2014/04/30

須川展也デビュー30周年記念コンサート・東京公演(後半のみ)

【須川展也デビュー30周年記念コンサート】
出演:須川展也(sax)、小柳美奈子(pf)、鈴木大介(gt)、トルヴェール・クヮルテット(saxq)、山下一史(cond)、ヤマハ吹奏楽団
日時:2014年4月29日 13:00開演
会場:東京文化会館・大ホール
プログラム:
A.ピアソラ - タンゴの歴史より"カフェ1930"、"ナイトクラブ1960"
カッチーニ - アヴェ・マリア
吉松隆 - ファジイバード・ソナタ
長生淳 - プライム-クライム-ドライブ
A.リード - アルメニアンダンス・パート1
石川亮太 - 日本民謡による狂詩曲
真島俊夫 - シーガル
J.マッキー - サクソフォン協奏曲
P.マッカートニー - マイ・ラヴ(アンコール)
P.A.グレインジャー - Ye Banks and Braes O' Bonnie Doon(アンコール)

実は前売り券を取れず、あきらめていたのだが、とある方のおかげで後半から聴くことができた(前半も素晴らしかったとのこと!)。

5階建て、2303席の大ホールが、前売り券完売・満席。演奏が素晴らしいことは言うまでもなく、それぞれの曲はどれも須川氏が大事にしてきた作品であることもあって、演奏会のプログラム内容としても大満足。

特に、やはりメイン曲として演奏されたマッキー「ソプラノサクソフォン協奏曲」の印象が強い。須川氏の独奏によりAvexからCDで出ているとはいえ、多くの方にとって初めて聴く作品だったはずだが、やはりこの作品のパワー、テクニカルな面での強烈さは、相当なものだ。須川氏の独奏はもちろん、バックバンドにも相当のアンサンブル能力を要する作品だが、山下一史指揮のヤマハ吹奏楽団はさすが…須川氏のコメント「実はアマチュアなんですよ…いや、プロみたいな演奏するんですけど」は、まさにその通りで渾身の名演を繰り広げていた。

ちなみにこの「ソプラノサクソフォン協奏曲」以前も書いた気がするが、スコア・録音(ティモシー・マカリスター氏による!)は下記リンクから参照できるので、もしご存じない方はぜひ。この曲の元になったコリリャーノの「クラリネット協奏曲」もかっこいいんだよなあ。
http://www.ostimusic.com/SaxConcerto-media.php

アンコール最後に、グレインジャー作品が無伴奏アルトサクソフォンで演奏された。その演奏が終わった瞬間、大拍手をする会場いっぱいのお客さんを4階から眺め、そして何度もカーテンコールに応える須川氏を観て、日本のサクソフォン界を支えてきた一人である須川展也氏の偉大さと、そしてこれからの日本のサクソフォン界に思いを馳せるのだった。

私自身、サクソフォンにハマった最初のきっかけは須川氏である。当時長野県のとある高校で二年生だった私は、松商学園高等学校の吹奏楽部定期演奏会に須川氏が客演すると知り、先輩と出かけたのだ。忘れもしない第一部は、リヒャルト・シュトラウスの「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」、二曲目がアンリ・トマジ/仲田守編曲の「サクソフォン協奏曲」であった。初めて聴くプロのクラシック・サクソフォンが須川氏のその演奏。その後マルセル・ミュールのCDなどを聴き、アマチュアという立場ながら、サクソフォンという大海原に進水していくことになる。その年の10月あたりに岡谷のカノラホールで聴いたトルヴェールもすごかったなあ。

この日会場を訪れた人のうちサクソフォンを吹いている方の多く、いや、もしかしたら日本でサクソフォンを吹いている人のうちほとんどは、自分の中の「サクソフォン」を形成するうちの何%かが須川氏である、という方がほとんどなのではないかな。それはサクソフォンを始めるきっかけだったり、私のようにハマるきっかけだったり、須川氏のデビュー当時からの遍歴を知っていたり、芸大生であれば須川氏に習っていたり…。これまで須川氏が、30年という月日の中で、東京近郊のみならず各地方で"クラシック・サクソフォン"という定義の裾野を広げる活動を積極的に行ってきた功績は、真に称えられるべきところだ。

そんな須川氏の、30周年という舞台を観ることができた喜びを噛みしめつつ、そして何だか消化しきれない感慨にふけりつつ、会場を後にしたのだった。

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このコンサートの終演後、ばったり会った大学の後輩2人と、上野アメ横の大統領へ。本店はさすがに入れず支店だったが、場末感は若干劣るものの(笑)美味しさと安さはそのままで、看板メニューの串焼きや馬の煮込みをつまみつつ、日本酒"大統領"やレモンサワーを味わう。上野に来たらやはりここに来ない手はない!コンサートの話その他に花が咲きつつ、途中からはharatchさんも参戦して夜が更けていくのであった。うっかり深酒してしまい、最寄り駅を2回も乗り過ごしたのには我ながら驚いた。

2014/04/29

須川展也デビュー30周年記念コンサート@東京文化会館(序文)

とある方のおかげで、なんとか休憩後の第二部から聴くことができた。

須川氏が指揮者として演奏した「アルメニアンダンス・パート1」、思いがけず聴くことができた石川亮太「日本民謡による狂詩曲」(急遽東京公演に追加となったとのこと)、真島俊夫「シーガル」、いちばん楽しみにしていたジョン・マッキーの「ソプラノサクソフォン協奏曲」、続いてアンコールとして演奏されたポール・マッカートニーの「My Love」、そして無伴奏でシンプルにメロディだけ演奏されたPercy Aldridge Graingerの「Ye Banks and Braes O' Bonnie Doon」を聴いた。演奏の素晴らしさや、完成されたステージング、MCの素晴らしさ!そして何より、満席(!)となった東京文化会館大ホールの様子を4階席から眺めながら、日本のサクソフォン界の、須川氏に負っている部分の大きさを実感するのだった。

詳細は、明日のブログ記事として書く予定。

そういえば、須川氏の自伝が2000円で先行発売されていた。さっそく購入。Amazonでも取り扱いを開始したようである。

帰り際に大統領・支店で、大学の後輩2人と、途中からharatchさんも参戦して飲む(ちょっと不思議な組み合わせ笑)。話題は尽きず、4時間も飲み続けてしまった。楽しかったなあ。

2014/04/28

須川展也氏 plays マッキー on YouTube

明日の須川展也氏のデビュー30周年記念コンサートは、チケット売り切れのため行けず…。うっかりにもほどがある。

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ということで、明日も演奏されるというジョン・マッキーの「サクソフォン協奏曲」の演奏を、須川展也氏の演奏にて観ている。2009年の、アンサンブルリベルテ吹奏楽団の第40回記念定期演奏会におけるライヴ演奏だそうだ。マカリスター氏の演奏も素敵だが、やはり須川さんの演奏も良いなあ。ライヴで聴けないのが残念…。



ちなみにこの「ソプラノサクソフォン協奏曲」以前も書いた気がするが、スコア・録音(ティモシー・マカリスター氏による!)は下記リンクから参照できるので、もしご存じない方はぜひ。
http://www.ostimusic.com/SaxConcerto-media.php

2014/04/27

3000記事達成

なんと、この記事がブログの3000記事目となる。

ここ数年は「内容はどんなものでも良いから、1ヶ月にその月の日数分書く」という方針で続けているが、これならば仕事が忙しくても、夜遅くまで飲み会があってもペースを守ることができている。内容的なことを言えば、もっと吟味したものをアップすべきなのかもしれないが、継続のためにはやっぱりこのくらいが良いのかも。

ということで、すでに習慣化しており、あまり感慨もないくらいなのだが、今後も、広がり続けるクラシック・サクソフォンの世界の中から、面白いと感じる話題をピックアップして発信し続けていきたいと思う。幸いなことに、クラシック・サクソフォンの話題は目下尽きることがなく、毎日毎日何かしら書いていても追いつけないほど!

