ジャン・ルデュー四重奏団のCDを久々に聴いた。その昔、イィンドジフ・フェルド Jindrich Feldの「四重奏曲」を吹くときに参考にした演奏で、おなじみmckenさんからお借りしてMDに録音してあったものである(Calliope CAL 9238)。
P.M.デュボワ「四重奏と管弦楽のための協奏曲」
R.カルメル「合奏協奏曲(コンチェルト・グロッソ)」
J.リヴィエ「グラーヴェとプレスト」
J.フェルド「四重奏曲」
ジャン・ルデュー Jean Ledieuは私が世界一好きなバリトン・サクソフォン奏者。デファイエ四重奏団のバリトン奏者としての活動を1988に終えたあと、自身の名を冠し、自らの子の世代とともにルデュー四重奏団を結成し、さらに10年以上に渡って活動を継続した。ちなみに、ソプラノサクソフォンはあのファブリス・モレティ氏である。確認できる最新の商用リリース録音は、2003年に録音されたリュエフ他が収録されているCD。時にルデュー氏、73才。ところで現在は活動しているのだろうか?
そんなルデュー四重奏団だが、吹き込まれたいずれのCDも素晴らしいと感じる。珠玉の出来を誇るサンジュレ他が収録されたファーストアルバム(Opus)、上にチラと書いた最新アルバム、そしてこのオーケストラとの共演アルバムである。少し珍しいところだと、ガスパリアンの室内楽作品集なんてのもあったかな。持っていないけど。
サックス四重奏+オーケストラという編成では著名なデュボワ、カルメルに、こちらは純粋な四重奏曲であるリヴィエ、フェルド。ワインのごとき芳醇な音色(ちょっとサックスの音場が近いのが気になる)、キラキラの才気に満ち溢れたエスプリ、もちろんベースとなる技術もしっかりしている。
デュボワ、カルメルは、キャトル・ロゾーの25周年記念盤にも収録されており、聴き比べてみるのも一興(キャトル・トゾーはライヴ録音)。デュボワは、個人的には四重奏版よりも面白い要素が満載だと感じる…第2楽章の魅せ方など、およそ後からオーケストラパートをつけたとは思えない。さらにその曲としての面白さに、演奏の魅力が加わるのだ。フェルドは珍しい作品であり、CD録音されることは稀。私もこの録音以外にはフルモー四重奏団の録音くらいしか持っておらず、個人的な考えではもっと多くのカルテットに取り上げて欲しいと考えている。曲が要求する精緻一辺倒というわけにはいかないが、この温かみもルデュー四重奏団の魅力かな。
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