2011/05/30
SaxAntiquaのCD
公式サイト:http://www.saxantiqua.com/
Antonio Felipe Belijar, ssax
Enrique Priento, ssax
Pablo de Coupaud, ssax
Israel Bajo, asax
David Rubio, asax
Sergio Diaz Ropero, tsax
Victor M. Mansilla, tsax
Angel L. Valbuena, tsax
Francisco A. Cabanillas, bsax
Daniel Duran, bsax
ディナンのアドルフ・サックス国際コンクールで、3回連続入賞という快挙を成し遂げたアントニオ・フェリペ・ベリジャル氏を筆頭に、スペイン・サクソフォン界の中堅(結成時は若手だったが、今や中堅と言い切ってしまっても良いだろう)の名手によって結成されている。バリトンのDaniel Duranさんは、Adolphesax.comの運営者であり、私も大変お世話になっている(このCDも、なんとプレゼントしてもらった!)。サクソフォンの名手でありながら、エンジニアでもあり、世界のサックス界全てが注目したディナンのコンクール中継は、この人がいたからこそ成り立っていたものなのだ。
CDの内容だが、下記の通り、バロック作品を中心としたラインナップである。
C.Monteverdi - Toccata
G.F.Handel - Music for the Royal Fireworks
A.Vivaldi - Concerto Grosso Op.3 RV522
H.Purcell - Chaconne
J.S.Bach - Brandenburg Concerto No.3
A.Vivaldi - Concerto No.2 RV315
どの演奏もハイ・テクニックで、あっけにとられる。例えばタンギング。スペインのサクソフォン演奏家のタンギングって、なんとなく世界最速なイメージがあるのだが(?)、その能力をのっけから遺憾なく発揮している。古典的な音階を滑るように奏でる様子は、聞き手に爽快感すら与えるほどのものだ。しかも、ソプラノからバリトンまで同じレベルで統一されているのも聞き物である。バッハ「ブランデンブルク協奏曲第3番」あたりを聴いていただけるとわかるだろう。
録音場所のせいか、やや音の解像感が悪く、さらに響きも抑えられてやや密度が薄い印象だが、逆にどの曲においても端正な音色が印象的だ。部屋に流しておいても、あまりサクソフォンを聴いている、という気にならないのが面白い。サクソフォンのCD、と考えることが間違っているのかもしれない。
あとは、最後に置かれたヴィヴァルディの「夏」だろうか。アントニオ・フェリペのソロは、昨今のサクソフォンのテクニックの向上を念頭においたとしても、それでもまだ世界最強クラスのトンデモ演奏であることに間違いないだろう。人間の能力の限界って、サクソフォンの限界って、どこにあるのだろうか…などと思ってしまう演奏!!
万人にオススメする。CDの購入は、公式サイトから(→こちら)。
2011/05/29
TsukubaSQ練習再開
その他に取り上げる作品についても検討しているのだが、コレ!というものは今のところ見つからない。「Blow!」はやはり練習量対効果を考えると難しい部分があるし、やっぱりJ.ゾーンあたりの作品は楽譜がないし。現在、アメリカにオーダーをかけている楽譜に期待しておこう。
他に何かないかなー。
エスポワールSO 第9回アンサンブルコンサート
日時:2011年5月28日(土曜)18:45開演
会場:江戸川区総合文化センター小ホール
プログラム:
F.レハール/鈴木英史 - 喜歌劇「メリー・ウィドウ」セレクション
J.B.サンジュレ - サクソフォン四重奏曲第一番より第4楽章
F&M.ジャンジャン - サクソフォン四重奏曲より第1,3,4楽章
横内章次 - バラード・フォー・トルヴェール
中村正人&吉田美和/中尾敦 - ドリームズ・カム・トゥルーメドレー
高野猶幸 - 思い出は当たらない上のラより第3,4楽章
正門研一 - イマージュ~サクソフォン四重奏のために~より第1,2,3,5楽章
C.ドビュッシー - 小さな羊飼い、ゴリウォーグのケークウォーク
長生淳 - "トルヴェールの惑星"より彗星
A.ロイド=ウェバー/宮川彬良 - 私が愛したロイド・ウェーバー
エスポワールサクソフォンオーケストラは、秋季の定期演奏会と春季のアンサンブルコンサートを活動の軸としている。秋季の演奏会は、団体名に基づいて「サクソフォンオーケストラ」を主軸に据えるのだが、春季のアンサンブルコンサートはメンバーが結成したアンサンブル演奏がメインである。
人数が多いのでさすがに技術のバラツキや音楽性の違い、音色のヴァリエーションはあれど、全体的にハイレベル。すでに結成して10年を迎えようとしている…根っこの部分で流れているものは変わらないのだろうか。さらに、そんな中でもキラリと光る演奏者がいたりしてとても楽しめた。
作品については…例えば、ドリカムは書き下ろしのアレンジ(しかし、なぜ「決戦は金曜日」が入っていないのだ?!)。正門研一氏の作品は初めて聴いたが、とてもやりやすそうで、人気が出るのも頷ける。ロイド=ウェバーのアレンジは、そういえば実演は初めて聴いた。スコアは持っているのだが、やっぱり素敵なアレンジだなあ(演奏も楽しそうだった)。
そういえば、会場は駅から遠く、雨の中歩くのが嫌だなあと思いながら伺ったのだが、新小岩からは屋根付きの商店街が数百メートルも続いているのだった。おかげで、外を歩くのは5分程度で済み、幸いだった。
Life-Work Project Vol.1 ~サクソフォン・ファミリー大集合!~
【Life-Work Project [東日本大震災支援チャリティコンサート・シリーズ] Vol.1 ~サクソフォン・ファミリー大集合!~】
出演:宮崎真一、各川芽(sax)、小埜寺美樹(pf)
日時:2011年5月28日(土曜)15:00開演
会場:石森管楽器B1Fイヴェントスペース
プログラム:
H.ヴィラ=ロボス - ファンタジア [tsax]
S.シュワルツ - ポピュラー(ミュージカル:Wickedより) [ssax]
E.グラナドス - 間奏曲 [bsax]
P.モーリス - プロヴァンスの風景 [asax]
F.プーランク - トリオ [ssax, tsax]
C.グノー - アヴェ・マリア [snsax]
C.サン=サーンス - 象 [bssax]
R.ヴィードーフ - Sax-O-Phun [c-melody]
A.プライヤー - 口笛吹きと犬 [sprlsax, bssax]