協会誌編集委員会

4/25金曜日、田村哲のリサイタルの後に渋谷へと移動し、おなじみ"串八珍"へ。この度の協会誌も無事発刊に至ったということで、佐藤淳一編集長を中心に、服部先生、中村先生、貝沼さん、大川千都さんが集まり、次回に向けてのネタ出しを行った。開始が遅かったこともあって2時間弱程度の短い邂逅となったが、それでもほぼ内容の候補は挙がりきったかな。あとは調整の上、記事集めに進んでいく。

最後に佐藤淳一さんとともに春日亭の油そばで〆。もはや串八珍→春日亭の流れは私の中で定型化しつつある。不健康なことこの上ないが(汗)美味しいんだよなあ。

日本サクソフォーン協会誌No.25が到着

日本サクソフォーン協会の会報"サクソフォニスト"No.25が到着した。下記のような内容である(著者名敬称略)。

サクソフォニスト第25号特別企画
- サクソフォニスト発刊の経緯(石渡悠史)
- 日本サクソフォン協会報第一号復刻&表紙コレクション
- 歴代編集長鼎談(服部吉之、中村均一、佐藤淳一)
ルチアーノ・ベリオ論~注釈技法の研究とその起源を巡って~(佐藤淳一)
野田燎のサクソフォン作品研究、及び作品における邦楽的要素(Dai-Un Den)
第7回スロヴェニア国際サクソフォンコンクール優勝報告記事(本堂誠)
ギィ・ラクール追悼記事(ジェローム・ララン)
アドルフ・サックス工房からの枝分かれを開催してみて(雲井雅人)
木下直人氏とそのコレクション(kuri)
留学生レポート
- マンハッタン音楽院(Lee Wonki)
- セルジー・ポントワーズ音楽院(小澤瑠衣)
第32回サクソフォーンフェスティバルCD(制作:浅利真)

合計148ページと、さすがに前回ほどではないがかなりのヴォリューム感。一日程度で読み切ることはできず、少しずつ読み進めている。

圧巻なのはやはり佐藤淳一さんの論文で、これは東京藝術大学の博士課程を卒業するときの論文の組版を整えて掲載したものであり、多くのサクソフォン奏者(演奏する側も、聴く側も)にとって貴重な内容と感じた。ベリオの注釈技法そのものについての説明はアカデミックな内容を多く含んでいるが、第3章に書かれている注釈技法の起源を紐解こうとする内容は、読み物的な観点からも非常に面白いので、これはぜひ多くの方に読んでいただきたいところだ。この第3章におけるやや論文らしからぬ内容は、実は平野公崇氏からのアドヴァイスを受けて設けた部分とのことで、結果的に論文の結びを与えるための重要な箇所になっており、興味深いアプローチであると感じた。

田氏の、野田作品のアナリーゼもなかなか。野田氏の作品は、あまり国内で実演を聴いたことがなく、どちらかと言うと外国受けしているのではないかなと思うが、この記事がもっと国内で演奏されるきっかけの一つなってほしいと思った。願わくば、もう少し野田氏自身の略歴について詳細に調査していただきたかったところでもある。ララン氏が寄稿したギィ・ラクール追悼記事も、多くの方に読まれてほしいものである。こちらは、ラクール氏自身の人となりだとかエピソードのようなものをもっと読んでみたいなとは感じたが、貴重な内容であることに間違いはない。国際コンクールのレポート、そして留学生レポートは、やはりその場を体験した/体験している方ならではの内容であり、面白く読める。

私は今回、このブログではおなじみのギャルド研究家:木下直人氏のことを多くの方に知っていただきたく、「木下直人氏とそのコレクション」と題して、氏のコレクションや復刻システムや音楽観等を、紹介する記事を執筆した。14ページ程度、中には対談の書き起こしもあってちょうど良いヴォリュームでさくっと読めるはずなので、ぜひご覧頂きたいところ。

協会誌に記事を寄せ始めてから6回目、協会誌の編集企画委員として携わってから3回目の発刊となるが、ここ数年の協会誌の充実度は飛躍的に向上しており(他楽器の協会の会報目次リストをいくつか調べてみたが、それらとは比較にならないほどの高い充実度ではないだろうか)、良い物をお届けできているのではないかなと思っている。ただ、まだまだ改善の余地はあるはずで、ご意見や掲載したい記事等あればぜひ編集部宛にご連絡いただけたい。

2014/04/26

田村哲サクソフォンリサイタル 2nd

【田村哲サクソフォンリサイタル 2nd】
出演:田村哲(sax)、川岸麻里(pf)
日時:2014年4月25日(金曜)19:15開演
開場:フィリアホール(青葉台)
プログラム:
P.M.デュボワ - ディヴェルティスマン
P.モーリス - プロヴァンスの風景
A.デザンクロ - 前奏曲、カデンツァと終曲
西村友 - ポップ・ダンス・スイート
木下牧子 - 夜は千の目を持つ
A.ウェニアン - ラプソディ

1stリサイタルを含め何度かフォーマルに演奏を聴く機会があるが、回を重ねるごとにどんどんと上手くなり、もはや昨日のリサイタルでは技術面・音楽面ではもちろんのこと、30歳を目前に控えた中堅どころの貫禄のようなものすら感じさせるほど。プログラミング(プログラムが管打っぽくなってしまったのは偶然とのこと)、演奏、ステージングなど、どれもこれもが私の思い描く理想的なリサイタルにかなりマッチするもので、大変楽しむことができた。ちなみに私は今回のリサイタルにあたって、前々々回、前々回、前回に引き続いてプログラム冊子の曲目解説を担当した。

フィリアホールは、田村哲が中学生の時に師匠のリサイタルを聴いた会場なのだそうだ。その500席のホールが、見た目9割5分という盛況ぶり。あまりサクソフォン関係者っぽい方が多くないところが面白い。

デュボワ、モーリス、デザンクロという非常にオーソドックスな作品が並ぶが、どれもテクニカルな面でのクリアはもちろんのこと、音楽的にもクリーンで"正格"な印象を受ける。(田村哲と一緒に酒を呑んだくれるとあまりわからないのだが笑:-p)、音楽に対して誠実な取り組みがされており、誰が聴いてもこれはこう吹かれるべきだ!という印象を受ける。個人的にはガンガンにサクソフォンらしく吹く部分があっても良いかなとも思うのだが、この抑制された美しさと正格な演奏こそが田村哲の美意識に基づくものなのだろう。いずれも佳演!また、ピアノの川岸麻里さんという方も非常に良く弾く方で、特に左手の多彩な音色が個人的なツボだった。

