アンドレイ・フルジャノフスキー Andrei Khrjanovskyが監督し、アルフレット・シュニトケ Alfred Garyevich Schnittkeが音楽をつけたアニメーション"The Glass Harmonica"をYouTubeで発見したので、ブログに貼りつけておく。全く知らなかったのだが、アニメーション自体はそれなりに有名なようで、ロシアアニメを代表する傑作として人気が高いようだ。
この陰鬱な雰囲気、グロテスクな絵柄に拒否反応を示す方も多いようだが、反体制(のみならず、ここでは反資本主義の姿勢も垣間見える)を様々なスナップショットで存分に表現できてしまうあたりは、さすがアニメーションの優位性である。実映像であれば、こうはいかない。邦題は「魔法のグラス・ハーモニカ」というらしい。
ちなみに、サクソフォン的興味からしても面白い。昨日の演奏会レポートにも書いたが、アルト、テナー、バリトンサクソフォンが編成に含まれており、特に化け物が町に蔓延る部分で大活躍する。この映像に付けられたオーケストラの中では、誰が吹いているのかなあといろいろ想像を巡らせてしまう。
前半:
後半:
また、この作品を音で収録したCDが存在する。「Alfred Schnittke Film Music Vol.II(Capriccio C71061)」というCDで、フランク・シュトローベル指揮ベルリン放送交響楽団の演奏によるもの。上記ムービーではさすがに表現しきれない、響きの隅々までもがよく聴こえて興味深い(例えば生演奏だとほとんど聴こえなくなってしまうテルミンも、オン・マイクでしっかりと捉えられている)。中間部の乱痴気騒ぎのリズム処理もなかなか見事だし、グラス・ハーモニカが旋律を奏でる部分の響きはますます透明で美しい。ちなみに、映像付随音楽とは構成が大きく違う(ように聴こえる)。
Amazon.co.jpでは、CDの取り扱いがあるほか(→Schnittke: Film Music Vol.2)、MP3販売(Schnittke: Film Music Vol.2)も行われているようだ。
2 件のコメント:
今回のオーケストレーションは、フィルムアーカイブから聴音で採譜したスコアだったそうですよ…
らしいですね。フィルムスコアは失われてしまったみたいですね。
組曲のスコアはどうやら残っている(CDが出ていますし…)ようなので、今回は、そのスコアと聴音を基に再構成したということなのでしょうか。
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