会場にずらっと並んだ大小のサクソフォン。さすがにコントラバスやTubaxはなかったが、宮崎真一さんと各川芽さんの総力を結集した楽器ラインナップは、開演前から多くのお客さんの目を引いたようだ。楽器のメーカーのことは良く知らないのだが、例えばあの不思議なラッカー色のテナーサックスはどこのメーカー製の楽器だったのだろうか。ソプラノは、これはどうやらクランポンの赤ベル!珍しい。
演奏は、宮崎真一さんが演奏するテナーサックスによる「ファンタジア」から始まった。ほとんど残響がない石森管楽器B1Fの地下一階という場所で、「ストン」と腑に落ちるまあるく美しい音が印象的だ。第1楽章で盛り上がってしまって(ファンタジアってそういう曲)、楽章間で拍手が起こるのもなんだか今日は心地よい。第2楽章では、ふと気がつくと循環呼吸まで使いながら長大なフレーズを重ね、後半には特殊奏法まで入れ込むサプライズも。
シュワルツは各川芽さんのソプラノサックス。ミュージカルの挿入歌の一つということで、実は初めて聴いた曲だったが、ちょっと技巧的なリズムの不思議な楽しさを持つ作品だった。ソプラノサックスの軽やかな音色が、とてもよくマッチしていた。あとで調べてみたら、これってウィキッドのグリンダのアリアなのですね。「ゴイエスカス」はバリトンサックスによる演奏だったが、そういえばトゥイラールトもこの曲をバリトンサックスで吹いていたなあ。このゆったりとした曲調は、アルトで演奏されるよりも合っているように聞こえた。
プロヴァンスを演奏して、休憩。休憩後は、前半からさらにパワーアップしての演奏。まずはプーランクの「トリオ」、もちろん全曲。サクソフォンで演奏できるユニゾンの音楽の中では、デザンクロの第1楽章の再現部に匹敵する美しさをたたえたこの曲を、各川芽さんのソプラノサックスと、宮崎真一さんのテナーサックスで。ピアノとのアンサンブルも見事で、残響もないなかで生々しい音が眼前に迫る、すばらしい演奏だった。
グノーは、各川芽さんのソプラニーノ。現在の日本を代表するソプラニーノ吹きが塩安真衣子さんだとするならば、各川さんは、間違いなく一つ上の世代の日本を代表するソプラニーノ吹きだろう。この音程にシビアな作品を、あっけにとられるほどのコントロールで、純粋に旋律の美しさを提示するためだけに吹ききってしまうのが、凄い。しかし、あまり無理やりコントロールしているようにも見えないのが不思議。
サン=サーンスは、宮崎真一さんのバスのソロ。なんと、「ラガデル・ダイナミック・アタッチメント奏法」を駆使しての(笑)演奏。客席も大ウケ。さらにCメロディサックスを使った宮崎真一さんの「SAX-O-PHUN」が演奏されたが、これがまた凄いの何のって。名人芸・職人芸とは、まさに眼前にいる観客を楽しませるために存在する、ということを実感した見事な演奏だった。、ちょっとテアトル的な要素も入り(たしかに映像の中のヴィードーフだってそのように吹いている)本当に楽しい演奏だったなあ。
最後は「口笛吹きと犬」。良く聴く小品だが、なんとソプリロ・サクソフォンとバス・サクソフォンによる演奏!最後の最後で、再び度肝を抜かれた。こんなドンピシャな音程で演奏されるソプリロ・サクソフォンなんて、聴いたことがない…。犬の声まで完璧に再現されて、客席大盛り上がりのまま終演した。
このL.W.PRJは、継続的支援を目指して今後も第2回、第3回と続いていくとのこと。第2回は2011年7月31日に、「テノール vs. テナーサックス」というテーマ開催予定。都合のつく方は、次回以降、ぜひいかがだろうか。私も予定が合えばまた伺いたいと考えている。
2011/05/28
2011/05/25
van der Linden plays "Panic" on YouTube
残念ながら途中はすっ飛ばされているが、そのテンションの高い曲調を感じ取るには十分すぎるほどだろう。
ジョン・ハールの演奏はTV放映もされたようなのだが、YouTubeでは一部しか演奏映像を観ることができない。全編観てみたいのだがなあ。
2011/05/24
TsukubaSQ Vol.4総括
【Tsukuba Saxophone Quartet - Saxophone Concert Vol.4】
日時:2011年5月22日 開場13:00 開演13:30
会場:大田区民プラザ・小ホール
プログラム:
J.ウィラン/B.メニュ - トリップ・トゥ・スカイ
伝承曲/B.メニュ - アン・オーウェン(日本初演)
K.エマーソン/P.フォード - タルカス
上野耕路 - "N.R.の肖像"より第1,2,4楽章
J.S.バッハ/伊藤康英 - 無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番より"シャコンヌ"
吉松隆 - Atom Hearts Club Quartet(アンコール)
岡野貞一/くぼたまり - ふるさと(アンコール)
まずはお客さまに感謝、そして、応援してくれた家族、友人、もちろん演奏メンバーにも。
ひとつの演奏会で四重奏を5曲、というのは初めてだった。これまでのTsukubaSQの自主公演は、前半にソロやデュオ→後半に四重奏やラージ、という流れだったので、四重奏の合わせに費やす時間が100%というのは初めての経験。しかも、どれも手抜きできないほどに難しく、大変だった。
プログラム的にはどれも思い入れがあって、それについてはなかなか語り尽くせないのだが、やはり一番はバッハかなあ。確か2005年にサクソフォン四重奏版の初演を津田ホールで聴いて(雲井雅人サックス四重奏団)、もの凄く感動して、伊藤康英先生経由でイトー・ミュージックにお願いしてすぐ出版してもらったのだ。まだ大学3年生だった。あまりの難しさゆえずっと演奏できないでいたのだが、6年目にしてようやく取り上げることができたということで、感慨深い。
11月頃におぼろげながらプログラムが確定し、いくつかの本番をターゲットにしながら「Atom Hearts Club Quartet(UTSBアンサンブルコンサート)」「シャコンヌ(サクソフォーン協会のコンクール)」「タルカス(サクソフォン交流会)」の順番に作っていったが、地震の影響で練習が止まり、また協会コンクールも中止になったのは痛かった。また、「N.R.の肖像」の楽譜到着が4月中旬と、当初の予想より大幅に遅れ、各曲とも練習は綱渡り的。それに輪をかけて「タルカス」は凶悪だった。長調・短調のスケールから外れまくっているせいで、いくらさらっても吹けるようにならないもどかしさ。リズムも正確に吹けないし…。演奏会当日に余裕があったのは、「シャコンヌ」と「Atom Hearts Club Quartet」くらいだっただろうか(苦笑)。
本番の演奏については、前半はたぶんほぼ全員オーバーヒート気味(ステージ上の暑さのせい)で、後半のほうが演奏の完成度は高くなったと思う(まー、それにしても、自分のテナーサックスのダイナミクスレンジの狭さはなんとかならんかね)。録音を聴いてもそれは感じる。「N.R.の肖像」の第4楽章が、それなりに聴ける(?)演奏になっているのは面白いなあ。曲のパワーのせいもあるだろう。「シャコンヌ」、そしてアンコールの「Atom Hearts Club Quartet」は、そこそこに良い演奏ができたと思う。「シャコンヌ」は、聴いている方からすれば退屈なのかなあとも思っていたのだが、アンケートを参照すると意外と好評で驚き。