後半には2曲、邦人のオリジナル作品が演奏された。西村氏の作品は誰が聴いても楽しいコンサート・ピースといった趣の内容。とてもわかり易くてかっこ良く、特にBeatRockのフェーズでピアノとサクソフォンがユニゾンで動く部分など楽しく、もっと演奏されても良いのではないかなと思った。木下牧子氏の作品は、これらの作品の中では若干シリアスな響きを含むが、日本的なテンポ感性と西洋的な響きが融合した(適当なこと言っています、すみません)、傑作である。同音連打や時折現れる甘い響きは、誤解を恐れず言えばロベールの「カデンツァ」を思い起こさせる。最後に演奏されたウェニアンは、これはやはりとてもバランスがとれた名品であるなとの思いを強くした。いずれの曲においても、演奏から受ける印象は第一部と同様で、技術面をしっかりと押さえて、さらに作品に寄り添った演奏が展開されていたように思えた。アンコールは、このたび発売となった1stアルバムから1曲。アルバムについては、別途レビュー予定。

そういえば、会場では久しぶりの方に何人もお会いできて、嬉しかったなあ。21:00から渋谷で日本サクソフォーン協会の協会誌に関する定例打ち合わせがあったため、急ぎ会場を後にした。

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プログラム冊子解説の中で木下氏が触れていた田村哲の「夜は千の目を持つ」演奏 on YouTubeの公式映像を貼り付けておく。昨日の演奏も良かったが、こちらも素晴らしい。

木下牧子「夜は千の目を持つ」第一章


木下牧子「夜は千の目を持つ」第二章

2014/04/24

神秘的六重奏曲 on YouTube

フルート、オーボエ、サクソフォン、ギター、チェレスタ、ハープのための「神秘的六重奏曲」は、サクソフォンを含んだ室内楽作品のなかでも格別好きな作品だ。1917年に書かれた作品であるということが信じられない、充実した内容。当初、サクソフォンは誰を想定して書かれたのだろう。レコーディングとしてはロンデックス氏、アンリ=ルネ・ポラン氏、ミーハ・ロギーナ氏、ティモシー・マカリスター氏がそれぞれ吹き込んでいるが、実演を聴いたことがないなあ。もっと演奏されても良い作品だと思うのだが。

YouTubeで同曲の演奏を探したところ、こんな演奏を見つけた。サクソフォンは、Mauro Seniseという方なのだそうだ。なんだか味わい深く、ついつい聴き入ってしまった。

2014/04/23

2pf 1st LIVE(2台ピアノの演奏会)

かっこよかったなあ!

【2pf 1st LIVE】
出演:菊池広輔、田代あかり
日時:2014年4月23日 19:00開演
会場:大泉学園ゆめりあホール
プログラム:
吉松隆「ランダムバード組曲」
グラハム・フィトキン「T1」「T2」
ポール・デュカス「魔法使いの弟子」
旭井翔一「Anthologia(集華)-prelude and pop fugue-」
アラム・ハチャトゥリアン「剣の舞」
フランツ・リスト「ハンガリー狂詩曲第二番」
アレクサンダー・ローゼンブラッド「2つのロシア主題によるコンチェルティーノ」
リチャード・ロドニー・ベネット「4つの小品組曲」

東京音大ピアノ科出身の田代あかりさんにご案内いただき、伺った。大泉学園駅は職場からかなり遠く、あわや遅刻かと思われたが何とか間に合った。

普段サクソフォンのことばかり調べているもので、2台ピアノと聞いて思い浮かべるものは少なく、せいぜいのだめと千秋の2台ピアノシーンとか、グラハム・フィトキンの「ハードな妖精」とか、ジャン・マルティノンの「サクソフォン四重奏のための協奏曲」といった程度。オリジナル作品はほとんど知らず、個人的には初物づくしだったが、たいへん楽しむことができた。

最初の吉松からノックアウトされてしまった。様々なジャンルを横断的に、しかもテクニカルに、ということで、最初に置かれることがとても相応しいのではないかなと思った。普段聴くピアノのイメージを覆されるほどの恐ろしいほどのダイナミクスレンジと表現力(物凄い音の立ち上がりを見せたかと思えば、次の瞬間にはレガートと、コロコロ変わる)。さらに二人のアンサンブルの息もぴったりだ。フィトキンの、ポスト・ミニマル形式の珍しい作品をライヴで聴けたというのも嬉しい。「T2」での、これこれ!と膝を打ちたくなるようなフィトキン・コードが楽しかった。

魔法使いの弟子も、最初の朝焼けのような淡い感じから、嵐のような後半部への構成感が見事。テクニカルな面を完全にクリアしているというあたりは、やはり普段サクソフォンをやっている身からすると、楽器としての完成度や演奏者のレベルなど、ちょっとコンプレックスを感じてしまうほどだ。続いて演奏されたおなじみ、旭井さんの新曲は、相変わらずの素敵な作品。鍵盤ハーモニカや、ピアノ本体を叩くような奏法までも交えての、実にソフィスティケイトされた味わいを持つ内容が印象に残った。

後半は、MCやちょっとしたアクションも交えながらのエンターテイメントに徹した内容。しかし技巧的な部分はないがしろにされず、だからこそ聴いて見て完成度が高くいステージに仕上がっているのかなと思った。いきなり!演奏された「剣の舞」に続いて、「ハンガリー狂詩曲」のようなクラシカルな作品であっても遊びを交えてくるのだ。さらにパワーアップしてのローゼンブラッド作品は連弾にて演奏された。最後にはもはや主題となる民謡の面影はなく、圧巻のまま幕。ベネットは楽章ごとにきっちりとキャラクターを描きわけ、最後の最後まで完成度高く弾ききった!アンコールは、なんと譜めくりストまで交えての、四人八手連弾のラヴィニャック「ギャロップ・マルシェ」。

いやはや、ピアノという楽器の、そして2台ピアノという演奏形態の懐の深さをまじまじと見せつけられた感じだ。すごかった!

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(4/24追記)

ジャン・マティシアの「Chinese Rag」の演奏動画を観ていたところ、なんと後半でこの日アンコールで演奏された「ギャロップ・マルシェ」が演奏されているではないか!驚いた。
https://www.youtube.com/watch?v=w4IAZABcN24

2014/04/21

写真のバックアップ

かつてはCanon PowerShot S90で、最近ではSony NEX-5Nで撮影し続けた写真は、総サイズ200Gbytes超、総枚数35000枚以上に及び、バックアップが懸案だった。外付けHDDに数ヶ月に一度コピーしているが、これだと少々心もとない。

そこで、最近知ったこの方法を使うことにしてみた。Google+フォトへのバックアップである。
http://www.forest.impress.co.jp/docs/review/20140418_645058.html

Google+を使ったバックアップはてっきりサイズ制限があると思っていたのだが、リサイズ後の大きさ(長辺2048ピクセルにリサイズされる)であれば無制限にアップロード可能なのだそうだ。設定だけして放っておけば、自動で全プロセスを行ってくれるのもありがたい。最悪PC内蔵HDDと外付けHDDが同時にクラッシュしても…まあそんなことがあっても困るだけだが…アカウントさえあれば大事な写真はそれなりのサイズで取り出せるような状態になったわけだ。便利だなあ。おまかせビジュアル(画像認識して、パノラマ合成、コマ送りGIFアニメ作成、HDR化等を勝手に行ってくれる機能)も面白いですね。

