グラズノフのカリーナ・ラッシャー監修版がリリース?
グラズノフ「協奏曲」カリーナ・ラッシャー監修版
グラズノフのカリーナ・ラッシャー監修版出版予定
「なんだそりゃ」とお思いの方に簡単に説明しておく。サクソフォン協奏曲の傑作のひとつ、グラズノフが最晩年に書いた「サクソフォン協奏曲」は、サクソフォン界で最も有名な作品であるにもかかわらず謎に包まれた部分が多い。自筆譜からの楽譜の変更、A.Petiotとは誰か、作品番号が誤って付けられたのはなぜか、成立におけるLeduc社の役割は何だったか、ラッシャーの役割は何だったか…。これら一連の疑問については、日本サクソフォーン協会の機関誌「サクソフォニスト Vol.22」に寄せた私の記事を読んでいただければと思うが、それらに決着を与えるきっかけとなるであると期待されているのが、この楽譜なのである。
シガード・ラッシャー(この曲の献呈先)の娘、カリーナ・ラッシャー Carina Rascherが監修したということで、自筆譜に忠実な楽譜が収録されるほか、貴重な情報が満載とのこと。さらに充実した内容を目指したため発売が遅延したが、ご覧の説明通り、まさに全サクソフォン奏者必携の内容となりそうだ。来年あたりは、このバージョンでの演奏がブームになりそうだなー…というか、このバージョンの日本初演をするのは誰になるだろうか!?
This score contains the original version of the work without the alterations which were made in the proofs to the orchestral score as well as the full version of the composer's cadenza which was later shortened. The autograph manuscript also contains some performance markings by Raschèr. The correspondence between Raschèr and Glazunov documents the composer's thoughts on the work and his recommendations about the size of the accompanying string orchestra. Evidence from this correspondence has been integrated into this edition. This first scholarly-critical edition of a work by Glazunov contains an informative introduction with commentaries about the history of its composition, facsimiles and a critical commentary. The solo part includes both the complete and the shortened version of the cadenza as well as a cadenza by Raschèr which the composer authorised.
・自筆スコアに忠実な楽譜
・自筆譜の複製と、ラッシャーがつけた演奏上の注釈
・作品成立に当たりラッシャーとグラズノフの間で交わされた書簡集
・弦楽オーケストラのオススメ編成
・カデンツのフルバージョン、ショートバージョン、作曲家も演奏許可したラッシャーのバージョン
0 件のコメント:
コメントを投稿