N.R.とシャコンヌとAHCQは、YouTubeのTsukubaSQページにアップロードした。ここに貼り付けたのは「シャコンヌ」の演奏映像。感想などいただけたら幸いです。
写真は、少しずつ整理してFacebookのTsukuba Saxophone Quartetページで公開し始めている。
そして、次のことも考え始めている。いろいろとクリアしなければならない問題は多いのだが、とりあえず自分ができること(プログラム構成検討)から始めよう。何が良いかなー。
2011/05/23
大阪国際室内楽コンクール第2部門結果
1位:モーフィンSQ
2位:In Medias Brass Quintet
3位:アンサンブル・ミクスト
奨励賞:メリスマSQ
一位がサクソフォン四重奏団(しかも単独)!!これは凄い!!ハバネラ四重奏団に続いて、日本のサックス界で流行りそうだなあ。
2011/05/21
本番前最後の練習
さて、明日だ!是非お越しください。
----------
【Tsukuba Saxophone Quartet - Saxophone Concert Vol.4】
日時:2011年5月22日(日)13:00開場 13:30開演
会場:大田区民プラザ・小ホール(東急多摩川線下丸子駅下車徒歩1分)
料金:入場無料
プログラム:
J.ウィラン/B.メニュ - トリップ・トゥ・スカイ
伝承曲/B.メニュ - アン・オーウェン
K.エマーソン - タルカス
上野耕路 - "N.R.の肖像"より1,2,4楽章
J.S.バッハ/伊藤康英 - 無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番より"シャコンヌ"
後援:日本サクソフォーン協会
問い合わせ:http://tsukubasaxophone.blog51.fc2.com/
2011/05/19
楽器調整@小田桐工房
----------
【Tsukuba Saxophone Quartet - Saxophone Concert Vol.4】
日時:2011年5月22日(日)13:00開場 13:30開演
会場:大田区民プラザ・小ホール(東急多摩川線下丸子駅下車徒歩1分)
料金:入場無料
プログラム:
J.ウィラン/B.メニュ - トリップ・トゥ・スカイ
伝承曲/B.メニュ - アン・オーウェン
K.エマーソン - タルカス
上野耕路 - "N.R.の肖像"より1,2,4楽章
J.S.バッハ/伊藤康英 - 無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番より"シャコンヌ"
後援:日本サクソフォーン協会
問い合わせ:http://tsukubasaxophone.blog51.fc2.com/
2011/05/18
John Harle plays "Concerto for Stan Getz" on YouTube
Richard Rodney Bennettがジャズサクソフォン奏者スタン・ゲッツ Stan Getzのために書かれた「スタン・ゲッツのための協奏曲」は、ゲッツの急逝により献呈先だった本人により演奏されることはなかった。代わりにこの作品の演奏を任されたのが、他ならぬジョン・ハールだったのである。1990年代初頭のイギリスで、ジャズのバックグラウンドと、クラシックのバックグラウンドを双方兼ね備えた人物など、ハール以外に考えられない。この人選はまことに理にかなっている。
たしかに、第2楽章のアドリブ部などは、スタン・ゲッツならばさらに素晴らしい演奏を繰り広げたであろう。しかし、ジョン・ハールの演奏だって、それだけ取り出してみれば十分すぎるほどの演奏だ。このハールの演奏がCDになっているのは有名で、その演奏を楽しんだ方は多いと思うが、映像などなんとその演奏動画がYouTubeにアップロードされていた。1992年、BBCコンサートオーケストラとの共演である。CDよりも、さらにハイ・テンション(当たり前か)。ハール若いな~。
第1楽章
第2楽章
第3楽章
演奏後には、なんと作曲者本人も登壇。大盛り上がり!
ドゥラングル教授出演のVandorenプロモ動画 on YouTube
アルト・サクソフォン
ソプラノ・サクソフォン
2011/05/17
「MATE」が使われたシンクロ動画 on YouTube
2000年のシドニー五輪、日本代表の立花選手と武田選手のシンクロ・デュエット:フリー演技。大沢みずほという作曲家の「MATE」という曲は、琴とバリトンサクソフォンという異色の組み合わせを大胆にフィーチャーした作品。この演奏でバリトンサクソフォンを担当しているのが、なんと栃尾克樹氏なのだ。
当時私は中学生くらいだったはずだが、中継の画面から聴こえてきたバリトンサックスの音に反応したのを覚えている。ずっと記憶の底に残っていて、サクソフォンにはまってから調べ直し、CDを購入して作曲者名・曲名について知った。演技の映像はずっと観る機会がなかったのだが、YouTubeをきちんと調べたところ…おお、ありました。鳥肌立ちまくり。超一流のスポーツと絡むクラシック・サクソフォンなど、めったに観られるものではない。
CDはいちおうamazonの中古には残っているようだ(「MATE」たった4分のためだけにCD一枚買うことになってしまうので、あえてオススメはしません。好事家向け→AQUA DREAM with Synchronized Swimming)。
2011/05/16
佐藤淳一さんのウェブサイト:SaxoLab.
http://saxolab.net/
佐藤淳一さんの活動についてはこれまでも何度かブログで取り上げてきた。洗足学園音楽大学を経て東京芸術大学博士課程在籍中。東邦音楽大学の講師もつとめる。洗足学園音楽大学卒業時には、ルチアーノ・ベリオに関する論文と演奏が話題となり、東京芸術大学移籍後も、シュトックハウゼン、ブーレーズ等を題材にして演奏・研究の両面からアプローチしている。あの、ブーレーズの「二重の影の対話(サクソフォン版)」を日本初演したのは、佐藤さんなのだ。
最近では、グラズノフ「サクソフォン協奏曲」のベーレンライター版日本初演や、ロンデックス氏やドゥラングル氏へのインタビューなど、さらにその活動の幅を拡げている。研究成果については、これまでも雑誌等に掲載されて閲覧することができたが、ウェブ上から参照できるものはほとんどなかった。WWWというアクセス・フリーな場所にあることで、双方向性が生まれ、ますます佐藤さんの研究が進んでいくことに期待!