しかし、私自身のGoogleへのサービスの依存度が半端無いな。Google検索、Gmail、Google Drive、YouTube、Google+、Android、Picasa、マップ、翻訳、Blogger、グループ、AdSense、等々、仮にアカウントにアクセスされたら、自分の仕事以外の行動の90%はトラッキングされてしまうほどのものをGoogleサービス上に残しており、便利さの反面、時々怖くもなる。

2014/04/20

Five SaxのCD制作プロジェクト

先日ピーター・ペレン氏と飲んだ時にお知らせいただいた情報。ウィーン界隈のサクソフォン界を賑わせている「Five Sax」が、このたびCDを作るプロジェクトを立ち上げたとのこと。Indiegogoのプラットフォームを使って最近流行りのクラウド・ファンディングの形での寄付(という日本語はちょっと変かも)を募っており、寄付をした方はその寄付額に応じて新作のCD他、さまざまなノベルティを入手することができるようだ。

http://igg.me/at/fivesax/x/6801155

Five Saxは、5人のサクソフォン奏者によるエンターテイメント集団であり、
どんな団体かについては、下記リンク先の動画を観ていただくのが手っ取り早いかと。初めて動画を観た時から演奏レベル・ステージングの面白さに感銘を受けたものだ。ちょっとLes DéSAXés デザクセに似た雰囲気がある。


メンバーは下記の通り。今はそれぞれの所属はバラバラだが、もともとはウィーン音楽院において同門とのことだ。
Joel Diegert(アメリカ出身、グラーツ音楽院博士課程在学中)
Michal Knot(ポーランド出身、ウィーン音楽院在学中)
Damiano Grandesso(イタリア出身、ボルドー音楽院在学中)
Pieter Pellens(ベルギー出身、ゲント王立音楽院講師)
Alvaro Collao León(チリ出身、ウィーン音楽院在学中)

私も、15ユーロか25ユーロを支払う予定。ちなみに、期日までに目標額に達しない場合、プロジェクトは実施されない(その場合、もちろん支払いも発生しない)。目標額に到達してくれるといいなあ。

TSQ練習~ゼペット訪問

土曜日の午前中はTSQ練習。曲がどれも難しいが、少しずつ(本当に少しずつ)進んでいるという実感はある。できなかったことが、ヘロヘロながらも少しずつできるようになっていく、そのプロセスが楽しい。

昼からは佐場野さんが代表を務める"管楽器工房ゼペット"を訪問した。四重奏を始めとして、各所でメイン使いのテナーはいつも小田桐工房さんにお願いしているのだが、もう一本持っている(だいぶ長い期間放ったらかしにしている)アルトは、調整はあまりこだわりなくいろいろな場所に持ち込んでいた。このたび5月の吹奏楽の本番でアルトを使うことになり、以前より気になっていたこともあってゼペットさんに数週間ほど預けていたのだ。結果、大変良い状態に調整していただき、これまで気になっていた音程感も見違えるようになった。

工房はお仕事中ではあったが、空いた時間についつい佐場野さんと話が弾む。いろいろとここに書けないような話も聞くことができて、短いながらも充実した時間を過ごしたのだった。

2014/04/19

佐藤淳一さんの博士学位審査演奏会 on Vimeo

ルチアーノ・ベリオの作品にサクソフォン四重奏、クラリネット四重奏、8人の声楽アンサンブルのための「カンティクム・ノヴィッシミ・テスタメンティ」という秘曲がある。日本初演は、佐藤淳一さんによって行われた。佐藤さんが東京藝術大学大学院の博士課程に在籍していた折、博士論文のテーマ「ルチアーノ・ベリオ論-注釈技法の研究とその起源を巡って-」に絡めて、2011年度博士学位審査演奏会で取り上げたのだ。

この学位審査演奏会についてはご案内を頂いていたが、仕事が忙しく伺えず、悔しい思いをした記憶がある。ふとそのことを思い出し、何気なくGoogleで検索したところ、その演奏の模様がVimeoにアップされているのを発見したのだ。まさか公に観られる状態でアップされているとは知らず、驚いた。サクソフォンは、佐藤さんのほか、加藤里志、田中麻樹子、大石将紀各氏という布陣。指揮はなんと安良岡章夫氏である。

25分近い作品だが、最初から最後まで高い集中力!あまりに素晴らしい演奏で、録画とはいえ感動してしまった。ぜひご覧頂きたい。久々に佐藤さんの論文を読みたくなった。

下記リンクからどうぞ:
http://vimeo.com/channels/474953/53573963

2014/04/17

ご案内:ザッツ・サクソフォン・フィルハーモニーさんの演奏会

【ザッツ・サクソフォン・フィルハーモニー 第11回定期演奏会】
出演:ザッツ・サクソフォン・フィルハーモニー、近藤久敦(指揮)
日時:2014年4月19日(土)開場 17:30 開演18:00
会場:曳舟文化センター大ホール(http://www.city.sumida.lg.jp/sisetu_info/tamokuteki/hikibunec.html
料金:全席自由 1000円(小学生以下無料)
プログラム:
G.プッチーニ - 誰も寝てはならぬ
J.シュトラウス - 喜歌劇"こうもり"序曲
V.モンティ - チャルダッシュ
P.I.チャイコフスキー - 白鳥の湖(That'sスペシャルミュージックストーリー)

チケット問い合わせ:thats@freeml.com

いつもお世話になっているザッツさんの演奏会をご紹介。埼玉~東京を中心に活躍するサクソフォン・オーケストラ団体で、有名な指揮者の近藤久敦氏を迎え、毎回非常にハイレベルな演奏を展開している。普通のサクソフォン・オーケストラのみならず、ザッツさんお得意の、スペシャル・ミュージック・ストーリーは、「白鳥の湖」…ナレーションとサックスオケを絡める音楽絵巻である。脚本もオリジナルなのが毎回驚きであるが、「白鳥の湖」か、どんなナレーション・演奏になるんだろうか。

池袋にて

昨日は、松下君に誘われて、ベルギー出身のサクソフォン奏者、ピーター・ペレン氏を交えた飲み会@池袋にお邪魔した。ピーター、松下君、ほか(書かないほうが良さそうなので書かないでおく笑)が参加。蒲田での他の飲み会の後に伺ったので途中参加となってしまったが、短い時間ながらも楽しい時を過ごした。英語、フランス語、日本語が飛び交い、80%くらいは下世話な話だったような気もするが(苦笑)、あることを"モスキートに刺された痕"と表現するのには笑ってしまった。

もちろんFive Saxや、その他サクソフォンの話題のおしゃべりも。楽しかったなあ。そういえば、Five Saxのプロジェクトについてもこちらのブログで紹介しなければ!

