2009/10/14

1978年ギャップ国際サクソフォンコンクール・データ

1978年のギャップ国際サクソフォンコンクールは、現パリ国立高等音楽院教授であるクロード・ドゥラングル Claude Delangle氏が最高位(一位なし二位)を受賞したサクソフォンのコンクールということで有名であるが、これまでまとまった資料を見ることがなかった。

しかし今回、島根県のF様より、当時のバンドジャーナルに掲載された石渡悠史氏と阪口新氏のレポートのコピーを送っていただき、その全容を知ることとなった。これはとどめておくのがもったいない!ということで、本ブログ上でご紹介したい。そうそう、記事を読んでいて知ったのだが、サクソフォンのみを取り上げた国際コンクールとしては、これが世界初のものだったそうだ。

まずは、基本的なデータを読み取れる限り掲載する。考察はまた今度。

主催:ギャップ市
後援:フランス文化庁
組織委員長:マルフェ(ギャップ音楽院院長)
顧問:セルジュ・ビション(リヨン音楽院教授、当時のフランスサクソフォーン協会理事)
期間:1978/7/15~1978/7/22
会場:フランス、ギャップ市
審査員(所属は当時のもの):
マルセル・ミュール(前パリ音楽院サクソフォン科教授、審査委員長)
マリウス・コンスタン(パリ音楽院作曲科教授)
アントニー・テスニ(アントワーヌ・ティスネのことか?パリ音楽院管弦楽法教授)
ギィ・ラクール(サクソフォン奏者、作曲家)
ポール・クレストン(作曲家、アメリカ)
フレデリック・ヘムケ(サクソフォン奏者、アメリカ)
イワン・ロト(サクソフォン奏者、スイス)
グライッチェル(ニュルンベルク音楽院学部長、ドイツ)
阪口新(東京芸術大学教授、日本)

【一次予選】
期間:1978/7/16~1978/7/18
参加者:69名(フランス30名弱、アメリカ20名弱、日本、カナダ各7名、スイス、ベルギー各3名、イタリア、セネガル、アルジェ、アイルランド各1名)
二次予選への進出者:20名
日本からの参加者:佐藤典夫、服部吉之、武藤賢一郎、宗貞啓二、下地啓二、佐々木雄二、野田燎、前沢文敬(敬称略・野田氏は棄権)
課題曲:委嘱新作と、選択曲のなかから1曲(計2曲)
指定曲:コンクールのために書かれた新作(「特殊な現代奏法がたくさん使われている非常な難曲」とのこと)
選択曲:クレストン「ソナタ」、ボノー「ワルツ形式のカプリス」、パスカル「ソナチネ」他計6曲
制限時間:約10分

【二次予選】
期間:1978/7/20
二次予選進出者:20名
うち日本からの参加者:武藤賢一郎、宗貞啓二、下地啓二(敬称略)
本選への進出者:5名
課題曲:選択曲A群とB群から1曲ずつ(計2曲)
選択曲A群:デニゾフ「ソナタ」、ロベール「カデンツァ」、バセット「ミュージック?」他計4曲
選択曲B群:イベール「コンチェルティーノ」、ブートリー「セレナーデ」他計4曲

【本選】
期間:1978/7/22
本選進出者:リタ・クヌーセル、ジャン=イヴ・フルモー、ジャン=パウル・フーシェクール、クロード・ドゥラングル、武藤賢一郎(全員がパリ音楽院の卒業生)
課題曲:指定曲と選択曲1曲ずつ(計2曲)
指定曲:マリウス・コンスタン「コンチェルタンテ」
選択曲:デュボワ「コンチェルト」、イベール「コンチェルティーノ」、ブートリー「ディヴェルティメント」他
共演:ポル・ミュール指揮プロヴァンス・コートダジュール・オーケストラ
結果:
第1位:該当者なし
第2位:クロード・ドゥラングル(フランス)、ジャン=イヴ・フルモー(フランス)
第3位:ジャン=パウル・フーシェクール(フランス)
第4位:リタ・クヌーセル(アメリカ)
第5位:武藤賢一郎(日本)

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