ちなみに、佐藤さんはかつてのRichoのGR DIGITALユーザーなのだが、Flickrのモノクロ写真セクションには非常に美しい写真がたくさん掲載されている(このGRレンズの描写力…!!PowerShot S90が鼻の先で吹き飛ぶ…)。よく見てみると、筑波大学の写真がたくさん。Tsukuba Saxophone Quartetの第1回演奏会で共演したときに、カメラで学内をいろいろと撮影されていたが、その写真がアップロードされているようだ。懐かしいな。その他の写真は、なんとEOS 5D Mark II等を使って撮影されているようだ。フルサイズセンサーはやっぱすごいな(^^;
2011/05/15
TsukubaSQ演奏会プログラム冊子へのチラシ挟みこみ
・5/22 11:30に、大田区民プラザ・小ホールにチラシを持ってお集まりください。
・人員不足のため、挟みこみのお手伝いをお願いいたします。
・170席ぶんのプログラム冊子を準備してあります。
よろしくお願いします。
一週間前の練習
さて、来週はどんな演奏ができるだろうか。
----------
【Tsukuba Saxophone Quartet - Saxophone Concert Vol.4】
日時:2011年5月22日(日)13:00開場 13:30開演
会場:大田区民プラザ・小ホール(東急多摩川線下丸子駅下車徒歩1分)
料金:入場無料
プログラム:
J.ウィラン/B.メニュ - トリップ・トゥ・スカイ
伝承曲/B.メニュ - アン・オーウェン
K.エマーソン - タルカス
上野耕路 - "N.R.の肖像"より1,2,4楽章
J.S.バッハ/伊藤康英 - 無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番より"シャコンヌ"
後援:日本サクソフォーン協会
問い合わせ:http://tsukubasaxophone.blog51.fc2.com/
スロヴェニアのサックス作品集:Saksofonija
Saksofonija / Saxophonia
Pavle Merkú - Charis II za baritonski saksofon solo (Matjaž Drevenšek)
Pavle Šivic - Suita za altovski saksofon in klavir (Betka Bizjak Kotnik)
Janez Matičič - Repliques za altovski saksofon in klavir (Betka Bizjak Kotnik)
Larisa Vrhunc - Leseni kamni za flavto, saksofon in klavir (Trio Slavko Osterc)
Peter Šavli - Zeppelin 2 za flavto, saksofon in klavir (Trio Slavko Osterc)
Ivo Petrić - Burleska za kavrtet in saksofonov (Zagreb Saxophone Quartet)
Janez Matičič - Kvartet za saksofone "Memory" (Zagreb Saxophone Quartet)
以下、作品や奏者について徒然なるままに書いていく。
CDを再生すると、突然聴こえてくるのがバリトンサクソフォンの独奏。5分弱の短い作品だが、端正な落ち着いた作品で、少しバッハの旋律線に似た弧を描いたりと、耳によく馴染む作品だ。ここで演奏を担当しているのは、ザグレブ四重奏団のバリトンサクソフォン奏者としても有名なMatjaž Drevenšek氏。以前ブログの記事にも書いたが、Drevenšek氏はスロヴェニアサクソフォン界最大の立役者と言っても良いだろう。それほどの人物であれば、CDの冒頭トラックを飾るのも不自然なことではないが、演奏も見事で驚いてしまった。音色はニュートラルで美しく、激しい跳躍、フラジオ音域だってなんのその。
続く「Suita」は、Betka Bizjak Kotnikという女流奏者による演奏。作品としては、やはりこれもすんなりと耳に入ってくる。特殊技法をそこそこ使ったりと響きは現代的なのだが、なぜだろうか。例えばフランスやドイツあたりの現代作品だと、聴くのも憂鬱になる作品だってあるくらいなのに。この曲に限らず、CDに収録されている作品のほとんど印象はすべてこんな感じだ。なにか、スロヴェニアの土壌のようなものがそうさせるのだろうか。「Repliques」は、先に紹介したコンクールの実況録音のファイナル曲として収録されていた。さすがにテンションの違いはあるものの、こちらの演奏も佳演と言えるだろう。
Trio Slavkoは、サクソフォン、フルート、ピアノの三重奏団体。「Leseni kamni(英語ではWooden Stonesと訳される)」は、この曲だけは点描的な響きで、まるで環境音楽を聴いているような感じ。ただ、点描的な音世界のなかに集中力が続くというよりも、終始柔らかい響きがスピーカーからは流れる。人を拒むような難解さはあまり感じられない。作品タイトル通りのSE(もしくはパーカッション?)の音も聴こえてきて、なかなか面白いと思った。「Zeppelin 2」は…うーん、こっちのほうがよほどよく判らない…。
最後の2曲は、四重奏作品。演奏は、おなじみZagreb Saxophone Quartetである。ここで面白いと思ったのは、Janez Matičič氏の作品。多面的なスタイルの音遊びに終始する曲だ。演奏は、突き放すような感じはなく、ずいぶんと親しみを込めている(変な言い方をすれば)一音一音を慈しむような感じさえ受けた。
全体を通してデッドな録音だが(まさかスタジオ録音か?)、もともと奏者が持つニュートラルな美しい音色で、CDのレコーディングとしてはほとんど気にならない。
2011/05/14
ヴィラ=ロボス作品集(マカリスター氏参加)
A Roseira - on a popular children's theme [SSATB]
Bachianas Brasileiras No.2 [Chamber Orch including Tsax]
Choros No.3 [Chamber Orch including Asax]
Choros No.7 [Chamber Orch including Asax]
Fantasia, op.630 [Ssax, Orch or Pf]