2014/04/16

ギャルド・レピュブリケーヌ吹奏楽団のサクソフォン新入団員

Alliage QuintettのFBページにおけるアナウンスより:
"Mule, Wirth, Barthas!" - We would like to congratulate Eva to her new position in the Orchestre de la Garde Républicaine Paris! ... and we are looking forward to our new alto Asya Fateyeva ( http://www.asyafateyeva.com/ )

ということで、先日ギャルドのサクソフォン奏者が募集されていたが、Eva Barthas氏が内定したようだ。彼女の演奏については、以前何度か記事を書いている。

http://kurisaxo.blogspot.jp/2013/10/eva-barthas.html
http://kurisaxo.blogspot.jp/2013/10/7aeolus-international-competition.html

2014/04/15

サクソフォンと巡る「冬の旅」

雲井雅人氏の「あふれる歌へのオマージュ」の話題ではなく、まったく別のアプローチによる演奏。イーストマン音楽院のChen Kwan Lin教授門下の学生達による演奏で、フランツ・シューベルト「冬の旅」のピアノをサクソフォンに置き換えた演奏をYouTube上で発見した。テノール独唱はRobert Swensen氏、サクソフォンへのアレンジはZzyzx Quartetにも参加しているMatt Evans氏とのこと。

雰囲気が独特…としか評しようがない。。。



うーん、「あふれる歌へのオマージュ」を聴き返したくなってきた…(笑)今度時間をとって聴いて、再レビューしてみよう。

2014/04/14

Delta Saxophone Quartetの30周年記念ライヴ配信

イギリスを代表するサクソフォン四重奏団の一つであるDelta Saxophone Quartetは、今年結成30周年を迎える。クイーン・エリザベス・ホールで行われた30周年記念コンサートの模様が、BBC公式サイトでネット配信されている。

http://www.bbc.co.uk/iplayer/episode/b040htbv/Hear_and_Now_The_Delta_Saxophone_Quartet_at_30/

なんと意欲的なプログラム!日本ではまずお目にかかることのできない内容だ。ターネジは、委嘱作品とのこと。"Delta Sax in Free Fall"では、なんとクラリネットに持ち替えての演奏を披露している。ライヒ作品の素晴らしさは、言うまでもない。"Available until 12:02AM Sun, 20 Apr 2014"とのことで、期間限定の配信。ご興味が有る方は今のうちにどうぞ。

Arvo Part: Summa
Mark-Anthony Turnage: Run Riot (London premiere)
Terry Riley: Pipes of Medb/Medb's blues (from Chanting the Light of Foresight)
Delta Sax in Free Fall (improvisations inspired by the Jimmy Giuffre Trio release of 1962)
Steve Reich: New York Counterpoint (arr. Susan Fancher)

The Delta Saxophone Quartet:
Christian Forshaw - soprano sax / clarinet
Pete Whyman - alto sax / soprano sax / clarinet
Tim Holmes - tenor sax / clarinet
Chris Caldwell - baritone sax / bass clarinet

2014/04/13

大学時代の友人の結婚式

昨日は、大学時代に同じ専攻だった友人の結婚式 二次会だった。

大学時代は、楽器関係ではもちろんだが、専攻のほうでも良き仲間に恵まれていた。そのとき、一緒に遊んだり飲んだり旅行したりしていた15人ほどの集まりがあり、今でも時々飲みなどで集まっているのだ。そのうちの一人であり、この集まりの中では、男性では初めてになるかな。めでたい!!

初めてこの仲間同士が会ってから実に10年が経っているわけで、感慨深い。式も披露宴も二次会も、とても充実して過ごすことができた。昔の話にも花が咲き、ちょっと懐かしく思うのであった。

楽器を持っていって、披露宴の余興にてSuperflyの「愛をこめて花束を」を新郎とともに演奏。新婦が好きな曲だということで、喜んでもらえてよかった。

2014/04/11

冨岡和男氏の"Sax Cantabile" on YouTube

今日は「ハデヴィッヒ」を4分音符=80で固めた。「トルメンタ・タンゴ」は明日なんとかする。

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昨年の、洗足学園音楽大学シルバーマウンテン・オープニングコンサートから、冨岡和男氏の「Sax Cantabile」の演奏動画が洗足学園音楽大学の公式アカウントにアップロードされていた。メインのサクソフォンは冨岡和男氏、ピアノは奥様の冨岡英子氏、また、共演のサクソフォンを岩本伸一氏、成田徹氏が固める。

強烈な存在感、特徴的なヴィブラート、美しい立ちふるまい・所作…感銘を受けるポイントは数多く、うまく言葉にできない。ただひとつ確信を持って言えるのは「演奏を聴いてそれが誰の演奏であるかわかる」ことこそが最も重要なことであり、この演奏はそのような演奏である、ということだ。素晴らしい。この日は自分自身の本番により聴きに行けなかったのだが、まさかアップロードされるとは思わず、感激してしまった。洗足学園音楽大学の粋な対応に拍手。



G.F.ヘンデル - 涙の起源
J.S.バッハ - G線上のアリア
P.マスカーニ - カヴァレリア・ルスティカーナ
G.カッチーニ - 聖母のまなざし
G.プッチーニ - トゥーランドットより誰も寝てはならぬ
京都地方民謡 - 竹田の子守唄
イヴァノヴィチ - ドナウ河の漣・2013−現代の混濁とともに
I.アルベニス - カディス
G.ガーシュウィン - ポギーとベス
I.アルベニス - コルドバ(アンコール)

2014/04/10

交流会事務局と林田先生顔合わせ会

今日は「トルメンタ・タンゴ」「ハデヴィッヒII」を個人練習。「トルメンタ」はなかなかテンポ上がらず…「ハデヴィッヒ」は、とりあえず4分音符=80まで到達。先は遥かに長い…。

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昨日は、林田和之先生と、第5回サクソフォン交流会事務局との顔合わせ懇親会。お店はmckenさんセレクトの新宿三丁目の「正々堂々」にて。19:30から始まり、いろいろな話に花が咲きつつ、終わったのはなんと23:00ちょっと前くらいだったような(笑)。料理もお酒も美味!そして林田先生の話に抱腹絶倒!〆は航海屋にてラーメン(適当に当たりをつけて入ったのだが、妙に美味しかった)。

帰りの電車でまたまた寝過ごし、だがしかし今度は終点までは行かなかったのがせめてもの幸いか。

若干事務作業が停滞していたが、これをキッカケに再起動をかけて進めていきたい。まずは企画ステージのあたりをつけないと。

2014/04/08

伊藤康英「幻想的協奏曲」前田ホールでの演奏

シューマン「交響曲第4番」の冒頭の主題って、バッハ「シャコンヌ」のエコーが聴こえますね。そういえば同じニ短調…。

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そういえば、松下洋氏関連でひとつ紹介し忘れていたものがあったので、このタイミングで書いておきたい。昨年12月に開かれた、伊藤康英先生プロデュースの「アジア吹奏楽交流演奏会 in 洗足」における、松下氏の「幻想的協奏曲」の演奏動画がYouTubeにアップロードされている。私も聴きに行っていたが(感想はこちらに書いてある→http://kurisaxo.blogspot.jp/2013/12/in.html…あれ、途中で切れてしまっているな。。。)、素晴らしい演奏に感銘を受けたことをよく覚えている。

(「幻想的協奏曲」は、21分39秒くらいから開始)


「幻想的協奏曲」演奏の箇所から視聴したい場合は、下記リンクからどうぞ。
http://youtu.be/LWcaqpxO1S4?t=21m39s

2014/04/07

松下洋サクソフォーン・リサイタル "für Clara"

というわけで、じっくりレポートを。今回のリサイタルを聴くことができて本当に良かった!

