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【埼玉大学吹奏楽部第46回定期演奏会】
出演:埼玉大学吹奏楽部、小峰章裕、土澤雄太(以上cond.)
日時:2010年12月25日(土曜) 14:00開演
会場:埼玉会館
プログラム:
P.スパーク - ハンティンドン・セレブレーション
田中賢 - 光は大宇(そら)に満ちて
A.リード - アルメニアンダンス・パート1
生澤広次 - ユーフォニアム狂詩曲作品19(独奏:鎌田裕子)
樽屋雅徳 - マードックからの最後の手紙
P.I.チャイコフスキー - 大序曲「1812年」
~アンコール~
L.アンダーソン - そりすべり
M.ジャクソン&L.リッチー - We are the World
A.リード - 第1組曲より"ギャロップ"
サックス関係の縁があって伺った。朝日新聞社主催の吹奏楽コンクールでいうところの"西関東ブロック"では、文教大学に次ぐ規模のバンドだ。買い物をしていたらなんと一曲目にギリギリ間に合わず(>_<)2階席に構えて、二曲目から聴いた。
田中賢作品は、最初なんとなく「...im Licht」のような音を想像していたのだが、もっと規模は小さくて聴きやすい作品だった。ソプラノサックスのソロがあるところなんか、少し似ているなあと思いつつ聴き入る。埼玉大学吹奏楽部を聴くのは初めてだったが、交響的な吹奏楽のサウンドで、とても安定した技術を持っているようだ。「アルメニアンダンス」は常任指揮者の小峰氏のタクトで。実にオーソドックスな解釈と、全体構成から聴衆を興奮のテンションへと誘う堅牢な全体構成に感嘆。もちろん、各見せ場でも聴き応えがあった。
協奏曲では、まず独奏の鎌田裕子氏の経歴がすごくてびっくり。なんと、3回連続で日本管打楽器コンクールに3位→2位→1位と入賞しているとのこと。ちょっと考えられない。昨年管打楽器この協奏曲は委嘱初演。独奏パートはえらく低音を多用した曲で、自分のユーフォニアムの趣味(中~高音域のバカテク系)からは少し外れていたが、独奏・バンドともどもスコアを音にしようとする気概が伝わってきた。細かい音でカッチリ音形をはめていくようなフレーズがたくさん現れたが、やはりこういう楽想?には管楽アンサンブルのバックは良く合うと感じる。
樽屋氏はいまや日本の吹奏楽界を代表する作曲家の一人。描写音楽を得意とするが、今回はタイタニック沈没事故へのオマージュ作品が取り上げられた。ケルトふうの音楽を一貫した主題に、愉悦~崩壊~哀悼が奏でられる。同じ学生の指揮だったが、田中賢作品よりもかなり練り上げられた演奏を楽しんだ。中間部のソロも素敵な感じ。
最後はチャイコフスキー「1812」。まあこの写真を見てくださいな(クリックして拡大)…何かの合同バンドのようだ。トランペット、トロンボーン、ホルン、ユーフォニアム、テューバが、全て2列編成(2管じゃないよ2列だよ)。さらにバスドラムはメインの一台に加えて、両側の花道に4台ずつの計5台で、見た目からして圧倒されてしまった。ダイナミックな指揮のもと、全120名の部員がステージに密集して、壮大なテクスチュアを描き出す。大きいホールだったが、それでもちょっと会場が小さいなと思ってしまうくらいの迫力。
冒頭の荘厳なコラールはサクソフォンアンサンブルに割り当てられていたが、このアイディアって吹奏楽のどの編曲でも同じなのかなー。なんかクラリネットアンサンブルとかでも良さそうな雰囲気だけど。
アンコールに、「そりすべり」と、「We are the World(ユーフォニアム独奏)」と、なんか聴いたことのあるギャロップっぽい曲(何の曲か教えてください…)。サンタさんが登場した「そりすべり」が、特に楽しさに溢れ、会場いっぱいに音がキラキラしながら拡がっていくかのようだった。
2 件のコメント:
埼玉大学吹奏楽部の者です。
昨日は定期演奏会にお越しいただきありがとうございました!
楽しんでいただけたなら幸いです。
ちなみにアンコールの3曲目は毎年恒例となっている「ギャロップ」でした(^^)
> C様
とてもレベルが高く、全編に渡って楽しく聴くことができました。サマーコンサートもぜひ伺おうと思っています。
アンコール曲についてのコメントもありがとうございました。「ギャロップ」は、あれから調べてみましたが、アルフレッド・リードの「第1組曲」の"ギャロップ"なのですね!ホール全体が大盛り上がりで楽しかったです。
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