2009/10/21

mosaïque

フランスのサクソフォン奏者、ジュリアン・プティ Julien Petit氏のアルバムを、昨シーズンまでカンブレ音楽院(プティ氏が教鞭を執っている)で学んでいたMさんに、まとめて持ち帰ってきていただいた。なかなか国内では流通しづらいCDも含まれており、非常にありがたい。Mさん、ありがとうございました。というわけで、ここから4記事ぶんはプティ氏のアルバム紹介縛りとなる(笑)。

「mosaïque(Loreley LY020)」は、ジュリアン・プティ氏が参加しているクレツマー音楽のトリオ、Trio Klezeleと、チェロのBéatrice Reibel(プティ氏の奥様だとのこと)、ピアノのJuliana Steinbachが参加したアルバム。どんなんかなーとプログラムをみてみると、一見なかなかにごった煮な感じの曲目。だが良く聴いて&考えてみれば、実は民族音楽的なものを基本テーマにして選曲しているのではないかなと思えてきた。

Maurice Ravel - Kaddish (vc, pf)
Klezmer Music - Opshepiel far di Mekhatonim (sax, ac, cb)
Klezmer Music - Freylechs from Warsaw (sax, ac, cb)
Klezmer Music - A Glezele Vayn (sax, ac, cb)
Ernest Bloch - 3 Chansons (vc, pf)
Klezmer Music - Der Gasn Nigun (sax, ac, cb)
Klezmer Music - Der Glater Bulgar (sax, ac, cb)
Rémy Yulzari - Onde de choc (sax, ac, cb)
Rémy Yulzari - Le souffle du guerrier (sax, ac, cb)
Serge Kaufman - Suite Yiddish (vc, pf)
George Perlman - Dance of the Rebbizen (vc, sax, pf)
Klezmer Music - Avinu malkenou (sax, ac, cb)
Klezmer Music - Khupah tanz (sax, ac, cb)
Klezmer Music - Little Galitsian dance (sax, ac, cb)
John Williams - Theme from Shindler's List (vc, pf)
Yves Chauris - Esquisses (vc, sax, ac, cb)

まず、ジュリアン・プティ氏のサクソフォン(このアルバムはすべてソプラノサクソフォンだが、ソプラノが得意なのかな?)について言えば、技術、コントロール、音楽性すべてが想像を絶するレベル。想像を絶するというか、そもそも楽器というインタフェースの存在を意識せずに、ここで奏でられているのはまさに「ジュリアン・プティ氏の音楽」そのものであるところに恐れ入る。

音程を外したり、リズムを揺らしてみたり、特殊奏法で音にアクセントを加えてみたり、そういった細工が、さらにサクソフォン音楽としての可能性を推し進めているという印象をも受けた。これは、楽しい。こういうアルバムを聴くと、まだまだサクソフォンも楽しいぞ!捨てたもんじゃないぞ!と思えてしまうのだ。

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