【松下洋サクソフォーン・リサイタル Vol.3~天恍のロマンス~】
出演:松下洋、福田亨、丸場慶人、上野耕平(以上sax)、黒岩航紀(pf)
日時:2014年4月6日 19:00開演
会場:横浜みなとみらいホール・小ホール
料金:一般2000円、学生1500円
プログラム:
第一部「デュッセルドルフの思い出」
ヨーゼフ・ヨアヒム - ロマンス
クララ・シューマン - 3つのロマンス
ロベルト・シューマン - 幻想小曲集
ロベルト・シューマン - ピアノ五重奏曲変ホ長調より第1楽章
ロベルト・シューマン - 天使の主題による変奏曲
第二部「天恍のロマンス」
ヨハネス・ブラームス - 4つの厳粛な歌
クララ・シューマン - バラード
ロベルト・シューマン - クララのための4つの歌
ロベルト・シューマン - ミルテの花

そもそもなぜこのようなリサイタルをやろうかと思ったか、について、打ち上げで松下君に伺うことができた。若干うろ覚えな部分もあるが、書いておきたい:「愛」をテーマにしたリサイタルをやろうと、作品を探していた時にブラームスの「4つの厳粛な歌」に出会い、その成立背景を調べていったところ、ロベルト・シューマン、クララ・シューマン、ヨハネス・ブラームス、ヨーゼフ・ヨアヒムというロマン派の偉大なる音楽家たちの人生に触れ、のめり込んだそうだ。リサイタルの構築にあたっては、非常に多くの文献を当たり、それらを読んでいた時間がとても長くなってしまったとのこと。

その深い理解・周到な準備は、20ページを超えるプログラム冊子に現れていた。「永久保存版」とも言えるような、これを最初から最後まで読めば観客はすっとかれらの世界に入って行くことができるような代物。彼らの人生のエピソードを絡めた見事な曲目解説、そして書簡の抜粋を含む作曲家たちのプロフィール文。短時間では読みきれないほどの内容、そして情報量。最後には松下君自身による、作品についての考察も。リサイタルの空いた時間に眺め、帰ってきた後はじっくりと楽しんでいる。

ブラームスをシューマン夫妻に紹介した、当代随一のヴァイオリン奏者、ヨーゼフ・ヨアヒムの、ヴァイオリンのための小品から1曲。まずはさり気なく…と思いきや、やはりヴァイオリン作品をサクソフォンで演奏するにあたっての広い音域や高速フレーズなどが立ちはだかる。しかしそこは松下君、さすがの演奏で見事に曲としてまとめていた。もちろん、ごく稀にサクソフォンの弱点である低音域の弱音の難しさや、ド→レあたりの音色の不均一性といったところも聴こえてきたが、そういった議論が無駄に思えるほどの説得力のある演奏に感心した。そして、またまた室内楽作品以外はすべて暗譜という徹底ぶり。恐れ入るばかりだ…。

以降は、シューマン夫妻とブラームスの作品。クララの「3つのロマンス」は、ヨアヒムに捧げられたヴァイオリンのための作品なのだそうだ。初めて聴いたが、ロマン派の代表的な作品として取り上げられてもおかしくないような、驚くほど完成度の高い作品。ピアノパートの面白さは特筆モノで、これはクララ・シューマン自身が優れたピアニストだったから、というのもあるようだ。松下君と、ピアノの黒岩さんの室内楽としてのアンサンブルの妙を楽しむことができた。黒岩さんも、さすがの名手…!

そしてロベルトの作品、クラリネットとピアノのための「幻想小曲集」。類まれな文才を持っていたロベルトだが、音楽評論誌「音楽新報」では、性格の異なる「オイゼビウス(保守的・夢想家)」と「フロレスタン(前衛的・情熱家)」という架空の人物を創りあげ、ロベルト共に3名の人物が音楽論を展開していたという。その3人が、この曲のそれぞれの楽章に登場する、と考えると、このある意味不思議な器楽曲…たゆたうような第1楽章のメロディや、甘い第2楽章、そして激烈でひたすらに疾走する第3楽章、それぞれが途端に意味を持って立ち上がってくる。なるほど、そのような理解のもとに演奏されるなら、まさにピッタリとはまるような演奏だった!この曲は、メロディの美しさをただなぞるだけではダメなのだったのだ!と、松下君の解説を読み、演奏を聴いて感じたのだった。

ここでMCが入り、舞台が転換して「ピアノ五重奏曲」へ。まるで「幻想小曲集」と同じ曲とは思えない、ハイドンあたりの交響曲でも聴いているような印象を受け、しかし時折には夢想的な響きすらも聴こえてきて、だからこそ傑作とされるのだなと感じ入ったのだった。演奏者はもちろんそれぞれが素晴らしく、抑制された美しさを感じる。この調子で全楽章も聴いてみたいくらい!続いて第一部最後は、ロベルトの遺作である「天使の主題による変奏曲」を、松下君と旭井翔一さんによるサクソフォン四重奏のためのアレンジで、サクソフォンのオリジナルには決してない、独特の温度感が新鮮だった。

休憩を挟んで、まずはブラームスの「4つの厳粛な歌」。ブラームスが、クララのためにかいたこの作品は、一曲一曲が激烈な内容の歌詞(聖書から取られている)であり、死や愛について切々と歌われている。松下君はテナーサクソフォンにて演奏。ピアノのほのかに薄暗い音色と、テナーサクソフォンの雄弁な響きが相乗効果を生み出し、クララの死に接したブラームスが描いていた世界観を作り上げていた。

クララの「バラード」は、ピアノ・ソロ。いやー、やはり黒岩さんも凄いピアニストだ!さり気なく弾いているように見えて、実はものすごく絶妙なコントロールと高い技術に裏付けられた内容という…。今回のリサイタルで、あんなに美しい音色が聴けるとは思わなかった。まだ藝大の大学院一年生とのことで、今後ますます広く活躍してほしいものだ。他の作品の演奏における、素晴らしさを連想させる。

最後は、クララのための歌を4曲。シンプルなメロディ、もはやサクソフォンであることを忘れさせるような演奏であり、最後の作品に向けて、他の何もかもが蒸発してゆき「歌」だけが残って幕となった。サクソフォンでこういった演奏もめったに聴けないのではないか。

アンコールは、ブラームスの歌曲から「日曜日」。明るいメロディを聴いていると、それぞれの作曲家の激動の人生に次々に訪れる歓喜と悲哀を感じ、ほろりとさせられるのだった。

終演後は、本体打ち上げと同一会場の別席にて、横井君、やまぴーくん、浅井ゆかりさんと。様々な話題に花が咲いた。別席で飲んでいたのは、軽く呑んで切り上げるつもりだったから、なのだが…ついつい盛り上がって、結局ほぼ終電まで居座ってしまったのだった(苦笑)。もちろん、途中には、本体打ち上げにも乱入と相成った。

