2011/05/09

原博巳さんのライヴCD

なんと、仕事終了が遅くなり本日の原博巳さんのリサイタルに伺えず…ショック。

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というわけでだいぶテンションも落ち目。とりあえず、原博巳さんのCD「原博巳クラシックサクソフォンリサイタル(ハクミ音楽事務所 VSP-0008)」を引っ張り出してきて聴いている。

原博巳(sax)、伊藤亜希子(pf)
E.エルガー - 愛の挨拶
F.G.ヘンデル - ラルゴ
E.ボザ - プルチネラ
F.シューベルト - アルペジョーネ・ソナタ
G.ガーシュウィン - サマータイム
V.モロスコ - ブルー・カプリス
A.ピアソラ - タンゴの歴史
J.S.バッハ - G線上のアリア
A.ピアソラ - "タンゴ・エチュード"より
〜ボーナストラック〜
P.ヒンデミット - コンチェルトシュトゥック(ゲスト:林田和之)
P.ボノー - ワルツ形式によるカプリス

原博巳さんのプライヴェート盤で、Cafuaのファーストアルバム「森の静けさ」よりも前に制作されたものである。2000年6月25日に行われた函館市金森ホールにおけるリサイタルが、ライヴ録音としてまるごとCDに所収されている。サクソフォン・リサイタルのライヴ録音がそのままCDになるって、ありそうでなかなか無いと思う。

まず目につくのは、選曲の面白さである。エルガー、ヘンデルと来て、ボザ「プルチネラ」が置かれている。ずいぶんと奇妙に映るのだが、続けて聴いてもまったく違和感がない。そして、シューベルト「アルペジョーネ・ソナタ」である。「アルペジョーネ・ソナタ」が日本のサクソフォン界で流行りだしたのは2003年〜2005年よりも後だったと記憶しているのだが、それよりも早い2000年の録音…どういった経緯で取り上げるに至ったのだろうか。現在の原さんの印象である、がっちりした骨格の上に音楽を構築していくスタイルは、まだこの当時発展途上であり、しなやかに歌う演奏が印象的だ。そういう意味では、未だ個性を獲得しようとしつつある時期の録音、とも言えるだろうか。

そして、アメリカ産の「サマータイム」が聴こえてきたと思えば、続けて爆速のモロスコ「ブルー・カプリス」がガツンと響く。ケネス・チェ氏の演奏が印象深い同曲だが、あまりの高テンションさに思わず唸ってしまった。驚くことに、目立った疵もないまま、なんと6分30秒未満で駆け抜けてみせている。最近ではあまりジャズ風の作品を演奏することもないので、貴重な演奏かもしれない。

ピアソラは、おなじみのソプラノサクソフォン+ピアノというアレンジ。やや鋭く響くが、ここでは、ピアノの伊藤亜希子氏の音遊びに耳が引き込まれる。サクソフォンとして取り出してみると非常にクオリティが高い演奏のひとつと言えるのだが、それでも音のパレットを比較するとやはりピアノの本気には敵わない…のかな。不思議と、このピアソラの演奏だけそんなことを感じた。続くバッハとピアソラはアンコールだが、どちらも素敵。演奏会の終わりにふさわしい。

そして、ボーナストラックとして収録されたヒンデミットとボノーが、これまたすごい演奏なのだ。ラジオ録音を収録したものだというが、林田氏との火花を散らすようなこの演奏、ライヴで聴いたら凄かっただろうなあ。ボノーも、「森の静けさ」の名演が思い起こされる、スタイリッシュな演奏である。

本CD、たしか現在は廃盤のはず。もったいないなあと思っているのだが、再販の予定はないのだろうか。

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