Nonetto, op.181 [Chamber Orch including A+Bsax]
Quatuor, op.168 [Fl, Asax, Celesta, Harp]
Sexteto mistico, op.123 [Fl, Ob, Asax, Gt, Celesta, Harp]
「ファンタジア」は言わずもがな有名だが、例えば「神秘的六重奏曲 Sexteto mistico」や「四重奏曲 Quatuor」の浮遊感のある響きは、室内アンサンブルにおけるサクソフォンの最も優れた用例のひとつだと思っている。「神秘的六重奏曲」は録音も多く、J.M.ロンデックス、H.R.ポラン、M.ロギーナといった名手たちの演奏を、CDで楽しむことができる。
このたびNaxosから発売されたヴィラ=ロボス作品集「Heiro Villa-Lobos Sexteto mistico and other chamber music(Naxos 9.70127)」は、室内楽作品集ということで、オーボエとファゴットの二重奏、ギター独奏、オーボエ+ピアノ作品のほか、サクソフォン関連の作品として「ファンタジア(サクソフォン+ピアノ)」と「神秘的六重奏曲」が収録されている。そして、フィーチャーされているサクソフォン奏者はなんとティモシー・マカリスター Timothy McAllister氏!これには驚いた。メジャーレーベルでの録音はこれまであまりなかったはずだが、まさかこんなところでマカリスター氏の名前を見ることになるとは。
ファンタジアは、あの伝説的なリサイタルで聴いたときの印象が再び思い起こされるような演奏。この何者にも揺るがないスタイル、音色、ヴィブラート、テクニック…どれをとっても超一流だ。やはりこれは、アメリカのサクソフォン界の最良の形だ。興味深かったのが「神秘的六重奏曲」。多くの録音では、サクソフォンはフルートやオーボエに比べるとやや浮き気味で、華やかな印象を残すのだが、ここでのマカリスター氏のサクソフォンは、まさに"木管楽器"といった装いで、あまりサクソフォンらしい雰囲気がしないのが面白い。
サクソフォン関連以外で注目すべきは、やはりオーボエ+ギターの「花をわける」だろう。和音のせいなのか、旋律線のせいなのか、"和"のイメージが脳裏に浮かぶ。オーボエという音色のせいもあるかもしれない。なぜかベンジャミン・ブリテンの「Phantasy」を思い出した。
Amazonでは…えっ、MP3ダウンロードしか取り扱っていないの?!(こちら→Villa-Lobos: Sexteto mistico)
2011/05/13
【演奏会ご案内】Tsukuba Saxophone Quartet - Saxophone Concert Vol.4
【Tsukuba Saxophone Quartet - Saxophone Concert Vol.4】
日時:2011年5月22日(日)13:00開場 13:30開演
会場:大田区民プラザ・小ホール(東急多摩川線下丸子駅下車徒歩1分)
料金:入場無料
プログラム:
J.ウィラン/B.メニュ - トリップ・トゥ・スカイ
K.エマーソン - タルカス
上野耕路 - "N.R.の肖像"より1,2,4楽章
J.S.バッハ/伊藤康英 - 無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番より"シャコンヌ"
後援:日本サクソフォーン協会
問い合わせ:http://tsukubasaxophone.blog51.fc2.com/
2011/05/11
Bornkamp plays "City Noir"
http://kurisaxo.blogspot.com/2010/04/blog-post_03.html
http://kurisaxo.blogspot.com/2010/05/blog-post_6405.html
次いでイギリスで演奏された…という情報は得ていたのだが(サクソフォンはサイモン・ハラームだったそうな)、オランダでも取り上げられたようだ。サクソフォン奏者は、アルノ・ボーンカンプ。演奏全てを観ることはできないが、そのリハーサルの一部模様を収録した動画がYouTubeにアップされていた。…おっ、スタンドプレイ!?本番でもやったのだろうか。
2011/05/10
Christer Johnsson plays Odenhall
あまり録音がないのが残念なのだが、NMLを探索していたところ興味深い盤を発見した。ステファン・ウーデンハル Steffan Odenhallという作曲家の協奏曲作品集に、ヨンソン氏がクレジットされていたのだ。「Steffan Odenhall Two Concertos(Phono Suecia PS-CD156)」と題されたCDに、「The Fugitive: Concerto for Alto Saxophone」なるサクソフォン協奏曲が収録されている。
ウーデンハル氏もまた、スウェーデン出身の作曲家である。興味深いことに、キャリアの初期にはバンドでサクソフォンを吹いていたのだという。さらに、クラシック音楽のみならずジャズバンドなどのためにも曲を提供しており、きちんとしたジャズのバックグラウンドを持つ作曲家のようだ。
「…ということは、だいぶジャズ風の協奏曲なのかな?」という期待は、第1楽章で見事に裏切られる。ピアノの極小パルスから始まり、冒頭のテンポが楽章全体を支配する。点描的な印象は、いわゆる一般的な"現代音楽"に括られると言って良いだろう。ところが、第2楽章でまたまた予想を裏切られる。ほぼ全編にわたってまるきりジャズのバラード風の楽章なのだ。あまりベタベタではなく、クラシックの端正さを残したスッキリとした曲だ。第3楽章は、こちらはカデンツも挟みながら徐々に高揚していく現代的な響きの楽章。
クリステル・ヨンソン氏の演奏は、本当に素敵だ。なによりもまず、音色が良い。点描的な第1楽章でさえも、ひとつひとつの音が宝石のように輝くのである。第2楽章のメロディアスな響きも、第3楽章のテクニカルな旋律線も、その美しい響きのまま難なく吹きこなしている。現代のサクソフォンの中では、ある意味一番好きな音色…と言ってしまっても良いかもしれない。
2011/05/09
原博巳さんのライヴCD
----------
というわけでだいぶテンションも落ち目。とりあえず、原博巳さんのCD「原博巳クラシックサクソフォンリサイタル(ハクミ音楽事務所 VSP-0008)」を引っ張り出してきて聴いている。
原博巳(sax)、伊藤亜希子(pf)
E.エルガー - 愛の挨拶