それにしても、シューマンいいなあ!このブログ記事は「リーダークライス」「詩人の恋」「ピアノ五重奏曲」を聴きながら書いた。調べてみると、バッハ研究の成果から生まれたような作品も数多く(中には「ヴァイオリンのためのパルティータ」に伴奏を付けた編曲作品なんてものも!)、バッハ好きとしてはもっと彼らの作品を広く知りたいと思うのであった。ここまで深く彼らを理解し、聴衆に向けて見事なプレゼンテーションを行った松下君に、改めて拍手を贈りたい。

会場に飾ってあった、フェルト人形。ちくちくノスタルジアさん制作の、左からクララ・シューマン、ロベルト・シューマン、ヨハネス・ブラームス、ヨーゼフ・ヨアヒム。なんと可愛らしい!ちくちくノスタルジアさんのブログを少し読んでみたのだが、シューマン夫妻&ブラームス周辺について広く書かれており(もともとシューマン夫妻やブラームスに興味があったということだ)、この見事な造形にも納得。ちなみに、過去の作品も見ることができるが、こちらも可愛い。

件のプログラム冊子(TSQのちさ氏がデザイン)、そして来場者にプレゼントされたポストカード。これまた嬉しい!ポストカードは計8種あるとのこと。

松下氏のリサイタルを聴いた!

詳しくは明日書く予定。今日は枕詞にて。

ロマン派の、技巧としては決して難しくない作品が並んだが、一口菓子的な取り組み方は一切せず、深い理解と準備に裏付けられた演奏に、感銘を受けた。松下氏のリサイタルを聴くと、思わず饒舌になってしまう。それは、サクソフォンが決して到達し得ない"彼岸"というべき境地に近づこうとする、心意気・技術・音楽性等、様々な要素を感じ取ることができるからだと思う。

2014/04/06

鳳凰祭四月大歌舞伎(昼の部)

この土曜は、長野より母が東京に遊びに来ていた。朝から移動してまずは上野の桜を眺め(上野公園の花見スポットと東京国立博物館の裏庭)、銀座へと移動して歌舞伎座へ。母の希望により歌舞伎観劇と相成った。

歌舞伎は初めてだったのだが、結論から言えばとても楽しく感動的なものだった!日本の伝統芸能すごい。チケットはそれなりの価格で、気楽に行けるようなものではないのだが、ぜひまた機会があれば観劇したいと思うのだった。

鳳凰祭四月大歌舞伎の午前11時開演の"昼の部"。東銀座駅の出口3番から歌舞伎座地下一階に直結。チケットは事前にネットでクレジットカードを使って精算済みであったため、地下一階の発券機で同一カードを使って一瞬で発券できた。会場は、1ブロックあたりひとつかふたつ、空席は見えるもののほぼ満席のような状態。ご年配の方が多いが、意外と若い方もいる。演目は次の4つ。演目の最中以外は座席でお弁当などを広げることができ、30分休憩の時に合わせて我々を含む多くの方が昼食をとっていた。

「壽春鳳凰祭(いわうはるこびきのにぎわい)」
10分休憩
「鎌倉三代記」
30分休憩
「寿靱猿」
20分休憩
「曽根崎心中」

ひとつひとつ感想を(とにかくド素人なので、間違ったことを書いていたらすみません。公式ガイドは母に持って帰ってもらったので、手元にない)。「寿春鳳凰祭(いわうはるこびきのにぎわい)」は、歌舞伎座松竹経営百年・先人の碑建立一年を記念して制作された新作の舞踊なのだそうだ。長唄・太鼓・三味線(総勢15名ほど!)に乗せて厳かに舞われる、豪華絢爛な舞台。特に、中村時蔵?中村扇雀?演じる女御(最初に出てきたほう)の、滑らかな舞踊には目が釘付けとなった。満を持して登場する帝を演じた片岡我當のオーラにも圧倒された。舞台の後ろの幕には、桜が描かれ、華やかさをさらに増長させていた。

「鎌倉三代記」。ここからはイヤフォンガイドを借りた。舞台の進行を邪魔するこなく、場面の説明や長唄の解釈、補足情報などを良いタイミングで喋ってくれるもの。…が、あらすじがやや複雑で難しいこともあり、いまいち腑に落ちず、いろいろな要素が繋がってくるまで、前半は役者の動きに着目しながら観劇していた。見得を切ったときのその立ち姿、表情、ひとつひとつに驚く。後半、時姫と三浦之助、そして長門のやり取りは、登場人物それぞれの心情の動き・変化が面白い。松本幸四郎演じる藤三郎が自らの正体(佐々木高綱)を明かしたのちの、存在感は強烈である。

「寿靱猿」は、エンターテイメント性あふれる(少し狂言の香りもする)楽しい作品。滑稽さを出しつつも、女大名三芳野と奴橘平のおかしな掛け合い(ただし、小猿を見つけたのち、猿曳に対して示す威厳は同じ役柄とは思えないほどのものだった)、小猿を思う猿曳の語りと、最後円満となった後の全員の舞が楽しい。

人形浄瑠璃からの発祥となる「曽根崎心中」。男女の恋と勧善懲悪(残念ながら徳兵衛とお初は、その場面にはもういないのだが)を織り交ぜ、随所で観客に訴えかけるストーリーを盛り込まれており、名作として長く演じられているのにも納得。おもわずほろりとしてしまったのは、天満屋の場面で、左團次演じる平野屋九右衛門が九平次をこらしめる長い長い語りののち、徳兵衛とお初の身を案じてつぶやくその場面は、おもわずほろりとしてしまったのだった。役者の動きや語りのみならず。大胆な舞台転換や、長唄の鬼気迫る調子、拍子木の見事な響き(これが本物の響きか…!)といったところにも感銘を受けた。

休憩もはさみながら5時間という長丁場。しかし集中力は途切れることなく、大変楽しむことができた。また行ってみたい。一幕だけ観られるチケットもあるそうで、それもいいが、やはり一度は近くでゆっくりじっくり観劇できたというのは得難い経験であった。

そういえば、水野修孝「鼓」に出てくるナリコマヤとかオトワヤって、歌舞伎役者の屋号だったんですね。知らなかった。本場の掛け声も聞けて満足(笑)。

歌舞伎観劇のあとは、目黒へ移動。「日本海」(服部先生に教えてもらったのだが、ここは新鮮なネタを安く食べられ、大変おすすめだ)でお寿司をつまんで、母を新宿の高速バス乗り場へと送った。

山川寛子サクソフォンリサイタル

今日は(もう昨日か)朝からアサリのアヒージョを仕込んだ。美味い…!

