2007/11/17

思いがけない収穫…ヴェローヌ作品集

今日(もう昨日か)は、上野の奏楽堂までファブリス・モレティ Fabrice Moretti氏のコンサートを聴きに行って来た。夜も遅いのでそのすばらしかったコンサートの模様は、明日駄文で連ねることとしよう。コンサート中は、聴いていて何度も身震いしてしまった。アンコールで演奏されたピエルネの「カンツォネッタ」が、家に帰ってきても未だに頭の中をぐるぐる回っている。

今日はとりあえず、会場での思いがけない収穫についての話題。…REMというフランス(オーストリア?)のCDメーカーをご存知だろうか。かつてサクソフォンのCDを何枚かリリースしていた中小メーカーなのだが、倒産してしまったようで、そこに吹き込まれたCDは多くが入手不可能な状態に陥っている。例えばリヨン音楽院のラージサクソフォンアンサンブル作品集や、アントワーヌ・ティスネのサックス作品集など、興味深い盤がいくつか存在していただけに、惜しいといえばかなり惜しい。

そのREM発CDに名を連ねるものの中に、フランスの作曲家ピエール・ヴェローヌ Pierre Vellonesの作品集なんてものがある(REM 311303)。サクソフォン吹きにはかなり有名なヴェローヌだが、まとまった作品集というのは中々見当たらない中で、そもそもリリースしたことに拍手を送りたいものだが、そんなわけで入手困難であった。ところが、そのCDがなんと会場で売っていたのである!Momonga RecordsのCDの山に紛れて危うく見過ごすところだった。

このCDでは、サクソフォン、ハープ、チェレスタ、打楽器のための「ラプソディ(狂詩曲)」が収録され、そのサクソフォンパートをモレティ氏が吹いている(おそらく、モレティ氏がフランスから持ってきたのだろうな)。また、四重奏曲である「アンダルシアの騎士」「野獣園より"いるか"」「半音階的ワルツ」が収録されており、サン=フロンティア(サン=フロンティエール) Sans Frontiere 四重奏団が演奏を担当。そのほかは歌曲だが、バリトンはなんとあのフランソワ・ル=ルー(ルルーじゃなくて)。ほおぉ。

ちなみに、サン=フロンティア四重奏団は知る人ぞ知る、といったフランスの四重奏団(もう解散してしまっているはず)だが、ソプラノをあのアレクサンドル・ドワジー Alexandre Doisy氏が担当していることでも有名だろう。テナーは、大川信一郎氏(有名人!)。サン=フロンティアは他にCDを出していないのかな。同じくドワジー氏がソプラノを務めるヴィヴァーチェ Quatuor Vivace四重奏団は?フランスの音楽院付近のローカル情報って、なかなか入ってこないから困る。

さて、このヴェローヌ作品集、今聴いているが、どれも高水準の演奏で大変楽しめる。モレティ氏のコンサートの余韻を楽しみつつ、BGMとしてかけておくのにぴったり。隅々まで聴きこむのはまた今度にして、今日はこのヴェローヌの美しいメロディと、名手たちのしなやかな演奏に酔いながら、眠ることとしよう。

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そういえば、今日のコンサートのパンフレットからの情報だが、モレティ氏、オーケストラとの共演盤で、タイトル「スカラムーシュ」なるディスクをリリースする予定があるそうだ。楽しみ。ポール・メイエ指揮リエージュ・フィルハーモニー(ベルギーのオーケストラ)との共演。

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