シガード・ラッシャー」「現代音楽におけるサクソフォーン」「イギリスのサクソフォーン」の3点である。ブログへのユーザの訪問は、1日せいぜい150~180セッションと比較的少ない(そもそも対象としている市場が小さいのだし)が、今後とも様々なネタを掘り起こしていこうと思っている。…こんな一学生を相手にしてくださる、国内・海外のプロ・アマチュアのサクソフォン奏者や研究家、作曲家の方々に今一度感謝を申し上げ、この記事を締めくくろうと思う。
4 件のコメント:
いやぁ、やっぱりkuriサン、すごいですね・・・!
私もいろいろ調べたりとかしたいなーとか思いつつ、自分で集めつつも…特に何が起こるわけでもなく(笑)
まぁそれでもやっぱり今Blogをやってるだけでも結構情報が入ってきたりとか… 少なくともBlogを始める前よりは断然自分でいろいろ調べたりするようになったんですが。(^^)
最近はBlogをやってる皆さんの影響なのか、ミュールやアメリカの方の…
最近買ったケリー(…だかな?)にハマっていたり。いろんなサックスに興味を持つようになりました。
それにしてもやっぱりkuriサンのBlogには、すごくタメになることとか
たくさん書いてあって、愛読させてもらっています(笑) ありがとうございますー。
あ。kuriさん!
私のBlogのLinksに追加してもよろしいでしょうか?
> K.Kさん
コメントありがとうございます。
自分でblogなどを使って情報発信をすると、ただ見ているだけでは手に入れられない情報が入ってくる、というのには同意です。インターネットを通じた出会い、というのは世界規模ですからね。こんな人が読んでくださっているのか!ということが、たまにあります。
J.E.ケリーさんのCDは、お安いうえに曲目が面白く、良いCDだと思います。確かK.Kさんはまだ高校生であるとのことですが、私が高校の頃は、そのCDには見向きもしませんでした(^^;今思い返してみても、無知だったなあと。それに比べたらとても勉強熱心で、驚かされます。
リンクの件、了解しました。私のほうも、ウェブサイトからリンクを張らせて頂きます。どうぞよろしくお願いいたします。
いやー、あのケリーさんのCDは、たまたま行ったCD屋で売っていて、値段もすっごく安かった上、
ラーションが入ってるCDなんてそうそうないなぁ・・・!と。
あのサックスの音は聴いたことなくて。結構本気でファゴットのCDと買い間違えたんじゃないかなんて(^^;)
Linkありがとうございます!!
Blogタイトルを変更したので、もしよろしければ変更お願いします。すいませんーっっ。
> K.Kさん
ケリーさんのCDは、私も初めて聴いたときはその音色に驚きました。「ややこもった音色」「弦楽器を模してスラップタンギングを使う」「よく伸びるフラジオ音域」といったところが、ラッシャー派と呼ばれる奏者たちの演奏の特徴だと思います。
リンクの件、了解しました。修正しておきますね。
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