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【山川寛子サクソフォンリサイタル】
出演:山川寛子(sax)、中村文香(pf)
日時:2014年4月5日 19:00開演
会場:東京オペラシティ・リサイタルホール
プログラム:
F.メンデルスゾーン「無言歌集」
小野寺真「ルーマニアの調べ」
P.クレストン「サクソフォン協奏曲」
日本の歌唱曲より「さくらさくら〜早春賦」
C.ドビュッシー「ラプソディ」
D.ヒース「ルーマニア」
真島俊夫「モリコーネ・パラダイス」
カッチーニ「アヴェ・マリア」

プログラム冊子の曲目解説を書いたこともあり、予定を調整して何とか聴きに行くことができた。各所でご活躍されておられる山川寛子さん。演奏を聴くのは久々。もしかしたら、その昔ベルノーの四重奏曲を一緒に吹いた時以来かもしれない。かなり盛り沢山なプログラム、さらに由緒あるオペラシティのリサイタルホールということで、どのように演奏されるか楽しみに伺った。

耳馴染みのあるメロディをプログラムに加えてきたあたりは、主催が別所にあるゆえのプログラミングの難しさを表しているのだろうか。そういった作品ではやや乗り切らない部分も散見されたが、クレストン、ドビュッシー、ヒースといった、サクソフォンのためのオリジナル作品の演奏は、ご自身がやりたいことと良くマッチしている印象。やはりそのような曲の演奏こそに、感銘を受けたのだった。こと、クレストン(本日の白眉!)における没入っぷりはかなりのもので、作品に対する深い思い入れを感じる。テクニカルな面では、まだまだ改善の余地が多いかな。これは今後でしょう。ちなみにドビュッシーもサクソフォンは素敵な演奏だったが、ピアノが…お金を取っている以上、せめてそれなりに楽譜どおりの演奏を…(と書きたくなるほど、ドビュッシーのピアノパートは聴いていて肝を冷やした)。

そういえば、曲間のMCやステージマナーは、大変理想的なもの。これはやはり演奏活動を多くこなしている故だろう。今度は、ぜひ山川さんがやりたいことをやりたいようにやった演奏会も聴いてみたいな。

演奏会の後は、横井くん、石山さんと磯丸水産にて一杯…どころではなかった。何杯飲んだっけかな。いろいろな話に花が咲き、こちらもとても楽しかった!

プログラム冊子の表紙。写真はアーニーズスタジオ・井村さんの撮影による。

2014/04/04

Sax Antiqua:子供のための教育コンサート

スペインのサクソフォンアンサンブル団体、Sax Antiquaによる、子供のための教育コンサートの模様がYouTubeにアップロードされていた。"ナレーションとサクソフォンアンサンブルによる、ヴィヴァルディ「四季」音楽物語"といったところだろうか。全編スペイン語のため、残念ながら内容は全くわからないのだが、楽しさが伝わってくる。テキスト作成&ナレーターはFernando Palacios氏。演奏中も喋りまくるのだが、ハマっており不思議と耳障りではない。

Sax Antiquaの演奏に着目すると、非常に難しいことを何気なくやっており驚かされる。特に独奏のアントニオ・フェリペ氏の見事なテクニックは、やはり世界最高クラス!



演奏者のリストは下記の通り。
Saxofon solista: Antonio Felipe
Saxofones Soprano: Victor Manuel Mansilla y Pablo de Coupaud
Saxofones Alto: David Rubio y Israel Bajo
Saxofones Tenor: Sergio Diaz-Ropero y Angel Luis Valbuena
Saxofones Barítono: Francisco Cabanillas y Daniel Durán

2014/04/03

アウレリアSQメンバー変更

衝撃的。世間の動きにまったく付いて行けておらずお恥ずかしい…今の今までまったく知らなかったのだが、オランダのサクソフォン四重奏団、アウレリア・サクソフォン・カルテット Aurelia Saxophone Quartetから、結成当初からのメンバーであるソプラノのJohan van der Linden氏、バリトンのWillem van Merwijk氏が脱退したとのことだ。脱退の理由は「to steer their focus towards their increase in personal projects(個人の演奏活動に注力するため)」とのこと。代わりに、ソプラノにFemke IJlstra氏、バリトンにJuan Manuel Dominguez氏が加入した。

http://www.aureliasaxofoonkwartet.nl/?hl=1

アウレリアSQのメンバー変遷をおさらいしておこう。

1982年の結成当初は次のようなメンバー構成であった。
Johan van der Linden - Sopraansaxofoon
Andre Arends - Altsaxofoon
Arno Bornkamp - Tenorsaxofoon
Willem van Merwijk - Baritonsaxofoon

2000年にAndre Arends氏が脱退、代わりにNiels Bijl氏が加入した。
Johan van der Linden - Sopraansaxofoon
Niels Bijl - Altsaxofoon
Arno Bornkamp - Tenorsaxofoon
Willem van Merwijk - Baritonsaxofoon

それが、今回の編成替えで次のメンバー構成となる。
Femke IJlstra - Sopraansaxofoon
Niels Bijl - Altsaxofoon
Arno Bornkamp - Tenorsaxofoon
Juan Manuel Dominguez - Baritonsaxofoon

2000年のメンバー変更では、それほど方向性やレパートリーなど、大きな変化はなかったように思えるが、今回の外声の総入れ替えには驚かされた。設立当初、もしくは2000年の変更後のメンバー構成での演奏を、ライヴで聴いてみたかったものであるが、叶わぬ願いとなってしまった。たくさんのCDをレコーディングしてくれていたのは幸いではあるが…。

今後のアウレリアSQの活動がどのように続いていくか、引き続き動きを注視していきたい。

以下、各メンバー構成時の写真。

2014/04/02

ご案内:今週末の松下洋氏のリサイタル

松下洋氏のリサイタルが今週末に迫っている。毎度のことながら非常に面白い試みを提示してくれるのが楽しみで、しかも演奏のレベルも相当なものであり、もっともっとたくさんの聴衆に彼の演奏が知れ渡ると良いなと思っている。

今回はなんとシューマンにスポットを当てた内容。これまでの、どちらかと言うと派手目な企画からは一線を画するが、本人曰く「深イイ」内容となるそうで、私も松下君がどのようにこれらの作品を演奏するのかがとても気になっているのだ。ピアノはお馴染み、黒岩さん。サクソフォンの共演陣も豪華。

チケットの捌け具体はなかなかのようで、残り100席を切っているとのこと。まだチケットを手に入れていない方はお早めに!→リサイタルのチケット取り置きを一度締め切ったとのこと(彼のfbページより)

【松下洋サクソフォーン・リサイタル Vol.3~天恍のロマンス~】
出演:松下洋、福田亨、丸場慶人、上野耕平(以上sax)、黒岩航紀(pf)
日時:2014年4月6日 19:00開演
会場:横浜みなとみらいホール・小ホール
料金:一般2000円、学生1500円
プログラム:
第一部「デュッセルドルフの思い出」
クララ・シューマン - 3つのロマンス
ロベルト・シューマン - 幻想小曲集
ロベルト・シューマン - ピアノ五重奏曲変ホ長調 他
第二部「天恍のロマンス」
ヨハネス・ブラームス - 4つの厳粛な歌
クララ・シューマン - バラード
ロベルト・シューマン - クララのための4つの歌 他
チケット予約&問い合わせ:
0354581521(アクタス)
yo_14th@yahoo.co.jp

2014/04/01

グラズノフ「協奏曲」のカデンツァ聴き比べ

オリジナル


クリスチャン・ロバのカデンツァ


ディヴィッド・デボア・キャンフィールドのカデンツァ


シガード・ラッシャーや佐藤淳一さんもオリジナルのカデンツァを書いていたっけな。ブランフォード・マルサリスは、自分で"書いた"カデンツァというか、ほぼ即興というか(実際のところどちらなのかよくわからない)。ラッシャーやマルサリスの演奏もYouTube上に見つけられれば良かったが、どうも見つけられなかった。