2010/12/05

JacobTV氏レクチャー(質疑応答)

うーむ、ブログに書きたいことが溜まっているぞ。JacobTV Showのレポートもまだだし、今日はBCSEの演奏会に伺って、さらにその後練習だったし…。

というわけで、ひとつひとつ書いていくしかない。今日はJacobTVレクチャーの質疑応答の部分。最初の質問と最後の質問は、私が投げかけたものであるが、特に最初の質問は私が長年の間疑問に思っていたことだ。訊くことができて良かった!

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[Q] あなたが音楽に織り込んでいる音素材は、かなり極端な主張を含んでいるものが多いが、これらの内容はあなた自身の主張でもあるのか?
[A] 今日の午後の池谷薫監督のレクチャーを聞いていたら私の考えがもう少しわかりやすかったかもしれないが、池谷監督は自身が制作するドキュメンタリーの中で何かを主張することを好まない、と話していた。私も同じような考え方である。私は作品の中で何かを説いたり、何かを主張したりということは好まず意識的に避けている。
私は我々を取り巻くこの世界のことをとても面白いと考えており、またインスピレーションを受けている。だが、一方で私はこの世界のことを全て知っているわけではないし、誰も本当のことを知っている人はいないと考えている。
私はそういった世界で話されるスピーチのうち極端なものを取り上げて作品にしている。ベルルスコーニ首相やBroken Dreamsの素材となった宣教師など、極端な意見をしゃべる人たちは感情の高まりを表に出してスピーチを行っており、それこそが私の興味の対象である(だから、プーチン大統領は素材としては面白いと思わない)。

[Q] 今までインスピレーションを受けたアーティストはいるか?
[A] はい、プラスの意味でもマイナスの意味でも。現在、多くのアーティストが腐敗し、世の中は衰え、苦しみあっている、痛みあっている。Paradisoでは、命を保って生きて行くことの素晴らしさを訴えたいと思ってたが、むしろ生きていくことは苦しみと表裏一体である、ということがわかった。ある意味では現実逃避的な作品である、とも言えるだろう。
これで答えになっているだろうか?

[Q] あなたの作品に付随する映像について、専門のスタッフがいるのか?
[A] 知り合いに映像作家・ドキュメンタリー作家が多いので、恵まれた立場にいると思う。私の作品がドキュメンタリーとしてまとめられたこともあるし、時には私の周りを撮影チームがずっと付いて回る、といったこともある。
ということで、ビデオのための素材(マテリアル)はたくさんあるが、さらに私はいつもカメラを持ち歩いている(あとで使うことがあるかもしれない)。リヒャルト・ワグナーのように全て自分でできてしまえば良いが、そうはいかないため、映像に関しては専門家の力添えを受けている。

[Q] Boombox Musicについて、小さい空間 or 大きい空間など、どのような場所で演奏されることを好むか?
[A] Boomboxはスケールが小さいものに限定されると考えている(高々2、3の楽器とラジカセの組み合わせであるから)。
先週日本の女性のサックス奏者が、演奏した映像を見せてくれた:浜辺でboombox Musicを演奏していて、近くでアクション・ペインティングを行っている。周りの人は通りすぎていったり、たまに足を止めて聴いたり、という状況だが、これをとても素晴らしいと感じた。逆に、チャロとBoomboxの組み合わせで教会などで演奏すると、反響で音が分からなくなってしまうため、あまり合わないと思う。
だが、Boomboxの良いところは、持ち運び可能でボタンを押せば演奏できるというところだ(日本のカラオケに似ている)。つまりストリートでも聴いて・体験してもらえることができるということで、私は作曲のアカデミックな勉強もしたけれど、音楽はストリートへと飛び出すべきものである、と考えている。

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