F.G.ヘンデル - ラルゴ
E.ボザ - プルチネラ
F.シューベルト - アルペジョーネ・ソナタ
G.ガーシュウィン - サマータイム
V.モロスコ - ブルー・カプリス
A.ピアソラ - タンゴの歴史
J.S.バッハ - G線上のアリア
A.ピアソラ - "タンゴ・エチュード"より
〜ボーナストラック〜
P.ヒンデミット - コンチェルトシュトゥック(ゲスト:林田和之)
P.ボノー - ワルツ形式によるカプリス
原博巳さんのプライヴェート盤で、Cafuaのファーストアルバム「森の静けさ」よりも前に制作されたものである。2000年6月25日に行われた函館市金森ホールにおけるリサイタルが、ライヴ録音としてまるごとCDに所収されている。サクソフォン・リサイタルのライヴ録音がそのままCDになるって、ありそうでなかなか無いと思う。
まず目につくのは、選曲の面白さである。エルガー、ヘンデルと来て、ボザ「プルチネラ」が置かれている。ずいぶんと奇妙に映るのだが、続けて聴いてもまったく違和感がない。そして、シューベルト「アルペジョーネ・ソナタ」である。「アルペジョーネ・ソナタ」が日本のサクソフォン界で流行りだしたのは2003年〜2005年よりも後だったと記憶しているのだが、それよりも早い2000年の録音…どういった経緯で取り上げるに至ったのだろうか。現在の原さんの印象である、がっちりした骨格の上に音楽を構築していくスタイルは、まだこの当時発展途上であり、しなやかに歌う演奏が印象的だ。そういう意味では、未だ個性を獲得しようとしつつある時期の録音、とも言えるだろうか。
そして、アメリカ産の「サマータイム」が聴こえてきたと思えば、続けて爆速のモロスコ「ブルー・カプリス」がガツンと響く。ケネス・チェ氏の演奏が印象深い同曲だが、あまりの高テンションさに思わず唸ってしまった。驚くことに、目立った疵もないまま、なんと6分30秒未満で駆け抜けてみせている。最近ではあまりジャズ風の作品を演奏することもないので、貴重な演奏かもしれない。
ピアソラは、おなじみのソプラノサクソフォン+ピアノというアレンジ。やや鋭く響くが、ここでは、ピアノの伊藤亜希子氏の音遊びに耳が引き込まれる。サクソフォンとして取り出してみると非常にクオリティが高い演奏のひとつと言えるのだが、それでも音のパレットを比較するとやはりピアノの本気には敵わない…のかな。不思議と、このピアソラの演奏だけそんなことを感じた。続くバッハとピアソラはアンコールだが、どちらも素敵。演奏会の終わりにふさわしい。
そして、ボーナストラックとして収録されたヒンデミットとボノーが、これまたすごい演奏なのだ。ラジオ録音を収録したものだというが、林田氏との火花を散らすようなこの演奏、ライヴで聴いたら凄かっただろうなあ。ボノーも、「森の静けさ」の名演が思い起こされる、スタイリッシュな演奏である。
本CD、たしか現在は廃盤のはず。もったいないなあと思っているのだが、再販の予定はないのだろうか。
2011/05/08
TsukubaSQ合宿でした
さて、演奏会も近づいてきた。各曲どこまでクオリティを高められるか…。
2011/05/07
【演奏会のご案内】Saxophone Duo Concert
----------
お知り合いの、Kさんと@@...さんのデュオコンサートである。おふたりともUnknownSQのメンバーなのだが、もともとはブログを通じて出会った二人なのだそうだ。いまどき、って感じですなあ。すでにお二人の実力の程は、サクソフォン交流会等でも実感しているが、こうした本格的なリサイタルで接するのは初めてだ。
まだまだ20代なりたて?ということで、こういう時期のリサイタルって非常に稀有なものだと思う。どんな演奏が聴けるのだろうか。今から非常に楽しみだ。
【Saxophone Duo Concert】
出演:木村佳、高橋龍之介(以上sax)、望月佳央里(pf)
日時:2011年5月13日(金)19:00開演
会場:かなっくホール
料金:全席自由500円(全額東日本大震災の義援金として寄付)
プログラム:
J.M.ルクレール - ソナタ
F.プーランク - トリオ
P.クレストン - ソナタ
他
問い合わせ:
http://k-musica-sx.jugem.jp/
http://ameblo.jp/rt-saxophone/
2011/05/06
大石さんの現代奏法講座
"現代奏法"と聴くと、「えー、現代曲のための奏法じゃん」と敬遠される皆様も多いと思うが(私的な考えでは)全くそうは思っていない。サクソフォンという楽器の演奏をもっともっと面白くすることができると考えている。特に、これまで吹奏楽や大編成だけに取り組んできた方とか、個人レッスンでロングトーン→スケール→練習曲とアカデミックなサクソフォン道を歩んできた方とか、そういった向きにはぜひおすすめしたい。
個人的にもちょっと興味があるので、うまく予定が合えばぜひ参加したいなと考えている。大石さんが演奏するマントヴァーニの「霧雨の狂」にも興味があるし…。ただ、最近は自分の本番が迫っていて(5/22)練習やらコンサートやら本番やらがスケジューリング出来ていない状態。一旦整理しないとまずいことになりそうだ。
以下、大石さんからのイベント内容紹介文。
来月14日に渋谷アクタスで「THE SAX」で連載した現代奏法コーナーの実践編!としてレクチャーを行います。
楽器を持って来てもらって実際に挑戦してみよう編、ということで私大石が親切丁寧にご指導させて頂きます。
そんでもって現代奏法がたくさん使われている、今年の管打楽器コンクールの課題曲「L'incandescence de la Bruine」も演奏します。ピアノはロン・ティボー国際コンクール入賞者の佐野隆哉君です。
対象は現代音楽に取り組もうとしている音大生やハイレベルなアマチュアのみなさままで、現代奏法に興味を持ってくださる方なら幅広い層の方に受講して頂ける様な内容にしようと思っています。
とのこと。そして「The Sax」を定期購読していなくても大丈夫なはず…笑。
【現代奏法教えます ~実践編~】
出演:大石将紀(sax)、佐野隆哉(pf)
日時:2011年5月14日(土)15時30分開場 16時開演
開場:ノナカ・アンナホール(セルマージャパン渋谷6F)
受講料:2000円(定員50名 要予約 要楽器持参)
ミニコンサートプログラム:
Bruno Mantovani - L'incandescence de la Bruine(2011年日本管打楽器コンクール第二次選択曲)
藤倉大 - SAKANA
問い合わせ:
03-5458-1521
http://nonaka-actus.com/?pid=30074543
原博巳さんのリサイタル情報2011
こんなに素晴らしいリサイタルであれば、もっと毎年毎年やってくれれば良いのに…などというのは素人考えなのだろう。この素晴らしさを実現するために、どれだけの時間と労力をかけているかなんて、まったく想像すらできない。しかも、今回はある意味リサイタルホールの"原点"とでも言うべき、伺うのがたのしみだ。
ただ、この日は仕事が長引く可能性が…(最悪行けない可能性も)。どうなることやら。
【原博巳サクソフォンリサイタル】
出演:原博巳(sax)、野原みどり(pf)
日時:2011年5月9日(月)19:00開演
会場:東京文化会館小ホール
料金:一般3500円、学生3000円(当日は各500円増)
プログラム:
A.マシス - 6つの練習奇想曲より
V.ダンディ - コラール変奏曲
P.ヴェローヌ - ラプソディ, Op.92
A.チェレプニン - ソナチネ・スポルティヴ
C.パスカル - ソナチネ
A.デザンクロ - PCF
J.イベール - 室内小協奏曲
問い合わせ:
03-3475-6870(インターミューズ・トーキョウ)
http://www2.ttcn.ne.jp/~harapon/affiche_recital2011.pdf
2011/05/04
第2回サクソフォン交流会レポート
今回のサクソフォン交流会は、事務方のマネージャとして動いていたため、作業の調整&実働等、直前までなかなか大変だった。人手不足なのはある意味しょうがないところもあるが。
前日、TSQの直前練習を終えて帰ってきたあとに、参加者用タイムテーブル&事務局用タイムテーブルをあわてて印刷。プログラム冊子やらチラシやら景品やら、持ち物の確認をしていると、ダッパーのイエロさんからメールが。お願いしていたメッセージを送ってくださったのだ。その超大作のレポートに、なんとなく勇気づけられつつ、眠ったのは1:00。あまりゆっくり休んだ気もしないまま、あっという間に朝6:00となった。
身仕度をして、7:00過ぎには出発(プログラム冊子とチラシが満載のキャリーバッグが重い)。体力を温存すべく、乗り換えが少ない路線を選びながら、東大島へ到着したのが8:00過ぎ。そこからホールへ徒歩移動。今回のホールは、前回と違って駅からのアクセスが悪いのだ。途中、セブンイレブンに寄り、ダッパーさんのコメントを印刷。ホール到着が8:30。8:50には事務局メンバーが集合し、ホール解錠。
ここからの動きは、前回の反省が活かされ、実にスムーズだった。あらかじめ各団体に仕分けした配布物を準備し、それぞれが用意したものを重ねただけ。参加金も事前振り込みであった。控え室を解錠し、お客様用の受付も設営して、あとは団体集合を待つだけとなった。まずはカキツバタさんが到着、次第に続々と参加団体が集まり…って、あれ?なんだか人が少ない(ホールの立地のせいか)。
そんなわけでちょいと開始は遅れたが、9:40頃には開会することができた。挨拶とメンバー紹介だけ行い、あとは押田さんにバトンタッチ。注意事項と動きを説明してもらう。レクチャーステージの並び順練習も、やれる時間があって良かった。
そして西尾先生をお迎えして、合奏ステージのリハーサル。当初予定では、レクチャーステージ形態のままステージと客席に分かれて演奏を行うはずだったが、ステージが想像より広いということで急遽全員がステージで演奏を行うことになった。私は、立場上リハーサルは客席から見学していたのだが、最初の合わせ段階からなかなか感動的なサウンドが飛び出した。さらに、短い時間の中で西尾先生の細やかな音作りが進行し、特に最終部の作り込みなど、素晴らしい仕上がりとなっていく様子を目の当たりにした。
合奏のあとは、開場まで45分。チラシ挟み込みやステージ上の片付けなども人海戦術でスムーズに進行する。参加者の皆様それぞれが動いてくださることが、ありがたい。
そしていよいよ開演…。
・しらこばと音楽団
ときどき参加させていただいている、ニジマスさん主宰の埼玉県の団体。この日は、ねぇ。さん、ニジマスさん、ゆうぽんさん夫妻、mckenさん、やまーさん、という布陣。冒頭に、なんと巷で有名な「あいさつ」の音楽を!びっくりした。ヤマト(バッキングが"ぽぽぽぽ~ん"にしか聴こえない)、そしてキレキレな「二つのアメリカ民謡」からヤンキー・ドゥードゥル。最後に「長崎は今日も雨だった」が演奏されたのだが、なんとここでも、たーひらさんが突然ステージに飛び乗るというサプライズが!驚いた~。
・Unknown Saxophone Quartet
ゲストをひとり加えて、さらに楽器をコンバートしてのエントリー。おなじみKさんの重厚長大系MCを冒頭に据えたが(実はこれが第1楽章と同じ長さだったとは、誰も気づいていないだろう!)、音楽はさすがフレッシュ!リズム感はピカイチだし、聴かせどころのツボを押さえているのはさすがである。二回の合わせでこのレベルまで引き上げてしまうとは、いやはや。
・Saxofono Rosso
こちらは東京ではおなじみの団体。母体となる人数はかなり多いが、今回は8重奏での参加だった。曲は「スターウォーズ」のセレクション。オーケストラ版の世界観がここまでサックス8本で表現できるのは、驚き…。例えば、メインテーマから、牧歌的なメロディが奏でられ、さらに再び帝国軍の巨大戦艦がドカンと出てくるあのシーンの、細かい弦楽器の動きなんかも、きっちり表現されていた。
休憩を挟んで第二部。第二部冒頭にはアレーズサクソフォンアンサンブルさんからのメッセージが読まれた。「とんこつ」の下りが素敵だ。
・Duo Green Green
毎度のことながら、MCが良い♪今回はピアニストを加えて、フェラン「パールサックス」を演奏。「パールサックス」は私もやったことがあって、何だか懐かしく聴いた(そしてDGGさんにこの曲をけしかけたのは自分だったかもしれない)。第2楽章の美しい感じとか、一転第3楽章のスウィングの感じとか、曲の素敵さが伝わる演奏だったなと思った。
・Lion Saxophone Quartet
司会の押田さんには"イケメン・カルテット"と評されていたが(^^;いやあ、人気でそうですね(笑)。私も前回参加もさせていただいた、波多江さんの門下生合同発表会で出合ったという4人によるカルテット。しかも、クラシック一本勝負の「グラーヴェとプレスト」!グラーヴェはまだ音の方向性を探っている感じだったが、プレストのくっきりとしたスマートな演奏は、さすがという感じだった。
・サクソフォンアンサンブル・なめら~か
昨年はサクソフォン四重奏だったが、今年はほぼフルメンバーでの参加。Thunderさんが"各奏者の適正と能力を最大限生かして書いた"というスペシャル・アレンジ。なるほど、Rossoさんとは、また違う聴こえ方で、最後のエンディング部分など少しずつ盛り上がっていくさまが感動的だ。今年の定期演奏会も楽しみ。
さらに休憩を挟んで第3部。こんどはダッパーサクセーバーズさんからのメッセージが読まれた。スワブ…笑。
・カキツバタサクソフォンアンサンブル
いやー、びっくりした。小型ドラムセットも加わってパワーアップした「キャラバンの到着」でぐっとひきつけ、続いてピアノ(maimaiさん演奏)との美しいバラードを。そして圧巻はバードランド。8人全員で登場したかと思えば、フルパワーで吹きまくる!ノリノリの演奏で、客席までも巻き込んだ、とても楽しい演奏だった。メンバーそれぞれ、きちんとしたポップスのバックグラウンドがあるのかな。普通のクラシック吹きの演奏ではなかったような。
・Tsukuba Saxophone Quartet
ということで、カキツバタさんの後は非常にやりづらかったのだが(^^;「アトム・ハーツ・クラブ・カルテット」はそろそろ慣れてきたが、「タルカス(実は日本初演だった)」はまだまだだなー。
・ラファンドゥモンド
昨年と同じルクレール「ソナタ」だったが、別の曲。またちょっと音色やアンサンブルや、少し違う感じになっていて、興味深く聴いた。少し落ち着いた音色になっていたような…?でも、技術的なバックグラウンドの安定さは見事なもので、跳躍やフィンガリング、音程感覚などは見事なものだった。
・That's Saxophone Philharmony
4月に行われた定期演奏会では、その正統派クラシックな響きに驚いたが、今回もまたその見事な演奏を披露してくださった。定期演奏会のときは、近藤久敦氏が指揮をつとめていたが、今回は指揮者なし。聞こえてくるのはThat'sさんのサウンド、そのものであった。指揮者がいなくとも同じベースの音楽が形作られているのは、活動の長さによるところもあるのではないだろうか(打ち上げ会場に向かう電車の中で、結成のころの話をTさんに聞いた)。
・レクチャーステージ
That'sのTさん発案によるこの企画だったが、結果的になかなか興味深い催しだったと思う。私はレスピーギ「リュートのための古風な舞曲とアリア」に参加。バロック時代のスタイルや時代感に即したコメントなどがあり、大変勉強になった。モーツァルト「"フィガロの結婚"序曲」は非常に難しい曲だが、それでも30分ののちにはなんとかなっていた(?)という一体感がすごかった。
・合奏ステージ
ヴァン=デル=ロースト「カンタベリー・コラール」。演奏の前に西尾先生の短いコメント…この曲を、昨今の事情を鑑み、ひとつの"祈りの音楽"として奏でたい…にも触発されたのだろうか、大変感動的な音楽が立ち上がった。なんども聴いたこの曲の演奏だが、ヒイキを抜きにしても素晴らしかったのではないかな。聴きながら、ちょっと涙してしまうくらいだった。
合奏ステージを終え、楽しい写真撮影の後は…えええっ!ホール利用可能時間が残り30分!大慌てで片づけを行い、最終確認を行ってぎりぎり3分前に撤退。危なかった(というか、常識的に考えれば10分まえには撤退していなければですね、すみません)。
打ち上げ先発隊を送り出した後は、付帯設備清算と講評用紙の振り分け(Duo Green Greenのみなさん、しらこばとのみなさん、ありがとうございました)を行い、That'sのTさんとともに秋葉原の打ち上げ会場へ移動した。打ち上げは、さらにメンバーが増えて大盛り上がり。ビールをジョッキ2杯ほどいただいたあとは、写真撮影などに徹していたのだが、とても楽しかったなあ。二次会への移動は、しんがりを務めていたところ、諸所の事情により大変だったが、なんとか。こちらもあまりお話している余裕はなく、電車の時間により早々に退散することとなってしまった。
あとは日記に書いたとおり"最寄り駅"からの帰宅はツラかった…。
以上。第1回交流会のあの盛り上がりを…ということで準備を進めてきたが、結果的に前回と同じ、いやそれ以上の充実した催しになったのではないかと自負している。かなりのパワーが必要だったし、さらに地震の影響で一時は開催自体危ぶまれたが、なんとかここまでたどり着けてよかった。
課題もいろいろとあって、たとえば一般の方への宣伝とか、聴きに来るなら演奏してほしいけれど、参加団体を増やしたい⇔参加団体が多すぎても午後いっぱいに収まらなくなってしまう、のトレードオフとか、開催地の選定とか、事務局メンバーの圧倒的不足とか…これらについてはいろいろと議論が必要だろう。
それらを補って、さらに魅力ある催しになるように活動を続けていければと思っている。
第2回サクソフォン交流会の録音
いまレポートをまとめている最中だが、最後に演奏された「カンタベリー・コラール」について、これはなかなかすごい演奏になったのだなと、今も感じている。交流会の事務局員のひとり、mckenさんもブログにその様子を書いているが、当日午前中の40分ちょっとのリハーサルにもかかわらず、本番は大変に感動的となった。アンサンブルステージの充実度とか、直前の西尾先生のコメントに触発された部分とか、70人近いサクソフォン吹きが集まった仲間意識とか、そこにはいろいろな要素が入り込んでいると思うのだが。
実は本番は、演奏には参加できずに客席で聴いていた。というのも、写真を撮れる人がいなくなってしまったためで…。西尾先生のコメントが始まる直前に、舞台から降りて写真撮影に回ったのだった。「カンタベリー・コラール」の演奏はおよそ6分。終わるころには妙に感動してしまって、鳥肌が立ったのを覚えている。ある意味役得だったのかもしれない。この録音は、ぜひ公開したい!…ということで、まずは編曲者の柏原さんあたりにコンタクトしてみようと考えている。
レポートは執筆中。明日にはブログにアップできると思う。
2011/05/01
第2回サクソフォン交流会、残務整理進行中
----------
今日は一日、録音の整備や写真の整理などをしていた。やはり全業務のクローズまでしっかりやってこそ、である。GW中にはある程度目処を付けなければならない。また、昨日の第2回サクソフォン交流会のレポートに関しては、きちんとまとめる予定。とにかく、できるだけ詳細に書いて、記録を残さなければならない。おそらくいろいろな方が書いてくださると思う(Kさんとか)。しばらくは余韻に浸りつつ、書き綴っていきたいと思う。